Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「フランティック」ロマン・ポランスキー

2013-06-10 02:03:49 | cinema
フランティック [DVD]
クリエーター情報なし
ワーナー・ホーム・ビデオ


フランティックFRANTIC
1988アメリカ
監督:ロマン・ポランスキー
脚本:ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ
撮影:ヴィトルド・ソボチンスキ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ハリソン・フォード、エマニュエル・セニエ、ベティ・バックリー 他


勝手にポランスキー映画祭敢行中なんですが、
『フランティック』なんだこれ、めちゃめちゃ面白いじゃないですか!
カットがいちいち凝っているし面白いし。
ユーモアも満載だし(登場人物たちはもちろん大マジメだけど)
ヒッチコックみたいなところもあったりして(屋根の上とか)

そう、屋根の上のシーンは実によい。
あれはどうやって撮ってるんだ?ああもタイミングよくスーツケースがばらけるなんて信じられないし、
女神像がよりによってあんなところに落ちるか?

いや、女神像があのばらけた瞬間にあそこに落ちているとは限らないか。
その瞬間はよくわからなくて、後で像があそこにあるアップがある。
とても自然にあそこにあることを観客に納得させるよね。
まるで手品の手口だね。

屋上に至るまでに像を2回手に取るんだけど、怪しいと思いつつ割ってはみない
そういうわかりやすーい焦らしかたもワタシは好みです。
あのスーツケースの登場からしてわかりやすくも面白い。
ウォーカー医師がシャワー浴びてて、奥さんがなにかしゃべっているんだけど聴こえない。
シャワールームからホテルの部屋の中が見えてて、奥さんがフレームアウトすると、
むこうにそのスーツケースがベッドに乗っているのが見える。
計算されていて楽しいじゃないですか。

ポランスキーの映画は実はそんなに観ていないんだけど、
最近の作品については、題材やストーリーのインパクトというよりは
こういう計算された細部の面白さでぐいぐい魅せていくような印象がある。
『フランティック』はそういう映画。

催涙ガスでぼろぼろになったところをミシェルに手を引かれて逃げるんだけど
カフェのテーブルにもう真正面から体当たりして派手にカップが割れるとか
クレイジーなアメリカンだぞっ!って言って気絶して目が覚めたら変なところにいるとか、
パリの警察やら役所やら大使館やらがまったく腹立たしいまでに役に立たないところとか、
デデの部屋のドアを開けるとそこに猫が鎮座しているのが見えるとか、
そうそう、スーツケースをこじ開けたところでさりげなく「ミシェル」って名前がわかるとことか、
細かく細かくツボに入る感じがたまらん。

ストーリーの面白さとか目新しさとか「ポランスキーらしさ」で観ちゃうと面白くないのかもしれないが、
ちゃんとした映画職人としての技能を持っていることが立派に証明されているステキな映画だと思うよ。

****

エマニュエル・セニエ、個性的な顔立ちでワタシは好みです。
『赤い航路』でも踊ってたけどここでもダンスが艶かしいですよ。

あと、これは「顔を洗う」映画だった。
そもそもが登場から二人ともいきなりシャワー行くし。
ハリソン・フォードは要所要所で顔を洗うw
その伏線として異様に汗をかいた顔を撮ったりしているからねー
洗顔映画w

奥さんのベティ・バックリーはデヴィッド・ボウイに似ている・・・

撮影のヴィトルドさんは、なーんと、ヴォイチェフ・イエジー・ハス『砂時計』の撮影の人だ。

音楽はエンニオ・モリコーネで、職人らしくオシャレな音楽を提供している。が、
耳に残るのはピアソラのリベルタンゴ(に歌詞を付けてラテン風妖艶歌謡にしたもの)だw


@自宅DVD

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3 コメント

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Unknown (マタイ24)
2013-06-10 09:16:26
ファティマ第三の預言とノアの大洪水について。
ブログを見てもらえるとうれしいです。
h ttp://ameblo.jp/haru144


第二次大戦前にヨーロッパでオーロラが見られたように、
アメリカでオーロラが見られました。
ダニエル書を合算し、
未来に起こることを書き記しました。
エルサレムを基準にしています。


2018年 5月14日(月) 新世界
2018年 3月30日(金) ノアの大洪水

この期間に第三次世界大戦が起きています。

2014年 9月17日(水) 荒らすべき憎むべきものが
聖なる場所に立って神だと宣言する

2014年 9月10日(水) メシア断たれる

この期間に世界恐慌が起きています。

2013年 7月3日(水)メシヤなるひとりの君(天皇陛下)
御国の福音が宣べ伝えられる

2013年 5月15日(水) エルサレムを建て直せという命令が・・・


天におられるわれらの父とキリスト、
死者復活と永遠のいのちを確信させるものです。

全てあらかじめ記されているものです。
これを、福音を信じる全ての方、
救いを待ち望む全ての方に述べ伝えてください。
返信する
そういえば、 (st/ST)
2013-06-25 01:48:10
“リベルタンゴ”の歌版カヴァーはグレイス・ジョーンズでっせ。彼女はこの少し後、トレヴァー・ホーンと組むことになりますね。
公開当時、この曲がかかる移民系運転手のタクシーの雰囲気がかなりリアルという評判でした。

あと、この当時のモリコーネにはお気に入りベーシストがいたらしく、『フランティック』のテーマ同様、『パリ警視J』とかでもそっくりな雰囲気で、ベースが鳴り響いております。
ってなことで?、『フランティック』は公開時~LD~DVDと何度見返してきたかってぐらいにはお気に入りの映画です。ポランスキー作品での見返した回数で言えば、『ローズマリーの赤ちゃん』や『テナント』と並ぶかも。
返信する
ほう (すた)
2013-06-25 23:51:36
☆st/STさま☆
グレイス・ジョーンズですか。なつかしい。
映画は大変面白かったのです。
パリで英語が通じない度はいまよりも当時の方が高そうですし、移民系タクシーといい場所がパリであることの面白さも出てましたね。
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