先週のことになりますが、KAAT(神奈川芸術劇場)のバックステージツアーに参加いたしました。(→これ)
写真の使い方を練習したくもあるので、簡単にご報告。
参加したのはスペシャル・コースの方で、事前に「劇場中の階段を上り下りするのでヒールのある靴はご遠慮ください」との注意あり。
その通りスノコ(天井裏)から奈落まで、狭い階段を上ったり下りたりを繰り返して、結構疲れました。
まず最初に案内されたのは舞台の上。舞台から客席を見渡します。
最大客席数は1300席だそうですが、1階最後列までの距離はクリエ(700席)と変わらないとか。
舞台と客席がとても近く、左右のサイド席がななめっていて緊密観があるんですね。
…ただ最前列だと全体がちっとも見えないんだけどね(汗)
客席は可動式で、いろいろな配置にできるとのこと。
バレエのときは舞台を高くし客席の勾配をきつくして、足元がよく見えるようにしたり、歌舞伎公演は両側に花道を作ったり、客席と舞台の境目をなくして舞台上にテントを作ったりすることもあるそうです。
舞台の上から下りてきたのは「バトン」。照明や紗幕などをつりさげます。
そしてこのバトンを吊っている天井を見学するために、舞台奥の階段をひたすら上りました。
ここが天井裏で、足元が簀の子状になっているところから「スノコ」と呼ばれるそうです。
従来の天井裏はもっと天井が低く屈んでしか作業できなかったそうですが、
KAATでは高さを十分取って広さも広くし、スノコも黄色にしているとか。
大道具さんはここで終日作業することも多いので、なるべく居心地良い環境を目指したようです。
スノコのすき間から舞台を覗くと…コワイッ…
機械類はドイツ製が多い。さすが。
別の場所から舞台を見るとこんな感じ。
続けて照明室へ。メインのスポットライトを操作する部屋に入りました。
ここから舞台上の役者をスポットで追うのですが、暗転中に動く役者さんを追いかけて、照準をどんぴしゃに合わせるやり方が意外にアナログなことを知りました。
照明さんは自前で「マイ照準合わせ装置」を作成したり、勘を働かせたりすることもあるみたい。
このスポットを操作する操作は、新人の照明さんが担当することが多いそうです。
急にピンスポを当てる必要が出たときに「おまえが行ってこい!」と照明室に走らされる「使い走り」をさせられるけれど、照明室からは常に舞台全体を見渡せるので、舞台デザインや照明デザインを正面から確認できてとても勉強になるとのお話でした。
ここからまた階段を使って、今度は下へ降ります。
降りる階段のわきにはこんな案内図が貼ってあったり、通路に沿って誘導灯が光っていたり。
今度は舞台の下の奈落へ降りました。
奈落から上を見ると、武骨な柱が舞台板を支えています。
舞台の板は、正方形状の板が何枚も継ぎ合わされている形になっていて、
これを利用して舞台から下に降りる階段を作ったり、お風呂のような水場を作ったりできます。
奈落は本当に暗くて怖かった…
さらに下へ。5階にあたる舞台から1階へ下ります。
降りるときに使ったエレベータは大道具を搬入できるように間口が広い!(ああ写真がわかりにくい)
エレベータ内の案内を見ると、すごい遅いスピードで動くのがわかった。
1階の作業場を見せてもらいました。
トラックから直接機材を搬入できるようになっていて、ここでちょっとした装置を作ることもできるそうです。
最後に役者さん用の楽屋、楽屋前の廊下(差し入れやケータリングの置き場)も見せてもらいました。
「何故楽屋入口に暖簾(のれん)を飾るのか?」ということも教えてもらいました。よくわかった!
以上、予定40分のところ1時間を超える見学ツアーで、とっても面白かったです!
無料だったのでなおさら嬉しかった(え?)
総じて。
私たちが観劇するのはたった1日だけれど、スタッフの方の
「上演することも大事だけれど、作っていく過程はもっと大事」という言葉が印象に残りました。
試行錯誤しアイデアを集結していくこと、作る環境を快適にしていくこと。
私たちが見ることのできるのは舞台の上のみだけれど、
いつもは見えない、舞台を取り巻く作業場がとても広くて大がかりなことにもびっくり。
広くて殺風景な作業場、スタッフの地道な努力、そんな膨大なものを集めた上に成り立っている一部…氷山の一角しかいつも観ていないんだなぁ…と強く思いました。
これから舞台を見るときは、きっとちょっとだけ思い出すだろうな。
今回見た奈落の暗さや、照れながらマイ照準装置を見せてくれた照明さんの横顔を。
素晴らしい作品を支えてくれて、本当にありがとうございます!
