それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「ぼくに炎の戦車を」 11/19 ソワレ 

2012-11-21 | 舞台


「ぼくに炎の戦車を」 11/19(月)ソワレ 赤坂ACTシアター 2階C列センター

【作・演出】鄭 義信(チョン・ウィシン)
【出演】草なぎ剛 / チャ・スンウォン / 広末涼子 / 香川照之 /高田 翔/ 成河 / 馬淵英俚可 / 青木崇高 / 安寿ミラ / キム・ウンス ほか


劇場入り口に貼ってある「上演時間のお知らせ」を見て、まずビビる。
「一幕95分 休憩20分 二幕95分」
えっ、ということは正味3時間10分で、休憩入れると4時間近く~?
長いよ…赤坂ってアクセスが悪くて、家まで結構時間かかるんだよね…
とブツブツ言っていると、劇場の係が「はいっ」とのど飴を渡してくれる。
これって「長時間だから飴でも嘗めて気分転換してください」ってことなんだろか。
(ではなく、香川さんがCM出演しているスポンサーさんからでした。ご馳走様でした)

まあ実際に長時間だったですが、
久しぶりに、「たっぷり観た~!」という充実感。
最近は軽めの作品ばっか観てたから、余計にそう感じるのかもしれない。
タイトルやポスターの雰囲気から、もっとストイックで重苦しいものを想像してましたが、
思いがけずいっぱい笑っていっぱい泣いて、
電光掲示板に表示される韓国語の台詞を忙しく読んだので、いっぱい疲れました(笑)

本筋は、韓国の放浪芸人集団である男寺党の親方と、日本人教師の関わり、
民族間の対立と差別が根幹になりますが、
大道芸人の綱渡りや皿回し、ナイトクラブの女給が余興で見せる踊り(ダンスとは言い難い)などの芸が
賑々しく盛り込まれます。
また、いわゆるサイドストーリーが結構濃ゆい。
特にソンハくん(成河)は…あれでいいのかなぁ(爆)
ハジケっぷりが度を越していて、オバサンは目のやり場に困りました…
青木崇高くんも舞台経験は浅いということですが、発声がよくてカッコいい!

なので物語の骨格はとてもシンプルで、だから「よくできてる」という印象は薄いのですが、
それぞれの見せ場のエネルギーがすごい。
香川さんが自分の不自由な脚を叩きながらの独白、流石だなあ。

そう、この作品のタイトル「ぼくに炎の戦車を」は
ラストに主人公の直輝(草なぎ剛)が、生徒たちへ送る言葉の中に引用される詩の一節です。
「精神の闘いから ぼくは一歩も引く気はない」と、
未来への希望を滲ませるこの言葉は、まっすぐに、冒頓に、私たちへ投げかけられます。
これほど胸を熱くする演技者に、久しぶりに出会った気持ちです。
剛くんのことはもうずっと前から見ているのに、とても新鮮な気分。

来年の韓国公演も決まっているとか。
「今の日韓の関係への祈りとなっている」との評を読みましたが、本当にそう思います。
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「銀河英雄伝説 輝く星闇を裂いて」 11/18マチネ 

2012-11-18 | 舞台
「銀河英雄伝説 輝く星闇を裂いて」 11/18(日)マチネ 国際フォーラムホールC 1階9列下手

【原作】田中芳樹「銀河英雄伝説」シリーズ
【脚本・演出】ヨリコジュン
【出演】横尾渉 / 二階堂高嗣 / 中原裕也 / 岩永洋昭 / 三上俊 / 間宮祥太郎 / 岸祐二 ほか


今年はこのシリーズの舞台を観るのは、もう3作目。
特に原作銀英伝のファンというわけでもないのに、なんだか申し訳ない気分でしたが、
ジャニ友にチケを用意してもらって参加。(良いお席ありがとうございました)
予習は全くしなかったけど、巷の前評判は一通り目を通していったので、
ハードルを限りなく低く設定して臨みました。

舞台上には、可動式の階段状のセットが数台。
このセットの側面に場面に合わせた映像が投影され、
指令室から前時代的な部屋の風景(何故帝国側は普段着がドレスなの?)まで自由自在なんですが、
場面転換がものすごく多いので、いちいちこのセットを組みかえるのに時間がかかる。
しかも動かすのはキャストの皆様で、帝国側同盟側関係なく協力して作業してました(笑)

この場面転換が多くて「短いシーンの繰り返し」パターンは、
既に2章同盟篇からのお約束みたいなものですよね。
こうなると私のように原作に馴染みがない観客は、途中で置いてきぼりくらいます。
しかも、今回もとにかく登場人物が多い。役名付きが20数名もいるんだもん。
この雑多な平坦感をなんとかしようと、キャラを立たせる芝居やら
客席通路を使ったアクション(あの狭い通路で斧を振り回す!)やらが挟まれる。

だからその努力は嬉しいんですが、同盟篇は河村さんの完璧な役の造型があり、
撃墜王篇はあっきーの渾身の歌唱(とスパルタニアンのわちゃわちゃ)があったからこそ。
じゃあ今回の「お得な見どころ」が何かと考えると…
主演お二人の見せ場はそれほど多くなく、
事前に100回は練習したと思われるアドリブもそれほど炸裂せず。
話の中心は完全にラインハルトとリューネブルグ、シェーンコップだったし、
ロイスとキルヒの場面は「とってつけた感」が否めないんですよね。
こう感じてしまうのは、私がジャニ寄り目線で見ているからなのか、それとも前評判に惑わされているのか。

役者さんは総じて素敵でした。
特にラインハルト役間宮くんは、その堂々たる演技がめっけもんでした(笑)
出番が僅かなのに、台詞回しで人物の立ち位置を表すミカシュンさん、
事の顛末を長台詞で流暢に説明するケスラー役の岸さん、
2幕はお陰さまで退屈せず、演技経験が浅い役者さんが多い中でほっとする存在でした。
斧の重さを感じさせるアクションシーンも楽しめました。
そうそう、ロイスが決意を語る台詞も、期せずしてうるっときました。
ニカちゃんはお芝居が好きなんだよね。よく伝わってきた。

つくづく。
「(ほぼ)初舞台で初主演」で観客を納得させることができる才能を持つ、ということは
極めて稀なことだと思います。
しかも座長という責任はまた別のところにあり。
私が言ってあげられるのは「よくそのプレッシャーに耐えたね」ということだけだけど、
彼らがこの作品を出発点としたことを、ずっと覚えていると思います。
未来に幸あれ。

【おまけ】
中川晃教さんからのお花がありました。
 

他の贈答花に紛れてましたが、みんな写真撮ってたよ!
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DVD『銀河英雄伝説 撃墜王』を鑑賞する

2012-11-14 | 舞台
今日になって初めて封を開けて観てみました。
『銀河英雄伝説 撃墜王』のDVD。
FCで申し込みそこなったので、密林さんにお世話になりました(結構な割引だったし)

当然ですが、まず特典映像から見ますよね、この場合。
あっきー他二人(あっ省略してゴメン)のインタビュー映像をまずざっと見る。
銀河劇場の1階下手座席に座わらせて、若干見上げる角度で撮影していますが
…あっきーのタカラヅカチックな舞台メイクがなんだか懐かしい。
そういえば今年の夏は暑かったなぁ…

あっきーが例の如く熱く真面目に語っているのに対し、
キスマイくんたちは予想通りのノリで、まぁでもこれはファンサービスだからいいのか。

で、引き続きアフタートークショー映像へ。
実際にアフタートークは2回とも参加させてもらいましたが、
やっぱり2回目の若手俳優集合のトークが秀逸でした。
(諸事情あるのは承知ですが、コールドウェルも参加してほしかったなぁ)
DVD代金の80%はここに払ったと言ってもいいぐらいです(笑)
一番笑ったのは、「まさかの7拍子」。
あっきー作曲の中で7拍子曲があってリズムで苦労した、という話ですが
私も聞きながらなんだかムズムズしたもん。

本編はもちろんサラッと流して見ておりますが、
舞台の映像化って、衣装の細かいところもきっちり見られてそれはそれで楽しいけど、
臨場感は2倍希釈になってしまう。
立体的に見せようしていた映像も薄っぺらくなって意図が伝わらないし。
ゲキシネぐらいに映像演出が凝っていないと、「記念品」の域を出ないのかもしれません。

そう言えば、このDVD中に表記ミスがあったそうで。
発売元に送付するか、上演中に劇場に持ち込めば交換してくれるそうだけど…
記念に保管しておくべきか。
ところで『輝く星 闇を裂いて』ってどう省略すればいいのかわからないけれど(星闇編?)
とりあえず観る予定なので、少し予習しておくかなぁ。
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オレペ大感謝まつり・スペシャルステージ(中川晃教) 11/3

2012-11-04 | ライブ
オレペ大感謝まつり・スペシャルステージ

11/3(土) 11:00~ 東京ドームシティ・プリズムホール
【出演】中川晃教


雑誌「オレンジページ」が企画する大感謝まつりに参加してきました。

プリズムホールの特設ステージはこんな感じでした。
Rolandのデジタルピアノが正面を向いています。(BlackAのと同じかな?)
グランドピアノが正面を向いているのってちょっと意外。
顔が見えないかもと少し心配になったけど、それほど高くなくてよく見えた。



オレペ編集長杉森さんのご挨拶に続き、あっきーが呼びこまれます。
衣装は、
生成のボタンダウン長袖シャツに、チェックのネクタイ、濃いめのピンク色デニムのパンツ。
いつもと違って真面目な好青年風ですが(笑)、そういえば前のオレペイベントもピンクのスーツだったような。
髪色は黒く肩まで伸びていて、ちょいきつめのウエーブ。
「モーツァルト」の役に合わせて伸ばしているような気もしますが…

はじめに、杉森さんがオレペとあっきーの関わりを解説してくれました。
スクリーンに今までのオレペ連載ページが年代順に写されます。
(初登場は2005年、結構昔だったんだね~)
コウケンテツさんとの「GOGOランチBOX」、「レシピの王子様」、
そして12月に発売される号の新連載「こだわらないおつまみ」の写真も!
料理はともかく(笑)、懐かしい髪型が見られて面白かった!
「7年もたつとお互い気心が知れて」という編集長さんの言葉通り、今までの長い歴史を感じました。
「連載当初は料理作るのにすんごい時間がかかった」とか
「タバスコを使えないので代りを探すのに苦労した」などの話も。


さてライブが始まります。
「冬がやってきますね」と言いながら1曲目は『マイソング』。
最近この曲はよく歌われますが、弾き語りで聞くのは久しぶりだった。
ストリングスが入ったようなピアノの音色も素敵だったけれど、
弾き語りだと大サビのところで、たっぷりとタメが入るのが好きだなぁ。
誰にも見られないように泣きたくなりました。

そして。
『サンシャイン』に続いて『FLY』を歌っているときに事件は起きました。
ステージ後ろに貼ってあった看板プレートが、端からめりめりっとめくれてきたかと思ったら、
ずざざ~っとそれはそれは見事に全面的に剥がれおちた!
あっきーの頭を直撃かっ?と客席はどよめきましたが、上手い具合に地面に滑り落ち、
あっきーは何事もなく歌を続けました(エライ!)、
そこからなぜか急に盛り上がり、一斉に盛大な手拍子を入れる私たち(笑)

あっきーは後から「『FLY』だけに看板がフライしましたね」とか言ってましたが、
あれはホントにビックリしました。
でもあっきーは「皆さんが驚く様子が凄かった」ってなんか余裕。
ま、一番冷や汗かいたのは編集長さんだったと思うけどね。

気を取り直して、看板は剥がれたままでステージは続きます。
歌詞が好きな『BLUE SKY』が聞けたのも嬉しかったけど、
この日一番良かったのは即興曲でしたね。
即興なのにちゃんと最後までまとまっていたのが珍しい!
(このままオレンジページのテーマソングにしてほしいぐらい)

そういえば、こういう弾き語り形式のライブは実に久しぶりでした。
HAKUJUホールや上野文化会館でのライブを「A面」とすると、
イベントなんかの単独弾き語りライブは「B面」…みたいな感じかな。
(…でもレコードを聴いてた世代でないと、こういう感覚はわかりづらいですよね~)

