ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」
日生劇場
10/7 (金)ソワレ BLACK プレビュー
10/7 (金)ソワレ BLACK プレビュー
10/8 (土)ソワレ BLACK 初日
10/11 (火)マチネ BLACK トークショー(中川・花村)
10/11 (火)ソワレ GREEN
【翻訳】 小田島恒志
【訳詞】 高橋亜子
【演出】 藤田俊太郎
【音楽監督】島 健
【出演】
チームBLACK 中川晃教 / 藤岡正明 / 東啓介 / 大山真志
チームGREEN 花村想太 / 尾上右近 / 有澤樟太郎 / spi
加藤潤一 / 山路和弘 / 戸井勝海 / 綿引さやか / 小此木麻里 / 遠藤瑠美子 / ダンドイ舞莉花 / 大音智海 / 山野靖博 / 若松渓太 / 杉浦奎助 / 岡施孜 / 宮島朋宏(スイング)
(日生劇場さんの売店で見かけたリスさんとウサギさん)
22年版のJBが開幕しました。
2016年初演のプレビュー、2018年再演の初日、自分の記録を辿ると「40公演無事でありますように」「頼むから50公演無事に」って感想よりも心配のほうが先だっていて笑っちゃうんですが、今回再再演のプレビューがどれほど平穏に観られたか…
フランキー・ヴァリ役をシングルで務める過酷さ、10/11のトークショーでもあっきーが「あの日々にもう一度帰れるかと聞かれたら︎ 『うーん…』となる」って言っていて、おこがましくも手に汗握ってた日々を思い出します。
演出が少し変わってました。
大幅な台詞の変更はなかったように思いますが、カットされた場面が少々(フランキーのプロポーズ、窓に止まった蠅のどれが先に飛び立つか、フランシーヌに近づく注射野郎などなど)。
ドット柄を中心としたポップな衣装から、リアルで大人な衣装に。
大きな盆が回り、3階までの階段が頑丈なものになり、左右に配置されたモニター画面を複数シンクロさせて顏のアップが映るように。
わずかながら技術の進歩を感じます。
劇場がクリエの2倍キャパになって(あっきーがToo Bigと言ってた)、私もクリエサイズがベストだと思うけど、でも客席からの拍手が大きく響くのはよかったです。
■ チームBlack
プレビューの日はもう「そこに4人がいる」だけでウルッとしてしまいましたが、初日からが本筋でした。
あっきーフランキーと藤岡トミーが現実でも鉄の絆で結ばれている故に、二人の間のリズムがメインストリート。
そのときそのときのライブ感覚を大切にしている印象です。
特に「秋」で問題解決のために乾杯してからのシーンは、立ち位置や動線などもアグレッシブに変わっていくような気がします。
とにかく藤岡トミーが殴る蹴るを多用し、そのせいかボーリング場でのジョーイの顏が傷だらけ。
史上最低なクズ野郎ぐあいが史上最高です。
ボブ・ゴーディオ役のとんちゃんこと東啓介くんは190cmなのですね…
2階席最後列からだと、セットの3階に立たれると顏が見えないんだよ!
大山ニックは凡庸で親しみやすく、低音ボイスは甘くて素敵。
■チームGreen
お芝居をとにかく細かく作っている。
フランキー登場時の初々しさとその時点でのパワーバランス、教会のオルガンの鍵がいかに硬いか、とってもよくわかる。
初見さんはGreenを最初に観ると流れがよくわかるのでは。
花村くんがちっちゃい♡
spiさんニックはガタイが良くて100%アメリカ野郎なので、容積比にしたら3倍ぐらい?
右近さんはチンピラというよりも「不良と書いてワルと読む」感覚でしょうか、口跡がよくて台詞がよく聞こえます。
特筆すべきは有澤くん。
失礼ながらお名前さえ存じ上げませんでしたが、海宝くんを彷彿とさせる爽やかさと度胸。
チームGreenは絶大な一体感があり、箱推ししたいです。
■ふたりのフランキー
なにはともあれ花村くんには感謝しかありません。
今をときめく人気者が引き受けてくれた…という以前に、出演に至るまで様々な苦労があったことが想像できます。
誰かがこの役を引き継いでいくことで作品が上演され続ける。
初演から6年経ってその重みを感じていますが、想太くんで本当によかったと思っています。
あっきーは、初演とも再演とも違うフランキー・ヴァリでした。
あっきーのヴァリ声はよく「つやつや」「きらきら」と表現されますが、私には「鐘が鳴っている」ように聞こえました。
「Big Girls Don't Cry」のサビなんか鐘が鳴りっぱなし。
どこかで「永遠にこの役を続けて森光子になってほしい」という呟きを見ましたが、マジでそう思います。
後半も楽しみにしています。