それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「テルマエ・ロマエ」

2012-06-15 | 映画
マンガ大賞&手塚治虫文化賞のW受賞を果たした、ヤマザキマリの大ベストセラーコミックを実写映画化。古代ローマで浴場の設計をするルシウスと現代日本の風呂好きたちが、ローマのために闘う。理由は分からないが、とにかく古代ローマから日本にタイムスリップしたルシウス。漫画家志望の真実の恋心に気づいてか気づかないでか、新しい風呂とローマの未来に思い悩む。現代人の真実は、歴史の知識を活かして、ルシウスの力になろうとするが…。出演は、阿部寛、上戸彩、北村一輝、市村正親、宍戸開、笹野高史。日本を代表する顔の濃い役者を集め、原作のイメージを全く崩していないことに拍手。監督を務めるのは、「のだめ」シリーズの武内英樹。


友達がこぞって「面白い」と言っても、私は頑として観に行かなかった。

…だいたい、テレビで宣伝しすぎなのよ。
…新聞の全面広告を占拠して企業とタイアップしてなかった?やだやだ。
…「濃い顔の俳優を集めました」ってことばかり強調して、そういう出オチ的な作品ほど面白くないのよね。

とか何とか文句を言いつつ、
「結構ヒットしてるようだし、溜まったポイントでも使って観るか」と
実は観たくてウズウズしていた自分を誤魔化しながら観賞。

で。
「くっだらねぇぇぇぇぇ!」この一言に尽きます。(もちろん褒め言葉)
「究極のバカバカしさ」に、いい大人が真剣に取り組んでいるのが凄い。
前半はルシウス(阿部寛)が古代ローマから現代の日本へタイムスリップして
その文化のギャップに驚く…というシーケンスを、これでもかと繰り返す。
阿部ちゃん渾身の演技が爆笑モノなんだけど、この絶妙の「間」が絶妙に計算されている。
後半は少し「映画らしく」なっちゃって拍子抜けだったけど、筋が通っているのが見事。

観終わった後もさんざん「くっだらねぇぇぇ!」と悪態ついておりましたが、
でも市村さんの過度に誇張された顔芸とか、
笹野さんの平たい顔族代表の表情とか、
一流どころが真剣になっているところに、なんだか邦画の底力までも感じてしまう。
こんな映画にこれほどの資金と情熱をかけられるということ。
ああ、なんて幸せなんだ!
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「宇宙兄弟」

2012-06-15 | 映画
2011年の講談社マンガ賞と小学館漫画賞を同年にW受賞した小山宙哉のベストセラー・コミックを実写映画化。少年時代に宇宙を目指す約束を交わした兄弟が、人生の紆余曲折を経験しながらも、互いに宇宙を目指して奮闘する姿を描いている。約束を守るためにまっすぐに突き進むムッタとヒビトを演じるのは、若手屈指の実力派人気俳優の小栗旬と岡田将生。夢をひたむきに追いかける兄弟の姿を通し、忘れかけていた熱い思いを蘇らせることができる感動作。NASAケネディ宇宙センターでの大型ロケや、JAXAの全面協力で成し得た壮大なスケール感も見逃せないポイント。コールドプレイが提供した主題歌も聴き逃せない。


私にしては珍しく漫画3巻分、アニメでちょっとだけ予習してから観に行きました。
お目当ては小栗旬でも岡田将生でもなくて、、、、よっしーこと井上芳雄さんです。

とてもよくできていました。
漫画のテンポとエピソードを丁重に掬い取っていますし、
濱田岳くんや麻生久美子、各々の役者さんが「あ~もうなんてピッタリなの!」と
上映中何度もうなるほどのハマリ具合でした。
特にムッタとヒビトの子役が、「よくぞ探してきた!」とこれまた何度も唸りました。
芳雄くんも、頭脳人柄含めて、嫌みのない「デキる奴」を好演。
美味しいシーンもあったしね(笑)

原作が訴える「夢を追うことの素晴らしさ」を、
熱過ぎず冷め過ぎずの絶妙な温度調整で描写していくのが小気味よかったです。
2時間長の映画としてメリハリをつけるために急ぎ過ぎた感もあるけれど、
これは原作が続く限り続編を作ってもいいのでは。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする