「おのれナポレオン L’honneur de Napoléon」4/24(水)マチネ 東京芸術劇場プレイハウス 1階RB列
【作・演出】三谷幸喜
【出演】野田秀樹 / 天海祐希 / 山本耕史 / 浅利陽介 / 今井朋彦 / 内野聖陽
三谷幸喜の新作に野田秀樹が主演。
という、驚愕的なニュースを聞いたのはもうずいぶん前のような気がします。
チケットも取りにくいことこの上なし…でしたが、
先行予約でゲットしたバルコニー席は、客席もよく見渡せて十分でした。
歴史では「病死」と扱われる彼の死因にまつわるミステリー劇で、
セントヘレナ島に幽閉されているナポレオン(野田秀樹)と、彼をとりまく人々の物語。
(こういう言い方が適切かどうかわからないが)いつもの三谷作品でした。
まあどこが「いつもの」なのかというと、
観終わったあと、「あー面白かったっっっ!…で?」という感想に尽きることですね。
2時間20分の上演時間は決して長くは感じず抱腹絶倒なのに、人生の奥深くを描く…という深みは全く見えない(笑)。
しかし、どこまでも「よくできている」という印象です。
冒頭はナポレオンの死後20年後から始まり、その死因に疑問を持った医学生にそれぞれが当時を回想し語る場面から始まる。
この医学生は舞台上には登場しないけれど、なんだか自分がその医学生と同化していくような気分になります。
この冒頭シーンがラストにつながっていくところも「あーそうだったのか!」とスッキリ。
ついでに言えば、タイトルの「おのれ」は
「おのれ見ていろ!」という日本語と、「レオノーレ(名誉)」という仏語をかけているんだって。へー(驚)。
でナポレオンは、「あの」野田秀樹なわけです。
というか、野田秀樹をいかにナポレオンたらしめるか?で全てが作られている感さえあります。
監視役(内野聖陽)、おかかえ医者(今井朋彦)、従僕(浅利陽介)、副官(山本耕史)とその妻(天海祐希)が彼に振り回されますが、
大劇場の主役クラスを脇に回すこの贅沢さ。
しかもナポレオンが登場するまでの時間が結構長くて、「満を持して」なタイミングでピンスポ浴びて登場するんだもん。
客席を駆け抜ける野田さんは「なにこの可愛い生き物?」的な風貌で、とてもエキセントリック。
小柄な野田さんを強調するために他の役者は大柄な人をそろえ、
従僕役の浅利くんだけ野田さんと同じ大きさにしたってことでしょうか。
どこまでが脚本でどこからがアドリブなのかももうわからないほど、野田さんの台詞回しは白熱する。
甲高い子供声ではしゃいだかと思えば威厳のある将軍として威圧し、もう変幻自在なんだけど、
監視役のハドソン・ロウ(内野聖陽)が常識人として振る舞うから際立つんだろうな。
(このナポレオンとハドソン・ロウの関係はモーツァルトVSサリエリの関係を思い出させました)
ナポレオンは動き回りながら話すので、若干聞こえずらい部分もあるんだけど、
それを副官モントロン(山本耕史)がさらりと補足してくれる。
山本君はギターまで持ち出してそれはそれは大活躍。三谷さんの信頼を裏切らないということでしょうか。
この日は平日マチネなのにもかかわらず、立ち見まで出ている盛況ぶりでした。
現代演劇界のいいところを全て集めたのだから、当然といえば当然ですが、
5月にはライブビューイングもあり、話題性には事欠かない。
客席がなかなか満席にならず低迷している演劇業界ですが、逆転一発になるといいなぁ。
もひとつ。パンフレット(1000円)がお買い得でした。
NODAMAPのときもいつも1000円で読み応えあるパンフだから、
これは芸術劇場の総監督である野田さんの方針なのかな。
サイズは小さいけれど、野田さんと三谷さんの対談はもとより、
はみだし欄のナポレオン豆知識、作品の中で重要なポイントになるチェスの棋譜解説、
非常に参考になりました。
ぜひともライブビューイングでも販売してほしいです~!
