Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「アンナ」ピエール・コラルニック

2020-09-07 22:44:00 | cinema
 
(某所に書いたものを若干修正のうえ掲載)
 
少し前ですがようやく「アンナ」を観たのです。
デジタルリマスター公開時に観損ねていたのですが、
写真美術館で「"恋する男"映画祭」のラインナップに入っていたので、
いそいそと出かけました。
 
映画としては、
初期ゴダールなアンナ・カリーナ満載感と、
ゲンスブールの太々しいキッチュと、
少しアントニオーニ風なアヴァンギャルドが混ざって
しかもどちらかというとお気楽なストーリーに収まるという、
ワシ的にはとても不思議な世界でした。
 
この3要素が同居することは
ほとんどないのではないかしらw
 
うっかりするととてもどうでも良くなるような
イメージビデオみたいな存在感に陥りそうなのだが、
そこにゲンスブール曲のすごい説得力が
ドーンと主張してセーフみたいな。
 
太陽の真下の歌のシークエンスは、
他愛もない感じではあるのに、
非常に非常に神聖なシーンになっていると
ワタシは思う。
 
キャストも不思議な取り合わせ
アンナとブリアリは良いとして、
そこに洒落者ゲンスブールが現れ、
マリアンヌもいる。
 
なんか不思議。
 
 
街中を歩く時に、
常にすごい圧迫感で自動車が常に往来するのがとても良い。
平和だけど静寂や安寧のない感じが、
郊外からパリにやってきてまた去っていく
アンナの気持ちを、
全く明示することなく伝えてくる感じがする。
 
どうでもいいところでは、
あの動く歩道。
日本では多分1970大阪万博で
「動く歩道」がお目見え!最先端!
みたいに盛り上がったように記憶しているが、
ここには普通に出てくる。
 
これが当時の観客にとって普通だったのか新しいものだったのかはわからないけれど。
 
いや、わざわざお洒落ないいシーン的に作っているので、
新しい感覚はあったのではなかろうか。
 
 
 
 
サントラ盤は基本として


ジェーン・バーキンバージョン「太陽の真下で」もとてもよい。


さらにジェーンは91年?のライブ盤でのこの曲も非常によい。
が、とりあえずあまぞんにでてこないのでアルバムタイトルのみ↓
Intégral Casino Paris(来日記念盤 Je suis venu te dire que je m'en vais)
コメント
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