写真の使い方を練習したくもあるので、簡単にご報告。
参加したのはスペシャル・コースの方で、事前に「劇場中の階段を上り下りするのでヒールのある靴はご遠慮ください」との注意あり。
その通りスノコ(天井裏)から奈落まで、狭い階段を上ったり下りたりを繰り返して、結構疲れました。
まず最初に案内されたのは舞台の上。舞台から客席を見渡します。
最大客席数は1300席だそうですが、1階最後列までの距離はクリエ(700席)と変わらないとか。
舞台と客席がとても近く、左右のサイド席がななめっていて緊密観があるんですね。
…ただ最前列だと全体がちっとも見えないんだけどね(汗)
客席は可動式で、いろいろな配置にできるとのこと。
バレエのときは舞台を高くし客席の勾配をきつくして、足元がよく見えるようにしたり、歌舞伎公演は両側に花道を作ったり、客席と舞台の境目をなくして舞台上にテントを作ったりすることもあるそうです。
舞台の上から下りてきたのは「バトン」。照明や紗幕などをつりさげます。
そしてこのバトンを吊っている天井を見学するために、舞台奥の階段をひたすら上りました。
ここが天井裏で、足元が簀の子状になっているところから「スノコ」と呼ばれるそうです。
従来の天井裏はもっと天井が低く屈んでしか作業できなかったそうですが、
KAATでは高さを十分取って広さも広くし、スノコも黄色にしているとか。
大道具さんはここで終日作業することも多いので、なるべく居心地良い環境を目指したようです。
スノコのすき間から舞台を覗くと…コワイッ…
機械類はドイツ製が多い。さすが。
別の場所から舞台を見るとこんな感じ。
続けて照明室へ。メインのスポットライトを操作する部屋に入りました。
ここから舞台上の役者をスポットで追うのですが、暗転中に動く役者さんを追いかけて、照準をどんぴしゃに合わせるやり方が意外にアナログなことを知りました。
照明さんは自前で「マイ照準合わせ装置」を作成したり、勘を働かせたりすることもあるみたい。
このスポットを操作する操作は、新人の照明さんが担当することが多いそうです。
急にピンスポを当てる必要が出たときに「おまえが行ってこい!」と照明室に走らされる「使い走り」をさせられるけれど、照明室からは常に舞台全体を見渡せるので、舞台デザインや照明デザインを正面から確認できてとても勉強になるとのお話でした。
ここからまた階段を使って、今度は下へ降ります。
降りる階段のわきにはこんな案内図が貼ってあったり、通路に沿って誘導灯が光っていたり。
今度は舞台の下の奈落へ降りました。
奈落から上を見ると、武骨な柱が舞台板を支えています。
舞台の板は、正方形状の板が何枚も継ぎ合わされている形になっていて、
これを利用して舞台から下に降りる階段を作ったり、お風呂のような水場を作ったりできます。
奈落は本当に暗くて怖かった…
さらに下へ。5階にあたる舞台から1階へ下ります。
降りるときに使ったエレベータは大道具を搬入できるように間口が広い!(ああ写真がわかりにくい)
エレベータ内の案内を見ると、すごい遅いスピードで動くのがわかった。
1階の作業場を見せてもらいました。
トラックから直接機材を搬入できるようになっていて、ここでちょっとした装置を作ることもできるそうです。
最後に役者さん用の楽屋、楽屋前の廊下(差し入れやケータリングの置き場)も見せてもらいました。
「何故楽屋入口に暖簾(のれん)を飾るのか?」ということも教えてもらいました。よくわかった!
以上、予定40分のところ1時間を超える見学ツアーで、とっても面白かったです!
無料だったのでなおさら嬉しかった(え?)
総じて。
私たちが観劇するのはたった1日だけれど、スタッフの方の
「上演することも大事だけれど、作っていく過程はもっと大事」という言葉が印象に残りました。
試行錯誤しアイデアを集結していくこと、作る環境を快適にしていくこと。
私たちが見ることのできるのは舞台の上のみだけれど、
いつもは見えない、舞台を取り巻く作業場がとても広くて大がかりなことにもびっくり。
広くて殺風景な作業場、スタッフの地道な努力、そんな膨大なものを集めた上に成り立っている一部…氷山の一角しかいつも観ていないんだなぁ…と強く思いました。
これから舞台を見るときは、きっとちょっとだけ思い出すだろうな。
今回見た奈落の暗さや、照れながらマイ照準装置を見せてくれた照明さんの横顔を。
素晴らしい作品を支えてくれて、本当にありがとうございます!