それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「グラスホッパー」

2015-11-27 | 映画


人気作家・伊坂幸太郎のベストセラー小説を、『人間失格』などの生田斗真主演で映画化したサスペンス。恋人を殺害した犯人への復讐(ふくしゅう)に燃える元教師、人の心を操り自殺に追い込む殺し屋、その命を狙うナイフ使いの殺し屋の運命が、それぞれの思惑を抱えながら交錯していくさまが展開。監督は、『脳男』に続き生田とタッグを組む瀧本智行、脚本を『あなたへ』などの青島武が担当。共演には日本のみならず国際的に活躍する浅野忠信、Hey! Say! JUMPの山田涼介が顔をそろえる。



原作未読です。

映画感想のサイトを見ると、原作ファンからのブーイングが結構目立つようです。
エピソードを端折ったとか、キャラのイメージが全く違うとか、そんなレベルではなく「もやは違う作品」みたい。

幸か不幸かそのような心配が全くなく、展開が思いがけない方向に転がっていくので楽しめました。
幕切れも鮮やかで、伏線の回収も気持ちがいいぐらいに着々となされてゆく。

グロイ映像が超苦手なので、血糊が飛び散りそうなときは「きたきた…」と目を伏せる小心者ですが、
それほどキツくなかったのもよかったかな。
もちろん斗真くん目当てなわけですが、期待通り変幻自在で体当たりなプロ仕様の取り組み方。
アクションシーンもそれなりに…というか、ジャニ山田くんの鋭利な横顔が実にカッコよかったなぁ
相棒役のムラジュンさんのダンディズムも素敵

が、目的はわりかし早い段階で達成されてしまうので、
それなりにドキドキハラハラはするんだけど、なんだか「ひとごと」感が増大してくる。
後半のCGが多少違和感を覚えたのは、私が集中力を失ってしまったからだと思うのですが、
渋谷の街が究極のリアリティ(実はセットだとか)を持つのに、悪者のアジトが究極にツクリモノ感満載になってしまうところだとか
ちょっと肩透かし。
そういえば「脳男」のときも同じような感想だったような。これは監督テイストなんですね。
合う合わないで言えば、「合わない」監督さんになってしまいました…
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「HEADS UP!」 11/20 マチネ(アフタートーク)

2015-11-21 | 舞台
ミュージカル「HEADS UP!」11/20(金)マチネ終了後アフタートークショー 16:05~

【登壇者】(舞台上手側から) ラサール石井 / 哀川翔 / 大空祐飛 / 中川晃教 

11/20のアフタートークを書き起こしします。
殴りメモをそのまま書き起こしますので、面白かったところを編集しているレポではありません。
ダラダラ書き、贔屓優先、聞き違い、誤字脱字などご容赦ください。
また、全般的に物語の核心に触れるネタバレがあります。
特に後半に、まだこの作品を未見の方には絶対教えたくない事項があります。ご注意ください。


■ ラサールさんのご挨拶からアフタートークが始まりました! ■

舞台上に椅子が運ばれ、お名前の紹介と共に4名が登場。
あっきーは2幕のスーツ衣装でした。
冒頭で演出のラサール石井さんのご挨拶、そのあとはラサールさんの進行で進みました。


ラ 「本日はありがとうございました。初日が開いてから中日(なかび)も過ぎましたが、今日が一番出来がよかったです。ダメ出しのメモを書いてますが今日はひとつもなかった!何よりも哀川さんの台詞がスムーズに出たのがよかったです。初日はスリリングだったので(笑)」

ラ 「10年間構想を暖めていたんですが、演劇関係者の誰に言っても相手にされなかったです。『それどこが面白いの?バラシなんてドラマにならないじゃ?』とか。こうやって実現できて、やる気になればやれるものだなということがわかりましたが、稽古中、初日の前になってもできるのか?と本当に不安でした… でしたよね大空さん?」

大 「どうして私に振るの?(笑) 確かにスリリングでしたね。仕込みとかのシーンは、できるまでが本当に大変そうで」

ラ 「リノリウムを貼るナンバーは1日がかりでした。振付の川崎先生に『無理じゃないの?』と言われながら。(絨毯のように巻いてある)リノリウムを足で蹴って舞台に敷いていくシーン、あれめちゃくちゃ重いんですよね」 

