それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「CHESS THE MUSICAL」 9/27 初日

2015-09-28 | 舞台


ミュージカル「CHESS」
9/27(日)マチネ 東京芸術劇場 プレイハウス 1階R列センター

【作曲】ベニー・アンダーソン/ビョルン・ウルヴァース
【演出・訳詞】荻田浩一
【原案・作詞】ティム・ライス
【音楽監督】島 健

【出演】安蘭けい / 石井一孝 / 田代万里生 / 中川晃教 / AKANE LIV / 戸井勝海
天野朋子 / 池谷京子 / 角川裕明 / 高原紳輔 / 田村雄一 / 遠山裕介 / ひのあらた / 横関咲栄 / 大野幸人 


(演出面のネタバレがあります)








2012年コンサート版から3年、ついにこの日がやってまいりました。ミュージカル版初日。

第一印象は「ガチンコ」でした。
甘美な空気とか、カタルシスが得られるとか、いわゆる「普通のミュージカル」にあるものが全くなくて、斬新で辛辣。
演者全員が「オレの歌を聴けぇぇ!」と自己主張するかと思えば、バンドも「オレのギターに酔いしれろぉぉ!」とギュインギュイン弾きまくる。

話の流れはどちらかと言えばフローレンス寄り(というかフローレンスに感情移入するようになっている)で、流れも時系列になっているけれど、
やはり歌多め台詞少なめで歌詞の内容が重要なので、頭の中はフル稼働でした。
荻田さんがパンフで「思考と感覚を鋭敏に冴えわたらせることを半ば強要する作品」と言っているのも納得。
ロビーには東西関係の年表が掲示され、パンフにもハンガリー動乱の説明があるし、「歴史的背景はとりあえず覚えておいてね」ってことかな。

何より、…全ての歌が和訳されてました。
唯一の例外が「One Night In Bangkok」で、当初「バンコクも日本語で歌うかも」と耳にしたときはひえー!と思ったけど流石にこれは英語のまま。
その代わりに日本語対訳がロビーで配布されてます。(平積みで置いてあるので貰うの忘れないでね!)

だからもう「歌と言葉の応酬」です。
フレディとアナトリーの言い合い(Interview)なんて、客席で見てても「まあまあ押しついて」と仲裁したくなったもん。

あと、コンサ版では割愛されていた「The Merchandisers」や「Embassy Lament」がナンバーに入っていたのは嬉しかった。
アンサンブルさんが大活躍でした。いったい幾つの役を兼ねてるわけ?早替えとかメイク直しとかどーなってんの?
心から「お疲れさまです」と申し上げたいです。
そうそう、AKANEさんのロシア人妻っぷりもハンパないです。

これから何回か拝見させていただきますが、「本日のこの一曲」は間違いなく「One Night In Bangkok」。
二幕冒頭のフレディのソロ…と思っていたのが甘かった
いや確かにフレディはカッコよく歌いまくるのですが、

バックの方々が全員ハンパなくオモシロの恰好をしてて、ヘンテコに動いている。
と思ったら万里生アービターはソフトクリーム舐めながら日傘をさして歩いているし、大野くんasチェスの精は長い爪を振り回しているし、
フレディを見る暇がありません!
DVD発売は無理だとしても、このシーンだけはマルチアングルの映像にしてほしい!

あっきー。
周囲がことごとくオトナな衣装の中で黒の革ジャン、いい意味で浮いています。
んでもふわふわな細かいソバージュ(って今は言わないよね)ヘアに緑色のメッシュを入れていて、エキセントリックさが前面に。
オラオラ感倍増の演技がたまりません。私は二幕の白い衣装のほうが好きだけど。
一幕早めからPityが聴けるけど、やはり「Someone Else's Story」が切なくてキュンキュンです
今日のトークショーによると「サムワンの歌い出しのアカペラは初日にあっきーが決めた」とのことだから、これからいろいろ変わるのかな。
次回が楽しみです!
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「CHESS THE MUSICAL」を予習する

2015-09-23 | 舞台
気がつけばもう連休が終わり!
シルバーウィーク、略して「SW」というそうですが、これ見たときマジで「ソングライターズ?」と思いました。いや「スターウォーズ」でもいいけど。

この週末からCHESSがはじまるので、ロンドン版のDVDを見ながら予習しようと思ってましたが…

 数年前にコンサ版の予習のために購入。お求めやすいお値段でした!

