それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

今年観た舞台2022

2022-12-31 | 舞台
作品数は少なかったのに延べ公演数は昨年より多かった。
それはひとえに、ジャージー・ボーイズのお陰です。
諸先輩方には当たり前でも、いち作品に2桁の回数を通うことは私は今までありませんでした。
初演プレビューからずっとJBの行く末を見守り続けることができたことは、ファンとしてこの上なく幸せでした。

あっきー以外には、成河さんと芳雄さん(と結弦くん)を軸として例年通りのラインナップで観劇させていただきました。
NODA・MAP「Q」と「ショウ・マスト・ゴー・オン」は再演でしたが、観るときの自分の年齢、立場、そして世界情勢によって全く違う観点で見られたことも感慨深い。
「バイオーム」の実験性と「ファンタスティックス」の懐古性が心地よく、メリー・ポピンズや千と千尋の演出も面白かったです。

相変わらず払い戻しになった作品も多々あり、でも去年までの悔しさのような感覚は薄く、「次行こ、次!」と自らを奮い立たせて前を向こうとする業界をこれからも信じ続けてゆきたいです。

■ 2022年に観た舞台(劇場)

リトルプリンス(シアタークリエ)
冒険者たち~Journey to The West~(KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ)
笑う男(帝国劇場)
ラビット・ホール(KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ)
千と千尋の神隠し(帝国劇場)
ブラッド・ブラザーズ(東京国際フォーラム ホールC)
銀河鉄道999 The Musical ✖ 3
メリー・ポピンズ(シアターオーブ)✖ 2
EDGES(有楽町よみうりホール)
Fantasy On Ice(幕張イベントホール )
CROSS ROAD(シアタークリエ)✖ 4
バイオーム(東京建物ブリリアホール)
るろうに剣心 京都編(ステージアラウンド東京)
ガイズ&ドールズ(帝国劇場)
NODA.MAP Q:A Night At The Kabuki(東京芸術劇場プレイハウス)
ダディ・ロング・レッグズ(シアタークリエ)
COLOR(新国立劇場 小劇場)✖ 2
夜の女たち(KAAT神奈川芸術劇場 ホール)
ジャージー・ボーイズ(日生劇場)✖ 9
裸足で散歩(KAAT神奈川芸術劇場 ホール)
エリザベート(帝国劇場)
ファンタスティックス(シアタークリエ)
建築家とアッシリア皇帝(シアタートラム)
ショウ・マスト・ゴー・オン(世田谷パブリックシアター)
ジャージー・ボーイズ(横須賀芸術劇場 大ホール)✖  2
A Gift For You(日生劇場)

■ 2022年に観た有料配信舞台とコンサート
The Musical Day ~Heart to Heart~ 2022
園田家へようこそ 3月・6月
グリーン&ブラックス 公開ゲネプロ2022 
銀河鉄道999 The Musical 千穐楽
バイオーム
アナリーゼのために
Japan Musical Festival 2022 Winter Season Day2 ①②

(劇場で観劇 25作品41公演 配信9本)
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「ジャージー・ボーイズ」10月前半

2022-10-13 | 舞台
ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」
日生劇場
10/7 (金)ソワレ BLACK プレビュー
10/8 (土)ソワレ BLACK 初日
10/11 (火)マチネ BLACK  トークショー(中川・花村)
10/11 (火)ソワレ GREEN

【翻訳】 小田島恒志
【訳詞】 高橋亜子
【演出】 藤田俊太郎
【音楽監督】島 健

【出演】
チームBLACK 中川晃教 / 藤岡正明 / 東啓介 / 大山真志
チームGREEN 花村想太 / 尾上右近 / 有澤樟太郎  / spi
加藤潤一 / 山路和弘 / 戸井勝海 / 綿引さやか / 小此木麻里 / 遠藤瑠美子 / ダンドイ舞莉花 / 大音智海 / 山野靖博 / 若松渓太 / 杉浦奎助 / 岡施孜 / 宮島朋宏(スイング)




(日生劇場さんの売店で見かけたリスさんとウサギさん)

22年版のJBが開幕しました。
2016年初演のプレビュー2018年再演の初日、自分の記録を辿ると「40公演無事でありますように」「頼むから50公演無事に」って感想よりも心配のほうが先だっていて笑っちゃうんですが、今回再再演のプレビューがどれほど平穏に観られたか…
フランキー・ヴァリ役をシングルで務める過酷さ、10/11のトークショーでもあっきーが「あの日々にもう一度帰れるかと聞かれたら︎ 『うーん…』となる」って言っていて、おこがましくも手に汗握ってた日々を思い出します。

