「Musical DEVIL Japan プレビューコンサート」
東京芸術劇場シアターウエスト
東京芸術劇場シアターウエスト
9月18日(土)13:00
9月21日(火)13:00
9月26日(火)13:00 配信視聴
【出演】中川晃教/小西遼生/村井良大/雅原慶
平山素子・佐藤洋介・宮河愛一郎(トリプルキャスト)
山野靖博・馬場亮成・木村つかさ・町屋美咲
【演出】広崎うらん
【音楽監督】江草啓太
【演奏】江草啓太(pf) 臼井かつみ(dr)
【演奏】江草啓太(pf) 臼井かつみ(dr)
突然降ってわいたようなコンサート。
上演ポスターやチラシも一切なくパンフレットも受注生産で、作品に関する事前情報が手探り状態。
題材になっているゲーテの「ファウスト」の粗筋をウイキで確認し、高い評価を受けたという初演の韓国版の映像をチラ見して臨みました。
(後日に出た山野さんのnote の解説がとても分かりやすかったです)
今回は75分のコンサート版でしたが、簡単なセットも組まれて台詞も芝居もあったので概要はなんとなく分かりました。
ただ歌詞がなんとなく観念的で、聴くのに全集中しないと大変。
株取引用語と宗教用語もいっぱい出てくるので、そこは解説がほしいかな。
キリスト教に絡みそうな用語も、黄金の塔・百合の花・りんごの木・迷える羊、キリエエレイソンなどなど。
ラス曲に至っては「血と肉」ときた!
それはキリスト教の贖罪と救済の意味でしょうか。
ファウストでは「悪魔メフィストと神が一人の人間の行く末について賭けをする」ことになってますが、その「賭け」の場面がよくわからず、策略に動き回るX-BLACK(悪魔)に対してと X-WHITE(神)がただ傍観者に過ぎないのが少しもどかしかった。
今回はダイジェスト版で致し方ないとしても、本公演での脚本に期待します。
そのアレコレを補って余りあるのがキャストの熱演でした。
彷徨える一般人の村井くん、母性を感じさせる雅原さんはもちろん、退廃的な美貌を溢れさせる悪魔の小西くん、天井から光をもたらす天使のあっきー…
これ以上のキャスティングはどうやっても考えられません。
特にX-BLACKの鋭角的な黒ロングコートの魅力ったら。
対するX-WHITEは白の中に黒色を忍び込ませる衣装。
「袖を通さないまま着るほわほわの白いコート」が少し物議を醸し出しましたが、あの丸っこいフォルムがベイマックスを思い出させて、個人的にはほっこりいたしました。
(劇中でコートを脱ぐのかなーと思ってたけど脱いだのは終演後の集合写真のみでしたね)
何より嬉しかったのが、あっきーの「ど真ん中なミュージカル声」が聴けたこと。
去年のJBコン以降はビューティフルやYGCBなど亜流作品(ごめん)だったので、ラス曲「血と肉」はもうこちらの血が滾るようでした…
ソロ曲もデュエット曲も低音の響きから高音の輝きまでをたっぷり聴かせてくれて、本公演ももちろんツアーコンサートとかでもう一度歌ってくれるのが楽しみです。