それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「サムライマラソン」

2019-02-27 | 映画
江戸時代に行われた「安政遠足」を題材にした、土橋章宏の小説を原作に描く歴史ドラマ。現在の群馬県安中市にあった安中藩で催された遠足大会にまつわる物語を活写する。佐藤健、小松菜奈、森山未來、染谷将太、豊川悦司、長谷川博己らが出演。メガホンを取ったのは『アンナ・カレーニナ』などのバーナード・ローズ。


これだけの豪華出演者だから初週ぐらい賑わってると思ったのに、思ったより閑散としていました。
評判もよくなさそうだけど。

タイトルからコメディ要素が強いのかな、と思っていたら
「行きはマラソン、帰りは戦(いくさ)」の謳い文句通りでした。
「安中藩主板倉勝明は、心身鍛錬の目的をもって藩士たちを徒歩競走させた。これを『安政遠足』という」と解説にありましたが、これ「とおあし」と読むのですね。「えんそく」ではありません…
この遠足に臨む藩士たちの思惑が描かれている前半と、このレースが幕府に「謀反の兆し」と判断された故に刺客と戦う羽目になる後半。
映画の作り方が独特で、聴くところによると「カット割りせず台詞も言うか言わないか演者任せ」だったそう。
前半はその空気感が「くすっ」と笑えて面白かったんだけど(アドリブ満載の竹中直人が何をしだすかワクワク)。

事の次第がわかり、自分勝手三昧だった人たちが「藩のために」団結していくくだりが…なんだかチグハグ。
そもそもこんなことで刺客を寄越すのか?とか刺客が小規模すぎるんじゃ?とか、設定に疑問がわくのでラストになってもカタルシスを得られないんですね。
ダメ押しなのが、エンドロールで歴代のマラソンランナーが映り「オリンピック公認プログラム」のロゴが映し出されるところ。
それならもっと正統派な作りにして小学生でも鑑賞できるようにするべきなのに。(残虐シーンがあるのでPG+12)

でも決して「金返せ」映画ではなく、世間の評価よりはよっぽど面白かったと思います。
105分の短尺で集中して観られたし、登場人物もみんなハマっていました。
森山未來くんが片肌脱いで見せる胸板とか、佐藤健と青木崇高の殺陣シーンとか、緑が眩しい森や稲穂がなびく田んぼの風景とか。
小松菜奈ちゃんの姫君衣装も、怪我をして見せる苦悶の表情も。

なんでこんなに酷評だらけなのか。
思うに、邦画にはもっと面白い時代劇が山のようにあるんですよね。
「超高速!参勤交代」「殿、利息でござる」「るろうに剣心」などなど…
わざわざ外人監督に来てもらわなくても十分スタイリッシュな作品にできたんじゃ?と邪推してしまうので、ハードル上がりっぱなし。
作品の意図と、監督のセンスと、役者の頑張りの方向性が違うとアレレになってしまう見本のような映画でした。
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「中川晃教 弾語りコンサート2019 in Hakuju Hall」 2/23

2019-02-24 | ライブ
「中川晃教 弾語りコンサート2019 in Hakuju Hall」
2/23(土)18:00-19:30 HAKUJU HALL H列


2/20に「弾き語りコンサート2016」のCDが発売されたばかりで、この日のHAKUJU HALLはロビーがとても賑わっていました。
CDを買うと1枚につき握手券がついています。
他のCDショップでは在庫不足の状況だったしもちろん私も1枚ゲット、そんなこんなで慌ただしく着席いたしました。

客席がしんと静まり返るころ、あっきーは下手側から微笑みながら登場。
エキゾチックな総柄のセットアップの衣装で、わー素敵!と思う暇もなく、、、
「このコンサートでは恒例の」と言いながら…靴を脱ぐ。
衣装の柄と合わせたハイカットのスニーカーをささっと脱いで、ピアノの前のセンターの位置にきちんと揃えて置く。

開演の数時間前にTwitterにアップされたリハーサル風景の写真 でも青いスリッパが揃えてあって「今回も脱ぎます♡」と予告されてたのでこれからもお約束ですね。
バランスボールも写ってますが、あっきーは以前発声練習するときにバランスボールを使うという話をしていました。
(2015年のワークショップの記録 → ここ

