それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「信長協奏曲(のぶながコンツェルト)」

2016-01-27 | 映画


戦国時代にタイムスリップした歴史が苦手な高校生サブロー(小栗旬)は、自分と顔が酷似した織田信長(小栗旬)と遭遇する。武将の座を投げ出したいと考えていた彼と入れ替わったサブローは、知らず知らずのうちに史実の信長と同じ道を突き進んでいく。安土城を築き上げ、妻・帰蝶(柴咲コウ)から慕われ、恒興(向井理)をはじめとする家臣からの信頼が厚いサブロー。明智光秀を名乗って生きる信長は、そんな彼に嫉妬し、憎しみを抱くように。やがて信長は、本能寺で帰蝶との結婚式を挙げるサブローを亡き者にしようとするが……。


2014年放映のテレビドラマは面白く見ておりました。

日本史は苦手というか興味が全くなく、いわゆる「史実」というものは頭に入っていません。
戦国時代の武将のイメージはおおよそ大河ドラマから得たものだし、しかも織田信長さんに関するエンタメ作品は履いて捨てるほどあるので、どこまでが史実でどこからがフィクションなのかが全くわかりません。
その際たるものが「女信長」で… あれは黒木メイサさん演じる信長とあっきー演じる明智光秀、という奇想天外なストーリーだったので、それが頭の中に残ってしまっているのは結構困るところがあります。

でもこの映画は、最初からエンタメ度120%だったので、かえって安心して(?)見られました。
奇想天外なストーリー…というよりファンタジー。タイムスリップネタのルールがあるのかどうかわからないけれど、歴史が変わらないのはお約束なんじゃないの?とか、そもそも「歴史が苦手な高校生」って言っても本能寺の変ぐらいは知っとるやろ!とか、いろいろな疑問が頭に渦巻きました。でも「いやいやこれはエンタメ映画なんだから」と思うと、これはこれでアリかな~とゆるりとした気分で見ることができました。

衣装の奇抜さ、合戦シーンの迫力、ある意味大河ドラマの対極にあるようにポップで軽め。歴史好きの人は見ない方がいいレベルかも。
演出的にも強烈に印象に残ること場面はなく、ドラマのスペシャル版にしたら?という雑言にはっきり反論ができません。
役者さんはもう山田孝之が全て持ってっちゃた感があります。というかこれは秀吉の話なのか?というぐらい、深く物語の行く末を左右しますが、目の表情だけで語る素晴らしさ!刀を何度も突き刺し恨みを晴らす場面、同じ行動が何度も何度も繰り返されるけれど、ぐっと心が掴まれました。

まとめると「デートムービーでカレシが奢ってくれるなら見ても楽しめるかも」ってところかな。(それは彼氏に失礼…)
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1/22お茶会レポ閲覧のご案内

2016-01-24 | 日記
1/22のファンクラブお茶会のレポを限定公開しております。

申し訳ありませんが、中川晃教さんFC会員の方のみの閲覧とさせていただきますので、以下のパスワードを入力の上ご覧ください。

パスワードは、
1/17付サンデーメール本文の「サンデーメールの時間です。」に続く文章の、冒頭の漢字2文字をローマ字表記にしたアルファベット7文字です。

拙いレポートですが、どうぞよろしくお願いいたします。


「DNA-SHARAKU お茶会」レポ 1/22 → ここ をクリックしてください。

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「パディントン」

2016-01-20 | 映画


長年世界中で愛されている、マイケル・ボンドの児童文学「くまのパディントン」を実写映画化。見知らぬ国にやって来たクマが親切な家族と出会い、パディントンと名付けられて新しい冒険に乗り出す姿を映す。『ハリー・ポッター』シリーズなどのプロデューサー、デヴィッド・ハイマンが製作を手掛け、『追憶と、踊りながら』などのベン・ウィショーがパディントンの声を担当。キュートな主人公の活躍が老若男女の心をわしづかみにする。



「くまのパディントン」。小さい頃に夢中になって読んだ大好きな本です。
福音館書店のハードカバーは今でも本棚の隅にあり、亡き母がロンドンで買ってきてくれたぬいぐるみは、大切な宝物です。

私はこの本のおかげで、イギリスの文化に触れることができました。
イギリスでは朝ごはんに何を食べるか、クリスマスプディングのなかの銀貨の意味、12ペンスで1シリングになるお金の単位、11月5日のガイフォークス・ナイト。
子供はみんな学校は寄宿舎に行き、長い休みのときだけ自宅に帰ること、おうちにはメイドがいること。
階級社会という言葉をここから学びました。

本の初版から50年以上経過していますが、映画では設定が現代に置き換えられています。
ブラウンさんの奥さんは仕事を持ち、メイドのバードさんは親戚ということになっています。
ジュディとジョナサンは家から学校に通い、そこでは肌の色の違う子供が一緒に勉強をしています。

