それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「火花」

2017-11-23 | 映画


お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹の芥川賞受賞作を、菅田将暉、桐谷健太ら出演で映画化した青春ドラマ。漫才の世界に飛び込んだものの結果を出せずにいる男と先輩芸人を通して、厳しいお笑いの世界で切磋(せっさ)琢磨する若者たちの姿を描く。メガホンを取るのは俳優だけでなく、『月光ノ仮面』などで監督も務めてきた芸人の板尾創路。木村文乃、川谷修士、三浦誠己らが共演する。


原作、読みました!
映画になった原作は小説であれ漫画であれほとんど未読主義なんですが、
これは時流に乗って発売初期に既読。(テレビ版は未見)

で、やっと理解できた。原作既読の人が持つ違和感を。
私の頭の中の「神谷さん」のイメージは、ダウンタウン松ちゃんだったからちょっと混乱した。

もっとマズイのは、私がお笑いや漫才をあまり見慣れていないということかな。
劇中の漫才が…さっぱり面白くない、というかよくわからない。
徳永が神谷さんのどこに惹かれたのか、スパークスはどの時点で売れっ子になったのか、はっきりとした描写がないので
なんか逆に「原作読んでない人大丈夫?」と心配になってくる。
原作の徳永のほうがひねくれていてヒリヒリしているのも距離感があった。

良かったのは、キャストの妙味かな。
それぞれの相方がとってもよくて、というかコンビの漫才の色の違いが如実で、
そこだけはお笑い慣れしていない私にもはっきりと伝わった。
あ、あと加藤諒くんがいた!その存在感たるや。

ただ、
ラストライブだけは圧巻だった。
「漫才を見て泣ける」というのは本当で、反則に近いネタだけれど凄かった。
青春の熱量を、その終焉を表現させたら菅田くん以外にぴったりくる人を私は知りません。

なぜ「花火」ではなくて「火花」がタイトルなのか、
原作本を読んでいるときはピンとこなかったことが映像を通すと胸に迫ってきた。
これでこそ映画化した意味がある。

たぶん世の中的評価としたら、菅田将暉くんの才能をより広く知らしめた…というところに落ち着くのかな。
もう一度原作本を読み返してみようと思います。
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「中川晃教コンサート at 東京文化会館2017」 11/17

2017-11-18 | ライブ
中川晃教コンサート at 東京文化会館2017

11/17(金)17:00 東京文化会館小ホール G列センター
【出演】中川晃教 / 旭 純(piano)/ 林田順平(cello)

東京文化会館でのコンサートは2010年から3年連続で開催され、今年は5年ぶりなんですね。(2012年の記事は → ここ
ご本人も冒頭から「ただいま!」「おかえり!」と会場(音楽のミューズがいるそう)と会話しておりました。

セトリを見ても「ただいま」という気持ちがよくわかります。
初期のアルバムと「POPSSIC」に集中した、珠玉の曲。

【セットリスト】
1.夜明けのセレナーデ
2.灰色の雨
3.ウィーウィルレットユーゴー
4.Without you girl

5.HAPPY DAY
6.終わりのない愛
7.旅人
8.LOVE NEVER DIES

9.Don't change my soul
10.マイソング
11.ユーアーザ スーパースター

12.別れるときに思うこと

(アンコール)
En0.告知のブルース
En1.相対性理論
En2.谷間の風
(9-11はピアノのみ)

独特な空気を孕むこのホールは、舞台を三方から取り囲むように扇状に座席が配置されています。
扇のかなめの部分に立つ彼をスポットライトが左右から照らすと、
洞窟のような壁にその体が作る影がぼんやりと映る。
この幻想的な雰囲気にぴったりな、この会場だからこそ当てはまるようなセトリでした。

まさか「灰色の雨」がここで聴けるとは思っていませんでした。
かなり低いキーから始まるこの曲、もう封印したんだと思っていた。

原点回帰というほどではないけれども、
11/4「I Sing」、11/12のシンフォニックコンサートとは全く違ったアプローチ。
今日は会場のキャパも小さくチケットが広範囲に出回ることもなかったので、コアなファン向けのセトリだったのかな。