ピアノに向かって最初に鍵盤を叩いた音ですぐわかる。今回も「I will get your kiss」で始まりました。
でもステージも客席も緊張感が甚だしい…
1曲ごとにトークを挟み、いつもの喉スプレーやえんじ色のハンドタオルを頻繁に使って空気を和らげようとしていました。
「リラックスするためにこんな(ゆったりした)衣装にしてみました…パジャマか!」と自分ツッコミ、裸足の足裏でテニスボール(かな?)をゴロゴロ。
でも私たちも自然に呼吸ができるようになったのは…3曲目の「My eyes adored you」。
イントロのあと♪My eyes adored you~と歌いだしたときのピアノの音が…あれ?と思ってたら「あ、ごめんなさいやり直します!」
舞い上がって#(シャープ)つけちゃいました、って言ってましたが後半転調するからなのかな。
「両親からも、失敗してもいいからミスはするなと言われた」のような発言もありましたが、ここから一気にリラックス。
JBから選曲してくれたのが嬉しかったです。

セットリストは最後にまとめてありますが、デビュー当時の曲と、JB曲のあとは最近の新曲を中心に。
今回のテーマは「出会いと別れ」とのこと。
「HAKUJU HALLに初めて出演してから10年になります」と言っていた通り、原点に立ち返りつつ飛躍のきっかけとなった「ジャージー・ボーイズ」出演あとの「今」を表現してくれた姿勢が伝わります。
これまでの歩みとこれからの未来について真摯に語ってくれたあと、「でもみんなは僕とお別れしないでねっ」と言い添えてたのがツボ

身体を揺らしたくなるアンコール曲「Shape of my love」のあとで一度退場したあと、拍手に応えてもう一度登場。
恐らくノープランの即興曲は、「わかるよ」というフレーズが何度も繰り返されました。
そう、きっと私たちの「素晴らしかった」という気持ちを彼は十分わかってくれるのです。
最後はステージに揃えてあったスニーカーを大事そうに抱えて、何度もお手振りしていました。わかるよ、わかっているよ!

弾き語りコンサートの魅力は「あっきー一人だけ」ということに尽きます。
ピアニストと息を合わせる必要もなく、好きなように好きなところへ行ける。
HAKUJU HALLというベストな場所でのこのライブ、ライフワークにしてずっと続けてほしいな。



そして、ここからは私だけが感じていることかもしれませんが。
あっきーの歌声が…今、変わりつつあるのかも。
今これを書きながら聴いている2016年弾き語りコンサートの声と比べると、「高く高く上に」だったのが「広く広く横に」のような。
語彙力なくて情けないけれど、JB以降なんとなく感じています。

今回のステージは、一般的な弾き語りライブのような「顏の前のヴォーカル用マイク」が見当たらなかったんです。
ステージ後方の高い位置に黒いスピーカーが3台ぶら下がっていたのも見たことなかったし、なにか特殊なPAだったのかもしれません。
物理的な声量もさることながら、会場全体を「豊か」で「密度の濃い」歌声が余すところなく埋め尽くしていく様子が目に見えるよう。
こんな聴き応えは初めて体験しました。
このあといろんな会場でもそうなのかな。楽しみです。


【セットリスト】
1. I will get your kiss
2. Forever and more
3. My eyes adored you
4. Who loves you
5. ブルースカイ
6. Family
7. マタドール
8. 情熱と真実の間
9. Save our souls
10. 別れるときに思うこと
11. I say good-bye

En1. Shape of my love
En2. わかるよ(即興曲)
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「半世界」

2019-02-21 | 映画
『十三人の刺客』などの稲垣吾郎が主演を務めるヒューマンドラマ。炭焼き職人として生きる男が旧友との再会をきっかけに自身を見つめ直す。メガホンを取るのは『大鹿村騒動記』などの阪本順治。『二重生活』などの長谷川博己、『そこのみにて光輝く』などの池脇千鶴、『下衆の愛』などの渋川清彦のほか、小野武彦、石橋蓮司らが共演する。


お名前は存じ上げていたのに作品を観たことはない、阪本順治監督。
予想していたよりはるかに正統的な、ど真ん中の日本映画でした。

父親の後を継いだ炭焼き職人は、家族に対して無関心で鈍感。
元自衛官は何かのトラウマを抱え、突然帰郷してきたものの心を開かない。
中古車販売店を営んでいる男は、40歳になっても独身でのらりくらり。