演出が少し変わってました。
大幅な台詞の変更はなかったように思いますが、カットされた場面が少々(フランキーのプロポーズ、窓に止まった蠅のどれが先に飛び立つか、フランシーヌに近づく注射野郎などなど)。
ドット柄を中心としたポップな衣装から、リアルで大人な衣装に。
大きな盆が回り、3階までの階段が頑丈なものになり、左右に配置されたモニター画面を複数シンクロさせて顏のアップが映るように。
わずかながら技術の進歩を感じます。
劇場がクリエの2倍キャパになって(あっきーがToo Bigと言ってた)、私もクリエサイズがベストだと思うけど、でも客席からの拍手が大きく響くのはよかったです。

■ チームBlack
プレビューの日はもう「そこに4人がいる」だけでウルッとしてしまいましたが、初日からが本筋でした。
あっきーフランキーと藤岡トミーが現実でも鉄の絆で結ばれている故に、二人の間のリズムがメインストリート。
そのときそのときのライブ感覚を大切にしている印象です。
特に「秋」で問題解決のために乾杯してからのシーンは、立ち位置や動線などもアグレッシブに変わっていくような気がします。
とにかく藤岡トミーが殴る蹴るを多用し、そのせいかボーリング場でのジョーイの顏が傷だらけ。
史上最低なクズ野郎ぐあいが史上最高です。

ボブ・ゴーディオ役のとんちゃんこと東啓介くんは190cmなのですね…
2階席最後列からだと、セットの3階に立たれると顏が見えないんだよ!
大山ニックは凡庸で親しみやすく、低音ボイスは甘くて素敵。

■チームGreen
お芝居をとにかく細かく作っている。
フランキー登場時の初々しさとその時点でのパワーバランス、教会のオルガンの鍵がいかに硬いか、とってもよくわかる。
初見さんはGreenを最初に観ると流れがよくわかるのでは。

花村くんがちっちゃい♡
spiさんニックはガタイが良くて100%アメリカ野郎なので、容積比にしたら3倍ぐらい?
右近さんはチンピラというよりも「不良と書いてワルと読む」感覚でしょうか、口跡がよくて台詞がよく聞こえます。
特筆すべきは有澤くん。
失礼ながらお名前さえ存じ上げませんでしたが、海宝くんを彷彿とさせる爽やかさと度胸。
チームGreenは絶大な一体感があり、箱推ししたいです。

■ふたりのフランキー
なにはともあれ花村くんには感謝しかありません。
今をときめく人気者が引き受けてくれた…という以前に、出演に至るまで様々な苦労があったことが想像できます。
誰かがこの役を引き継いでいくことで作品が上演され続ける。
初演から6年経ってその重みを感じていますが、想太くんで本当によかったと思っています。

あっきーは、初演とも再演とも違うフランキー・ヴァリでした。
あっきーのヴァリ声はよく「つやつや」「きらきら」と表現されますが、私には「鐘が鳴っている」ように聞こえました。
「Big Girls Don't Cry」のサビなんか鐘が鳴りっぱなし。
どこかで「永遠にこの役を続けて森光子になってほしい」という呟きを見ましたが、マジでそう思います。
後半も楽しみにしています。
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今年観た舞台2021

2021-12-29 | 舞台
コロナ禍以前のペースに戻りつつありますが、あっきーの舞台出演が少なかったため演劇を観る機会は減りました。
でもチケット代金は過去最高額を更新、今までを大きく上回る散財に。
あっきーのLIVEに注ぎ込んだほかに、やはり配信視聴を気軽に見たことが要因ですね。

今年は新感線やナイツテイル、見逃した作品を観られたのも嬉しかったです。
「狐晴明九尾狩」のど真ん中な作風や「あのマンガがミュージカルに?」という疑いの視線を見事に覆した「北斗の拳」など、大型の作品が楽しめました。
NODAMAPの2本も、観終わったあとの読後感が凄まじかった。

2022年の舞台作品は「リトルプリンス」から始めますが、どうか、全ての作品が予定通り上演できますように。
そして演劇に関わる誰もが傷つかず、不幸になりませんように。
切に願ってやみません。

