それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

東京交響楽団フィナーレコンサート 8/12

2018-08-12 | ライブ
フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2018 東京交響楽団フィナーレコンサート 祝バーンスタイン生誕100年
8/12(日)15:00~ ミューザ川崎シンフォニーホール 2階LA4列

【指揮】秋山和慶
【テューバ】田村優弥(ミューザ・ソリスト・オーディション2016合格者)
【ヴォーカル】幸田浩子 / 中川晃教

【曲目】
ジョン・ウィリアムズ:オリンピック・ファンファーレ
ジョン・ウィリアムズ:テューバ協奏曲

バーンスタイン:「キャンディード」序曲
バーンスタイン:「キャンディード」から
「着飾って浮かれましょ Glitter and be Gay」幸田浩子
「キャンディードの哀歌 Candide's Lament」中川晃教
「なんて幸せな二人 Oh, Happy We」幸田浩子・中川晃教
バーンスタイン:組曲「キャンディード」(C.ハーモン編)
バーンスタイン:ディヴェルティメント

ミューザ川崎を訪れるのは2度目なんですが、ここの会場はまず「扉を間違えない」ことがポイント。
初めて来たとき(2015年「オーケストラで楽しむ映画音楽Ⅳ」)のときに迷子になった経験から、今回は座席配置図を何度も確かめて着席しました。

今回のお席は2階LAのB席、下手斜め後ろからオケを見下ろす席でした。
ミューザ公式サイトでは「座席からの見え方」がつぶさに説明されていて、「距離は近いので音は明快。演奏の合間に音楽家がどういった準備をしているのかなどもわかり、オーケストラが身近に思えます」とのこと。
その通り臨場感のある音が聞えてきたばかりでなく、演奏者が譜面をめくるタイミングや、打楽器担当が多くの楽器を忙しく持ち替えている様子がよく見えました。

今日のお目当ては第二部の「キャンディード」です。
ミュージカル版の「キャンディード」は2004年に宮本亜門版、2010年にジョン・ケアード版で上演され、今回のヴォーカルは亜門版で共演したお二人です。
この日備えてDVDでなんとなく予習(というか復習)したときは「あれから14年も経ているのね…」としみじみ。

軽快で安定した序曲、幸田さんの「着飾って浮かれましょう」に続き、ニコニコしながら登場したあっきーは緊張の面持ち。
ちょっと伸びた髪をふんわり流していて、蝶ネクタイのMAX正装スタイルと相まってカッコよかったです!

ただ、この日は全曲「英語歌唱」なんですよね…
キャンディードからの曲はコンサ(2013年川口リリア)で聞いていますが、英語歌唱は初めてです。
なぜか私までキンチョーしてしまう…
事前の曲目変更があり、歌ったのは「Candide's Lament」。
亜門版では、亡骸が散乱している戦争の跡地で、キャンディードが生き別れた恋人クネゴンデを探しながら歌う曲です。
(ヴォルテール役の辰巳琢郎さんの台詞が泣ける…DVD販売しています…)
こういう趣の歌は彼の真骨頂ですよね。私は勝手に「慟哭ソング」と呼んでいます。

代って幸田さんとのデュエット「Oh, Happy We」は、序曲の主題になっているフレーズを朗々と。
これは日本語詞で聴きたかったなぁ。クネゴンデとキャンディードが「幸せと感じるもの」を並べていく歌詞なんだけど微妙にすれ違っているのが面白いのよね。

ここであっきーファン的には「本日のノルマ終了」なんですが、今日何が良かったって「組曲キャンディード」でした。
ミュー版で歌われるあの曲この曲が次々と現れて、楽しかったです。
ミュージカル版の再演は期待薄ですが、躍動感のある曲ばかりで大好きです。コンサート版で全曲聴いてみたい。

アンコールは「West Side Story」から「Tonight」。
ああ、これもバーンスタイン作曲だったんだー!と感涙。
静かに始まるオケの響きに二人の声が重なって拡がるのが文句なく素晴らしかったです。
最後のフレーズの盛り上げ方が尋常ではありませんでした。


