銀河鉄道999 劇場公開40周年記念作品 舞台「銀河鉄道999」さよならメーテル~僕の永遠~
4/24(水)マチネ 明治座 1階17列
【出演】中川晃教 / 凰稀かなめ / 前山剛久 / 矢沢洋子 / 伊波杏樹 / 美山加恋 / お宮の松 / 塚原大助(声の出演) / 松下由樹 / 平方元基 / 他
2回目にしてマイ楽でした。
全体を通して目を配って…やっといろいろと繋がった!
というかメーテル!あなたって人は…と改めて二幕の展開にオドロキ。
ラストシーンも一層意味深く伝わり、とてもすがすがしい気持ちでカテコの拍手をすることができました。
これからもっともっと進化していくんだろうなぁ。
この日のメーテルは伊波杏樹さん。
囁くような台詞が大人でクールなイメージで、木下晴香さんとは全く違ったアプローチでした。
(後述しますが演出家落石さんによると「敢えて違う芝居にしている」とのこと)
あっきーの鉄郎は、よりいっそう野沢雅子さんに寄せているんですね。
後方席だったのでオペラグラスを駆使して、いろいろな表情を見ることができた。
原作映画も観ていないので、私の中の999は初演と今回の舞台のみ。
そんな私からすると、鉄郎は16歳なのに実に生き急いでいて少し胸が痛みます。
それでも、キャラクターを引き寄せて舞台の上に立ち、周りに目を配る座長(主演というより明治座にはこの役職名が相応しい)として全うしている姿が頼もしかったです。
終演後、「Bumpy Lens -in theatre-」さんの観劇イベント(アフタートークショー)に参加してきました。
演出の落石明憲と主演の中川晃教さんはふたりとも「あきのり」さん。
ナビゲーターの岩村美佳さんからの質問に対して、落石さんと中川さんが答える形で進みました。
以下時系列ではありませんが羅列します。
—今回の作品はどんなかたちで演出を考えましたか?
落石さん
東宝所属の演出家が東映作品を明治座で上演する…はじめはなにかのジョークかと思いました。
福岡出身で子供のとき「999」は再放送で見ていましたが、作品を知らない若い人にどうすれば理解してもらえるかに苦心しました。
所謂2.5次元の原作で、良いところは「予習ができる」こと。冒頭の人物紹介を軽めにすることができます。
逆に、例えばメーテルなどは、みんな自分の中に持つイメージがバラバラなんですね。
なので今回は敢えてWキャストの二人に違う芝居をさせています。
―中川さんがいらっしゃったので、鉄郎の話題に移ります
(あっきーは終演後すぐにお着換えとメイクOFFをして駆けつけてくれました。Tシャツとグレーのデニム、マッサラのスッピンでした)
中川さん
落石さんは999の初演を観てたんですよね。
(落石さんとあっきーは「CONNECTION」と「ジャージーボーイズ」で一緒だったそう)
初演では10歳という設定で…10歳っていうのが正直笑けてきた!嫌だったなー(しみじみ)
鉄郎という役と出会ったことで、目標ができました。
人間とは何だろう、自分とは何だろうという問題に踏み込むことになり、新作であるからこそ深いテーマに当たれた気がします。
落石さん
この作品は(他でありがちな)宗教に走らず神は出てこないんです。
原作者の松本零士先生が戦争や生死にかかわる体験をしていることが大きいですね。
鉄郎は全てを経験しますが、16歳という設定年齢は「大人でもなく子供でもない多感な年齢」ですよね(映画版の設定に倣ったとのこと)。
中川さん
36歳が16歳を演じているけど…(そのネタどの取材でも必ず出しますよね!と岩村さんからツッコミ)
実は今日久しぶりにプールで泳げたんですが(本番入ってからも場当たりなどで入りが早く毎日のルーティンがこなせなかったそう)
プールの中にめちゃくそ早く泳ぐおじいさんがいるんですよね!