■ 2021年に観た舞台(劇場)
パレード(東京芸術劇場プレイハウス)
イリュージョニスト(日生劇場)
子午線の祀り(KAAT神奈川芸術劇場ホール)
ほんとうのハウンド警部(シアターコクーン)
アリージャンス~忠誠~(東京国際フォーラムホールC)
イン・ザ・ハイツ(鎌倉芸術館大ホール)
きみはいい人、チャーリー・ブラウン(シアタークリエ)✕ 5
BURNAM(相模女子大学グリーンホール)
スリル・ミー(東京芸術劇場シアターウエスト)
Stars On Ice 2021(横浜アリーナ)
メリリー・ウィー・ロール・アロング(新国立劇場中劇場)
レ・ミゼラブル(帝国劇場)
マタ・ハリ(東京建物ブリリアホール)
NODA・MAP「フェイクスピア」(東京芸術劇場プレイハウス)
森 フォレ(世田谷パブリックシアター)
ジーザス・クライスト=スーパースター in コンサート(シアターオーブ)
王家の紋章(帝国劇場)
ウェンディ&ピーターパン(オーチャードホール)
検察側の証人(世田谷パブリックシアター)
「DEVIL」Japanプレビューコンサート(東京芸術劇場シアターウエスト)
ドッグファイト(シアタークリエ)
ジャック・ザ・リッパー(日生劇場)
いのうえ歌舞伎「狐晴明九尾狩」(赤坂ACTシアター)
いのうえ歌舞伎「狐晴明九尾狩」(ライブビューイング)
ナイツ・テイル(帝国劇場)
あいまい劇場其の壱「あくと」(EXシアター六本木)
NODA・MAP番外公演「THE BEE」(東京芸術劇場シアターイースト)
フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~(日生劇場)
ストーリー・オブ・マイ・ライフ(よみうり大手町ホール)

■ 2021年に観た舞台(配信)
ポーの一族
Stars On Ice 2021
スリル・ミー
モーツァルト!
BANANA FISH
日本の歴史
「DEVIL」Japanプレビューコンサート
Kバレエカンパニー「シンデレラ」

(劇場で観劇 29作品34公演 配信視聴 8本)
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「DEVIL プレビューコンサート」9月

2021-09-30 | 舞台
「Musical DEVIL Japan プレビューコンサート」
東京芸術劇場シアターウエスト
9月18日(土)13:00
9月21日(火)13:00
9月26日(火)13:00 配信視聴

【出演】中川晃教/小西遼生/村井良大/雅原慶
    平山素子・佐藤洋介・宮河愛一郎(トリプルキャスト)
    山野靖博・馬場亮成・木村つかさ・町屋美咲

【演出】広崎うらん
【音楽監督】江草啓太
【演奏】江草啓太(pf) 臼井かつみ(dr)

突然降ってわいたようなコンサート。
上演ポスターやチラシも一切なくパンフレットも受注生産で、作品に関する事前情報が手探り状態。
題材になっているゲーテの「ファウスト」の粗筋をウイキで確認し、高い評価を受けたという初演の韓国版の映像をチラ見して臨みました。
(後日に出た山野さんのnote の解説がとても分かりやすかったです)

今回は75分のコンサート版でしたが、簡単なセットも組まれて台詞も芝居もあったので概要はなんとなく分かりました。
ただ歌詞がなんとなく観念的で、聴くのに全集中しないと大変。
株取引用語と宗教用語もいっぱい出てくるので、そこは解説がほしいかな。
キリスト教に絡みそうな用語も、黄金の塔・百合の花・りんごの木・迷える羊、キリエエレイソンなどなど。
ラス曲に至っては「血と肉」ときた!
それはキリスト教の贖罪と救済の意味でしょうか。

ファウストでは「悪魔メフィストと神が一人の人間の行く末について賭けをする」ことになってますが、その「賭け」の場面がよくわからず、策略に動き回るX-BLACK(悪魔)に対してと X-WHITE(神)がただ傍観者に過ぎないのが少しもどかしかった。
今回はダイジェスト版で致し方ないとしても、本公演での脚本に期待します。

