それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ」 10/7

2017-10-07 | ライブ


ワールド・ミュージカル・コンサート「ソング&ダンス・オブ・ブロードウェイ」

10/7(土) 18:00 東急シアターオーブ 2階12列センター

【出演】アール・カーペンター / シボーン・ディロン / ウィレマイン・フェルカイック / エリック・クーンジー
【ゲスト】中川晃教

オーブのミュージカルコンサート、私は初めての参加でした。

ACT1は、ニューヨークそしてブロードウェイをテーマとした歌とダンス。
MCもなくサクサクと進みました。
BWっぽいナンバーやシアターダンスを観てなんとなく思い出したのは、ディズニーシーの「ビッグバンドビート」。
(あれも相当なレベルのパフォーマンスだと思う。ドラムもダンスも堪能なミッキーさん)
お洒落で小粋で、舞台天井に取り付けられた巨大な装置がくるくると動くのもすごい。

とても良かったんですが、なにかモヤモヤする。
ACT1はあっきー出演しないんですが、彼の持ち歌が多かったんですね。
On Broadway、Ease on down the road、I will always love you…
(Act2もIt Don't Mean A Thingから始まったし)
最近聴いたばかりなので、頭の中からあっきー節が離れない。うーん

あっきーはACT2途中で登場しました。
舞台上手から颯爽と出てきたとき「あっきー、ちっちゃっ… そして可愛い」とオーブの観客全員が思ったのは間違いありません。
女性お二人とも背が高いうえに高いヒールだったので「いっそのこと」と考えたのかどうか不明ですが、
衣装もワインレッドのタキシードに黒のリボンタイ、左胸にきらりと光るブローチでキュートな方向。

今迄の出演作品を紹介するように促されると、
「『モーツァルト!』でデビューしました。それから『CHESS』(One Night In Bangkokを一節)、『Tommy』(See Me Feel Meを一節)、あとは『Jersey Boys』…あとは…many many!」
と外国人にもわかるようにちょこっと歌うところがさらにキュート。
通訳さんが話しているのに「なんでそんな高音が出るんですか」と日本語で話しかけるところもMAXキュート。

ゲスト曲は2曲、まずデュエットで「Last Night of The World(世界が終わる夜のように)」。
これは声の重なり方が素晴らしかったです。
そしてあっきーソロはWest Side Storyから「Somewhere」。
「先日ここシアターオーブでのWWS…じゃなくてWSSを観てとても感激した」というコメント通り熱を帯びた歌いっぷりで、最後のロングトーンの伸びること伸びること。
持ち歌ではなく英語歌詞なのに、圧巻でした。

ただ、今日一番会場を熱狂させたのは、ウィレマイン・フェルカイックさんの「Defying Gravity」でした。
というかそれぞれの持ち歌がまあなんとも言いようがないぐらいの素晴らしさだったのですが、
これほどの圧力を持った「Defying Gravity」は聞いたことがありませんでした。ショーストップになるのも納得。

アンコール2曲目の「Conga」、出演者がみんな下にいるのに、あれ?壇上のセットの上に誰かいる?と思ったら、まさかのあっきーがセンターに。
いいんでしょうか~とも思ったけど、本当に楽しそうで楽しそうで。

奇しくも今日は、俳優デビュー15周年にあたるそうです。
2002年10月7日に日生劇場「モーツァルト!」で初めてミュージカルの舞台に立ってから15年。
15年間最前線に立ち続け、世界トップレベルのミュージカルアクターと肩を並べているのを観ることができて、私たちもこの上なく幸せな気持ちです。
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「人間風車」 10/5 マチネ

2017-10-06 | 舞台


「人間風車」
10/5(木)マチネ 東京芸術劇場プレイハウス 1階L列下手

【 作 】後藤ひろひと
【演出】河原雅彦

【出演】成河 / ミムラ / 加藤 諒 / 矢崎 広 / 松田 凌 / 今野浩喜 / 堀部圭亮 / 良知真次 ほか


笑いの扉を開けると、底なしの恐怖が待っていた…
愉快で楽しみいっぱいの童話の世界は、恐怖に満ちた悪夢へ直角に加速する!