レーンで抜かされそうになったりして。年齢を感じないで生きてゆきたいと思ってはいます。
--平方さんと凰稀かなめさんが両脇を支えています
落石さん
鉄郎が王将だとするとお二人が飛車と角かな?三角形のバランスは考えました。
中川さん
かなめさんは、元トップだからこそのオーラがあります。
トップとして「周りに意識を置く/置かない」という切替と、自分の役割を全うするところを見てて…この人好き♡と思ってます♡
平方くんの胸に飛び込む場面は力がこもります。
(このシーンはスタッフさんから「ぶつかり稽古」と呼ばれているらしい)
サムシングロッテンでは弟役だったのにね。この絆は永遠に切れることがないと思ってます(劇中台詞を引用してました)。
若いから期待しています。
(エリザベートで)フランツ演るんだよね?なんで?
(歴代最年少ではなく過去田代万里生くんが演じていると聞いて)じゃあハーロックの経験がいきるかもね(ドヤ顏で)。
落石さん
松下由樹さんは本当にすごいよね、ラストの断末魔の叫びなんか。舞台がきゅっと締まります。
あの衣装とメイクなので本番前に挨拶に行くときビビるけど(見た目が怖いだけでご本人は優しい方とのこと)
因みにエメラルダスも怖くて、なんだか体育館の裏に呼び出されたみたいな感じでW
--落石さんを演出家として迎えて
中川さん
JBでは演出助手で、演出家の藤田さんを支える筆頭でもありキャストとのツナギでもありました。
おっちーは心強くて、「落石さんが言うんだからそうしよう!従おう!」とみんなに指示できて信頼関係ができました。
落石さん
あっきーはそれまで「おっちー」と呼んでくれたのに、999で「落石さん」と呼ばれたのは寂しかったです…
(あっきー「オレもそういうこと考えるような歳になった」。会場爆笑W)
(吉原)光男さんはふだん藤田さんを「ふじた!」って呼ぶのに、JBでは「落石さん」。やめてくれって思ったけど。
あっきーのことはM!で意識しはじめて、いつか一緒に仕事したいと思ってました。
僕はラカージュなど濃いモノ作品の担当で、東宝の演出家の中で唯一レミゼに絡んでないんです。
みんなレミのTシャツとか持ってるのに僕だけ物販で並んで買わないとダメ(笑)
999の冒頭の赤い旗を振りながら菱形体制になる場面、あれはもちろん意識してますw
--999では大きな蒸気機関車が出てきます
落石さん
あれは単純に出したかった、拘りです。
スケールが大きい宇宙の話なので、かなり照明の力を借りています。床に灯りを入れて2階席から見る楽しみも作ってます。
--「自分の歌を歌って終わりたい」という台詞がありますね
中川さん
(手元の台本をパラパラめくりながら)台本を読んでびっくりしました。
運命、結ぶ、というワードが多く出て台本を覚えるのに苦労したところもあったけど。
歌も多くなってミュージカルの方程式があります。
落石さん
(既存作品と違って)自由度があるから、曲の入りのキッカケを作るのに苦労したり。
--そろそろ時間なので、これから観る方に期待してほしいことをお願いします
落石さん
鉄郎は感情移入もしやすいので、鉄郎の魅力を楽しんでください。
「人は一人ではなく繋がっている」というテーマを、昭和に生まれた作品を平成と令和にまたがり上演していくことに意義を感じています。
中川さん
「もう時間?おなか空いてきたよー!」と言いながら熱く語ってくれたのは、
・伊波さんと木下さんのメーテルはアプローチが違うという話
・女性の生き方ということで自分の身近な存在と重なる(おばあちゃんが婦人会で活躍した話)
などなど私の文章力ではうまくまとめられませんが、「魂の絆」という言葉を何度も口にしていました。
こんな感じで30分間、とても内容の濃いトークだった。
何より演出家さん自らの言葉が伺えて、なんというか「あーその狙い伝わってます!」と首をぶんぶん振るところが何度もありました。
出演者が登壇するオフィシャルのアフタートークもそれはそれで面白いのですが、作品の意図や狙いがナマの声で聴けるのは貴重でした。
Bumpy Lensならではの企画をこれからも続けてほしいです。
4/24(水)マチネ 明治座 1階17列
【出演】中川晃教 / 凰稀かなめ / 前山剛久 / 矢沢洋子 / 伊波杏樹 / 美山加恋 / お宮の松 / 塚原大助(声の出演) / 松下由樹 / 平方元基 / 他
2回目にしてマイ楽でした。
全体を通して目を配って…やっといろいろと繋がった!
