[Netflix作品]作家などとして活動する燃え殻の小説を原作に、ドラマ「恋のツキ」などの森義仁が監督を務めたドラマ。普通とは違う人物を目指すものの何者にもなれなかった男性が、25年という月日を振り返る。『アンダードッグ』シリーズなどの森山未來、『タイトル、拒絶』などの伊藤沙莉、『草の響き』などの東出昌大、『TOURISM』などのSUMIREのほか、高嶋政伸、ラサール石井、大島優子、萩原聖人らが出演する。
「私が神なら青春を人生の終わりに置いただろう」って誰かの言葉を聴いたことがあるけれど。
最後のシーンのキラキラした美しさが(きっと事実よりも美化されているんだろうけど)この作品の全てでした。
「普通」であることを嫌って生きてきた男が過去を振り返るんだけど、時系列を逆行させて再現するので「あーこの時にやらかしたからこういう顛末になるのね」って因果応報なのがちょっと皮肉っぽい。
過去を振り返るきっかけになった犬キャラちゃんがひたすら可愛くて(伊藤沙莉が本当に愛おしい)
どんどん若返っていく森山未來が驚愕的でした(肌の質感が見事)。
あの頃の風景…ラフォーレ入り口の柱とか原宿の駅舎とかを再現してくれてありがとうございました。
ラストに提示されるタイトルも素敵でした。
大人に「なれなかった」のではなく、「なりたくなかった」のに「なってしまった」のかも。
不幸だったのは「花束みたいな恋をした」と同じ年の公開だったことかな。
あちらは語られるカルチャ―とは違う世代にも響く作り方をしていたので、こっちの間口の狭さが気になってしまいました。