以前のように「クラッシックに挑戦します!」という鼻息荒い意気込みもなく、
突き刺さるようなハイトーンもロングトーンも使わず、
ゆったりと、かろやかに、ふわりと包みこむように。

それを聴いている私たちは、ただただ歌声の波に乗って、ふわりふわりと揺られておりました。
眠りにつく一瞬前の、夢の世界に引きずりこまれる一瞬前のような。

実際には上記セトリのブロックごとにMCが入って「はっ!今ちょっと意識がなくなった!」と椅子に座り直したんだけど。
MCも前回までのようなきっちりとした台本がある感じはしなくって、
文化会館の思い出、ピアノ旭さんとの出会いなどを訥々と話しておりました。
「未だにMCが下手でうまくいくときといかないときがあります。これからの目標はMCが上手くなること」とか言ってたけど
個人的には「いやいや今のままで十分」と思います…

聴けてよかったのは前述の「灰色の雨」。
スモーキーな雨の風景が目に浮かぶこの曲、私は仙台の街をイメージしてしまいます。
(たしか本人は北欧?の国を訪れたときに書いたといってたような)
「マイソング」も久しぶりだったから、とっても嬉しかった。ワタシ的オリジナルソング部門ベスト3の地位揺るがず。
「LOVE NEVER DIES」もHAKUJU HALL原産という認識が強いけれど、この曲が訴えるメッセージ性と会場の雰囲気がぴったり。
「今日ここで歌えてよかった」とご本人も言ってました。
全般的に「成熟するとはこういうことか」と強く感じた本編。

アンコールになるとちょっと雰囲気が変わりました。
Tシャツにお着換えしてきた彼が歌いだしたのは「告知のブルース」…
ってもちろんこれは「今後の予定をアドリブの歌で告知する」って例のヤツです。
(「歌っているほうがラク」ということらしいです)
こっちも4日と5日にさんざん振られているので「はいはい、レスポンスすればいいのね」と余裕たっぷり。

ここで来年5月のジャージー・ボーイズinコンサートの告知が出たので(しかも歌で)
かなり会場がザワつきました。日程も曜日もレスポンスさせられたので覚えちゃったよ!

前の日に受賞した「フランチャコルタ・イタリア アワード」の報告も。
「受賞は、元となるぶどうのようにフレッシュな若い男性が対象だそうです。…若い男性?」とちょっと自虐的に首をかしげる35歳
「ま、いただけるものはいただいておこうと」とか開き直る嬉しそうでした。

こんな感じだったので、最後はかなり体温が上がりました。
彼の体の動きも可動域が大きくなってきて、左手が感情を持ったように大きくせわしなく動く。

新曲「相対性理論」も聴き慣れてきたけれど、ラスト「谷間の風」がよかったなぁ。
林田さんのチェロは独特で不思議な音色で、この曲の最後のソロが素晴らしかった。
長身で綺麗なお顔に丸眼鏡、サラサラのワンレンヘア、黒のスーツという風貌は今までのサポートメンバーにはいなかったタイプ。
なにがあっても崩れない表情が素敵だったので、これからも出てきてほしいな

【衣装その他】
キラキラのパイピングが付いて襟に赤のアクセントが入った黒のジャケット、キラッキラの黒シャツ。
最近は黒フォーマルっぽい衣装をとっかえひっかえですが、ちょっとずつ雰囲気が違うのね。何着あるんだろ?
グッズの販売はなくて、CD販売のみでした。
終始有線のマイクだったのがちょっと不思議だった。…めずらしいよね?
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「中川晃教シンフォニックコンサート」 11/12

2017-11-13 | ライブ
エンジョイ・センチュリーシリーズ 中川晃教シンフォニックコンサート

11/12(日)15:00 豊中市立文化芸術センター 大ホール(大阪) 1階B列センター

【出演】中川晃教 
【演奏】日本センチュリー交響楽団
【指揮】梅田俊明

「豊中市のホールでフルオケコンサートがある」とお知らせがあったのは、なんと去年の11月2日。
実に1年以上前のことでした。
私も満を持して遠征してまいりました!

