Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

ゴンブロヴィッチ「コスモス」

2005-08-09 15:01:40 | book

 

白旗を揚げてしまって以来、ぼおっとしているか、
この「コスモス」を読んでいるかのどちらか。

もうまっしろだ・・・

**

[コスモス」は狂っている
これはすごい。こんなに狂っている小説は他にある?
夢野久作?埴谷雄高?
・・・いやいずれの狂い方とも違う。
ふう。

 ポーランド郊外
 部屋を借りようとする若者二人
 いきあたりばったりに訪れた貸家を借りることにした。
 しかしそこには、
 怪しいことを口走る老夫婦
 若い娘夫婦、
 おかしな唇をした使用人が住み、
 首つり状態のスズメ、謎の矢印、
 轅、壁の釘など、あらゆるものが異様な関係性をもって
 うずまいている。

なんてあらすじは役にたたず。

日常のありふれたことに、虫眼鏡でぐっとせまり、
異様な形姿を見つけては、あり得ない狂った関係性を見いだして、
狂気へと横滑りしていく。
この滑り具合は並大抵のものじゃない。

現実とは淀みきった狂気のタールをまとった、
押し寄せては去るがらくたの波だ!


白旗で滅入った脳をいやな具合によじれさせてくれる。

**

<ゴンブロヴィッチ覚え書き>

 1904か5ポーランド生まれ
 33年に処女作「成熟期の日記」を出版
 37年「フェルディドゥルケ」
  このころシュルツと親交
 39年ブエノスアイレスへ旅行、事実上亡命状態に。
 46年第2戯曲「結婚」
  このころ銀行に勤める(銀行員のモチーフはコスモスで出てくる)
 50年「トランスアトランティック」
 60年「ポルノグラフィア」
 63年ドイツに移住、後南フランスのヴァンスに定住
 65年[コスモス」

 他に「日記」「バカカイ」等の作品あり
**

いや実際問題効くなあこの本・・・・
命短しといえど、かなりの密度で脳に突き刺さってくる蝉の声と相まって、
白旗脳には辛い季節だなあ・・・

暑いし

よし部屋の掃除でもするかなっと・・・

いや・やめとこ

コメント (6)
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