哀 「いやもう足が折れるかと思った!最初思い切り蹴ったら、まー手ごわかったですね。ちゃんとやらないとタタリがありそうで怖いんですが、そういうところもホントに細かくやってるんですよみなさーん!(拍手)」

ラ 「中川さんには、一番最初にオファーして一番最初にOKをもらいました。昔「死神の精度」というストプレで苦労を共にして、共に戦った同士という感覚です。『CHESSがあるから出番を少なくしてほしい』と言われ、それでアタマとオシリを締めてもらうことになって」

哀 「稽古中にテレビでCHESSのゲネプロ映像を見て、『え?こっち出てんじゃん!』とびっくり」

ラ 「残り2週間というときから稽古参加してもらったけど、そこからいろいろなアイデア出してもらいました。それからどうでしたか中川さん?」
  
あ 「すごい楽しかったです。稽古場は笑い声も満たされてたけれど、哀川さんが差し入れをたくさんしてくださって、お腹も満たされました。稽古中誕生日を迎えたんですが、ラサールさんがカレーを作ってきてくれたのも… オリジナルミュージカルを作るって本当に大変じゃないですか。でも哀川さんの心意気と気遣いと、そして成功させたいという思いで、稽古場がエネルギーで満ちてました」


■ 哀川さんは初ミュージカルなんですね! ■
 
哀 「舞台は2回目でミュージカルは初めてなんだけど、稽古場ではずっと笑ってて…」

ラ 「哀川さん、そこに立って芝居やってんのに笑ってんですよ!(笑)」

哀 「いやいや、『寒い!』とかやられると可笑しくって!(注:劇中劇場面で今さん演じる小山田丈太郎の見せ場です)自分の台詞が出なくなるほど笑いました。実際に稽古は歌とダンスに時間をすごく取られて、芝居をみんなで合わせたのはゲネが初めて。最初はホントに稽古ひと月もやるのかよ?と思ったけど、それぐらいやらないとダメだよね(笑)」

ラ 「稽古初日に楽曲が全部揃ってなかった自分のせいでもあるんですが…」

哀 「全部揃っていたらなおさらパニックですよ!」


哀 「苦労した稽古が終わって、初日迎えて今中日(なかび)を過ぎて…なんだか夢のようです!コンサートも含め様々な経験をしてきましたが、舞台って面白いですよね」(3階客席学生団体の男性陣から「おおー」と声が上がる)

ラ 「ミュージカルは芝居からいきなり歌が始まるけど、哀川さんに言わせると『これは映画でいきなりドンパチが始まるのと同じじゃないか?』とか」
  
哀 「やっぱり急に歌が入ると笑っちゃうよね、『やめてくんねぇかな、もうちょっと小声で歌ってくれないかな』って(笑)」
  
■ 出演者の皆様はとっても自然体でした! ■

大 「新作の初日を開けるってすごいエネルギーが必要ですよね。でも翔さんも全くピリピリしないので…」

ラ 「3時間待ちでもそのままいらっしゃるんですよ、全然怖くない(笑)」(どゆこと?!と哀川さんからのツッコミ)

大 「飾らないスタンスで、台詞で『おいちょっと待て!』というところも『あれっ、芝居止めたのかな?』と思うぐらい自然でした。この作品は、自分が女優役ということもあるんですが、自分たちに起こっていることが再現されていて、袖と舞台の境目を感じなくて心地よいです。一体感がありますね」

ラ 「今回はサービスの意味で、大空さんにディナーショーのように客席を歩いてもらいました(笑)。Twitterでも『大空さんが通るとイイ匂いがする』って言われてたし。最初は(女優役は)"いい人"という設定だったけど、それより"みんながピリッとする人"の方がと言われて演出しなおしたりしましたが、いつも前向きに取り組んでもらいました。大空さんもそういう女優さん的なピリピリしたことろが全くないですね(笑)」

あ 「ラサールさん顔合わせの日に『みなさんワガママ言わないでください』って言ってましたよね!」

ラ 「要するに、小山田丈太郎や演出家がワガママいって困る芝居だから、それを演じるカンパニーがワガママや序列とか言ってたら意味がないんです。だからカテコも序列がないように、ずっとグルグル回ってるようにしたんです」


