2020年2月26日。
わたしは日生劇場で「天保十二年のシェイクスピア」を観劇していました。
この日、文化イベントの開催に自粛要請が出され、以降劇場の扉は長い時間閉ざされることになりますが、そのときはなんとなく不安を覚えるもどこか他人事に感じていました。
あの日の自分ってなんて呑気だったんだろう…
3月に奇跡的に「アナスタシア」を観ることができたものの、それからは「中止」「延期」のお知らせに怯える日々。
頻繁にTwitterをチェックし、手元チケットを払い戻ししては動画配信のチケットを手配し、延期のお知らせによるスケジュール調整、もう何が何だかわからなくなってきました。
劇場が再開してはじめて足を運んだのがPARCO劇場の「大地」。
作品がどうのと言うよりも、入場時の検温や消毒など「これでもか」というほどの厳密な感染対策、客席でもロビーでも誰も一言も喋らない緊張感。
あの「必死さ」はずっと忘れられない。
それからは動画配信で上演する例も多くなってきました。
この記録にはコンサート形式の作品(チェーザレコンや帝劇コンなど)はカウントしていませんが、結構な本数の動画配信を見ました(JBコンは役柄があり台詞もあったので演劇と見なしました)。
最初のうちは上演するほうも見るほうも手探り状態だったけれど、アーカイブの有無や金額設定など徐々に折り合いがついてきた印象で、こちらも作品ごとに取捨選択をする余裕も出てきたように思います。
結果、年間の観劇費用は例年と変わらなかったです。
オセロの駒がパタパタと裏返されるように、あっという間に世界が変わってしまった2020年。
それでも、演劇が消えることがなかったことが、心の支えです。
私のように劇場に行くことが「不要不急」ではなく、毎日の生活を潤す大切な存在だと思っている人が大勢いるということですよね。
来年もこの流れが続きそう。
マスクを取って、カテコでは思いっきり声援を送りたいけれど、しばらくの我慢ですね。
ただ一つ残念なのは、上演中止になりこの座組で再演される可能性が極めて低い作品もあるということです(「桜の園」など)。
演劇が持てる宿命のようなものを感じた年でもありました。
■ 2020年に観た舞台
1月
フランケンシュタイン(日生劇場)✕ 4
2月
CHESS THE MUSICAL(東京国際フォーラムホールC)
ねじまき鳥クロニクル(東京芸術劇場プレイハウス)✕ 2
フランケンシュタイン(梅田芸術劇場)
天保十二年のシェイクスピア(日生劇場)
3月
偽義経冥界歌(ライブビューイング)
アナスタシア(シアターオーブ)
7月
大地(PARCO劇場)
Defiled-ディファイルド-(動画配信)
ジャージー・ボーイズ イン コンサート(帝国劇場)✕ 2
ジャージー・ボーイズ イン コンサート(動画配信)✕ 2
SHOW-ISMS(動画配信)
8月
ジャージー・ボーイズ イン コンサート(帝国劇場)✕ 2
SHOW-ISMS(動画配信)
9月
VIOLET(東京芸術劇場プレイハウス)
ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~(赤坂ACTシアター)
10月
十二年の怒れる男(シアターコクーン)
ローマの休日(帝国劇場)
真夏の夜の夢(東京芸術劇場プレイハウス)
11月
ビューティフル(帝国劇場)✕ 4
フリー・コミティッド(動画配信)
プロデューサーズ(シアターオーブ)✕ 2
12月
23階の笑い(世田谷パブリックシアター)
■ チケットを手配した中止公演
桜の園(シアターコクーン)
チェーザレ 破壊の創造者(明治座)
ウエスト・サイド・ストーリーSeason3(ステージアラウンド東京)
ある馬の物語(世田谷パブリックシアター)
ジャージー・ボーイズ(帝国劇場)
スクール・オブ・ロック(Brillia HALL)
この記事は年明けに書きましたが、あとから自分が検索するために投稿日時は昨年の日付のままにしています…