というかメーテル!あなたって人は…と改めて二幕の展開にオドロキ。
ラストシーンも一層意味深く伝わり、とてもすがすがしい気持ちでカテコの拍手をすることができました。
これからもっともっと進化していくんだろうなぁ。
この日のメーテルは伊波杏樹さん。
囁くような台詞が大人でクールなイメージで、木下晴香さんとは全く違ったアプローチでした。
(後述しますが演出家落石さんによると「敢えて違う芝居にしている」とのこと)
あっきーの鉄郎は、よりいっそう野沢雅子さんに寄せているんですね。
後方席だったのでオペラグラスを駆使して、いろいろな表情を見ることができた。
原作映画も観ていないので、私の中の999は初演と今回の舞台のみ。
そんな私からすると、鉄郎は16歳なのに実に生き急いでいて少し胸が痛みます。
それでも、キャラクターを引き寄せて舞台の上に立ち、周りに目を配る座長(主演というより明治座にはこの役職名が相応しい)として全うしている姿が頼もしかったです。
終演後、「Bumpy Lens -in theatre-」さんの観劇イベント(アフタートークショー)に参加してきました。
演出の落石明憲と主演の中川晃教さんはふたりとも「あきのり」さん。
ナビゲーターの岩村美佳さんからの質問に対して、落石さんと中川さんが答える形で進みました。
以下時系列ではありませんが羅列します。
—今回の作品はどんなかたちで演出を考えましたか?
落石さん
東宝所属の演出家が東映作品を明治座で上演する…はじめはなにかのジョークかと思いました。
福岡出身で子供のとき「999」は再放送で見ていましたが、作品を知らない若い人にどうすれば理解してもらえるかに苦心しました。
所謂2.5次元の原作で、良いところは「予習ができる」こと。冒頭の人物紹介を軽めにすることができます。
逆に、例えばメーテルなどは、みんな自分の中に持つイメージがバラバラなんですね。
なので今回は敢えてWキャストの二人に違う芝居をさせています。
―中川さんがいらっしゃったので、鉄郎の話題に移ります
(あっきーは終演後すぐにお着換えとメイクOFFをして駆けつけてくれました。Tシャツとグレーのデニム、マッサラのスッピンでした)
中川さん
落石さんは999の初演を観てたんですよね。
(落石さんとあっきーは「CONNECTION」と「ジャージーボーイズ」で一緒だったそう)
初演では10歳という設定で…10歳っていうのが正直笑けてきた!嫌だったなー(しみじみ)
鉄郎という役と出会ったことで、目標ができました。
人間とは何だろう、自分とは何だろうという問題に踏み込むことになり、新作であるからこそ深いテーマに当たれた気がします。
落石さん
この作品は(他でありがちな)宗教に走らず神は出てこないんです。
原作者の松本零士先生が戦争や生死にかかわる体験をしていることが大きいですね。
鉄郎は全てを経験しますが、16歳という設定年齢は「大人でもなく子供でもない多感な年齢」ですよね(映画版の設定に倣ったとのこと)。
中川さん
36歳が16歳を演じているけど…(そのネタどの取材でも必ず出しますよね!と岩村さんからツッコミ)
実は今日久しぶりにプールで泳げたんですが(本番入ってからも場当たりなどで入りが早く毎日のルーティンがこなせなかったそう)
プールの中にめちゃくそ早く泳ぐおじいさんがいるんですよね!