この3人のバランスがとても良かった。
炭焼き職人も元自衛官も「周りにいそうでいない」人物だけど、どこにでもいそうな渋川清彦のヘラヘラ笑顔が地つなぎにしてくれる。
音楽も最低限で、日常生活の描写がリアル。池脇千鶴が仕事の合間に吸うタバコや息子に用意する生姜焼き。
何より、炭を焼く過程が実に丁寧に再現されていたのも。
なので「こんなこと一人でやっていたのか」というハセヒロさんの台詞が際立ってきました。
どんな職業にも苦労と誇りがある。

「半世界」のタイトルの意味するところはやがて明確になってきますが、
40歳という年齢で、これまでの世界とこれからの世界を考える。
日本の片隅で安穏と暮らす狭い世界と、地球のどこかで起きている残虐な世界は相容れることはない。
そっちは大変だろうけど、こっちも大変なんだよ!
だからこそのあのラストだったのでは。

吾郎ちゃん(では失礼ですよね、稲垣吾郎さん)はいい映画に出演できているなぁ。
SMAP時代はパブリックイメージが一番強くて、ワイン通でコースター系には乗れないインドアなイメージで押し通していましたが、こういう泥臭い役も似合うような気がする。
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「メリー・ポピンズ リターンズ」

2019-02-16 | 映画
第37回アカデミー賞の5部門で受賞した名作『メリー・ポピンズ』のおよそ半世紀ぶりとなる続編。前作の20年後の大恐慌時代を舞台に、再び現れたメリー・ポピンズが起こす奇跡を描く。主演は『ヴィクトリア女王 世紀の愛』などのエミリー・ブラント、共演にコリン・ファース、メリル・ストリープ、ベン・ウィショーらのほか、前作に出演したディック・ヴァン・ダイクも出演。『シカゴ』などのロブ・マーシャルがメガホンを取った。


見える…私には見える…この作品が再びロンドンプロダクションで舞台化され、ほりぷろさんが日本版上演権を獲得してくれる未来が!
岩波書店発行の原作本を文字で読み、それが2次元になった旧作の映画を観て感動し、そして昨年3次元で再現された舞台を見て「生きててよかったー」と思った立場から言えば、この「リターンズ」も絶対に舞台化してほしい。

あえて予備知識を入れずに鑑賞。
「リターンズ」だからきっと原作本「帰ってきたメアリー・ポピンズ」の映像化かな?と思っていたら、まず時代が違うんですね。
旧作から25年後のバンクス家では、マイケルが17番地のお屋敷を相続してパパになっておりました。
借金を作り屋敷が差押えになりそうなのに、当てにしていた株券がどこにあるのかもわからない…ってこの設定は「プーと大人になった僕」みたい。
でもそこからメリー・ポピンズが空から舞い降りてきて、なんだかんだあって大団円という流れは予想通りでした。
最後に窮地を救うメリーには「最初からやったげてよ!」と誰もが思うことでしょうが、ロンドンの風景が俯瞰で再現されていて良かったです。

何が楽しかったって、原作本の読み手にも旧作映画のファンにも、少しずつ懐かしさを感じられるところ。
メリル・ストリープのトプシーおばさんが急にサカサマになるのも、ロイヤルドルトンの飾り皿に落とし物をするのも、原作本にあるエピソード。
その飾り皿の世界でみんなが着ている衣装の2次元具合がレトロのようで最新技術なんだろうし、歌われる曲の中に旧作の有名メロディが見え隠れするところも、やり過ぎてなくて小憎らしいほど。

今回は吹替版で観ましたが、メリーが歌いだした途端に平原メリーが前面押しになると「待ってました!」と心の中で拍手喝采しました。ピッタリ。
でも一番良かったのはジョージの可愛さかなー。
舞台化されるときはあの場面やこの場面の再現が大変だとは思いますが、ぜひとも実現してください!
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「中嶋朋子が誘う 音楽劇紀行 第六夜」 2/2

2019-02-03 | ライブ
中嶋朋子が誘う 音楽劇紀行| バロック・オペラからミュージカルへ ~音楽劇の歴史を追う
第六夜 ミュージカル

2/2(土)14:00 Hakuju Hall D列

【総合プロデューサー】田尾下哲

【出演】
中嶋朋子(案内人)
加藤昌則(音楽監督/ピアノ)
サラ・オレイン(アーティスト)
中川晃教(シンガーソングライター)
三宅理恵(ソプラノ)
加耒徹(バリトン)


2016年5月開催の「中嶋朋子が誘う 音楽劇紀行|第一夜」も参加しました。
第一夜は若干「音楽史の講義」という雰囲気もあり「私なんかが参加してもよいのか…」と緊張したのですが、今回も開演前の客席が静まり返って肩の力が入りました。
舞台を見ると、あれ?ピアノ用の椅子がパイプ椅子になっている。なんでだろう?
…と思っていると、客電が落ちピアノの加藤さんが入場すると、ぎょっとしながら椅子を入れ替え→座ったらズッコケる→客席に会釈。一連の演出だったんですね!

