それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「シング・フォー・ミー ライル」

2023-03-24 | 映画
正しいファミリー映画であり正しいミュージカル映画でした。

子供から大人まで楽しめるし、物語はひねりのない王道で、ズートピアのように現代社会の問題点を突くわけでもないし、難しく考えず気持ちよい読後感を得られます。
ひとりひとりにフルコーラスのソロ曲があって、ダンスも歌も完成度が高い。
突然歌いだすっていうミュージカルあるあるも随所に見られるし、若干ゴーインに進むのもお約束。
ライルの表情や動きも可愛かったです。

吹替版で鑑賞しましたが、言われなければ大泉洋とはわからないんじゃないかな。
オリジナルのショーン・メンデスの歌も予告で聴いたけど、声質が近いので途中原語から日本語にチェンジする歌も違和感ありませんでした。
ただ…「歌声だけで聴衆を総立ちにさせる」という説得力は、歌が上手いとか練習を重ねたというだけでは持ちえない、技術を要するものだと思うんですよね。
その意味で「やっぱりプロのミュージカル俳優のほうが良かったかも」と途中までは思ってました。
でもそんなケチな感想も最後の法廷の場面でオチがつくんだけどね!
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「BLUE GIANT」

2023-03-11 | 映画
久々に映画館で「音楽になぎ倒される」感覚を味わいました。
漫画が原作であることさえ知らずなんとなくタイトルに魅かれて観ただけなのに、得難い体験ができてよかったです。

ライブパートのCGに違和感持つ人が多いようだけど、わたしはこの映画の真髄だと思っています。
楽器から放たれる眩い光線、うねる風景、アニメでなければ見られない表現が実に多彩で面白かった。
ほかの2D場面がすっごい地味だったのは落差を狙ったのかな…

ストーリーもど真ん中青春根性モノで、気持ちよいほど予想したように進む。
主人公3人のキャラがわかりやすいことに加えて周りにいろんな大人が出てくるのも魅力。
力を貸す大人、そっと見守る大人、正面から諭す大人、見下す大人…
でもみんな音楽が、JAZZが大好きなんだよ!

映画館はおひとり様の男性9割でちょっとアウエーだったけど、隣席のオジサマが観終わったあとそっと涙を拭いていたのがなんか嬉しかったなぁ。
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