Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」

2006-10-30 01:52:37 | music
R・コルサコフ:シェエラザード
キリル・コンドラシン, ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団), ヘルマン・クレバース, リムスキー=コルサコフ
ユニバーサルクラシック

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フィギュアスケートのGPシリーズ第1戦、スケートアメリカ。
安藤美姫の感動的逆転優勝のシーンをTVで観て、涙腺が緩む私です。
昨シーズンの不調をしっかりと乗り越える姿がなんといっても感動的です。
自分もあの100分の1でもあやかりたいと・・

ということはさておき、安藤美姫がショートプログラムで使った曲は、
ロシアの作曲家ニコライ・リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」のつぎはぎだったわけです。

この曲はあまり生粋のクラシック曲として扱われることはなくて、言ってはなんなんですが、やや通俗的な文脈で扱われることが多いような気がします。たとえばオーマンディとかストコフスキーとかがとりあげるような・・・(笑)

でも私はこの曲大好きなのであります。
千夜一夜物語という世界遺産的超古典を題材にしつつ、曲想が、あまり露骨な異国趣味に走らず、ほどよいバランス。
そして、オーケストレーションの緻密なこと。海のうねりをあらわす弦の分散和音の連なっていく先にある管楽器の半音進行などは、オーケストラという楽器を熟知した人の技と感服せずにはいられません。

で、ここに挙げた、キリル・コンドラシン指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
いろいろなオケの演奏を聴いたけれども、この盤が自分には一番しっくりきます。
・・というか、もうこれ最高!なわけです。

丁寧な演奏ではあるんですが、全体的に、エモーションの流れや高低を最大の表現目標としたような演奏で、タメやキメ、静と動がばっちりツボに入り、流れに身を委ねるとアドレナリンはでるわ、アルファ波はでるわでもう大変!
このコンセプトのもと、激興したときに弦のアンサンブルがざざっと乱れるのも、まるで計算したかのように効果的に響くのです。
まとまりよりも、崩壊寸前の危うさを選び、表現として生かしてしまったというわけですね。
特に第4楽章後半の音が混んできてテンポも速くなるところは、細かい粒がそろわなくても、曲の高まりを最重要課題に、実にダイナミックな躍動を聴かせてくれます。。

1979年の録音。
コンドラシンはすでにこの世の人ではありませんが(81年没)、この名演も彼の偉大な業績の一つといっていいでしょう。

アムステルダム・コンセルトヘボウというオケは、地味ながらも、特に70年代の録音で、ときおり腰を抜かすような演奏を聴かせてくれます。
非常に要注意なオケですネ。

**

ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844ー1908)
交響組曲「シェエラザード」作品35
 第1楽章「海とシンドバッドの舟」
 第2楽章「カレンダー王子の物語」
 第3楽章「若い王子と王女」
 第4楽章「バグダッドの祭り。海。舟は青銅の騎士のある岩で難破。終曲」

キリル・コンドラシンwikipedia

リムスキー=コルサコフwikipedia



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