■ こんな仕掛けもしてあるんです! ■

ラ 「あとね、この板目の床も絵なんです。リノの上にリノを貼ってます」
(舞台床は地方劇場を思わせる板目模様なんだけど、本来のKAATの床面ではないってことですね。芝居中にこの床に「ドルガンチェの馬」の城壁を思わせるリノを貼ります)
  
あ 「劇場搬入口の扉も(KAAT本来の扉ではなく)セットですよね。KAATの(本来の)奥行きはこの倍ぐらいあるし」

ラ 「そういうところも美術ががんばってくれて、黎明会館というものを作っていただきました」

哀 「黎明会館、ウケてましたね~!やっぱりスゴイね~!」

ラ 「いやこんなにウケるとは思ってなかったです(笑)」 


■ 本当のトラブルもありました! ■

ラ 「中川くんも、(冒頭のシーンは)あっきーらしい衣装で自毛だったんだけど、『役柄的に地味にしたほうがいい』って自分から申し出てもらって」

哀 「最初は誰かな?と思った(笑)。どんどんヘアスタイルが変わっていくから誰だかわからない」

ラ 「最初はくるくるっとしたキュートな髪型でしたよね」
(今だから納得するけれどあの七三分けは衝撃でした。30年前の髪型としてはピッタリだよね)
 
哀 「今日なんてすごいバタバタしました。(上手下手の)どっちから出るかわかんなくて…」

あ 「オレがハケて袖に座っていたら、こんな感じでバタバタしてました!」
(とひとしきり哀川さんバタバタ状態を再現する劇場さん。ピョンコピョンコしてカワイイ)

ラ 「次に向こうからでなくてはいけないのに、こっち側にハケてきちゃって(笑)」

あ 「でも、僕たちもそういうことよくありますよ。ね?(と大空さんに振る)」

大 「そうそう、楽屋に帰っちゃったりとか衣装脱いじゃったりとか(笑)」(そうなの?)

ラ 「元がそういう芝居だからトラブルあっちゃダメなんですが、実際にあったのは、…今さんの雪!今さんが『寒いっ!』って言ってるとき、本当に振らなきゃいけないときに雪が引っかかっちゃって。どーしよー!と思ってたら、たった一枚だけ振ったんです!!今さんも『振ったぁぁぁぁぁぁ!』ってすごい喜びようで、1枚だけ降らせるなんてあれは奇跡でしたね(笑)」

哀 「寒いっ!というの結構長いシーンなのにね」

ラ 「しかもくるくる回って登場するのも日に日に多く回ってるし(笑)」

あ 「今さんとはご一緒する機会も多いけど、他の作品でもあの小山田丈太郎が蘇ってきたらどうしようって思います(笑)ラサールさんさすがだと思いました!」


■ 締めののご挨拶を一言ずつ述べて終了です! ■

哀 「締めですか…(笑)締まらないっすよ!初めてミュージカルに出演させてもらって、お客さんが笑ったり、感動して『また見ようか~』なんて言ってくれて。自分の仲間はミュージカルのミの字も知らないのがいっぱいいるけど、そういう仲間がみんな見に来てました。参加できてうれしく思っています。まだまだ続きますが頑張っていきたいと思います」

大 「コメディは久しぶりですが、毎日楽しく参加させてもらってます。劇中の台詞、『人は役者や美術を見に来るのではなく、そこに起こる熱を見に来るんだ』というのにジーンときています。いっぱい見ていただけたらいいなと思ってます」

あ 「熊川よっしーという役ですが、インパクトがすごい。遡って考えると、ラサールさんと共演した「死神の精度」がきっかけで渡辺えりさんに声をかけてもらい、「ゲゲゲのゲ」という作品で鬼太郎を演じ、そうやって別の世界に飛び込むことでいろんなことを経験してきました。幕が開いてから降りるまで、自分が毎日やることは変わらないけれど、その繰り返しをやりながら、熊川という役を実感し、舞台に立つ者として感謝を感じています。…すいません固い話になっちゃって(笑)」


ラ 「リピーターの方も多く来ていただいてるようです。2回見る方は熊川さんの正体もわかって見に来るわけですが、そうすると最初から、熊川さんは誰とも目が合っていない、会話しているようで誰とも話していないこともわかる。というのもあって、中日(なかび)から芝居変えてます。照明さんの女の子の一人だけ霊感が強くて、『あれ? なんかいない?』と言っている芝居を入れています。そういうところも見ていただけると。本日はどうもありがとうございました!」