という感じで、一転して和やかでリラックスした雰囲気になりました。
中島朋子さんも華やかな衣装で登場し、架空の名前の講師という設定で、お話もシロートの私でも十分理解できるような内容でした。

曲も時系列でなく、解説を交えながら歌手の方が次々入れ替わり曲披露。
素人すぎる感想で申し訳ないのですが、ソプラノ三宅さんとバリトン加耒さんの歌圧が凄かった…
オペラ曲はもちろん原語で歌われるので曲の背景はパンフに書いてある僅かな情報から推察するしかないけれど、歌い方や表情で伝えたいことが十分伝わってくる。声量が凄すぎて、比喩ではなく耳のそばで空気が本当にビリビリ震えるのが分かりました。
(あと加耒さんの客席視線総ざらいの目ヂカラも。心の中でオペラ界の氷川きよしと呼ぶことにする)
サラ・オレインさんは羽生くん出演のアイスショーにも出演していたのでなじみ深い。歌をきちんと聴くのは今日が初めてです。
オペラ曲「私を泣かせてください」と、MemoryやOn my ownでは違う発声で聴かせてくれました。
音楽劇紀行には何回か出演されているらしく、慣れた様子。Memoryのネコはイメージ違うけど衣装がカワイかったー。

あっきーは4曲。
ハミルトンから「History Has Its Eyes on You」は「現在のミュージカルを代表して」というチョイスなのか、でも難しそうな曲。
「世界が終わる夜のように」は当たり前だけど今回はオール原語、つまりミュージカル曲は英語詞なんですね。
あっきーが英語詞で歌うのを聴いたのは初めてかなぁと思いながら、saxophoneという英語をそのまま残した岩谷先生の訳詞に今さらながら感動しました。
「somwhere」はまず何に驚いたかって衣装。
Twitterに衣装写真がアップされましたが(右側モノクロ写真)、これスーツの腕部分を切り裂いてるんですね…
アバンギャルド過ぎる衣装で売ってるのか自分アレンジなのか不明ですが、袖がどうなってるのかもっと見たかったなー。

そして本公演のラス曲が「君の瞳に恋してる」でした。
パンフの曲紹介では、元の作品の説明とともにあっきーがシングルキャストでヴァリ役を演じたことを書き記し、こう続けています。
「日本公演で唯一フランキー・ヴァリを演じている中川が、最終回の最後をこの曲で締めくくる」
ミュージカルがテーマの第六夜になんと相応い言葉なのでしょう…
そのことを反映しているのか、英語詞に続けて2コーラス目は日本語詞で歌われました。

アンコール曲も素晴らしかった。
音楽監督加藤さんのオリジナル曲なんですが、グレゴリオ聖歌からミュージカルまでをモーツァルト風やロッシーニ風にアレンジして歌手が歌い継ぐ。
晃教さんはグレゴリオ聖歌を客席後ろの位置で歌い上げ、文字通り頭の上から降り注ぐハイトーンヴォイスに身も心も洗われた気分。HAKUJU HALLの雰囲気にぴったりだった。

お呼ばれ的なスタンスの今回は演出も客席もウエルカムな雰囲気でした。
マイクを使うあっきーと生声のオペラ歌手の方の音量の差は永遠の課題かもしれないけど、少なくとも私の席では良いバランスだった。
出演するにあたり準備が大変だったと思いますが、異種格闘技のような、そして私たちに新しい世界を見せてくれる企画がこれからも続くことを願っています。



【プログラム】

第1部
<ミュージカル>
マニュエル=ミランダ:ミュージカル「ハミルトン」より “歴史があなたを見ている” (中川)
ロジャース:ミュージカル「王様と私」より “シャル・ウィー・ダンス?” (三宅&加耒)

<バロック・オペラ>
ヘンデル:歌劇「リナルド」より “私を泣かせてください” (サラ)
ヴィヴァルディ:歌劇「ティート・マンリオ」より “戦いをしたがる心が” (加耒)

<ミュージカル>
アーレン:映画「オズの魔法使い」より “虹の彼方に” (三宅)

