Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「ブレードランナー2049」二回目wは3D!

2017-11-04 00:10:39 | cinema
1週間空けずに今度はIMAXで観てしまいました〜
続けて2回見るのはワタシ的には大変珍しいんですが、
あの映像が3Dだとどうなってるのか観たい!という欲望で。。


映像については、大変感心したというか、
多分3Dは「アバター」とかゴダールのアレとか以来なんですが、
だいぶ技術が進歩したんじゃないかしら。

前は立体感はあるけどなんか奥行きに連続性がなくて
なんか舞台の書き割りみたいだよなーと思ってたんですが、
今回のこれは、立体感を通り越して、まさに臨場感。
自分が映像に入り込んでその場にいる感覚でした。
奥行きも手前から奥までスムーズに繋がっている。

いやーいい感じ。

ということもあって、2Dとはもう体験の質が違う。
どちらがいいとかではなくて、もう別物。
スクリーンの向こうにある世界を観て受け取るものと、
その場にいて受け取るものの違い。

その意味では両方観るのがオススメだわ〜





【でここからは盛大にネタバレ予定】







2回目の感想としては、これはかなり細かいところまで考えて作られてるな〜と
改めて思うなど。

冒頭の瞳のアップは考えてみるとなかなか象徴的でよろしいし、
その次の建造物?の巨大円形配置?と重なって面白い。
そこのシークエンスはなんとなくタルコフスキーのソラリスに似ている印象。

続くレプリカント(旧式)の住処の殺伐とした室内に
鍋がコトコトいっているとことか、
立ち回りがひとしきり決着がついたところでまた鍋のコトコトが響くとことか
いいセンスだよねえ。


孤児院で帳簿を見るあのデスクと空間の妙にマニアックな乱雑さはなんなんだろうか。。
Kが灰皿を意味ありげに回すんだけどあれはなんなんだ。
灰皿はおそらくピカソの絵なんだけど(エンドクレジットにも書いてある)
馬ということでつながりなんだろうか。

木彫りの馬の記憶はその孤児院の記憶なんだけど、
記憶の場所に来た時に、Kが黙ってその通路?を見やる。
そこの押し黙った無表情がとても良い。
こ・ここは??みたいな過剰な感情演出をしないのが良いね
(まあそのあと結局過剰にやるんだけどね(笑))


そういえば、アナ・ステリーン?博士?のところでKが記憶が実際起きたことだと言われて、
軽く激昂するのはなんでだろう?
椅子蹴飛ばしてるし。。
ショックを受けるのはわかるけど。
始末の対象はオレなのかよ。ってことかしらとも思うが、
そういうことで悩みそうな気はしないんだよね。


デッカードが言う
Sometimes in order to love someone, you got to be a stranger.
これは何かの引用かしら?と思ったんだけど
ちょっと調べてもすぐには出てこない。引き続き調べてみよう。
デッカードとKが会う最初に「宝島」の引用で遊ぶ?ので、
ここでも何かからの引用だと洒落てるなと思うわけですよ。

引用といえば、ウォレスがデッカードに(偉そうに)ラケルの懐妊の話をする。
旧約聖書の。
ラケルはもちろんレイチェルな訳で、
いやこれなるほどというか、後から考えたのかしらこのつながりを・・??
出来すぎている!


で、また改めて意識したのが、健気なバーチャル美女ジョイの存在。
これはまたデッカードが多分密かにモヤモヤしていただろう、
そしてまた偉そうにウォレスに突きつけられた、
「それは愛なのか?成功なプログラミングなのか?」問題の
重要で現代的な現れなんである。
終盤に広告ホログラムの彼女が、既視感のある言葉と、彼の「名前」を口にするとき、
ジョイの健気さにホワワンとしていた我々も、ちょっとゾッとするのだ。
いやーそういうことだったのか・・・・


ラストに流れるのは前作「ブレードランナー」でのヴァンゲリスの曲だが、
これが全体の音世界と溶け込んで非常に違和感がないのが感動的。
ベンジャミン・ウォルフィッシュとハンス・ジマーが前作を意識した音作りをしたのだねー

ハンス・ジマーは超売れっ子だよね。と思ってフィルモグラフィをたどってみたら
なんとスコリモフスキ「ムーンライティング」で音楽をやっている。。知らなかった。。


ということで、繰り返し見るとまた楽しめるですね^^



初回2Dの時の感想

@Tジョイプリンス?シネマ?だったっけ?
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