今回も梅芸さんががんばってくれて( → 特設サイト )、事前情報が出回っていますね。
公開稽古の様子など見ているとわくわくしてくる~!


出演者のみなさまが仰っているように、曲が素晴らしく、いつまでも耳に残ります。
2013年コンサ版の印象( → 感想は ここ と、ここ )が非常に強く頭の中に残っていますが、お稽古の様子を見ると既存曲のアレンジや和訳がガラッと変わることはなさそう。

これは出演者の方々もさぞかし助かると思いますが、観に行く我々も助かります。
コンサ版でも結構芝居がついていたので大筋は理解できているつもりですが、やはり物語がフクザツ…というか「各々の思惑が入り乱れる」という点でわかりにくいんですよね。登場人物それぞれの思惑があり、思っていることと言っていることが違う。
あっきー曰く「フレディは見た目は横柄でエキセントリックだけど、『エキセントリックを演じている』ことがわかるようにしたい」とのこと。
このあたりの繊細な心の内を理解しつつ作品を楽しむためには、ネタバレでもある程度の話の運びを予習したほうがいいのかな。

(ABBAのオフィシャルFCでは、きわめて詳しい解説が読めます… )

そして、なんといっても期待したいのは「衣装」でしょうか。
 2013年。あっきー史上ベスト5ぐらいの拗ね写真。衣装替えがいっぱいあるといいなぁ。

アービターの衣装も気になるなぁ。パンフの万里生くんはクールなメガネキャラ、ちょっと見は法学部出身の若手官僚みたいですが、白手袋でビシッと指さしながら「わたしこそがルールだっ!」とか叫ぶんでしょうか…ゾクゾクするなぁ
唯一の気がかりは、自宅から池袋は遠い…ということです。通いきれるのか自分!




【自分用の覚書】

2013年「CHESS in Concert」のミュージカルナンバー。パンフレットより。上演時とは差異があると思います。

ACT1
Prologue
The Story Of Chess
Difficult And Dangerous Times
Merano
What A Scene! What a Joy!
Commie Newspapers
Press Conference
Pity the Child
Molokov And Anatoly
Where I Want To Be
The Arbiter
Hymn To Chess
Pity The Child
Chess Game
The Arbiter (Reprise)
Quartet
Florence And Molokov
1956 - Budapest Is Rising
Nobody's Side
Mountain Duet
Florence Quits
Heaven Help My Heart
Anthem

ACT2
Golden Bangkok
One Night In Bangkok
One More Opponent
You And I
Nobody's Side (Reprise)
The Interview
The Deal1
The Deal2
The Deal3
Someone Else's Story
Chess Game
Endgame
Play Off
I Know Him So Well
Florence And Anatoly
You And I (Reprise)
Walter and Florence
Anthem (Reprise)

Encore
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「RENT」 9/10 マチネ

2015-09-12 | 舞台


ミュージカル「RENT」
9/10(木)マチネ 日比谷シアター・クリエ 11列センター

【作詞・作曲・脚本】ジョナサン・ラーソン
【演出】マイケル・グライフ
【出演】村井良大 / 堂珍嘉邦 / Sowelu / 加藤潤一 / TAKE / 平間壮一 / ソニン ほか

RENT。観劇するのは久しぶり、前に観たのは森山未來くんのとき。
予習のために映画版も観ましたが、ただいま平行してCHESS予習もしているので、アダムやイディナ観ておおフレディが!フローレンスが!と混同気味。てかそんな私は本末転倒気味。

数々の伝説を持ち、深いテーマを持つこの作品も、どちらかと言うと今は「全キャストオーディション」という面のほうが前面に出ている印象です。ほとんどのキャストの方を観たことがなく、Wキャストのどちらを選ぶか…の決めてが全くありません。
でも、誰が演じても全ての登場人物に愛着がわき、何度観てもラストには滂沱の涙になり、2幕冒頭の「Seasons Of Love」に心臓がぎゅっとなる。

村井くんのマークもよかったし、ソニンちゃんの「Over The Moon」は「貫禄」という以外に言葉が思いつかず、コリンズの美声にも酔えました。
あと、エンジェルが…エンジェルでした。
最初に登場してきたとき「ゴツイっ!」と思わず声をあげましたが、「Today 4 You」がまー素敵でマントが似合っていて。
コリンズとのラブラブっぷり、コリンズさんがエンジェルの肩を抱き包み込むように指を這わせると、頭を預ける仕草のかわいらしさ。
舞台写真で見るとそうでもないのにね。
初日開けて間もないからなのか、ロジャーのマイクが不調で台詞がちょい拾えなかったところがあったのが残念だったかな。珍しい。