■■ 個人的なまとめ ■■

この回は3階下手バルコニー席でしたので、下手側の椅子に座ったあっきーは全くもって見えませんでした(泣)
それでも双眼鏡を駆使して手すり隙間から覗いたときは、あっきーが客席全般を見渡しているのが確認できました。

ラサールさんが本当に一生懸命に「主演の哀川さんを盛り上げよう」「大空さんやあっきーのファンにも楽しんでもらおう」という気遣いをしていて「さすが!」と思いました(とあっきーと同じことを言ってみる)
部外の司会者や決まった質問などがなくとも、盛り上がったトークショーでした。
あとラサールさん本当によくTwitter読んでるんだねっ。
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これからのあっきー予定を考える【11月中旬現在】

2015-11-20 | 日記
「HEADS UP!」が開幕しましたが、追って新しい公演情報も出てきました。

「グランドホテル」、演劇キックのサイトに詳しい紹介がありました。 ( → ここ )
その昔、93年月組公演で拝見した覚えがありますが、…「ゆりちゃんの出番が少ない!」ってことしか思い出がない!
アフターイベントもいろいろ予定されているようなので楽しみ。

東京公演はACTシアター、主演の立場でACTに出演してくれるのも嬉しいです。
ソンハくんと共演してくれるのが夢だったけど、ダブルキャストとは。通い甲斐がありそう。

そしてこの公演予定をじーっと見ていると、、、
ギッチギチのスケジュールではあるんですが、
CDリリースに合わせて突発インストアライブがあるのではなかろうか…
ジャージボーイズは恐らく7月だろうけど、てことは5月後半に何か突っ込んでくるかもしれない…
などと、戦々恐々とするわけですね。
追っかける側にも「ペース配分(主に金銭的な)」ということをご理解いただきたいです。
何はともあれ、この殺人的スケジュールを乗り切れるような気力体力の充実を願うばかりです。あっきーも私たちも。



(自分の覚書のために記載しております。正確な情報は各公式サイトを!)

【終了公演】

9/27~10/12  CHESS THE MUSICAL(東京芸術劇場プレイハウス)
10/19~10/25 CHESS THE MUSICAL(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)

10/31 ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ「中川 晃教による中高生のためのミュージカル・ワークショップ」(アーク・ノヴァ福島会場)


【公演中】

11/13~11/23 HEADS UP!(KAAT神奈川芸術劇場)

【これからの公演】 

11/26~11/29 HEADS UP!(兵庫県立芸術文化センター)

12/3 HEADS UP!(札幌市教育文化会館)

12/5 リーディング名作劇場「キミに贈る物語」(シアター・コクーン)

12/6 ファンクラブイベント(Cotton Club)

12/13 HEADS UP!(倉敷市芸文館)

12/18 I Sing 2015 Versus Guitar & Percussion リリース

2016年

1/10~24 DNA-SHARAKU(新国立劇場 中劇場)
1/28~31 DNA-SHARAKU(シアターBRAVA!(大阪))
2/6~7  DNA-SHARAKU(キャナルシティ劇場(福岡))

4/9~24  グランドホテル (赤坂ACTシアター) あっきー出演は 4/9~23
4/27~28 グランドホテル (愛知県芸術劇場大ホール)
5/5~8  グランドホテル (梅田芸術劇場メインホール)あっきー出演は 5/6~8

5/11 中嶋朋子が誘う 音楽劇紀行 第一夜 バロック・オペラからミュージカルへ ~音楽劇の歴史を追う 声の物語化~(HAKUJU HALL)

初夏 ジャージーボーイズ (シアタークリエ)
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「HEADS UP!」 11/13 初日

2015-11-14 | 舞台



ミュージカル「HEADS UP!」 11/13(金)マチネ KAAT神奈川芸術劇場 1階13列上手

【脚本】倉持裕
【原案・作詞・演出】ラサール石井
【作曲・音楽監督】玉麻尚一
【振付】川崎悦子

【出演】哀川翔 / 相葉裕樹 / 橋本じゅん / 青木さやか / 入野自由 / 今拓哉 / 上原理生 / 陰山泰 / 芋洗坂係長 / 岡田誠 / 川本昭彦 / 井上珠美 / 新良エツ子 / MINAMI / 大空祐飛 / 中川晃教 ほか


