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八百長騒動-2

2011-02-05 08:14:36 | メモ
 耳で取る相撲,携帯で取る相撲 《天風録・中国;2月4日》

▲「相撲は耳で取るんですよ」。そう言ったのは昭和の名横綱,栃錦だった。がっぷり組んだ相手の息遣いに耳を澄まし,吐いた瞬間に技を仕掛ける。巨漢を小気味よく投げ倒す極意は,入門時に師匠から直接教わったという。
▲それが今や「相撲はメールで取れ」なのかと言いたくなる。「俺は誰に借りているかな?」「ダメなら20万は返して」と八百長疑惑が発覚するきっかけとなった携帯メール。星の貸し借りや売買を悪びれているようには思えない文面が,何ともやるせない。
▲それにしても角界は不祥事続きだ。とりわけ今回は,力士の本分である土俵そのものを揺るがす事態。砂を舞い上げ,激しくぶつかる真っ向勝負を望んできたファンにとっても,それこそ砂をかむ思いに違いない。
▲もともと長兵衛という八百屋さんが,相撲の親方の機嫌を取るため囲碁でわざと負けたのが八百長の語源とされる。だからというわけではないだろうが,角界ではこれまでも疑惑が繰り返し指摘され,そのたびに否定する歴史を重ねてきた。
▲音声を発しないメールは当事者以外に気付かれにくく,内緒の企てに使いやすい。それは,角界全体の「耳の衰え」と相通じてはいないだろうか。もっと世間の声に耳を傾けなければと,栃錦も嘆いているだろうに。

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