それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「 砕け散るところを見せてあげる」

2021-04-17 | 映画
アニメ化された「とらドラ!」「ゴールデンタイム」などの竹宮ゆゆこの長編小説を実写映画化。正義感の強い男子高校生が、女子生徒をいじめから救おうと奮闘する。主演を共演を重ねてきた『坂道のアポロン』などの中川大志と『LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』などの石井杏奈が務め、井之脇海、清原果耶、原田知世、堤真一らが共演。『蟹工船』『うさぎドロップ』などのSABUがメガホンを取った。

PG12であること以外予告編の知識も何も入れずに観ました。
なのでかなり衝撃的。
ここまで「よくできた見やすい作品」ばかり見ていた自分にガツンとカツを入れてくれた。

いきなりの北村巧くんで煙に巻かれ、颯爽と登場した正義感の強い男子高校生(中川大志くん好演)の屈託のない笑顔を満喫し、あれこの監督ってこんな甘かったっけ?と思っていたら堤真一の登場。
父親役の堤さんが車から降りてきた瞬間に「あっ」とその家庭の暗部がダダ洩れになるのがスゴイ。
前半の冗長とも取られる展開を急速で巻き戻すようなスピードで血飛沫が飛び、だよねPG12だったー!

UFOとは結局何だったのか、自己犠牲に意味はあるのか、今でも頭の中をぐるぐる。
傷ついた彼女を自転車の後ろに載せて坂道を漕ぐ彼の強い言葉。
行き過ぎたヒーロー精神だけど聞いていて涙が出た。
ここからラストまで怒涛の情報量で追いついていけなかったけど、あの場面はきっと一生忘れらません。
「愛は受け継がれていき永遠である」という壮大なテーマに辿りつくことが目的なのか、
それとももがき苦しむ世界から救済され「砕け散る」ことで新しい世界に歩みだすことを後押しする何かを描きたかったのか。
このキャストだったらこんな映画だよね…と先回りして考えることや、映画としてのバランスの良さばかりに耳目が集まる風潮に一石を投じる作品でした。

で、冒頭登場した北村拓海くんの役名が「真っ赤な嵐」であることを後から知る。たまらん。
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「まともじゃないのは君も一緒」

2021-03-29 | 映画
『カツベン!』などの成田凌とドラマ「透明なゆりかご」などの清原果耶が共演するコメディードラマ。予備校講師と教え子のやり取りを通して、コミュニケーションのすれ違いやズレなどを描き出す。メガホンを取るのは『婚前特急』や『わたしのハワイの歩きかた』などの前田弘二。オリジナル脚本を前田監督作品や『そこのみにて光輝く』などの高田亮が手掛ける。

コミュ障害の予備校教師と恋愛に頭デッカチの女子高生の会話劇。
この設定だけならそれこそ「普通」なんだけど、主演二人の魅力で痛快な映画になりました。
二人とも朝ドラ主演俳優なんですね。

特に成田凌くんは無双じゃないかなー、こういうちょっと軸の外れた役には。バイバイの手の降り方とか文字で表せない笑い方とか。
元町のオシャレな店で売ってる食器に対してよくあれだけのパワーワード繰り出せるよね…
終盤、理不尽なことに対してブチ切れる演技が鬼気迫ってた。
惚れてまうやろ!
清原果耶ちゃんの衣装も可愛かったです。
あと、数学教師または数学者=変人という偏見はドラマ「やまとなでしこ」以来のお約束かもしれませんが、私の記憶ではそんなことないよ?

