風,さわやか
教えられた病室を尋ねたが,誰もいない。
「ん?」
「先生,こっちにいますよ」
一杯聞こし召したような顔色は,トイレでぎばったせいかと邪推したが,私を見て興奮しちゃってと言う。
こんな言葉が出るようならもう大丈夫だ。
27日(木)。
午後と夕方の時間が空いた(パソコン教室は休講)ので,父を見舞った足を伸ばして村上君が加療中の東広島市に足を伸ばすことにした。
山陽自動車道の広島東~西条は事故の多い区間で,夕まずめに軽トラックで走るのは厳しい。大型トラックと乗用車がびゅんびゅん追い越して行く。彼もこの道路を運転して帰った。
車庫に車を入れ下車しょうとして,左半身が動かないので細君を携帯で呼び,救急車で東広島市の国立病院に搬送された。幸い出血量が少ないというので,投薬によって出血を止めた。手術しなくても,固まった血液は時間の経過とともになくなっていくのだという。
もともと高血圧で治療を促されていたとらしいが,男子駅伝が迫っていたのと,その後に
ドックに入院する予定であったので仕事を優先したようだ。
結婚式以来となる細君への再会を期待したが,機能の回復とともに饒舌となった口害で,早々に退散したらしい。介護休暇を取って世話してくれているようだ。
一般国道・県道を走っていたら,自動車道上で異変があったら,と,ぞっとするが,細君の措置も早くて助かった。
リハビリのために今の病院に変わったが,2週間前から杖をついて歩けるほどに回復している。
今年を含めて定年まで3年。完全回復を待って復帰したいようだが,なに,彼なら,体育の授業と陸上競技の指導は“口”だけで十分に出来る。
それに,再生への姿を見せることが,何物にも代え難いちからを生徒に与えることになる。
帰路は一般国道2号をとった。
マエケンの力投によって,今日の広島カープは順調で,窓からはいる風邪も心地よい。
マエケンも,すでに8勝を挙げたが,シーズンも人生も長い。力まず無理をせず,魁皇関のように勝ち星を積み上げてほしいものだ。