レーンで抜かされそうになったりして。年齢を感じないで生きてゆきたいと思ってはいます。
--平方さんと凰稀かなめさんが両脇を支えています
落石さん
鉄郎が王将だとするとお二人が飛車と角かな?三角形のバランスは考えました。
中川さん
かなめさんは、元トップだからこそのオーラがあります。
トップとして「周りに意識を置く/置かない」という切替と、自分の役割を全うするところを見てて…この人好き♡と思ってます♡
平方くんの胸に飛び込む場面は力がこもります。
(このシーンはスタッフさんから「ぶつかり稽古」と呼ばれているらしい)
サムシングロッテンでは弟役だったのにね。この絆は永遠に切れることがないと思ってます(劇中台詞を引用してました)。
若いから期待しています。
(エリザベートで)フランツ演るんだよね?なんで?
(歴代最年少ではなく過去田代万里生くんが演じていると聞いて)じゃあハーロックの経験がいきるかもね(ドヤ顏で)。
落石さん
松下由樹さんは本当にすごいよね、ラストの断末魔の叫びなんか。舞台がきゅっと締まります。
あの衣装とメイクなので本番前に挨拶に行くときビビるけど(見た目が怖いだけでご本人は優しい方とのこと)
因みにエメラルダスも怖くて、なんだか体育館の裏に呼び出されたみたいな感じでW
--落石さんを演出家として迎えて
中川さん
JBでは演出助手で、演出家の藤田さんを支える筆頭でもありキャストとのツナギでもありました。
おっちーは心強くて、「落石さんが言うんだからそうしよう!従おう!」とみんなに指示できて信頼関係ができました。
落石さん
あっきーはそれまで「おっちー」と呼んでくれたのに、999で「落石さん」と呼ばれたのは寂しかったです…
(あっきー「オレもそういうこと考えるような歳になった」。会場爆笑W)
(吉原)光男さんはふだん藤田さんを「ふじた!」って呼ぶのに、JBでは「落石さん」。やめてくれって思ったけど。
あっきーのことはM!で意識しはじめて、いつか一緒に仕事したいと思ってました。
僕はラカージュなど濃いモノ作品の担当で、東宝の演出家の中で唯一レミゼに絡んでないんです。
みんなレミのTシャツとか持ってるのに僕だけ物販で並んで買わないとダメ(笑)
999の冒頭の赤い旗を振りながら菱形体制になる場面、あれはもちろん意識してますw
--999では大きな蒸気機関車が出てきます
落石さん
あれは単純に出したかった、拘りです。
スケールが大きい宇宙の話なので、かなり照明の力を借りています。床に灯りを入れて2階席から見る楽しみも作ってます。
--「自分の歌を歌って終わりたい」という台詞がありますね
中川さん
(手元の台本をパラパラめくりながら)台本を読んでびっくりしました。
運命、結ぶ、というワードが多く出て台本を覚えるのに苦労したところもあったけど。
歌も多くなってミュージカルの方程式があります。
落石さん
(既存作品と違って)自由度があるから、曲の入りのキッカケを作るのに苦労したり。
--そろそろ時間なので、これから観る方に期待してほしいことをお願いします
落石さん
鉄郎は感情移入もしやすいので、鉄郎の魅力を楽しんでください。
「人は一人ではなく繋がっている」というテーマを、昭和に生まれた作品を平成と令和にまたがり上演していくことに意義を感じています。
中川さん
「もう時間?おなか空いてきたよー!」と言いながら熱く語ってくれたのは、
・伊波さんと木下さんのメーテルはアプローチが違うという話
・女性の生き方ということで自分の身近な存在と重なる(おばあちゃんが婦人会で活躍した話)
などなど私の文章力ではうまくまとめられませんが、「魂の絆」という言葉を何度も口にしていました。
こんな感じで30分間、とても内容の濃いトークだった。
何より演出家さん自らの言葉が伺えて、なんというか「あーその狙い伝わってます!」と首をぶんぶん振るところが何度もありました。
出演者が登壇するオフィシャルのアフタートークもそれはそれで面白いのですが、作品の意図や狙いがナマの声で聴けるのは貴重でした。
Bumpy Lensならではの企画をこれからも続けてほしいです。