今年になってからの邦画は良作が多く、この作品もそのひとつ。
超人気作品の上映に押されて肩身が狭い感じだけど、多くの人が楽しめるんじゃないかな。

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「すくってごらん」

2021-03-19 | 映画
金魚すくいを題材にした大谷紀子のコミックを実写映画化したドラマ。片田舎の町に左遷された銀行員が、金魚すくいや町の人々との出会いを通して前を向いていく。メガホンを取るのは『ボクは坊さん。』『ラスト・ホールド!』などの真壁幸紀。ドラマ「さぼリーマン甘太朗」やドラマ「課長バカ一代」などの尾上松也、『幕が上がる』やドラマ「約束のステージ ~時を駆けるふたりの歌~」などにも出演したガールズユニット「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子らが出演する。

上映館が少なく人気作品のために上映時間帯も限られているので、観るのにちょっと苦労しました。
マイナー映画の宿命ですね。
ミュージカル好きとして必須項目映画だけど、、、
…これはミューヲタと一緒にツッコミ入れながら観るべき映画だったかも。

「心情を歌で表現する」という点では紛れもなくミュージカルですが、オフィシャルでは「新感覚ポップエンターテインメント」と謳っているのね。
「ラ・ラ・ランド」を思い出させる丘の上での風景はともかく、きちんと幕間があるところ、ラスト曲がカーテンコールに繋がるところ、少し自虐的にミュージカルを扱っているのが…かえって好感が持てました。
金魚すくいをモチーフとして、風情のある街並みやレトロな設えが異世界のよう。

左遷されされたエリート銀行員役の松也さんは、純情好青年と嫌味っぽいのがギリせめぎ合うバランスで応援したくなりました。
目当てのかっきー(柿澤勇人)は期待通りのキャラ、とっぽい男っぷりでピアノも歌もちょっとだけタップも。
矢崎ぴろしくんのお歌も幕間で楽しめた。
ももクロ夏菜子さんの浴衣の着付けと髪型のバリエーションが良かったです。

予算は少なそうだし大勢の人に見てもらえる作品ではないだろうけど、こういう映画が気軽に作られて、観たい人が気軽に楽しめるようになってほしいです。
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「中川晃教 LIVE2021 in YOKOHAMA」 3/7 

2021-03-08 | ライブ
中川晃教 LIVE2021 in YOKOHAMA
Billboard Live YOKOHAMA(神奈川)

3/7(日) 1st 15:00 RL列 2nd 18:00 テーブル席

【出演】中川晃教(Vo)園田涼(key)坂本暁良(Dr)北島優一(Gt)森田晃平(Ba)

(このぐるぐる照明は開演直前に提灯のように折りたたまれてた)

一旦中止になったビルボードのライブ、開演時間を早めて横浜で2日間とも実施されました。
今年は先に2/6の東京文化会館がありましたが、これは去年の振替公演との位置づけらしく、実質2021年の初ライブ…との認識みたい。
というわけで祝祭感溢れる「Celebration」からはじまりました!

バンド形式でのライブは2019年の「I Sing」ぶり。
ピアノ一本や弾き語り、フルオケやビッグバンド、いろんな体制で彼の歌を聴いてきましたが…「やっぱバンドだよね!」とどれほど強く思ったか。
今まで聴いてきた曲も全く新しいものに生まれ変わる。
その場の呼吸を読んで曲が展開してゆく。
何よりバンドメンバーが…本当に素敵な方々でした。
不思議な音を奏でるコントラバス、重めの音を出すドラム。
ピアノが定番の「春よ、来い」もギターのみの演奏でしっとりと。
(後から知ったのですが北島さんがサブちゃんと呼ばれてるのはあっきーが某大物演歌歌手の名前を引っ張り出したからではなくて最初からなんですね。「また古いネタを」と疑ってゴメン)

あっきーは全曲スタンドマイクでひたすら歌い、都度両手を大きく使って曲にいろんな表情を与えていました。
ダークなスーツの左胸のブローチと右手の指の大きな指輪がずっとキラキラしていて、これも計算した効果なのかな。