そのアレコレを補って余りあるのがキャストの熱演でした。
彷徨える一般人の村井くん、母性を感じさせる雅原さんはもちろん、退廃的な美貌を溢れさせる悪魔の小西くん、天井から光をもたらす天使のあっきー…
これ以上のキャスティングはどうやっても考えられません。
特にX-BLACKの鋭角的な黒ロングコートの魅力ったら。
対するX-WHITEは白の中に黒色を忍び込ませる衣装。
「袖を通さないまま着るほわほわの白いコート」が少し物議を醸し出しましたが、あの丸っこいフォルムがベイマックスを思い出させて、個人的にはほっこりいたしました。
(劇中でコートを脱ぐのかなーと思ってたけど脱いだのは終演後の集合写真のみでしたね)

何より嬉しかったのが、あっきーの「ど真ん中なミュージカル声」が聴けたこと。
去年のJBコン以降はビューティフルやYGCBなど亜流作品(ごめん)だったので、ラス曲「血と肉」はもうこちらの血が滾るようでした…
ソロ曲もデュエット曲も低音の響きから高音の輝きまでをたっぷり聴かせてくれて、本公演ももちろんツアーコンサートとかでもう一度歌ってくれるのが楽しみです。
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今年観た舞台2020

2020-12-31 | 舞台
2020年2月26日。
わたしは日生劇場で「天保十二年のシェイクスピア」を観劇していました。
この日、文化イベントの開催に自粛要請が出され、以降劇場の扉は長い時間閉ざされることになりますが、そのときはなんとなく不安を覚えるもどこか他人事に感じていました。
あの日の自分ってなんて呑気だったんだろう…

3月に奇跡的に「アナスタシア」を観ることができたものの、それからは「中止」「延期」のお知らせに怯える日々。
頻繁にTwitterをチェックし、手元チケットを払い戻ししては動画配信のチケットを手配し、延期のお知らせによるスケジュール調整、もう何が何だかわからなくなってきました。

劇場が再開してはじめて足を運んだのがPARCO劇場の「大地」。
作品がどうのと言うよりも、入場時の検温や消毒など「これでもか」というほどの厳密な感染対策、客席でもロビーでも誰も一言も喋らない緊張感。
あの「必死さ」はずっと忘れられない。

それからは動画配信で上演する例も多くなってきました。
この記録にはコンサート形式の作品(チェーザレコンや帝劇コンなど)はカウントしていませんが、結構な本数の動画配信を見ました(JBコンは役柄があり台詞もあったので演劇と見なしました)。
最初のうちは上演するほうも見るほうも手探り状態だったけれど、アーカイブの有無や金額設定など徐々に折り合いがついてきた印象で、こちらも作品ごとに取捨選択をする余裕も出てきたように思います。
結果、年間の観劇費用は例年と変わらなかったです。

オセロの駒がパタパタと裏返されるように、あっという間に世界が変わってしまった2020年。
それでも、演劇が消えることがなかったことが、心の支えです。
私のように劇場に行くことが「不要不急」ではなく、毎日の生活を潤す大切な存在だと思っている人が大勢いるということですよね。

来年もこの流れが続きそう。
マスクを取って、カテコでは思いっきり声援を送りたいけれど、しばらくの我慢ですね。
ただ一つ残念なのは、上演中止になりこの座組で再演される可能性が極めて低い作品もあるということです(「桜の園」など)。
演劇が持てる宿命のようなものを感じた年でもありました。


■ 2020年に観た舞台
1月
フランケンシュタイン(日生劇場)✕ 4

2月
CHESS THE MUSICAL(東京国際フォーラムホールC)
ねじまき鳥クロニクル(東京芸術劇場プレイハウス)✕ 2
フランケンシュタイン(梅田芸術劇場)
天保十二年のシェイクスピア(日生劇場)

3月
偽義経冥界歌(ライブビューイング)
アナスタシア(シアターオーブ)

7月
大地(PARCO劇場)
Defiled-ディファイルド-(動画配信)
ジャージー・ボーイズ イン コンサート(帝国劇場)✕ 2
ジャージー・ボーイズ イン コンサート(動画配信)✕ 2
SHOW-ISMS(動画配信)

8月
ジャージー・ボーイズ イン コンサート(帝国劇場)✕ 2
SHOW-ISMS(動画配信)

9月
VIOLET(東京芸術劇場プレイハウス)
ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~(赤坂ACTシアター)

10月
十二年の怒れる男(シアターコクーン)
ローマの休日(帝国劇場)
真夏の夜の夢(東京芸術劇場プレイハウス)