帰宅して、初めてとうほうさんの公式サイトを覗き、プロモーション映像があるのを発見。



なぜ回転寿司なのかなー、と思いましたがなるほどっ!こういうシンプルなプロモーション、好感持てます。
次の再演のときは先に公式サイトで予習しよう…
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「ピース オブ ケイク」

2015-09-09 | 映画


映像化もされた「恋文日和」「平凡ポンチ」などで知られ、女性たちの熱い支持を集めるジョージ朝倉の人気漫画を実写映画化。個性派俳優としても活躍する田口トモロヲがメガホンを取り、脚本は『色即ぜねれいしょん』でも田口監督とタッグを組んだ向井康介が手掛ける。恋愛に依存し流されるままに男性と付き合ってしまうダメ女の主人公に、『君に届け』などの多部未華子。彼女と恋人との間で揺れ動く年上の男性を、『シャニダールの花』『そこのみにて光輝く』などの綾野剛が演じる。

一人きりよりはいいという安易な理由で男性と付き合ってきた梅宮志乃(多部未華子)は、アルバイト仲間との浮気が発覚しDV体質の恋人からフラれ、バイト先から去ることに。状況を変えるべく引っ越した先で出会った隣に住む人は、新しい職場の店長・菅原京志郎(綾野剛)だった。京志郎に強く惹(ひ)かれる志乃だったが、彼には一緒に住んでいる恋人がいて……。


映画館で本編上映前に流れる予告編って、当たり前だけど本編とテイストが合わせてあるんですね。
子供向け映画なら子供向けアニメの予告で、ハリウッド映画なら超スペクタクル映画の予告。今回の予告編は「ヒロイン失格」でした。
それなりの年齢の俳優さんが高校生の恋愛モノ映画に真面目に取り組んでいるのを見て、「あーはいはい」と吐き捨ててしまうワタシ。

そんなBBA根性の私がなぜこの映画を観に行ったのかと言えば、それは菅田将暉くんが出ているから。なので原作未読です。
こちらもジャンルは恋愛モノ映画で、お約束通り「偶然の出会い」から物語ははじまりますが、のっけから「あーはいはい」という気分になります。(だってバイト先の店長がアパートの隣の住民だったなんてさあ…)

しかし本作は原作が少女漫画ではなくレディコミ誌だったそうで、味付けが甘くなかった。
志乃(多部未華子)はキュートでかわゆいけれど、それほどお洒落でもなく、流されるままオトコと簡単に関係を持つ。
京志郎(綾野剛)、30歳過ぎても子供っぽくて頼りなくて、それほどカッコよくない。
下北沢の居酒屋や旅行先の熱海とかの場末感が、なんとまあこの二人にぴったり。

志乃ちゃんのキャラは実にウザくて面倒くさくて、いわゆる女に嫌われる女キャラなんだけど、
彼女の「心の声」が「いやそんなことわかってるから」と常々叫ぶ。
今やってることも過去の繰り返し。今度こそはと思うけれどやっぱり前と同じ。
こういう諦めの気持ちを垣間見てしまうと、なんとなく応援したくなってくるんだよね。
カレシの携帯なんて見なきゃいいのに、見てしまって大浴場にいる彼に携帯を投げつけるなんてウザイの極致だけれど…
「でもやらずにはいられない」てのがなんとなくわかる。私にはとてもできないけれど。

でなんだかんだあって(笑)、ラストシーンは「えええ!このシーンで終わりでいいのか!」と肩透かしくらいますが、
一見大団円でもあるけれど、この後の不穏な空気を予感させる後味感がよかったです。
人を好きになるって、ひたすら面倒で最悪なことなんだけれども、確かに「落ちた瞬間」に風が吹き、新しい歌が流れてくる。
piece of caket とは「朝飯前のこと」という意味だそうですが、
「たやすいことよね」という歌を口ずさみながら悩みもがく志乃ちゃんの横顔がリアルに綺麗で、
だから怒涛のようなエンド曲のメッセージがガツンときました。

中村倫也くんとクドカンがカメオ出演してたのにもビックリでしたが、
一番のビックリは監督が田口トモロヲさんだったことでした。次回作も見たいっす!
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