中川晃教Symphonic Concert Holy Night 2017
12/24(日)14:00 ロームシアター京都メインホール 1階12列センター
【出演】中川晃教
【演奏】音屋室内管弦楽団
【指揮】塚田隆雄
ロームシアター京都、古くて新しい、素晴らしいホールでした。
クリスマスイブにこの由緒あるホールであっきーの極上の歌を聴けるなんて。
唯一無二の機会を逃さまい、と遠征してまいりました。
まずはセトリから。
【セットリスト】
終演後ロビーに掲示されました。20日高知、22日神戸も同じセットリストでした。
第1部
1. ツァラトゥストラはかく語りき(Inst)
2. Oh! People
3. Joy to the World
4. Oh Holy Night
5. Amazing Garace
6. クリスマスメドレー(Inst)
ジングルベル / 赤鼻のトナカイ / サンタが街にやってくる / ホワイトクリスマス / そりすべり / きよしこの夜
7. クリスマス・イブ
8. 終らないクリスマス
第2部
9-1. Ease on Down the Road
9-2. Believe in Yourself
10. Home (9-1、9-2、10はミュージカル『The Wiz』より
11. 星(ダニーボーイ)
12. I'm gonna stay with you
13. Miracle of love
アンコール
Enc1 マイソング
Enc2 I Will Get Your Kiss
第1部はクリスマスを意識した選曲でした。
衣装は、キラキラのジャケットに赤チェックの蝶ネクタイ、黒のパンツに厚底靴。あっきー自ら
Twitterにアップ。
デオダート編曲の「ツァラトゥストラ」に続き、久しぶりに聴けたのが「Oh! People」。
HAKUJU HALLで初演されたアコースティック曲(VISIONやLove Never Diesなど)を私は勝手に「ハクジュシリーズ」と呼んでいるのですが、(HAKUJU初演でなくても「ハクジュっぽい曲」と言ったほうがいいかも)
世界が漠然と持つ危機感のようなものを表現するこの曲は、「ツァラトゥストラ」にインスパイアされて書いた曲だそうです。
なのでこの2曲はふたつでひとつのようなもの。初耳だった!
ハクジュシリーズは今後もいろんなアレンジで聴いてみたいです。
「Joy to the World」は讃美歌「諸人こぞりて」、「Oh Holy Night」は讃美歌「さやかに星はきらめき」といったほうが馴染みがあるかな?
続く「Amazing Garace」。
まずショパン作曲「幻想曲へ短調作品49」のピアノから入り、続いて管楽器による「雪の降るまちを」。
あれ、この流れどこかで聴いたような気がする?と思い出してみると、2012年HAKUJU HALLのライブで紹介していました。(記録は →
ここ)
ショパンのメロディが偶然なんとなく「雪の降るまちを」の出だしのフレーズに似ているんですよね。
続けて弦楽器が入った「Amazing Garace」は、あっきーによる日本語詞で聴くことができました。
山下達郎「クリスマス・イブ」そして「終らないクリスマス」は本日どんぴしゃの選曲でした。
この日の京都は天気予報が下り坂だったのもあって、本当に夜更け過ぎに雪へと変わらないかな…と遠征のときの独特の気持ちに寄り添う感じ。
第2部はオリジナルを中心に。
衣装は、赤に緑のパイピングが入ったジャケットにシルバーの靴!(若干JBを思い出した)
音屋組さんのFBにアップ。
予告のあった「WIZ」から3曲、今日はこれを聴きに来たといっても過言ではありません。
いつものように「1分間でわかるWIZ」が早口で語られます。
「ドロシーという女の子がいて竜巻に飛ばされて来てしまったのが、えっとどこでしたっけ?せーのっ!」と当然客席が全員知っている前提でマイクを向ける。「オズ!」と返さないと話が進みません(笑)
「それからかかしやライオンやブリキと出会って…そのへんはすっ飛ばします」と後半は倍速。
でもWIZから3曲チョイスと言ったら絶対これだよね、という並びでとても嬉しかった。
ノリノリの「Ease on Down the Road 」、英語詞と日本語詞が混ざる「Believe in Yourself」はclick your heels three timesのところで履いていたキラキラの靴を躍らせる。
「HOME」が聴けたので今年も無事に年を越せるよパトラッシュ…
「星」を歌う前に、家族の思い出を話してくれました。
仙台から上京して以来の一人暮らしでずっと気を張っていたけれど、母方のおばあさんと2年8か月一緒に暮らして気持ちが安らいだこと。
(朝起きたらご飯とお味噌汁とシャケが出てるんですよ!)
おばあさんが遺した桐の箪笥を開けたら着物がいっぱい残っていて、そういえばおばあさんは着物を誂えに京都まで出向いていたなぁと思い出すこと。
京都には何度かミュージカルの公演で来たことがあるけれど、そういうところでも繋がっていると思ったこと。
オーボエの静かな響きに乗せて歌った「星」は、実に深く厚みのある歌声でした。
あっきーがこの曲に当てた詩は「旅立った人に向けて」だと思っていましたが、父親が息子に向けて歌った歌だということも知りました。これも初耳。
アンコール曲の「マイソング」も、「この曲がなかったら今日僕はここに立っていません」という言葉が添えられた「I Will Get Your Kiss」も、原曲のアレンジが十分活かされたオーケストレーションで、とてもよかったです。
(つくづく思うけどこの2曲の原曲アレンジが素晴らしいので、どんな形になってもいい曲なんですよね)
全体を通して。
先日の豊中市コンサートとは趣が違って、フルオケの音量と迫力を使えなかったのを歌声でカバーした感がありました。
身体を使って声を響かせ、だだっ広い会場に伝播させてゆく。
キャパ2005名の4階バルコニー構造の劇場は帝劇や東京文化会館大ホールクラスなので、正直広すぎたかもしれません。
それでも、若いオケのメンバーを引っ張りながら歌声という武器を惜しげもなく投入し出しつくす。
一曲一曲が実に濃厚で、魂を注いでいる様子がよく見える。
そんな彼を今年も追いかけることができて、幸せな1年だったなぁとしみじみと思い返すことができました。
おまけ。
そんなわけで何十年ぶりかで京都を訪れました。
まず、晴明神社に行って羽生選手のオリンピック優勝を祈願をし、
京都御所まで足を延ばしてお散歩、そのスケールの大きさに圧倒され、
ホテルのランチバイキングでこれでもかというほどガッツリ食べて、
コンサート終了後は新幹線の出発時刻までの時間を利用して和食屋さんで丼めしを食べて
(京都駅構内の「はしたて」鯛の胡麻味噌丼とにゅう麺のセット。美味しかったです)
お土産に阿闍梨餅とお漬物を買い、おなかも荷物もいっぱいになりました。
今度は別の季節に京都に来てみたいなぁ。ぜひ来年もコンサートツアーに組み込んでいただきたいです!