11月
ビューティフル(帝国劇場)✕ 4
フリー・コミティッド(動画配信)
プロデューサーズ(シアターオーブ)✕ 2

12月
23階の笑い(世田谷パブリックシアター)

■ チケットを手配した中止公演

桜の園(シアターコクーン)
チェーザレ 破壊の創造者(明治座)
ウエスト・サイド・ストーリーSeason3(ステージアラウンド東京)
ある馬の物語(世田谷パブリックシアター)
ジャージー・ボーイズ(帝国劇場)
スクール・オブ・ロック(Brillia HALL)      

この記事は年明けに書きましたが、あとから自分が検索するために投稿日時は昨年の日付のままにしています…
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「プロデューサーズ」 11/17 マチネ・11/21マチネ

2020-11-23 | 舞台
ミュージカル「プロデューサーズ」

11/17(火) マチネ  シアターオーブ 1階20列センター
11/21(土) マチネ  シアターオーブ 2階4列下手

【脚本】メル・ブルックス/トーマス・ミーハン
【音楽/歌詞】メル・ブルックス
【オリジナル振付】スーザン・ストローマン
【日本版振付】ジェームス・グレイ
【演出】福田雄一

【出演】井上芳雄 / 大野拓朗(11/17)吉沢 亮(11/21) / 木下晴香 / 吉野圭吾 / 木村達成 / 春風ひとみ / 佐藤二朗 / 他

2008年の井ノ原長野版を観ているはずなんだけど…彼らのことを全く覚えてません。
場面場面がキョーレツすぎて。
でも覚えてなくても予習してなくても、心の底から楽しめました。
気持ちが塞ぐこの頃、ど真ん中で贅沢なBWミュージカルを観ることができること、それだけで幸せを感じます。

まあ作品を徹頭徹尾「理解している」かと言われると…大きく言えない。
ナチスドイツを揶揄することや歴代の政治家を皮肉ること、どこか他人事のように遠巻きに見てしまうし、ジェンダー視点からするとオネエを強調しすぎでは?という見方にも意見できない。
ああ、でも観る前に照明係シャーリーのことを知ったのは良かったかな。

芳雄さんの造形はあれでいいのかな。
元が「小太りのおじさん」仕様だからちょっと心配でしたが、どちらかと言えば偏屈な科学者みたいな風貌でした。
でも歌いだすと芳雄節になり品がグレードアップするので、緩和されているのかも。
対する大野くんのレオ、実直でバカ正直でした。
芳雄さんの隣に並んでも引けを取らない、いやむしろ負けていないどころか買勝っているスタイルの良さ。
すごく素敵で、惚れ直しました!
吉沢くんは…意外に小さかったけど、あの美しいお顔の表情がくるくる変わり、オペグラ使わずともよく見えました。
口跡が綺麗だし歌も聴けたし、これから多くの舞台作品にお呼ばれするのかな。
あと「ダンスは一日にしてならず」ですかね…

佐藤二朗さんはぴょんぴょんの歌がひたすら可愛かった。
もしこの役がムロさんだったら…別の作品になってしまうよね。
吉野圭吾さんのロジャーも適役だけど、今回のMVPはカルメンギア木村くんかな。
やり過ぎず卑屈にならず、お美しい立ち姿、すごく素敵でした。
福田さん演出作品は好みが分かれますが(自分の例では「サムシングロッテン!」はOK、「恋のヴェネツィア狂騒曲」は受け入れられず)、今回は好感持てる作品でした。
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「VIOLET」 9/5 マチネ

2020-09-06 | 舞台
ミュージカル「VIOLET」帝国劇場
9月5日(土)マチネ 東京芸術劇場プレイハウス 1階F列上手

【演出】藤田俊太郎
【出演】優河 / 成河 / 吉原光夫 / spi / 横田龍儀 / 岡本悠紀 / エリアンナ / 谷口ゆうな / モリス・ソフィア / 畠中洋 / 島田歌穂

観客全員に配布された簡易パンフレットには、「奇跡の再出発」という文字が大きく記されていました。
もともと4月に上演予定だったときは観劇を迷っていたんですが、成河さんが代役で出演することになりチケットを手配。
その代役も成河さんが「ねじまき鳥」の地方公演が上演中止になったので引き受けたとか。
しかしそれも叶わなくなりガッカリ三昧だったところ、9月に3日間だけ上演するって聞いたときは目が血走りましたw
これこそ「奇跡の再出発」なのではなかろうか。