セトリがわたしの大好物だった。
「みなさんを宇宙に連れていきます」と前説して歌ったのは「カンランセキ」、これは銀英伝の劇中歌だったし「粒子」も「アルゴリズム」もテーマが繋がっていてコンセプトを感じました。
「そして、僕は魚になる」はコール&レスポンスができないので、メンバーがさりげなーくコーラスで支えるのも素敵(でも声出したかったよ!)。
園田さんが「大好きすぎて」と言うだけあって「チャイナガール」はまた進化していて、こうなったらいつか「チャイナガールのアレンジ変遷」を語ってもらいたいです。
そこここに園田さんの手腕が光るセトリでした。
お中元贈りたいです。

ベスト曲は「別れるときに思うこと」。
この曲は初出が2017年で以来ラストに歌われることが多いんですが、久しぶりに聴いてホントに泣けました。
最近のオリジナル曲は壮大で宇宙的でそれも楽しいけれど、今でこそ等身大のラブソングが聴きたいと思ってました。
聴くときのこちらの心境によって解釈が全く変わってしまうのも魅力です。
そろそろ音源化してほしいなー。
20周年記念アルバムに入れてほしいです(出すよね?)

神奈川県民としては横浜のライブハウスに来てくれたことも嬉しかった。
事態が収束して元の世の中に戻ったとき、2ndの開演時間が遅くなっても大丈夫だから。
8日は本格的に収録カメラが入っていたとのこと、どこかで放映されるのが楽しみです。

【セットリスト】
1. Celebration(Kool & The Gang)
2. I have nothing
3. チャイナガール
4. 春よ、来い(松任谷由実)
5. そして、僕は魚になる
6. 月光/カンランセキ
7. 粒子
8. アルゴリズム
9. It Don't Mean A Thing
10. Can't Take My Eyes Off You
11. 別れるときに思うこと

En.Happy Tears(1st) Family(2nd)



(カウンター横のボード。ひとつひとつじっくり見たかったのでまたお願いします)
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「あの頃。」

2021-02-25 | 映画
劔樹人の自伝的青春コミックエッセイ「あの頃。男子かしまし物語」を原作にしたドラマ。さえない日々を送る青年が、アイドルにハマり、オタクたちと出会い、青春を謳歌(おうか)する。監督は『mellow メロウ』などの今泉力哉。『娼年』などの松坂桃李、『生きちゃった』などの仲野太賀、『燕 Yan』などの山中崇のほか、若葉竜也、芹澤興人、コカドケンタロウ、大下ヒロト、木口健太らが出演する。

「推し」に出会った瞬間を覚えていますか?
私ははっきりと覚えています(日生劇場2階C列7番でした)。
みるみる引きまれていく高揚感、取る物も取り敢えずCDショップへなだれ込み、同じ推しを持つ仲間と出会ったときのふわふわした感覚。
「わかるぅぅぅ!」と何度スクリーンに向かって(心の中で)叫んだことか。

その推し仲間のキャラが強烈でとっても面白かったんだけど、こちらはハロプロには興味がないので途中からなんだかはぐらかされた気持ちに。
ガチオタならツアー追っかけ遠征やグッズ大人買いの苦労とかがもっと前面に出てくると思うんだよね…
ハロプロに繋がらないエピソードが次々に出てくるので、テンポが合わず少し集中力が削がれることも。
(他の人のレビュー見たら「映画に退屈があってもよい」というスタンスなんですね。納得)
ああ、これは内輪ネタが元になった原作があるんだろうなーとこの時点で理解しました。

そして後半は主役がコズミン(仲野太賀)に移るんだけど、これがソーゼツだった…
とことん嫌味なキャラなので涙も出なかったし、在り来たりな運びにもっていかない意地を感じました。
期待が大きかっただけになんとも言えない気持ちで映画館を出ましたが、単館系で上演してくれればこちらの身構えも違ったのかもしれない。
2月は「花束」「ヤクザ」「すばらしき」と立て続けに本年ベスト作品を観たので、上演時期も悪かったのかもしれないですね。
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