【作・演出】三谷幸喜
【出演】野田秀樹 / 天海祐希 / 山本耕史 / 浅利陽介 / 今井朋彦 / 内野聖陽
三谷幸喜の新作に野田秀樹が主演。
という、驚愕的なニュースを聞いたのはもうずいぶん前のような気がします。
チケットも取りにくいことこの上なし…でしたが、
先行予約でゲットしたバルコニー席は、客席もよく見渡せて十分でした。
歴史では「病死」と扱われる彼の死因にまつわるミステリー劇で、
セントヘレナ島に幽閉されているナポレオン(野田秀樹)と、彼をとりまく人々の物語。
(こういう言い方が適切かどうかわからないが)いつもの三谷作品でした。
まあどこが「いつもの」なのかというと、
観終わったあと、「あー面白かったっっっ!…で?」という感想に尽きることですね。
2時間20分の上演時間は決して長くは感じず抱腹絶倒なのに、人生の奥深くを描く…という深みは全く見えない(笑)。
しかし、どこまでも「よくできている」という印象です。
冒頭はナポレオンの死後20年後から始まり、その死因に疑問を持った医学生にそれぞれが当時を回想し語る場面から始まる。
この医学生は舞台上には登場しないけれど、なんだか自分がその医学生と同化していくような気分になります。
この冒頭シーンがラストにつながっていくところも「あーそうだったのか!」とスッキリ。
ついでに言えば、タイトルの「おのれ」は
「おのれ見ていろ!」という日本語と、「レオノーレ(名誉)」という仏語をかけているんだって。へー(驚)。
でナポレオンは、「あの」野田秀樹なわけです。
というか、野田秀樹をいかにナポレオンたらしめるか?で全てが作られている感さえあります。
監視役(内野聖陽)、おかかえ医者(今井朋彦)、従僕(浅利陽介)、副官(山本耕史)とその妻(天海祐希)が彼に振り回されますが、
大劇場の主役クラスを脇に回すこの贅沢さ。
しかもナポレオンが登場するまでの時間が結構長くて、「満を持して」なタイミングでピンスポ浴びて登場するんだもん。
客席を駆け抜ける野田さんは「なにこの可愛い生き物?」的な風貌で、とてもエキセントリック。
小柄な野田さんを強調するために他の役者は大柄な人をそろえ、
従僕役の浅利くんだけ野田さんと同じ大きさにしたってことでしょうか。
どこまでが脚本でどこからがアドリブなのかももうわからないほど、野田さんの台詞回しは白熱する。
甲高い子供声ではしゃいだかと思えば威厳のある将軍として威圧し、もう変幻自在なんだけど、
監視役のハドソン・ロウ(内野聖陽)が常識人として振る舞うから際立つんだろうな。
(このナポレオンとハドソン・ロウの関係はモーツァルトVSサリエリの関係を思い出させました)
ナポレオンは動き回りながら話すので、若干聞こえずらい部分もあるんだけど、
それを副官モントロン(山本耕史)がさらりと補足してくれる。
山本君はギターまで持ち出してそれはそれは大活躍。三谷さんの信頼を裏切らないということでしょうか。
この日は平日マチネなのにもかかわらず、立ち見まで出ている盛況ぶりでした。
現代演劇界のいいところを全て集めたのだから、当然といえば当然ですが、
5月にはライブビューイングもあり、話題性には事欠かない。
客席がなかなか満席にならず低迷している演劇業界ですが、逆転一発になるといいなぁ。
もひとつ。パンフレット(1000円)がお買い得でした。
NODAMAPのときもいつも1000円で読み応えあるパンフだから、
これは芸術劇場の総監督である野田さんの方針なのかな。
サイズは小さいけれど、野田さんと三谷さんの対談はもとより、
はみだし欄のナポレオン豆知識、作品の中で重要なポイントになるチェスの棋譜解説、
非常に参考になりました。
ぜひともライブビューイングでも販売してほしいです~!