当初は観客席の椅子が舞台をぐるっと囲む形式の舞台装置だったらしいですが、それはかなわず通常の座席配置になりました。
印象的だったのは、舞台の上にある大きなドーナツ状の装置。
舞台上の盆と同じような大きさで、それは世界を見下ろす目のような存在でした。
同時に「思ったより大掛かりだな」ということ。
客席半分で3日間のみの上演、どう考えても採算度外視ですが、「何が何でも上演したる!」という気概が嫌でも伝わります。

舞台上には多くの椅子が並べられ、椅子を移動させてバスの車内に変わり、衝立を並べてダイナーのカウンターに変わり、その間に盆がぐるぐるとダイナミックに動きます。
後方のスクリーンにはライブカメラの映像が大きく映り(おもに伝道師の場面)、おお藤田さんの演出っぽい!としみじみするJBオタク…

ヴァイオレット役は優河さん。
これが初ミュージカルとは信じられないぐらい、揺るぎがなく歌声に迫力がある。
顏に傷を持つがゆえに世間に背を向け、でも世渡り上手なところもあるキャラにぴったりな様子でした。
逆にWキャストの唯月ふうかちゃんだと全く別キャラにならない?

群像劇らしくいろいろな設定の人物が登場しますが、光夫さん演じる黒人兵士フリックと、成河さん演じるエリート白人兵士モンティがメインとなってヴァイオレットと接します。
フリックは軍人としての身分は高いもののあからさまな差別に晒され、モンティは特殊部隊に志願しベトナムに送られる未来が見える。
このメイン3人の微妙な関係、見えない糸で綱引きをしているような距離感が面白かったです。
光夫さんが歌いあげるナンバーがこの作品の肝になっていたし、成河さんがベッドの上でさめざめと泣く場面もすごく印象的。
そう、思ってたより曲がバラエティに富んでいて(バスで移動する土地に因んだ曲調になってた)、もちっと難解な曲が多いのかな?と思ってたけど楽しかった。父親役spiさん歌うポーカーの曲なんか自分で歌いたいかも。

老婦人役は島田歌穂さん。品があるようであまり幸せそうではない。
歌穂さんはこの老婦人の他に2役演じていて、早替えも演じ分けも素晴らしかったです。
顔に傷があるヴァイオレットも黒人兵士であるフリックも、それとわかる明確なメイクは施されてないのだけれど、それだけに自分に近しい存在として「あの役は私かも」と思わせる効果に繋がる気がします。
成河さんの言うように、「真に自分を愛すること、他者と生きるために必要なこと」がこの作品の明確なテーマだとしたら、「自分を傷つけていると思っていた周囲が、自分自身を認め受け入れることで周囲を愛することになる」という結末が、今のワタシにズシンと迫ってきました。

3日間のみの上演ということでチケットはプラチナ化してしまったのですが、この日2日目も少しこなれていない印象は受けました。
たぶん上演する側も百も承知な状況だと思いますが、それでも上演していただけたことに感謝するとともに、そろそろ「上演してくれただけでありがたい」という感想が小さくなっていくとよいな…と思う今日この頃。
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「ジャージー・ボーイズ イン コンサート」 7/23-8/5

2020-08-09 | 舞台
ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」イン コンサート  帝国劇場

7/18(土) 18:30 配信視聴
7/19(日) 13:30 配信視聴
7/23(木) 13:30 2階E列下手
7/27(月) 18:30 1階N列センター
8/1(土) 13:30 1階H列下手
8/5(水) 13:30 2階E列センター

【演出】藤田俊太郎
【出演】中川晃教 / 藤岡正明 / 尾上右近 / 矢崎 広 / 東 啓介 / spi / 大山真志/ 加藤潤一 / 法月康平 / 畠中 洋 / 綿引さやか / 小此木まり / 遠藤瑠美子 / 大音智海 / 白石拓也 / 山野靖博 / 若松渓太

はー…
自分の観劇史上、これほど紆余曲折だった公演は後にも先にもない。ないはず。
本公演が中止になったのはまあ予想ができたけれど、コンサート版で復活すると聞いたときの喜びを言い表す言葉がありません。
しかし初日を目前にして関係者の中から感染者が確認され、初日から何日かは配信オンリーに。
遅れて23日にやっと帝国劇場へ入ることができ、そこから途中で立ち消えにならず千穐楽まで無事に駆け抜けらることができました。

