「ぼくに炎の戦車を」 11/19(月)ソワレ 赤坂ACTシアター 2階C列センター
【作・演出】鄭 義信(チョン・ウィシン)
【出演】草なぎ剛 / チャ・スンウォン / 広末涼子 / 香川照之 /高田 翔/ 成河 / 馬淵英俚可 / 青木崇高 / 安寿ミラ / キム・ウンス ほか
劇場入り口に貼ってある「上演時間のお知らせ」を見て、まずビビる。
「一幕95分 休憩20分 二幕95分」
えっ、ということは正味3時間10分で、休憩入れると4時間近く~?
長いよ…赤坂ってアクセスが悪くて、家まで結構時間かかるんだよね…
とブツブツ言っていると、劇場の係が「はいっ」とのど飴を渡してくれる。
これって「長時間だから飴でも嘗めて気分転換してください」ってことなんだろか。
(ではなく、香川さんがCM出演しているスポンサーさんからでした。ご馳走様でした)
まあ実際に長時間だったですが、
久しぶりに、「たっぷり観た~!」という充実感。
最近は軽めの作品ばっか観てたから、余計にそう感じるのかもしれない。
タイトルやポスターの雰囲気から、もっとストイックで重苦しいものを想像してましたが、
思いがけずいっぱい笑っていっぱい泣いて、
電光掲示板に表示される韓国語の台詞を忙しく読んだので、いっぱい疲れました(笑)
本筋は、韓国の放浪芸人集団である男寺党の親方と、日本人教師の関わり、
民族間の対立と差別が根幹になりますが、
大道芸人の綱渡りや皿回し、ナイトクラブの女給が余興で見せる踊り(ダンスとは言い難い)などの芸が
賑々しく盛り込まれます。
また、いわゆるサイドストーリーが結構濃ゆい。
特にソンハくん(成河)は…あれでいいのかなぁ(爆)
ハジケっぷりが度を越していて、オバサンは目のやり場に困りました…
青木崇高くんも舞台経験は浅いということですが、発声がよくてカッコいい!
なので物語の骨格はとてもシンプルで、だから「よくできてる」という印象は薄いのですが、
それぞれの見せ場のエネルギーがすごい。
香川さんが自分の不自由な脚を叩きながらの独白、流石だなあ。
そう、この作品のタイトル「ぼくに炎の戦車を」は
ラストに主人公の直輝(草なぎ剛)が、生徒たちへ送る言葉の中に引用される詩の一節です。
「精神の闘いから ぼくは一歩も引く気はない」と、
未来への希望を滲ませるこの言葉は、まっすぐに、冒頓に、私たちへ投げかけられます。
これほど胸を熱くする演技者に、久しぶりに出会った気持ちです。
剛くんのことはもうずっと前から見ているのに、とても新鮮な気分。
来年の韓国公演も決まっているとか。
「今の日韓の関係への祈りとなっている」との評を読みましたが、本当にそう思います。