初耳な場所だったので「…と、豊中市?…どこ?」と行く前から不安になり、
阪急電車の車窓から見る牧歌的な景色にもっと不安になる。

でも駅から歩いてすぐのところに、文化芸術センターはドーンと建っておりました。
聞けば今年の1月がグランドオープンだったとか。
ホールの中は、木を基本とした落ち着いたデザイン。とても温かい雰囲気でした。

まずセトリからご紹介。

【セットリスト】(プログラムに記載されていました)

第1部
1.VISION(Inst)
2.月光~カンランセキ
3.No.5
4.終わりのない愛
5.ナユタ
6.ボヘミアン・ラプソディ

第2部
1.旅人『花のワルツ』より(弦楽カルテット)
2.I WILL GET YOUR KISS(弦楽カルテット)
3.偉大な生命創造の歴史が始まる(ミュージカル『フランケンシュタイン』より)
4.お前は怪物だ(ミュージカル『フランケンシュタイン』より)
5.スーパースター(ミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター』より)
6.Can't Take My Eyes Off You(ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』より)
7.VISION

アンコール
En1.イッツマジカル
En2.止まらない一秒


会場に入った瞬間、「森の中に来たみたい」と思わされました。
茶系の色調が少しづつ違う椅子が配置されていて、若い木の香りがするような新しいホール。
この日のセトリは「VISIONで始まってVISIONで終わる」という明確なコンセプトがあって、森の中に迷い込み、彷徨い、森を抜けてゆく…という不思議な体験ができたような気持ちです。

…といっても、1部冒頭はあっきーも相当緊張していたようにお見受けいたしました。
オーヴァチュアのような「VISION」が終わって、舞台に登場しすかさず指揮者の方に握手を求めるもタイミングが合わず不発に終わったのが

「月光」のスキャットに続き、「カンランセキ」のシンプルなメロディがオケと重なると、とても重厚な感じがしました。
かなりの至近距離だったので、楽器の音の圧力がすごかったです。

1部のトリは「ボヘミアン・ラプソディ」。
この曲は、2011年2月の「東京文化会館 ポピュラーウィーク」で旭さんのピアノアレンジで初演、2015年1月の「I Sing ~Versus~」に続き2016年10月取手JAZZ DAYでも小沼ようすけさんのギターを伴い歌われてますが、
とうとうフルオケで歌う日が来た!とワタシ的には大興奮!
迫力があって素敵だったなぁ。

1部は「POPSSIC」からの曲を重厚なアレンジで聴かせたのに対し、2部はミュージカル曲を中心に。
既にTwitterでは絶賛ツイが多く出回っているけど、一番拍手が盛り上がったのは「偉大な生命創造の歴史が始まる」でした。

元々のミュー曲が壮大なアレンジだし、「フランケンシュタイン」の中では最も山場になる曲なので当然なんですが、
「凄い」以外の言葉が見つからない。
呟きのような低音から始まって、音が渦を巻くように高みに上っていく。
舞台の上で聴いたのよりも、動きがない分熱が凝縮されたように感じました。

続く「お前は怪物だ」は、ビクターフランケンシュタイン博士から見世物小屋主人ジャックにがらっと役が変わったのが見て取れました。
(MCで「再演は決まっていませんが応援してください」の一言があって「裏で話が進んでいるとかじゃないのね…」と心折れた人多数)

でも私の今日の1曲は「VISION」かと思います。
「プラグレスコンサート2009」に収録されているのは後半のヴァイオリンとNANANA…というヴォーカルの掛け合いが鳥肌モノなんだけど、今日は壮大なオーケストラの上に自由自在なヴォーカルを載せてくれました。
迷い込んだ森を駆け抜け、突然光の元に押し出されるような感覚でした。