パルコさんの↑のような煽り文句、既に観劇した方からの「前半オモシロ・後半ホラー」という感想に戦々恐々。
何よりもスプラッターが大の苦手なワタシなのに、成河さんご出演となれば必須科目になってしまいます。
しかも「休憩なしで2時間30分」…大丈夫なんだろか。

そして観終わってよく分かったのは、どうして「休憩なし」だったのか、ということです。
確かに前半はとっても面白かった。
童話の世界とリアル世界が交互に繰り返され、今野浩喜さんが繰り出すトレンドな笑いネタがヒットしまくり。
ぴろしくんと良知くんが繰り広げる会話や「なんちゃって殺陣」が緩くて笑えて。

しかし物語が進んでいき、成河さん演じる童話作家が恋焦がれるアキラを家に招いたときに、
スイッチがパタンと切り替わる。
ま、普通だったらこの辺で休憩を挟むだろうに、そこからジェットコースターのように急転直下…

要するに「もう降りられない」。
お化け屋敷が途中で抜け出せないように、そこからは逃げ出したくても最後までたどり着かないと終わらない。
そして最後まで本気で向き合わないとこのお芝居は何の意味もない。

相当なグロな表現が続いて「怖かった」としか言いようがないのですが、
何が怖いって、「これから起こることが全部想像できてその通りになる」のが怖い。

加藤諒くん演じるサムとアキラの関係も予感していた通り。
また「これから起こること」を語る成河さんの表現力が素晴らしくて、
頭の中にリアルにその場面が予想できてしまうのがもう辛くて辛くて。
でも凝視しないわけにはいかない。見届けないと終わらない。
そして開けられるパンドラの箱。

アフトクで成河さんが話してくれましたが、
今回のラストは2003年版と変えてあるそうです。
そのために「最後に語られる童話」のモチベーションが弱くなってしまうけれど
演出の河原さんは「だたのバケモノ退治の話にしたくない」と考え細かく煮詰めていったとか。

私が強く感じたのは「物語の力、想像力の強さ」。
プロレス用語も全く知らないので理解が足りないところもあったけど、
(「人間風車」というのは往年の名レスラー、ビル・ロビンソンのことだと後で知った。パンフ買えばよかった…)
楽しめて心に残る作品でした。

成河さんが言うように、少し大きすぎるコヤだった気もするけれど
大きなセットがぐるぐる回転する舞台機構、大音量の音響、そのためのサムの衣装、そのための平川の部屋の小道具、
立体的で奇想天外でポップな見栄えなところも楽しめました。



この日はアフタートークがあり、成河さんミムラさん加藤諒さん3名の登壇でした。
以下雑多に。(メモ取らなかったので記憶違いあったらご容赦ください)

加藤くんが話始めたとき、なんとなく舞台中央を向いてしまい(客席からは横向きになってしまう)
それを見て成河さんが立ち上がって椅子の向きを直し前を向くようにジェスチャーで指示。お兄さんみたい(笑)

成河さんは加藤くんを評して
「不器用だけど、その個性をコントロールできるようになれば10年20年に一人の逸材になる」と持ち上げ。加藤くんテレまくり。

実際に加藤くんは、高いところから落ちたり段取りに苦労していたそうです。

成河さんが苦労したところ
「長台詞が大変で喋っていると腹筋が割れるぐらい。「長台詞トレーニング」という本を出版したい(!)」

東京14公演でもう折り返しを過ぎていると聞いて成河さん
「ワタクシ事ですが、春先に85公演もやっていたので…あっという間でした」

ミムラさん
「筋肉痛にはクルミがいいと成河さんに教わり、加藤くんと分け合って食べている。兄弟みたい」
ミムラさんは会見のときもずっと喋っていて、演出河原さんも若干引いたとのこと。
でもあの雰囲気があってこそのアキラ役でした。

この後は地方公演を回るんですね。
怪我や事故なく無事に公演できますように。
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「中川晃教コンサート2017 ~Seasons of love~」 10/1

2017-10-03 | ライブ
中川晃教コンサート2017 ~Seasons of love~

【名古屋公演】9/14(木)18:30 中日劇場 5列センター
【東京公演】 10/1(日) 17:00 明治座 14列下手

【出演】中川晃教 / 旭 純(piano)/ 後藤 秀人(Guitar) / 石田 純(Bass) / 平里 修一(Dram)
    篠笛:佐藤和哉 / Dance:浅井信好、杉浦ゆら / 朗読:伊礼亮

ライブの模様はこちらの記事が詳しいです。

 → 演劇キック観劇予報「『中川晃教コンサート 2017 “Seasons of love”』が中日劇場で開幕!」
 → ぴあ「中川晃教の新たな魅力! コンサート「Seasons of love」開幕