それでも、本の中にいたパディントンのキャラは全く変わらない。礼儀正しいって言っているけど、向こう見ずででも憎めなくて、本当にカワイイ。
簡単な線画でしかなかった本の挿絵のパディントンが、色がついてモフモフになって目の前に現れたときの驚きといったら!
ちょっと涙が出てしまいました。

隣の家に住むケチで嫌味なカリー氏、ポートベロ通りの骨董店のグルーバーさん。一緒に11時にお茶を飲むんだよね。
原作にある登場人物をそのまま登場させてくれるけれど、映画のストーリーはほぼオリジナルと思われます。
それは映画の中でしか表現できないものでした。

わっかりやすい悪役がわっかりやすい方法でパディントンの命を狙い、わっかりやすい展開で危機一髪で危険を回避する。ミッションインポッシブルやBORN TO BE WILD、世界中誰でも知っている音楽が使われる。でもこれが水準高いCGで描かれ、洪水の様子もマーマレードのとろみもド迫力。
私の隣の席で映画を観ていた幼稚園ぐらいの男の子は「あぶないよ!ああーまずい!そっち行ったらダメ!」と画面に向かって叫んでました。これでこそファミリー映画だよね。(今回は吹替版で観ました。ブラウン氏の吹替えに古田新太が起用されていたのに納得)

期待を裏切らない、大人の鑑賞にも十分な作品でした。
…本の中のバードさん名台詞「クマはコマらないようにできているんですよ」が聞きたかった気もするけどね。
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「DNA-SHARAKU」 1/14 マチネ

2016-01-16 | 舞台
ミュージカル「DNA-SHARAKU」
1/14(木) マチネ 新国立劇場中劇場 2階2列センター(A席)



(先週観劇の思い出し記録。相変わらずネタバレ満載です)







いつも演劇見るときに思うのですが、「自分は初見のときは7割ぐらいしか消化できていない」ってことです。
特にオリジナル作品で出演者が多いスケールが大きなものだと、残り3割の取りこぼしも大きくなる。

初日に大きく見逃してしまったのが、松平定信さんです。
あれ、カミシモ着ている人がいるけど誰?在人さんがお酌してるけど?でも中の人サカケンさんだよね?
…と迷いながら見ているうちに台詞を追えなくなり、そのあとに繋がる在人の行動に唐突感が。なるほどだから侍の衣装で日本刀なのね!

そんなわけで今回は2階席の2列目から観ましたが、全体が把握できてよかったです。
特に江戸の場面では「こちらの部屋ではこんなことやってんのね」というのが俯瞰できて。
ま、つまり「残り3割」に重要情報があると初見の自分評価が下がってしまい、それが贔屓の出演者に関わることだと終演後のお友達との反省会で「なんかよくわかんかったよね~」とさらにその自分評価が倍増してしまう…ということですね。

2階席からの遠目でも、在人のカラコンがどっから見ても四白眼で、不気味な雰囲気を出していました。メイクも近未来感を出しているのか、白っぽくてマットな質感。そのまま和服を着て刀振り回すともっと不気味。
やはり衣装やメイク、小道具も大道具も「お金かけてんな~」というのが実感です。

そして、たぶん展開がわかっているからこそもストーリーの中に入りこめた。この作品を通して主張したいことは実に明白で、それが私たち「芸術を愛でるもの」(カッコよく言えば)の姿勢が問われることなんだから、ズキュンとするのは間違いないよね。
なんせ感情をスキャンされちゃったんだからさっ!

初見でキョトンとしてしまった2幕クライマックスの「写楽ショー」もすごく楽しめました。なんというか過剰なサービス精神があって。
ここで「よし手拍子入れよう!」と思ったのですが、最初から通して全然拍手も手拍子も入らない…というか自粛モードな雰囲気があってできませんでした。
憶測ですが、初めてミュー出演のナオトさんファンや秋葉原方面からの出演者ファンの間で「はしゃぎ過ぎて引かれないようにしよう」という遠慮ムードがあったのかも… 
いやいやカテコ(特に千穐楽など)だったら、掛け声かけても許されるような気がするけど。だったら私も「あっきー!」って掛け声かけられるし(そっち?)

展開も演出もよくわかっているリバイバル作品や、ミュージカル的要素満載の作品が好きな人には「歌をもっと聞きたかった!」と思うのはやむを得ないかと思います。
あときっと「なんとしてでも3時間以内」という縛りがあったのかしれない「ダイジェスト感」があったのも確か。
でも「ええ~」という出演者が誰もいなかったのもよかったし、お正月に相応しい豪華で祝祭感あふれる作品でした。



(追記 1/16)
収録カメラが多数入っていたと聞きました。これはNHKで放送するよね!映像を加えたりなどの工夫があるかもね!
期待してHDDの余裕を作っていきたいと思います。
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「DNA-SHARAKU」 1/10 初日

2016-01-11 | 舞台


ミュージカル「DNA-SHARAKU」
1/10(日) 初日マチネ 新国立劇場中劇場 1階10列上手

【演出・脚本・作詞】小林 香
【音楽】井上ヨシマサ
【映像】齋藤精一(ライゾマティクス)