というわけで初日観てまいりました。

まず基本情報。
上演時間は、一幕 80分 休憩 15分 二幕 60分 計2時間35分。
【11/15追記】KAAT公式Twitterによると、上演時間が変更になっていました。演時間は約2時間45分(休憩あり)とのことでした。

初日は開演が少し遅れて、なんだかんだで終演は22時ちょうどぐらいでした。遠方の方は終電調べておいたほうがいいかも。

物販。
公式サイトに紹介されているのは、パンフ1200円と、タオル(3種)1000円。
初日は、パンフとタオルを一緒に購入すると2000円になる割引販売もしていました。
リピーターチケットの販売はありませんでした。あっきーのCD販売もあり。

初日らしく、会場には多くのお花が届いておりました。

  AKANEさんと辰巳さん親子から。

 哀川さん宛には多くのスタンド花が。これでも半分ぐらい。


では本編のことを簡単に。
ネタバレ事項が多くなりますがご容赦ください。






まとめるとすると、とにかく楽しい脚本でした!
劇場であれほど笑ったのは久しぶりかも。
バックステージもの舞台というと、三谷幸喜さん作「ショウ・マスト・ゴー・オン」を思い出しますが(古過ぎ…)、
やっぱりトラブルは老俳優が原因ってのが常なのね(今さんの大物俳優っぷりがまた見事)。

客席降りを多用するので、前列席の観客は振り返ったり前を向いたりが忙しそうでした。
大勢の出演者それぞれに背景が用意されて、展開が早くて次から次へ。(多牌との感想もあり)
主演はいるけれど主人公はいない、っていう印象です。
洗練された…というよりも、朴訥で泥臭い…というテイストが好みでない人もいるかもしれません。

ただ、物語の展開も出演者の熱量も、客席も含めて、みんなみんな「舞台を愛している」ということが
これでもか!という直球で伝わってきます。
「ドルガンチェの馬」に関わる群像劇と見せかけて、実は「HEADS UP!」に関わる人々の物語になっている構造が透けて見える。
カテコで本物(?)の裏方さんが挨拶するのにジーンとしてしまいました。
その象徴でもあるM9の女子歌がよかったなぁ。そうだよね、チケットって「約束」だよね。

出演者は…やっぱり橋本じゅんさんが鉄板だった。
大道具3人組が出てきただけで笑える。理生くんの歌はもっと聞きたかったな。


あっきーのこと。
さらに重大なネタバレにご注意ください。















初日の前日に、ゲネプロ後囲み会見の写真が出回りました。
これを見たときのガッカリ、衝撃的でした。CHESSで観たカッコいいフレディの残像がまるっきし吹っ飛びました。
…なぜここまでダサイスーツ姿なのか?なぜ七三分けのヅラなのか?…なぜこの衣装でカテコに出なくてはならないのか!

これが必然だったことは舞台が進むに連れて徐々に明らかになっていきますが、
まず冒頭に客席に出てきたとき、3秒ぐらい「ん?あっきーだよね?」と迷うぐらいに「劇場付き雑用係」になっている。
客電を落として開始するのではなくて、熊川さん…じゃなくてよっしーが世界に引き込んでくれる。
しかもここ、ほぼあっきーお任せ仕様だと思うけど、このあたりが本当に上手いなぁ。
ミュージカル俳優という立場で呼ばれたんだろうからお約束場面もあるけれど、
台詞で空気をすーっと変えるところとか、、、
ラサールさん素敵な役をありがとう。

ばっちくんとかみゆくんと絡んでくれたのも嬉しかった~!
きっと稽古場では先輩風をびゅーびゅー吹かせていたと思われますが(笑)、
これからも縁をつないでくださいね。
2回目の観劇は笑いどころの効果が薄まるけど、いろんな伏線も見つけられるだろうから楽しみ
こうやって無事に演劇が上演されることの奇跡を改めて考えながら、見てこようと思います。
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「HEADS UP!」を予習する