Seasons of love、名古屋と東京に参加してまいりました。
遅くなってしまいましたが自分の覚書に。

「LIVE ACT」と銘打ったライブは、2004年の「BLUE DREAM」以来久しぶり。
そのブルドリが当時「…」という評価だったので、私としてはドキドキワクワクというよりハラハラドキドキな気持ちでした。

で、ざっくりと上目線で申し上げるとしたら、とても受け入れやすく誰もが楽しめるライブだったと思います。
「和」の雰囲気を感じさせる構成とライブ会場、
朗読された短編とその内容にまつわる選曲、
ミュージカル曲とオリジナル曲のバランス。
奇をてらわず、かといって定番に終始することもなく、古いファンも新しいファンもウエルカムな気持ちになれるような。
(名古屋も東京も、いつもよりも年齢層の幅が広く男性の方も多くお見掛けしました)

ライブが終わって明治座の出口を出るときにしみじみと思ったのは、

「この人なんて歌が上手いのかしら」

10年あまりもファンをやっていてそれだけかい!と自分でも思うのですが、
Twitterを見てみると、今日の彼の歌声をいろいろな表現で比喩している言葉がいくつも流れていました。

「歌上手いとかの域ではなくただそこに存在する美しいもの」
「奥行を感じさせるというか立体的だし色も感じる」
「どこまでも広がる青空が見えてくる」
「自分の体がふわっと軽くなる錯覚」
「頭上よりちょっと高いところでたなびいてるサテンの布。触れなくてもサラサラしゅるしゅる感じてただもう心地よい」
「ロングトーンのキラキラ具合が白くて綺麗な雲をひいて空に登っていくロケットを思い出させる」

私はこれ以上の表現をする語彙力を持ち合わせておりませんが、
一曲一曲に表情を違え、ハイトーンだけではなく「まんなかあたりの音域」(例えばMY WAYのような)が、
厚みがあって豊かで艶やかで、コントロールが効いているってこういうことなのかな~と思えました。

以下、雑多に。

今回の最大功労者はもちろん篠笛の佐藤さんだと思うのですが、
そのお顔の綺麗さもさることながら、篠笛を刀のように腰に収める仕草がなんとも。
冒頭の「かごめかごめ」だけでなく、朗読のBGMがよかったです。「赤い花白い花」がもう一度聞きたい。

衣装もとても素敵でした。
右側だけが「モーツァルト!」を思い出させるフリンジ付きのコート。
中のインナーはなんだか忍者のような…
お着換えしたモノトーン衣装は東京ではジャケットを脱ぎ脱ぎしておりました。

MCは少なめ。舞台上のモニターでおおまかな台本が見られるようになっていたようですが、
後輩の伊礼くんを優しくイジるのが面白かった(笑)

「BLUE DREAM」5拍子のむずがゆさと、途中のスキャットが好き。
「見上げてごらん夜の星を」ど真ん中な昭和感が好き。
「On Broadway」ダンサー浅井さんと高めあってスパークする瞬間が好き。

どの曲もとっても満足だったんですが、今回の「この一曲」をあげるとしたら
私は「MY WAY」かな。
「私には愛する歌があるから 信じたこの道を私は行くだけ」
こんな歌詞の歌を、客席に降りてアイコンタクトを取りながら歌ってくれるなんて。
アンコール曲の定番にしてほしい曲です。




【セットリスト】(あちこち参考にさせていただきました)

オープニング「かごめかごめ」 篠笛:佐藤和哉 Dance:杉浦ゆら

1. チャイナガール

(以下、朗読:寺山修司「四つの愛の物語」より 伊礼亮 / 中川晃教)
朗読「お月さまの壜詰」
2. I have nothing
朗読「ギターとキノミ」
3. I say good-bye
朗読「涙と飛びたい」
4. 見上げてごらん夜の星を
朗読「青空を塗る男」
5. BLUE DREAM

6. 僕こそ音楽(モーツァルト!)
7. 人のツバサ(SHIROH)
8. On Broadway(Beautiful)Dance:浅井信好
9. Walking In The Rain(Beautiful)
10. Can't Take My Eyes Off You(ジャージー・ボーイズ)
11. Who Loves You(ジャージー・ボーイズ)

12. FLY
13. TO BE IS TO DO
14. 止まらない一秒
15. Miracle of love(自作詩朗読:伊礼亮)

(アンコール)
E1. MY WAY
E2. I WILL GET YOUR KISS


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