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2006韓国
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ、ハ・ジョンウォン、パク・チョルヒョン
出演:ソン・ガンホ、ピョン・ヒョボン、パク・ヘイル、ペ・ドゥナ、コ・アソン
遅ればせながら見ましたが、とても面白かったのだ。
なんというか、軸足が単一でないというのか。シリアスな復讐潭でありながら、ユーモアにあふれていて、ホラーでサスペンスでいながらどこか見せ物的、怪獣映画でありながら怪獣をオーラで彩らない。多元的な織物で、息をのみ吹き出し手に汗握り笑いながら泣きました。
印象的だったのは、最初に怪物が河川敷の人々を脅かすシークエンスで、本来大パニックに徹することもできる場面なのですが、そのかたわらでいきなり爪のアカをほじる指のアップからヘッドフォンで音楽を聴きひとり惨劇に気づいていない女性の姿へと引いていく(シャカシャカ音楽とともに)カットが入ったり、あるいは高架を走る列車の車内から怪物を静かに俯瞰するシーンが入ったり、と、パニックシーンらしからぬ不思議な距離感があったことです。
それはユーモラスでつい笑っちゃう場面でありつつも、実は妙にリアルで空恐ろしい感じもするのです。そうやって随所にユーモアとシリアスが混ざり合うのです。
これは大したことだと思うのです。
あとは、例えば、立ち入り禁止となった漢江の売店のなかで、家長のヒボンがちょっとぼんくらの息子カンドゥの幼少のときのことを家族に語り聴かせるところで、ヒボンの熱の入りように対して、当のカンドゥは熟睡中だし、ナミルたちも一応熱心に聞くけれども耐えきれずウトウト。それに気づかず熱弁するヒボン。笑いを取ったかなと思う間もなく、いつのまにかカンドゥは目覚めておりその視線の先に怪物が・・・・
ここはこの映画のテーマの一つである(で、おそらくは韓国のエンターテインメントにおいて通俗的なテーマである)家族愛について正面から語る部分であるとう点で重要なポイントなのだが、それに笑いによる関節外しをかけて相対化し、なおかつ次のアクションシーンへと緊張感を切り替えて行くためのシーンでもあるという、なかなかの芸の細かい匠のワザを感じさせるところなのです。
ペ・ドゥナLOVE!
というようにわりと全編、休み無く緩急自在に楽しめて、大好きなペ・ドゥナのきりりとしたジャージ姿も拝めるし(弓を引く一瞬の彼女の表情のみごとなこと!)、そのドゥナの存在すらも霞ませる少女コ・アソンの女優魂(すばらしい!)にうっとりできる、大変よくできた楽しい映画でありました。
ポン・ジュノは面白いぞ!!
泥まみれの名演
好き度:
『ほえる犬は噛まない』もよかったよ
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ソン・ガンホ好きのわたしには楽しめました。
この監督の皮肉っぽさがいい感じです。
ソン・ガンホもいいですね
でもやっぱりわたしは女優のふたりに釘付け。
ポン・ジュノは2作しか観ていないですが、どちらもよい出来でいい監督さんです。