2015-11-11 | 舞台
バタバタしているうちに11月になり、「HEADS UP!」の初日も今週末に迫ってまいりました。
でも「予習する」ってったって、オリジナルの新作ミュージカルだし原作があるわけでもないので、「予習」しようがありません。
主演の翔アニキが娘さんと一緒にテレビにちょいちょい出演なさっているようですが、追いかける時間もなくて。
(実はフィギュアスケートGPシリーズ真っ盛りなので録画の余裕がないだけ)

教えてもらって、「演劇キック感激予報」のインタビュー記事をさっくりと読む。( → ここ )

それによるとあっきーは、
「少し出番を少なくしてもらえれば出られるのでオファーを受けました」と言っているし、
「ナビゲーションを兼ねながら幕開けとラストを締めてもらう」と石井さんのお言葉。
なるほど。じゃあ1幕冒頭と2幕ラストだけ集中力ピキーンとしてれば大丈夫ってことかな…

それはともかく、経験上「群像劇の舞台は、ある程度人物相関図を頭に入れていったほうがよい」ということをお伝えしておきます。
まるきり予備知識がないまま観ると、「この人誰だっけ?」と頭を使うのでドッと疲れるんだよね。
ということで、公式サイトのキャスト情報を見に行きましたが、( → ここ )
主要な登場人物16名、それぞれ人物像が深く掘り下げられている。

そしてまた紛らわしいのが、同じタイミングで来年の舞台「DNA-SHARAKU」の人物相関図もアップされてることです。
両方一緒に読んでいるとゴチャゴチャ
「人工知能に育てられたのに芝居をこよなく愛する劇場雑用係」とか「マユゲが薄いのにヤンキーな恰好している劇場雑用係」とか
余計な妄想が浮かんできてしまうのが止められません。

あとひとつとっても嬉しいのが、KAATに来てくれたということ!あっきー史上最も私のテリトリーに近づいてきてくれました。
今までの最接近は関内ホールの京劇だったから、1kmほどの記録更新(なんて地道)
KAATは開館以来、キッズイベントなどで何度かお邪魔いたしましたが、バックステージツアーが楽しかったです( → そのときの記録は ここ )

エントランス入ったところのロビーが狭いのと、入ってすぐのトイレの個室数が少ないことにビックリすると思いますが、
上層階のトイレのほうが空いているかも。
あと、東京方面からいらっしゃる方は、みなとみらい線「日本大通り駅」3番出口から来ることをオススメ。
地上に上がってすぐ右に曲がって真っ直ぐ進み3~4分歩くと、道路向こうに大きな看板が見えてくるはず。
(以前関内駅から歩いたことがありましたがビミョーにどの通りなのかわからなくなって迷った経験あり)
以上、神奈川県民だけど方向音痴なわたしからの当てにならないご案内でした!
詳しくはKAAT公式サイトを!
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「中川晃教による中高生のためのミュージカル・ワークショップ」 10/31

2015-11-01 | ライブ
ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ2015 in 福島
「中川晃教による中高生のためのミュージカル・ワークショップ」10/31(土) 11:00~

あっきーの福島ワークショップを見学してきました。雑多ですが、簡単にご報告したいと思います。
トークショー書き起こしなどとは勝手が違って、動作が中心の「授業」を文章にするのが大変難しく、取り違いや思い込みが多くあると思われます。雰囲気だけでもわかっていただければ幸いです。

■ ルツェルン・フェスティバル・アーク・ノヴァとは?

音楽を通して東日本大震災からの復興を支援しようと、世界的に有名なスイスのルツェルン・フェスティバルの働きかけで、 高さ18メートル、幅30メートル、長さ36メートルの可動式コンサートホール「アーク・ノヴァ」(ラテン語で新しい方舟の意)が誕生しました。
2014年1月20日に世界中の音楽ファンに惜しまれながら逝去したルツェルン祝祭管弦楽団芸術監督のクラウディオ・アバド氏の想いを受け継ぎ、アーク・ノヴァが東北地域の文化振興のシンボルとなる事を祈り、2015年はルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァが福島で開催されます。
(公式サイトより)


会場の花水坂駅までは、福島駅から私鉄に乗り20分。広場に設置された可動式ホールは、本当に船のように見えます。



 横からみると、実は大きく陥没しているのがわかります。

 常に空気を送っている。原理的には東京ドームみたいなんだろうか。

 地元の名産品を販売していて試食もできました。いかニンジンが美味でした!