バックヤードから正面客席を見た印象を正直に言えば、若干アウエーな雰囲気を感じたのは確か。
生のフルオケと、マイクでPAを通した歌声が合うのか?という永遠の問題にここ近年ファンも迷走させられていますが、
今日は私は違和感を感じませんでした。

でも。
例えば♪Tonight~の発音の最後の「t」を立てて歌うべきか?というのは、来日ミューコンでも人によりけりなところがあるので、正解はないと個人的には思っていますが…マイクはきっちり拾ってしまうから、気になる人はいるんだよねぇ…
特に今回は「フェスタサマーミューザ」という大きなイベントのラストだったので、期待感も大きかったんだろうなぁ。
クラシックファンの方々にあっきーの歌声はどう響いたのか、サシで問うてみたいと思った夏の夜でした。
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「メタルマクベス disc1」 8/2 マチネ

2018-08-02 | 舞台
新感線☆RS「メタルマクベス」IHIステージアラウンド 21列上手

【作】宮藤官九郎
【演出】いのうえひでのり
【音楽】岡崎 司
【振付・ステージング】川崎悦子
【原作】ウィリアム・シェイクスピア「マクベス」松岡和子翻訳版より

【出演】橋本さとし / 濱田めぐみ / 松下優也 / 山口馬木也 / 猫背 椿 / 粟根まこと / 植本純米 / 橋本じゅん / 西岡德馬 ほか


酷暑の中、ゆりかもめに乗ってはるばる観に行きました。
ステージアラウンドに来るのは風髑髏ぶり。
メタマクはゲキ×シネで観たぶり。

「回転速度が上がった」という前評判を聴きましたが、それほど実感はありませんでした。
端席(客席を円盤と考えると外周に近い席)だと遠心力で早く感じるのかな?

それよりも映像による体感速度がハンパない!
アトラクション度が髑髏より5割増し。これが「没入感」というのね…
左右だけでなく、上下にも前後にも動いているような感覚です。

特に今回は「上下移動」に拘っているような印象でした。
映像の上下による「上がっている」という感覚。
キャストのエレベーターによる移動、城壁をよじ登ってきたことを強調する演出も。
舞台の実際の高さを忘れさせる努力が見えました。

花髑髏のときは「間口が狭く覗きめがねで見ているよう」と言われていましたが、
あーそうやって間口を広く見せるのね!とびっくり。
ラストは本当に口がポカーンとなった。え、あそこからアレが出てくるの?

あと、音響も改善されていた。
劇場オープン時は「音がくぐもる感じ」だったのに、全く違和感ありませんでした。
ともかく、テクニカルな部分はものすごく進歩しています。
素人が単純に「いやー良くなってる!」と思うんだから、細かいところもとてつもなく工夫されているんでしょうね。

でも骨格のストーリーはブレていない。
三人の魔女がキョーレツだった初演と同様に笑いどころもたっぷり。
相変わらず80年代のロックネタが多いけれど、細かいところは全部捉えられていないんだろうな。

演者ではやっぱりさとしさんの存在感が圧倒的だった。
「勇猛果敢だが小心者」というキャラが似合ってここまで歌えて動けるのって、さとしさんしか考えられないのではないでしょうか。
粟根さんとの殺陣が見られるなんて、想像もしていませんでした。

あとJr.役の松下くんは「ひかりを聴け」コンサで初見でしたが、とっても人気があるのね。
平均年齢高めなキャストの中で若者オーラを放っていました。

初演は森山未來くんのタップが盛り込まれてましたがこれは省略。
あれ、確か「七光りナントカ」ってナンバーだったよね…と思って「七光り」でググってみると
「七光り三度笠」とすぐに予測候補が出てきました。みんな思い出しているのね。

劇場機構の使いこなしに予算をつぎこみ過ぎな気もしますが、
「あ、ここまで来たんだ!」と思わせてくれました。
遠くて行きにくい劇場だし、チケ代もそれなりだし、初心者向けではないよね。
ライビュも定番化しているようだけど、これは多くの人に実際に観て体感してほしいなあ。
Disc1で様子が見えたので、Disc2とDisc3も前向きに検討したいと思います。
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