暴力、突然の死、負債、利己主義、嫉み、恨み。
人間をとりまくどうしようもなくやりきれないこと。
大人も子供もない、負の力場。
その渦中に生きる幼い兄弟の軌跡。
ハルカとヨキ
純真と屈折を、成熟と未熟を併せ持つ兄弟。
これからいったいどうなるのか、本当に心配で切ない。
このコミックもいったいどこまで行くんだろう。
人間の暗部を赤裸々に、でも当然のことのようにして描いていく。
時折みせる兄弟の無垢な心が奇跡のようにきらめく。
それがこの物語の救いなんだろうか、
それとも救いのない物語なんだろうか、
やりきれない日常の諸悪に贖罪の契機は訪れるのか。
--雨は知らないうちに/雪になっていた
雪の方が/雨よりはずいぶん/あたたかい気持ちがしたけれど
太陽が/出ていないことに/かわりはなかった--
(period 1・巻末より)
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まだ進行中の作品。
年1冊のペースで単行本が出ている。
登場人物の名前が皆凝っていてステキだ。
1巻、2巻ともに雪のシーンで終わる。
でもこの作品も面白そう。久々に読んでみようかな、と思います。
「エキセントリクス」は未読です。というか、吉野朔美、他の作品はほとんど読んだことがないのです。
読んでみたいです。