書いておくべきことを簡単に。
【衣装】
ストライプの詰襟ジャケット、スパンコール付の白シャツに細い黒のリボンタイ、両脇にラインのある黒の細身パンツ、キラキラのブーツ…
って言葉で説明するよりも、日本センチュリー交響楽団さんのFBをご覧ください。
2部ではインナーを黒と銀のラインが入ったTシャツに変えていました。

【MC】
曲間のMCは簡単な曲説明のみ必要最低限。
アンコールのときに「先週誕生日で」ということから、「35歳にもなると今までのようにはいきません。以前は睡眠時間5~6時間でも大丈夫だったのに。夜遅くにガッツリ食事すると、次の日胃酸が上がってきちゃって」
あっきーの中年ネタをこんなところで聴く日が来るとは…(みんなも同じだけ歳とってるんだよ!)

【パンフレット】
1500円。今回のMVPを差し上げるならだんぜんパンフレットに決まり
何より写真が素晴らしくて、事前に会場で撮影したショットはホワイエの雰囲気もわかるし、ピアノに伏せた姿勢でのカッコいいアップもあるし、8ページにわたるインタビューでは、今回のコンセプトや曲ごとの解説、押尾コータローさんとのエピソード(押尾さんお花も出してました)も詳細に。
写真も編集もプロの作りです(cf. 11/4ライブのパンフ)。
残っているならFCで発売できないのかな…(無理は承知だがそこをなんとか)


パンフによると、サントリーホールの15周年記念よりも前に企画が進んでいたそうです。
何回かクラシックバージョンのコンサートを経験しているからこその、自信と安心感がみなぎるコンサートになったと思います。
会場の雰囲気、オケの音バランス、やわらかい照明、全てがかみ合ったパズルのような印象でした。
あとオケのメンバーに方々が曲終わりや退場時に心よりの拍手をしてくれて、とても温かい気持ちになりました。


おまけ。
豊中市に行く前に、大阪城公園に寄ってきました。

紅葉がとても綺麗だったけど、川向うに今は亡きシアターBRAVA!の跡地が見えたのが懐かしかった。
2007年ここで上演された「エレンディラ」を観て、そのあとのFCイベントで初めてあっきーとご対面したことを昨日のことのように思い出す…
「初めまして、今日は神奈川から遠征してきました」とド緊張しながら話す私の目を見て、「そうなんですか~!」とやんわりと握手。
ああ、あの日の握手がなければ、わたしはここに来ていません!
10年間の時の流れをしみじみと、でもあの日がなければもっと貯金できていたのに~!と思い返しながら帰途についた遠征でした。
コメント (5)
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「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」 11/7 ソワレ

2017-11-07 | 舞台


シス・カンパニー公演「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」
11/7(火)ソワレ 世田谷パブリックシアター 1階O列センター

【作】トム・ストッパード
【翻訳・演出】小川絵梨子
【出演】生田斗真 / 菅田将暉 / 林遣都 / 半海一晃 / 安西慎太郎 / 松澤一之 / 立石涼子 / 小野武彦 ほか

盤石のシスカンパニー作品というだけでも人気なのに、当代随一の若手人気俳優ふたりが主演。
個人的にも、「スサノオ」から出演作を追っかけている斗真くんには並々ならぬ愛着があるし、
「菅田映画コンプリート」を人生の目標にしている私としては、この作品も見逃すわけにはいきません!