<古典派オペラ>
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」より “愛の神よ、安らぎをお与えください” (三宅)

<ミュージカル>
シェーンベルク:ミュージカル「ミス・サイゴン」より “世界が終わる夜のように” (サラ&中川)
シェーンベルク:ミュージカル「レ・ミゼラブル」より “オン・マイ・オウン” (サラ)

第2部
<ミュージカル>
ワイルドホーン:ミュージカル「ジキルとハイド」より “時が来た” (加耒)

<ロマン派オペラⅠ~イタリア・オペラ>
ロッシーニ:歌劇「イタリアのトルコ人」より “これ以上に馬鹿げたことはないわ” (三宅)

<ミュージカル>
ロイド=ウェバー:ミュージカル「キャッツ」より “メモリー” (サラ)

<ロマン派オペラⅡ~フランス&ドイツ・オペラ>
チャイコフスキー:歌劇「スペードの女王」より “あなたを愛しています” (加耒)

<ミュージカル>
ルグラン:映画「ロシュフォールの恋人たち」より “双子姉妹の歌” (サラ&三宅)

<オペレッタ>
スッペ:喜歌劇「ボッカチオ」より “あそこに立っている若者は” (加耒)

<ミュージカル>
バーンスタイン:ミュージカル「ウエストサイド物語」より “きっとどこかに” (中川)

<ロマン派オペラⅡ~フランス&ドイツ・オペラ>
トマ:歌劇「ハムレット」より “遊びの仲間に入れてください” (三宅)

<ミュージカル>
メンケン:ミュージカル「美女と野獣」より “愛せねば” (加耒)
ゴーディオ:ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」より “君の瞳に恋してる” (中川)

アンコール
音楽劇紀行
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「マスカレード・ホテル」

2019-02-01 | 映画
東野圭吾の小説「マスカレード」シリーズ第1弾「マスカレード・ホテル」を実写化したミステリー。連続殺人事件の新たな現場になるとされたホテルを舞台に、エリート刑事とホテルの従業員が犯人を追う。主演は『HERO』シリーズや『武士の一分(いちぶん)』などの木村拓哉、バディ役は『散歩する侵略者』などの長澤まさみ。『HERO』シリーズで木村と組んだ鈴木雅之がメガホンを取る。


鈴木雅之監督と言ったら、キーワードはシンメトリー。ホテルの外観もフロントデスクも、キッチリとした左右対称に拘っている画面作りでした。
そしてこの作品のキーワードは「対立」。
「お客様をどこまでも信じる」ホテルマンと「人を見たらまず疑え」の刑事がどこまで歩み寄れるか。
潜入捜査する一人の刑事に一人のホテルマンが配置され、ここでも対立構造がよくわかる。

高級ホテルの裏側がどうなっているのか。
バックヤードでは様々な部署のスタッフがバタバタと走り回り、華やかな表側とは全く別世界である様子がよく分かるようにカメラが回ります。
木村拓哉演じるぶっきらぼうな刑事が、髪型を整え歩き方話し方を教わりだんだんとホテルマンらしくなっていく様子が頼もしい。
豪華出演者がほんの数分ずつ出演して、癖のある宿泊客を期待通りに演じてくれるのも楽しかったです。
(濱田岳の髭はわざとやってるのかな…)
刑事の鋭い観察眼にホテルマンは救われ、ホテルマンの温かい対応から接客の考え方を刑事は教わり、躍動感のある話の運びに引き込まれました。

連続殺人事件の犯人に目星がつき始めてからはサスペンス度合いが強くなりますが、
…私がぼーっと観ているからなのか、それともキムタクのカッコ良さに目が眩んだのかは不明ですが、根本的に「あれそんな方向?」と疑問マークが。
一言で言えば「そんな捕まえ方あるかい!」というのが本音。
ミスリードを重ねに重ねて意外性のある犯人だったのは間違いないけど…
初めに出てきたときにただ一人「仮面を取らなかった」時点で納得はできるけど、なんつーか動機が弱すぎる。
サスペンス要素に期待しないほうがよかったのかな。

生瀬さんや小日向さんの流石な演技が良かったです。
木村くんはファン20年の立場から申し上げれば「いい歳の取り方をしてるなー」の一言。
さんまさんがどこに居たとかはどーでもいいけど、まりゑちゃんが見つけられなかったのは不本意!
連ドラは無理かもしれないけど、映画はシリーズ化してくれないかなー。
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