Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「ゴッドファーザー」フランシス・フォード・コッポラ

2019-03-06 23:11:18 | cinema
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これまた大昔にTV放映版は観たには観たのだが、
もちろんほぼ記憶になく。
WOWWOWでやったので改まって鑑賞と相成りました。

冒頭いきなり「アメリカは素晴らしい国だ」的なセリフから始まり、
なんとも意味深な空恐ろしい雰囲気を一瞬にして立ち上げるセンスがもう好きだわ〜
開始2秒くらいで、ワシこの映画好きだわ、と認定させる力がある。

その暗い息苦しく埃っぽい室内のやりとりが、実は婚礼パーティーの最中のことであり、
おっさんの苦しい心情吐露からカメラが徐々に徐々に外へと引いて行って、
野外のパーティーの喧騒につながっていくという流れもなかなかすごいじゃないですか。

そのあたりではまだ人物とか関係とかまるでわからない。
けど陽気な騒ぎの中の端々ではなにやら凶暴なものがちらちらと姿を垣間見せて、
これまた不穏な空気を膨張させてゆくダイナミクス。


というすごいパワーの一方で、全体てしてはテンポや活劇感はとても緩めなのがまたすごいと思うのよね。
近年の映画は多くはテンポよく引き込んで要所要所で派手に注意を引きカタルシスを得るような演出で、
それはそれで面白くはあるんだけれど、
こういうゆるいテンポ感のなかで力が秘められているみたいなのは
なにやらリアルというか、実際に人々の間で起こっていることなんだと感じさせるように思うのよね。


テンポの緩いところは、この映画がとてもヨーロッパの映画のテイストを持っていることにも関わるのではないかしら。
アメリカ映画というよりは、フランス、イタリアあたりの流れを引き継いでいるような気がする。
(まあ具体的にはわからんけれども)
シチリアでのまさしくヨーロッパの田舎的な時空間がたくさん出ることや、
ニーノ・ロータの音楽のせいでもあるけれど、
イタリア映画のような純朴感/ゆっくりした時間の中の強烈な人間性みたいな感覚を持っている。

(まあ気にいるわけですよね〜)

***********:

タリア・シャイアはフランシスの妹で、
終盤登場するベイビーはソフィア・コッポラというし、
エンドクレジットによると、補作曲と指揮をカーマイン・コッポラがやっているらしいので、
映画のテーマであるファミリーの結束のようなものを
作る側のコッポラファミリーもまた同時進行していたと思えなくもないのが面白いかも。

キャストもまた、アル・パチーノを始め移民の子孫が多くを占めるので、
それもまたテーマ裏でのテーマ展開という感じだし。

***********

ロバート・デュヴァルはなんかテイストがロバート・デ・ニーロに似ていると思った。
PartⅡに出演しているのを知っているせいか、最初は、お、でにーろ?と思ってしまった。

ジェームズ・カーンもイメージ通りの役柄で、、と思ったが、
知っている俳優と思っていたが出演作をほとんど観ていないので、
要するにこの映画でしか彼を知らないのかもしれない(笑)

ダイアン・キートンはなかなか最近では見ない雰囲気の女優さんかも。
そしてワタシにとっては、「ツイン・ピークス」のいくつかを監督した人!なんだけど。

さらに、フランコ・チッティ!
最初は気づかなかったんだが、気づいてしまうともう圧倒的にフランコ!
出てくるたびに、おお!となる。
パゾリーニ映画の常連かつ主要俳優ですね。
こういうところもヨーロッパ。

******

さて、と、
ここで「オッドファーザー

いわゆるパロディ小説で、著者はソル・ワインスタインとハワード・アルブレヒト。
日本語翻訳が大橋巨泉という変なノリで出版されたのだが、
当時は映画よりもこの本に親しんでいたワタシでありました。

ほとんど内容は記憶にないんだけれど、
映画のソニー(ジェームズ・カーン)に当たる、ロクデナシ兄フンギが暗殺される場面での
「フンギ、フンギ、ふんぎゃあ〜〜〜〜〜」というセリフ?だけを強烈に覚えている(笑)

あの設定のために名前が「フンギ」になっているんだろうというバカバカしさが最高である。
ちょっとまた読んでみたいかも。。。。



ちなみにこの著者、他に「にわとりのジョナサン」つーのも書いている。
こちらは青島幸男訳(笑)
そちらも愛読した。

いまや1円である。。。
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「にわとりのジョナサン」はそこそこ話題になり、
なぜか日本ではイメージアルバム?的なものが制作された

これまた青島幸男ファミリーが歌を歌ったりする不思議なアルバムで、
神谷重徳氏がシンセサイザーをやってたりという、妙に先進的なところもある。

実家に音盤があるはずであるなあ。


脱線しまくり。
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