でもその人気っぷりは想像以上でした。
チケット確保は困難を極め、この日も立ち見券でさえ入手しにくかった模様。
劇場入り口から全ての撮影が禁止。
パンフレットの見本も見せてもらえない。
シスの公演でこんなの初めて。

でもせっかく入手できたのだから、チケット分は精一杯楽しもう…ということで、
事前の情報収取と、戯曲本による予習を怠りませんでした。
 


演出小川さんの翻訳本は、時間がなくて1幕2幕だけ目を通して臨みました。
結果、3幕は「えーそうなるの?」という新鮮なオドロキを持って観劇することができました。我ながらベストな予習だった!(自画自賛)

で観終わった感想なんですが、
とにかく「アルカディアよりわかりやすかった」ことは確かです。
もちろん戯曲本通りの芝居を予習済みで観ているからなんですが、その複雑な劇構造はさて置いといてもロズギルの漫才だけでも楽しめる。
「ハムレット」の戯曲と表と裏の関係を行きつ戻りつするのは「…あ、そういうことか!」と少し考えないと頭に入らないんだけど、
置いてきぼりを食らうこともなく没入できました。

斗真くんのロズ。前髪ぱっつんのマヌケっぷりが凄くよかった。
階段をホテホテと上ったり下りたりするんだけど、そのテンポや足取りがもー何というか!
こういう斗真くんを見たのは初めてだったので新鮮な驚きでした。

対する菅田くんのギル、ハンパない台詞量。
ロズとの会話のテンポ、「ラ行」を言い間違えてしまう場面の自然さ、なんといってもラストの台詞「見てろよ」の迫力と切なさ。
ここぞというタイミングで涙が頬を伝う。
長い台詞に溺れ気味、という感想も見かけたけれど、
舞台出演ってやっぱり経験値がモノを言う世界な気もするので「それはそれ」という思い。
(そういう意味なら斗真くんのほうが一枚上手なんでしょうね)
映像作品が評価されがちな菅田くんですが、これからもいろんなテイストの舞台作品に出てほしいなぁ。

写真もテキストも充実なパンフレットが1000円。
やはり「シスの芝居にハズレなし」です。
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「I Sing ~time to come~」 11/4・11/5

2017-11-06 | ライブ
中川晃教コンサート2017「I Sing ~time to come~」

11/4(土) 18:00 新国立劇場 中劇場 2階2列下手
11/5(日) 16:00 新国立劇場 中劇場 1階11列下手

【出演】中川晃教 / 旭 純(key)/ 園田 涼(key)/ 後藤 秀人(Guitar) / 川崎 哲平(Bass) / 阪本 純志(perc)


(グッズのTシャツの柄、X染色体とY染色体かな?と思ったら「人のかたち」だそうです)

11月5日はあっきー35歳のお誕生日です。
34歳の最後の日と35際の最初の日、こんな特別な2日間にコンサートが開催されるなんて!
そんな記念すべき日に相応しい、大人でゴージャスなライブでした。

【会場】

会場の新国立劇場は「プロミセス・プロミセス」や「抜け目のない未亡人」で訪れましたが、
他の演劇で見るときはいつも「舞台の奥行が長いな~」という印象でした。

4日は2階席だったのですが、その奥行を使って広めに楽器がセットされていたのがよく見えました。
しかも、あっきーの登場が凄かった。
背中越しからライトを浴びながら、リフターに乗ってするする~と降りてくる。後光がさしているみたい。

そう、今回のライブはなんと言っても
照明が神だった!
何パターンあるんだよ?とビックリの色使い、舞台床に投射されるパターン、曲のブレイクに寸分の狂いもなく切り替わるスポット。
照明だけ見てても飽きなかったです(1階席で観たときは多少眩しかったけど…)

【衣装】

不思議な模様の黒ジャケット、裾に長めのヒラヒラがついたベスト、ドット柄のシャツ。
白の細目のパンツには、腿のあたりに不規則にファスナーがついていて、サスペンダーで吊ってました。
セトリが一区切り進む度に、ジャケット脱ぐ→ベスト脱ぐ→シャツのボタンを外す…とタケノコ方式で脱ぎ脱ぎしておりました…
というかどっかの媒体さん写真アップしてくれ!