 重しの石の下のあっきーチラシ…


■ ワークショップ開始

 舞台はこんな感じです。


ワークショップに参加する学生さんは十数名。同じ制服を着た女子高生が目立ちましたが、
その中になんだか派手なTシャツを着た若者がウロウロしている。
…ん?参加者かな、それともお友達を見に来たのかな…と思ったら、あっきーだった!

(当日の様子は公式FBにてアップされています。 → ここ

この日のあっきーのお洋服は、
刺繍つきTシャツ + ベルト・ポケット・ボタン付き黒ベスト + 黒ハーフパンツ(上半身は上記FB参照)
これに、「Song Writers」でピーターが履いていたような派手色ソックスにスニーカー。
「半袖でも寒くないもん!」という気合が感じられました。

■ まずは発声練習から

「おっはようごっざいます~!」とピアノを弾きながらご挨拶。
「ぼくのことは中川さんでもあっきーでもいいけれど名前覚えてくださいね」との気さくな言葉に続き、生徒さんも自己紹介をしていきます。
「おはよう!」というフレーズで音楽の授業(というか合唱部部活)のようにしばらく発声練習をしますが、
先生はここでバランスボールを持ち出し、その上に座って跳ねてみせます。
「こんな風にオレの真似しながら歌ってみてね!」やだ~カワイイじゃないの
ハーフパンツでボールの上でボヨンボヨンするあなたの年齢はひょっとして三十…(以下自粛)

この発声練習には結構な時間をかけていましたが、とても興味深くて見ていて飽きなかったです。
ことばを変えリズムを変え、体を左右に揺らす、腰を振る、つま先で床を鳴らす。
「頭で考える前に体を一緒に動かす」ことが目的。


■ 「今日の朝起きてからやったこと」を歌にする

丸く輪になってボールを投げ合い、受け取った人が「今朝食べたもの」を言うゲームから始めます。
一人がボール受け取って「パン!」→ 次の人に投げて受け取った人が「たまご!」…という具合。

ここで「ラジウム」という言葉が出てなんのことかさっぱりわからなかったけど、「ラジウム卵」のことなのね。
飯坂温泉の名物だそうで、会場外で試食販売もしてました。

このときのルールは、受け取ったらすぐに言うこと、投げる相手の目を見ること、どんどん早くしていくこと。
これを繰り返していくうちに、ボールを投げ合いながらの「会話」になっていく。
「猫を見た」→「可愛かった」→「私は犬のほうが好き」…とかね。

お年頃の女子高生はいわゆる「箸が転がっても笑う」世代なので、途中で笑いすぎてボールが止まってしまうことも。
あっきー先生、そんなときも微笑みながら次の言葉が出てくるまでじっと待っていてくれる。
最初は緊張していた生徒さんたちも、徐々にリラックスしてきて体の動きが大きくなっていくのがよくわかりました。

「じゃあ今度は好きなメロディに載せて、食べたものを歌ってみて」
おお!だんだんミュージカルぽくなってきた。
実は予め、「今日の朝からの出来事をメモに書いておく」という準備作業を生徒さんたちに指示してました。
このメモを見ながら、あっきー先生と生徒さんがそれぞれの朝の行動を歌で繋いでいきます。

何気ない朝の出来事がだんだんメロディに乗っていく過程がとても面白かった。
客席から自然に拍手も出てきました。


■ 「Ease On Down The Road」を歌ってみよう

ミュージカルを観たことある人はいる?の問いかけに上がる手はまばら。

「ミュージカルって普通に話していたらいきなり歌うから変な感じだよね。でもね、
 例えば『Over The Rainbow』を、朝忙しくて時間がないときに歌うとこんな感じになっちゃう。
(ここで歯磨きやうがいや着替えをしながらの『Over The Rainbow』特急版を披露。爆笑)
 芝居と歌が繋がっている。
 リズムが自分の中にあれば、今の気持ちをどうにでも表現できる」

カラオケで「Ease On Down The Road」の伴奏が流されます。
こんな歌です、と先生が見本で本気の歌唱。ノリノリ。(これカラオケ屋で歌えるの?)