ストイックで緊張したライブが彼の魅力の頂点だと思うのですが、
アットホームでちょっと崩れても、それはそれでとっても楽しめる。
編集長さんが「中川さんの歌は、心で聴いています」と言っていましたが、
ここのところ体調が絶不調で風邪っぴきの私には、実に「沁みる」歌でした。

で本日のイベントで頂いた試供品。




料理ブースで頂いたお料理をお友達と分けたり、ハーブのお酒で酔っぱらったり、
ちっちゃめな鍋つかみを見つけたり、
ひっじょーーーーに充実して申し訳ないぐらいにお得なイベントでした。
これからもオレンジページ買い続けるので、来年もぜひ無料であっきーライブを企画してください!

【セットリスト】
1.マイソング
2.サンシャイン
3.FLY
4.BLUE SKY
5.オレペ大感謝まつりの歌(即興)
6.終わらないクリスマス

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「ウィズ-オズの魔法使い-」 9/29(土)マチネ

2012-11-02 | 舞台


「ウィズ-オズの魔法使い-」 9/29(土)マチネ KAAT神奈川芸術劇場ホール 3階B1列センター

【脚本】ウィリアム・F・ブラウン
【作詞・作曲】チャーリー・スモールズ
【翻訳・演出】宮本亜門
【出演】増田有華(AKB48) / ISSA / 良知真次 / エハラマサヒロ / 森公美子 / 小柳ゆき
JONTE' MOANING(ジョンテモーニング) / 瀬戸カトリーヌ / 吉田メタル / 陣内孝則


一ケ月も前の感想文を書いています。
もう記憶の彼方なんだけど、でもここの感想文なんて「自分が後で読み返す」ために書いてるから。
つまりは私の老後の楽しみのために。

で、「WIZ」です。
冷やかし半分、怖いもの見たさ(?)半分、でも亜門さん演出だし、
結構ワクワクしながら観に行ったわけですが。
まあ映画版の予習はカンペキだしね!

とてもキッチュでポップな出来上がりでした。
最初にカカシが苛められている場面のキャンディカラー、
ブリキの衣装の可愛さ、クマの着ぐるみのおどろおどろしさ。
「わぁ原宿っぽい」と思っていたら、美術監修はその筋の方なのね。
それぞれの衣装の色使いが凄い。
『Emerald City』『A Brand New Day』のダンスナンバーの世界観が凄い。

出演者はみんなキャラが立っていて、
カカシ(ISSA)はどこまでもカッコいいし、ブリキ(良知くん)は端正だし、
ライオン(エハラさん)は笑わせてくれるし。
瀬戸カトさんのコメディエンヌっぷりが頼もしかった。
圧倒的な森クミさんと小柳ゆきの歌は耳眼でしたが、二人ともあっと言う間しか出ないので残念。
陣内さんの説教が長すぎたのも残念(笑)

冒頭場面はアパートの大きな壁、その中にこじんまりとドロシーの家のセット。
冒険の旅に出ると同時にこれが取っ払われるわけですが、
全体的に舞台の大きさに比べて終始スカスカした感じでした。
デカいセットが出てこないせいなのか、私が3階席から観たせいなのか。
細かく作ってあったらしいけれど、よくわからなかったです。
チラシにある「超ど級」というイメージとも違ったかな。



あと…
稽古風景のドキュメンタリー番組をちらっと観てしまいましたが、、、、
作品が、いつのまにか「主役ドロシーを演ずるタレントの成長物語」にすり替えられた気がする。
つまり作品の見どころは、ドロシーの冒険旅の顛末ではなくて
「AKBメンバーの彼女がいかに『HOME』を歌いこなすか」に重心が移っていた。

確かに『HOME』は歌いこまれていてうるっときたし、一生懸命さはよく伝わってきたのだけど。
作品そのものを楽しみたい観客も結構いると思うんだけどなぁ…
そのあたりがあまり話題にならなかったのが残念。

KAAT公演から既に時間も経っていて、これからの名古屋公演はきっともっと進化していると思います。
キャストを変えながらでも、再演を続けてほしい作品でした。
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