【セットリスト】(フォロワーさんにご協力いただきました)

4日と5日は同じ、5日のみダブルアンコールがありました。

1. SELLA
2. FLY
3. 相対性理論(新曲)
4. My Eyes Adored You
5. Who Loves You
6. Can't Take My Eyes Off You
7. カンランセキ
8. I have nothing
9. TO BE IS TO DO
10. そして、僕は魚になる
11. Save Our Souls(新曲)
12. チャイナガール
13. 音楽が消えることのないダンスフロア
14. ブルースカイ
15. Miracle of love

(アンコール)
En1. 止まらない一秒
En2. 告知のうた
En3. 別れるときに思うこと(新曲)

En4. I WILL GET YOUR KISS(5日のみ弾き語り)

(公式ブログの記載に合わせて修正しました)

事前情報で「decadeを中心に新曲を織り交ぜて」と聞いていたとおり。
「decade」からはほぼ全曲取り込んでくれて、個人的にはとても嬉しかったです。

でも今回の目玉は新曲です。

「相対性理論」は「見方が変われば世界が変わる」がテーマ。
あっきーの歌詞は、至極内省的になるか、逆に宇宙レベルに拡散するか…が多い印象なのに、
この曲は非常に日常的だったのが新鮮。
アレンジが凝っていて素敵でした。
(成績の相対評価と相対性理論の「相対」は関連があるのか?で終演後の飲み会でしばし揉める)

「Save Our Souls」
略してSOS、モールス信号では遭難救助要請のサインです。
曲そのものは音節に言葉を詰め込む「字余り歌」でした。(吉田拓郎のフォークソングを思い出す世代)
詰め込み歌なので正確には覚えきれなかったけれど、「あなたの声は聞こえている、一人じゃない」というメッセージの歌詞でした。
MCでNHKみんなのうたの話題が出たけれど予定があるのかな…?

「別れるときに思うこと」
個人的には今回のベストソング、いえここ何年かの中の新曲の中でベストソングです。
この「別れる」は永遠の別れではなく、「じゃあまた明日ね」的な日常の別れだと解釈しました。
道を歩いていて赤信号で立ち止まり、また青信号で歩き出す、その瞬間を切り取った歌詞なんだけど、
サビのメロディが切なすぎ。
何らかの形で音源化してほしいし、歌詞もすぐに知りたい!

既存曲で印象的だったのをいくつか。

「カンランセキ」のピアノソロは園田さん。イントロからメロディアスで素敵だった!
今回はキーボード2台で、それがとても功を奏していたと思います。
(聞けば園田涼さんはソノダバンドというプロジェクトで結構なご活躍だとか)
そうそう、バンドの平均年齢も若干若返り。

いちばんアガったのは「チャイナガール」から「音楽が消えることのない…」の流れ、
そして「ブルースカイ」に着地するところかな。
ご本人も「ここにブルースカイを持ってきたのが秀逸」と自画自賛してました。

アンコールでの「告知のうた」、これは今後のライブ予定を説明するときに
「読んでいるだけじゃつまらないから」とラップに乗せて歌ってくれたもの。
歌っていくうちに大曲に発展、しかも客席参加になり、ライブ日程を「イチ・イチ・イチニ」とコール&レスポンスさせられる。
途中から転がりはじめ、雨が降って!雪が降って!雹が頭に刺さって血が流れて!…
どこからこんな歌詞が出てきたのかさっぱり不明ですが(♪それが~彼~)
本編のどの曲よりも長い壮大な曲になりました。

5日は何台かのカメラを見かけたけど、映像化するのかな…?
この「告知のうた」、できれば両日Ver.を収録してほしいなぁ。

【MC】
本編はモニター表示の台本通りででした。「読売演劇大賞最優秀男優賞」とか見ないといえないもんね。

でも4日アンコールの話が面白かった!要約すると、
10月は舞台もなく昼夜逆転の生活を送っていた。
大雨があった日もずっと窓を開けずに過ごしていたので、近所の人に言われるまでベランダが洪水状態になっているのに気が付かなかった…
という話なんだけれど、これは爆笑モノでした。
(私もその日帰宅してとりあえず自宅前の側溝の掃除をしました。すぐに落ち葉が溜まって排水が悪くなるんだよね…)
5日に見に来ていた笠井アナに「MCは具体的に」とダメ出しされたらしいけど、4日のは具体的すぎるほど具体的だったよ!