頻繁にスマホを更新し「中止」の文字を恐れながら探す。
中止になった公演の払い戻し、二度目の初日になった23日のチケ手配、リセールへ出したり譲ってもらったり配信を買ったり…毎日毎日ポチポチしてました。
観客の我々がこんな具合だったから、キャストスタッフの紆余曲折はどれほどだったのか。

ラッキーだったのは、既に2018年にコンサート版を成功させていたことかも。
曲目や構成はほぼ同じだったこともそうですが、何より良かったのは
あのときペンライトを販売していた
ということです。
歓声は一切ダメ、客数半分なので拍手も心許ない状態で、私たちもペンライトを手にすることでどんなに心強かったか。

本篇のことも記録しなければ…
とは思うけれど、なんか特に書いておかなければならないことはないような。
コンサート版でなければ聴けなかった二人のボブの「Cry for me」の声の重なり、二人のトミーのどつき合い、「俺は…ああ、俺たちは」と言い直す二人のニックの交互の台詞。

本音を言えばやはり本公演が観たかったです。
三階建てのセットや周り舞台が再現される…かどうかはわからないけれど。
このご時世で「上演してくれるだけで本望」なのはわかるけれど。
最低限の台詞では初見の人には伝わらなかったニュアンスを堪能したかったです。

帝劇のセンターに再び立つ姿を心待ちにしていたので、「これは正式な復活…だよね」と少しうやむやになってしまったのは確か(本人は意識してないだろうけど)
もう一度あるとよいなあ。
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「大地(Social Distancing Version)」 7/3 ソワレ

2020-07-05 | 舞台
『大地(Social Distancing Version)』          
7/3(金) ソワレ PARCO劇場R列センター

【作・演出】 三谷幸喜

【出演】
大泉洋 / 山本耕史 / 竜星涼 / 栗原英雄 / 藤井隆 /  濱田龍臣 / 小澤雄太 / まりゑ / 相島一之 / 浅野和之 / 辻萬長

この前に観たのは3/22「アナスタシア」だから、3か月半ぶりに劇場へ行きました。
まず、渋谷駅が進歩してたのにびっくり。
湘南新宿ラインのホームが移動して、電車を降りたらすぐそこにハチ公口の出口がある。今まで5分以上かかってたのに!
改装後のPARCO劇場ももちろん初めてなんですが、それはそれは徹底した感染対策がなされてました。
足ふきマットで靴底を掃除→手首を検温→チケット確認→手のアルコール消毒→来場者登録の案内の流れで入場すると、床のあちこちに足跡マークが貼られていて自然と距離を取るようになっている。
本来ならばお祝い花のスタンドもあったのかも…と思うとちょっと寂しいけれど。

客席はひと席飛ばしで、席が離れているからかおひとり様観劇が多いのか、開演前も幕間も私語が全くなく静まり返っていました。
そう、客席も会場スタッフも、舞台上の演者も、見事なまでのソーシャルディスタンス。
「この会場から決して感染者を出すものか!」との気概が伝わってきます。
三谷さんは「自粛解除後の大劇場での公演の先陣を切ることになって」と言ってましたが、ここで何かあったらまた業界全体が矢面になってしまうものね。

作品は、いつもの三谷作品でした。
ワンシチュエーションの当て書きの脚本は笑って泣けてちょっと考えさせられて。
反政府主義者として強制収容された施設の話なので、ラストはエグくて心が痛んだけれど、三谷流俳優論が思っていたよりも真っすぐに届きました。
客席も一幕は身動ぎせず無言で観ていたんですが、二幕の見せ場になるといっぱい笑って拍手喝采。
1回のみのカテコも万来の拍手でした。

マスコミ向けフォトコールの写真では山本耕史くんが惜しげもなくガチムチの上半身を晒していますが、その他の役者さんも本領発揮。
特に浅野和之さんと辻萬長さん、藤井隆さんの流石の「芸」は、観ていて気持ちよかったし、相島さんはアツいし、大泉洋(敬称略w)はちゃっかりしてるし。
特に印象に残ったのは竜星涼くん。
修羅天魔の夢三郎が初見だったけど、恐らくその流れで今回の女形(おんながた)役者を演じているのかな。
胸周りの薄さ、しなを作る歩き方、手のこなしや目線の這わせ方が本当に綺麗。
二幕でそのキャラが重要ポイントになりその女性成分(と言っていいのか)が強まったり弱まったりするけど、なんというかとても器用でした。
ドラマでも一癖ある役が目立つけど、きっと舞台でも映える役者さんになるのでしょうね。

