白旗を揚げてしまって以来、ぼおっとしているか、
この「コスモス」を読んでいるかのどちらか。
もうまっしろだ・・・
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[コスモス」は狂っている。
これはすごい。こんなに狂っている小説は他にある?
夢野久作?埴谷雄高?
・・・いやいずれの狂い方とも違う。
ふう。
ポーランド郊外
部屋を借りようとする若者二人
いきあたりばったりに訪れた貸家を借りることにした。
しかしそこには、
怪しいことを口走る老夫婦
若い娘夫婦、
おかしな唇をした使用人が住み、
首つり状態のスズメ、謎の矢印、
轅、壁の釘など、あらゆるものが異様な関係性をもって
うずまいている。
なんてあらすじは役にたたず。
日常のありふれたことに、虫眼鏡でぐっとせまり、
異様な形姿を見つけては、あり得ない狂った関係性を見いだして、
狂気へと横滑りしていく。
この滑り具合は並大抵のものじゃない。
現実とは淀みきった狂気のタールをまとった、
押し寄せては去るがらくたの波だ!
白旗で滅入った脳をいやな具合によじれさせてくれる。
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<ゴンブロヴィッチ覚え書き>
1904か5ポーランド生まれ
33年に処女作「成熟期の日記」を出版
37年「フェルディドゥルケ」
このころシュルツと親交
39年ブエノスアイレスへ旅行、事実上亡命状態に。
46年第2戯曲「結婚」
このころ銀行に勤める(銀行員のモチーフはコスモスで出てくる)
50年「トランスアトランティック」
60年「ポルノグラフィア」
63年ドイツに移住、後南フランスのヴァンスに定住
65年[コスモス」
他に「日記」「バカカイ」等の作品あり
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いや実際問題効くなあこの本・・・・
命短しといえど、かなりの密度で脳に突き刺さってくる蝉の声と相まって、
白旗脳には辛い季節だなあ・・・
暑いし
よし部屋の掃除でもするかなっと・・・
いや・やめとこ