英語詞が印刷されているレジュメを見ながら「じゃあ一緒に歌ってみよう」と練習しますが、
「Ease on down, ease on down the road」のところは何とかなるけど、それ以外の英語が難しそう。
じゃあカモーン!のところは自由にしてみよう、と少しずつ進めていきます。
合わせて「The WIZ」のストーリーの説明も。
「これはドロシーとブリキとカカシとライオンの4人が旅をする話で、
 黄色いレンガの道に沿って、この道の先に何かがある…と希望を持って踊りながら歌う。
 こんな風にステップを踏みながらね」

と言って、あっきー先生はここでなんと、靴を脱いだ!

もしかしてこのためにキュートな色のソックスを選んだのか!と思わせるような軽快な動きでステップを踏む。
スキップ、ボックスステップ、ツーステップ、
「じゃあみんなで一緒に!」と、あっきーを先頭にみんなで歌いながらピアノの回りをグルグル。
「今度は二人組になって~!」と生徒さんの手を取って、ジルバのようなダンス。
参観している私たちも手拍子で応援。
ものすごく楽しそうだったので、これは本当に一緒にやりたかったです!
(って本当にFCイベントでやったらどうしよ…)


■ 「Home」、そしてワークショップを通して伝えたかったこと

そのあと、ピアノの回りに生徒さんを集めて「Home」を弾き語り。

それはそれは素晴らしかった。
アーク・ノヴァの独特な雰囲気も手伝って、とても厳かであり、なおかつ開放的な歌声でした。
まさかここで聴けるとは…(感激しすぎて私は思わずホロリと頬を濡らす)
というか、靴を脱いだまま裸足で(ソックス履いてるけど)スタインウエイを弾いている人を初めて見ました…

最後にあっきー先生からメッセージ。

ワークショップは、番組の企画で気仙沼で開催して以来、二度目です。
そのときも話したこと、それは自分を知らないと「表現する」ことはできないということ。
自分を表現するということはとても大切なことだよね。
ミュージカルということに囚われなくても、自分というものを表現することはすごく素敵なことだと思う。
自分が感じていること、思っていること、それが「歌」という形になるから。

自分も(芝居の稽古などで)先輩ばかりに囲まれると、ビビります。
でも本気でぶつかっていくことで乗り越えてゆける。それぞれのぶつかり方があるけれど。
今日経験したことが、歌ったりダンスしたりするときに、少しでも参考になればいいと思っています。


■ 終了のご挨拶、そして思ったこと

12:30までの予定でしたが結局13:00近くまで、熱気のこもったワークショップでした。
最後は生徒さん一人一人が今日の感想とともに、歌いながらご挨拶を。
バレエが得意な女の子はピルエットをダブルで決めてくれましたが、
数少ない参加者の男の子が「もっと時間をいっぱい取ってくれ~!」と叫んだのが本日の敢闘賞でした。
バランスボールに座りながら記念写真を撮るときも、カメラに向かってニッコリのあっきー先生、
本当に本当にお疲れさまでした!

私自身も貴重な体験をさせていただきました。
なにより、あっきーがミュージカルに対するアプローチが実感できた。
譜面を見てその通りに歌うのではなく、自分の中から湧き起こるリズムを大切に感情を乗せていく。
声を出す→自分の思っていることを言葉にする→メロディに乗せてみる→相手と会話しながら歌う→体を使って表現する、
この道すじが手に取るようによくわかり、生徒さん一人一人に伝わっていく様子が見えました。
授業参観している私たちも、体の中にあるリズムを感じることができて、とてもありがたかったです。
いろんな機会でいろんな場所でやってほしいなぁ。

■ おまけ

せっかく福島まで来たので、帰りにちょっとだけ飯坂温泉を観光。
アーク・ノヴァの会場から飯坂温泉までは歩いて10分ぐらいで、ほのぼのした温泉の雰囲気が味わえました。

 駅に立っている松尾芭蕉さん。

 足湯にも入ってきました。

駅から少し歩くと、愛宕山に登る坂道があります。この日はとてもよい天気だったのに、なぜかここで天気雨になった。晴れ男が帰京したのかな。

 紅葉がちょうどいい感じ。

登り切ったところにある愛宕神社からの風景が、見事でした!



ぽっこりと見えるアーク・ノヴァの上に光が差して、それはそれは綺麗でした。(写真が上手でなくて再現できずすみません)

急に決めた日帰り遠征でしたが、得難い経験ができて本当に幸せな1日でした。
コメント
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