開幕冒頭に三谷さんのアナウンスがあります。
その最中に客電が消え、客席内は真っ暗になり、舞台にうっすらと灯りがつく。
そして現代演劇のスタートとされる昔の劇場で習わしとなっていた「銅鑼の音」が大きく鳴った途端に…私たちは別世界へワープ。
そこから数時間はどこにも逃げ去れず取り込まれていく感覚。
この作品もストリーミング配信があるけれど、「劇場に直接行かないとわからない」魅力をまざまざと感じた瞬間でした。
劇場の灯がこれからもずっと灯り続けますように。
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「偽義経冥界歌」 3/19マチネ(ライブビューイング)

2020-03-20 | 舞台
2020年劇団☆新感線39興行・春公演 いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』                
3/19(水) マチネ ブルグ13

【作】中島かずき
【演出】いのうえひでのり

【出演】
生田斗真 / りょう / 中山優馬 / 藤原さくら / 粟根まこと / 山内圭哉 / 早乙女友貴 / 三宅弘城 / 橋本さとし  ほか

今思えば3月初旬に固めてチケ手配していたのがアレだったんですが…
新型ウイルス対策としての休演時期にがっつり被り、2公演分払い戻したリベンジで急遽ライビュを見ることに。
ちょうど世間の自粛期間がなんとなく終わりかけた当日だったので、このライビュも観られるかどうかでヤキモキしました。

そんなわけで、新感線オープニングのジューダス・プリーストが流れた途端、マスクをさめざめと濡らす涙。
ああ、(ライビュとはいえ)上演が再開されたんだ…お芝居が観られるんだ…と感涙。

考えてみれば、ぐるぐる回らない新感線って久しぶり。
「偽義経冥界」というタイトルの意味さえあまり予習してこなかったけれど、なんの問題もなし。
明快なキャラ設定と気持ちよく進むストーリーの「いつもの新感線」でした。
大阪公演から始まって1年上演しているらしく、こなれた感と安心感。
一幕でメインキャラがみんな死んじゃって「えー」と思ったけど、二幕はタイトルの冥界に相応しく、そして「いのうえ歌舞伎」って歌舞伎だったんだ!と思い出させる隈取メイクが美しく、二幕が若干くどいのも新感線らしかった。
歌舞伎ならきっと「たっぷりと!」とか言うのかな(知らんけど)。
大陸の歌うたい(藤原さくらさん)が弾き語りする場面ではうっすらSHIROHを思い出して遠い目…あの琵琶ギターがすごくいい音だった。

で何がお目当てって斗真くん。
わたしの初新感線が「スサノオ~神の剣の物語」だったので感激ひとしおでした。
一幕のオバカキャラも面白かったけど、ライビュならではの顔面アップがそれはそれは美しくかった。
特に二幕の銀髪白塗りに、流れる汗と書き加えられる隈取がこの世のものとは思えない(って冥界だから当たり前ですね)。
私が思うジャニ内顔面偏差値トップ2の斗真くんと中山優馬くんを拝めて幸せでした。

口跡が綺麗なりょうさん、電光石火な殺陣の早乙女弟くんも素敵でした。
特に遮那王の殺陣はスピード倍速なのもすごいけど、刀の切っ先が綺麗な弧を描いて振られるんですよね。
山内圭哉+三宅弘城ペアはもちっと笑わせてほしかったかも。
そして、わたし的MVPはさとしさん。
あのガタイと威圧のある声から繰り出すパワー、オモシロキャラと人外キャラを自由に行き来する力量。これからも追っかけされていただきます。
そうそう、あの見事な再現度のイノシシにも助演動物賞をあげたい…

この日のライビュ会場も空席がパラパラとありましたが、カテコで一緒に拍手したり、「映画館のみなさーん!」と呼び掛けてくれる斗真に向かって一緒に両手を振ったりして一体感を味わいました。
お芝居が観られることってなんて奇跡的なんだ!
今日もスマホを見ては公演中止のお知らせがないかどうかビクビクしていますが、どうか早く日常が戻りますように。
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