【バースデイサプライズ】
5日のアンコールのとき、バンドの「Happy Birthday To You」の演奏とともにケーキが運ばれてきました。
あっきー「サプライズ…ですよね。でも開演前この曲練習しているの楽屋のモニターから聞こえちゃった」だって
旭さんがなにか言いたげでしたが、まあケーキが出てくるとかは予想はつきますよね。
ケーキ表面の写真がどっかに上がってくれるといいなぁ。

【ダブルアンコール】
5日終演後、場内アナウンスが流れて結構な時間が経ってましたが、拍手の大きさに応じて出てきてくれました。
おもむろにピアノに座って弾き始めたのは「I WILL GET YOUR KISS」。
最初はマイクバランスも良くなかったし、これはホンマモンの予定外だったではないでしょうか。
でもピンスポットも当たり、曲も普通のように終わらずどんどん展開してゆく。

今までそれこそ数えきれないぐらい回数あっきーライブに参加して、
ほぼ毎回この曲を聴いてきたけれど、いつも「その瞬間の彼」が表現されているのがこのデビュー曲かと思います。
今日のは本当に喜びにあふれていた。
何度も「幸せです」と繰り返すのを見て、私たちも幸せでした。


今回のライブは、告知から開催までの時間がとても短かったです。
FCメンバーにお知らせがあったのも間近だったから、急な企画でいろいろと大変なこともあったと察しますが、
この日に開催してくれてありがとうございました!
旭さんをはじめとしたバンドメンバー、神がかりな照明さん、気の利いたグッズを企画してくれた事務所さん、
信頼できてかつ有能なスタッフが集まっているのも、彼の人徳なんでしょうね。
この後の「I Singシリーズ」も楽しみにしています!
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これからのあっきー予定を考える【11月上旬】

2017-11-02 | 日記
11月に入り、「週イチアキノリ月間」に突入しました
もう予定を書き連ねていて自分でも「あれ、これチケット取ったっけ?入金とか払込みどうなってたっけ?」と混乱状態。

こうやって予定を見ていると「もう来年の3月までなんも入らないだろー!」と思いますが、
いやーまだまだわからないよ…
そろそろ来年のスケジュール帳を準備して、あっきー専用口座(チケ代管理のための別枠)の残高もチェックしときましょう!

【11月からの公演とこれからの出演予定】 

11/4~5 中川晃教コンサート 2017「I Sing ~time to come~」(新国立劇場 中劇場)
11/7 岩谷時子メモリアルコンサート~Forever~(中野サンプラザ)
11/12 中川晃教シンフォニックコンサート(豊中市立文化芸術センター 大ホール)
11/17 中川晃教コンサートat東京文化会館2017(東京文化会館小ホール)
11/25 ミッキー吉野×中川晃教 スペシャルライブ(八ヶ岳高原音楽堂)
11/30 知念里奈 20th Anniversary Memorial Concert ゲスト出演(東京国立博物館 平成館大講堂)

11/25~ NHKドラマ・大河ファンタジー精霊の守り人シーズン3 出演

12/14~12/17 HEADS UP!(KAAT神奈川芸術劇場)

12/20 中川晃教Symphonic Concert「Holy Night 2017」(高知県立県民文化ホール オレンジホール)
12/22 中川晃教Symphonic Concert「Holy Night 2017」(神戸国際会館こくさいホール)
12/24 中川晃教Symphonic Concert「Holy Night 2017」(ロームシアター京都 メインホール)

2018年
1/4~11 シアタークリエ10周年記念公演「TENTH」(シアタークリエ)第二部に出演
1/13 KOKI MITANI’S SHOW GIRL 「ショーガール」 Vol.2(EXシアター ROPPONGI)
1/20 HEADS UP!(富山芸術文化ホール オーバード・ホール)
1/26~27 HEADS UP!(上田市交流文化芸術センター サントミューゼ)