【出演】ナオト・インティライミ / 小関裕太 / 新妻聖子 / 坂元健児 / 田野優花(AKB48) / ミッツ・マングローブ / 藤岡正明 / Spi / 大野幸人 / Miz / 朝海ひかる / 中川晃教 / イッセー尾形 ほか


【上演時間】2時間55分(1幕90分+休憩20分+2幕65分)劇場発表より。初日はカテコ含め3時間ちょい越えぐらいでした。
(追記:1/11現在、1幕は85分に短縮との情報ありました)
【グッズ】パンフレット2000円。ひとり2ページの写真、Q&A、ナオトさんと小関くん対談に加え写楽や人工知能に関する解説文、演出小林さんによる参考資料解説など。他にも手ぬぐい、マグカップ、トートバッグなど。出演者個人のグッズは販売なし。


(以下、ストーリーや演出のネタバレがあります)








初日に行ってまいりました。で、今日になってようやくパンフレットを開いています。
今さら知ったんだけど、主催はNHKエンタープライズさんで、これは創立30周年記念事業なんだとか。演出家へ与えられた命題は「クールジャパンの源流を探る」だそうです。思っていたよりずっとハナシが大きいんですね。

その演出の小林香さん、今まで「Underground Parade」「TATTOO 14」「ピトレスク」、あとStarSコンサートを拝見したのですが、私が持っているイメージは「はっきりした起承転結はないけれどがっつりした世界観がある」。
今回の作品もその通りでしたが、規模がとてつもなく大きくなっていました。

当初「4つの時代を舞台にする」と言われ「うわー理解できないかも」と心配しましたが、江戸時代と100年先未来の行き来が多く、台詞もわかりやすい。なんといっても映像表現がすごくって、紅白歌合戦を思い出しました。紅白って「数分間のパフォーマンスに全てをかける」というギラギラ具合が大好きなのですが、絶え間なく舞台全面に投射される映像のクオリティが素晴らしかったです。
ストーリーや設定に少しゴーインなところもあるけど、SHOWの要素のところがとっても見応えがありました。
初日特有のアレコレはいろいろあったけど、このあとは芝居部分もテンポアップするだろうし、ソロの後は自然と拍手も起こるだろうし(初日は客席も固かった)、次回の観劇時は期待したいです。

演者はなんといってもナオトさん!
「当て書きというのはこういうこと」という見本を見せてくれたようで、親しみやすいキャラが好感度MAXでした。ダブル主演の小関くんは対応するように若さゆえの鬱屈とか危うさが見えて頼もしかった。
あとミッツさんがあんなに歌えるとは…とか聖子ちゃんの薄幸な感じが見事…とか田野ちゃん(と呼んでいいの?)がすっごい魅力的でこれからミュー主役張れるかも?…とか大野くんMizさんのおかめひょっとこチームの祝祭感…とか語りたいのですが、また別の機会に。


では在人(あると)について。
さらに大きくネタバレします。辛口であるようなないような。











ゲネプロでの囲み会見の模様が、アップされていました。

 DNA-SHARAKU 囲み取材 アステージ【Astage】

あっきーは1:50あたりから役どころについて短く話しますが、コメントし終わったあと、すぅっと後ろに下がるんですね。
本番もまさにこんな感じでした。
終演後、観劇したあっきーファンの感想がなかなか上がってこないことからも「察してくれ」という言葉が最適かも。

在人は徹底した悪役なので、もちろん舞台上では仲間外れだし一番の見せ場の「写楽ショー」にもいないし、それは仕方ないんですが、なんかこう非常にモヤモヤしました。出番の多い少ないではなく。

ここからは私の個人的な思いなんですが、在人はその出自といいビジュアルといい「SAMURAI7」のウキョウ様を彷彿とさせます(あっきーは「こういう役は初めて」と言ってるけどね)。過去作品と比較するのは全くもって野暮なんですが、ウキョウ様には悪役たるべくの「裏打ち」がありました。
在人は人工知能に育てられたというベースがあるけれど、私にはその行動原理があまり見えなくて…「なぜ今和服で登場?」「なぜそこで刀を出す?」と突発行動に驚くばかり。これも下種の勘繰りなんですが「ああー各所カットされたのかなぁ」と邪推してしまう。

ま、これだけ登場人物が多いんだから一人アタマの配分時間が短くなるのは十分承知なんですが、ファンの欲目というか、そんな狭い了見の自分も恥ずかしいのけど… 時間と代金に見合うプラマイをついつい考えてしまうのは仕方ない。

まあこういうこともよくあることで、今後はプラス要素を探して楽しみを見つけることに方向転換かな。音楽担当の井上ヨシマサさんによると「毎回台本にない事ばかりやる天才 中川晃教」だとか。
次回の観劇までに自分の頭の中で在人くんのことをいろいろ妄想して、持ち込みたいと思います!
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