2/2~4 HEADS UP!(大阪 新歌舞伎座)
2/15~16 HEADS UP!(刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール)

3/2~3/12 HEADS UP!(TBS赤坂ACTシアター)

6/23~30 銀河鉄道999~GALAXY OPERA~(明治座)
7/21~22 銀河鉄道999~GALAXY OPERA~(北九州芸術劇場大ホール)
7/25~29 銀河鉄道999~GALAXY OPERA~(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ )


9月 ジャージー・ボーイズ(シアタークリエ)
10月 ジャージー・ボーイズ(地方公演)
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「レディベス」 11/1 マチネ

2017-11-01 | 舞台
ミュージカル「レディベス」
11/1(水)マチネ 帝国劇場 2階I列上手


【脚本 / 歌詞】ミヒャエル・クンツェ
【音楽 / 編曲】シルヴェスター・リーヴァイ
【演出 / 訳詞 / 修辞】小池修一郎

【出演】平野綾 / 加藤和樹 / 未来優希 / 古川雄大 / 和音美桜 / 吉野圭吾 / 石川禅 / 涼風真世 / 山口祐一郎 ほか

諸般の事情でご無沙汰しました。
文章って、こんな勝手なこと書いているブログでさえ、しばらく書かないと書けなくなってしまうんですね。

チケット手配していたこともすっかり忘れておりました。
初演はもちろん観てないし、粗筋も全く読まずに帝劇の入口をくぐる。いいのかワタシ…

いつもの通りナビザでB席を取ったんですが、この作品に関しては正解だったかも。
ホロスコープを思わせる大きな円盤が角度をつけた盆となってずっと回っている装置は、それはそれは美しかったです。
登場人物の舞台上の配置や動きがバランスよくて「あーイケコさん演出なんだ~」とため息が出るような。

粗筋さえも読んでいないし、何より世界史が大嫌いで「ナントカ〇世」と出てくると蕁麻疹モノな私ですが、
ストーリーは非常によく理解できました。
事の発端をアスカム先生(山祐さん)が再現ドラマで解説。
歌ウマさん揃いで、歌詞の隅々まではっきり聞き取れる。

思っていたよりオーソドックスで重厚で、「正統派ミュージカル」のお手本のような演出は、
集中して観られるけれどもちょっと疲れるときもありました。
大道芸三人組はもっと笑わせてくれてもいいんじゃないの? とか、
禅さんも圭吾さんもいるんだからも少し遊ぶ場面があっても…とかね。

この日は大勢の学生団体さんが席を占めていたのですが(しかも半分以上が男子)
休憩時間に「なんか期末テスト受けてるみたいでときどきぼーっとした…」とつぶやいていました。

でも二幕なると物語が加速する。
バルコニー越しにベスとロビンが会話する場面を観て「え、まさかのロミジュリ?」と焦ったり、
ターザンになったときは「もしかしてSHOCKみたいに2階にビューンとか?」と妄想したり、
(ところであれ本当に届くことあるんでしょうか?)
ラストシーンは「まさかこのままエリザベートのようにグサッと…」と歴史を捻じ曲げたりしてました。
前日に「怖い絵展」を見に行ったおかげで、首切り役が持っている刀がやけに生々しかったです。

結末も「なるようになった」わけですが、見学していた学生さんたちはどう感じたのかな。
もし俺がロビンだったら、どうしていただろう?
もし私がベスだったら、同じように決断していたかな?
少しでも若い感性に届いていればいいなぁ。

というのも、和樹マンのロビンは、俺と一緒に暮らそうと言いながらも半ば諦めているように見えたから。
逆に平野ベスは何の問題もなく庶民の生活に溶け込みそうでした。
これは別キャストだとかなり印象が違ってきそう。
ま、あとはフェリペの出番が「こんだけ~?」と若干肩透かしくらいました…
自分的には「ワンシーズンにB席で一回のみ」演目に分類かな。
コメント
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