おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
昨日(2月26日)、第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞し、これで国内外合わせて61冠の映画「おくりびと」(滝田洋二郎監督、本木雅弘主演)を観ました。
新宿区役所で行われた「依存症」の講演会を3時半で抜け、3時40分からのシネマ3(新宿区歌舞伎町)に駆けつけました。
ほぼ満員。前から5列目の右側の席からの観賞でした。
私の「おくりびと」に関する印象を箇条書きすると、以下のようになります。
1.主役の本木雅弘のこの映画に賭ける情熱、演技への徹底などから「モッくん、すごーい」と感心しました。
2.脇役が広末涼子を除いて渋い味を出していました。妻役の広末涼子は、私から見てミスキャスト。
3.今まで賞には無縁のようですが、銭湯の常連客(実は火葬場の火葬士)の笹野高史が味わいのある役を演じていました。
4.音楽を担当した世界の巨匠・久石譲がチェロの響きで作品を情緒豊かにしています。
5.納棺夫という死体を扱う職業を主人公にすることで、「死を扱うことが生を充実させること」のメッセージを発信しているようです。
この映画は、徹頭徹尾「静」の映画です。動に対する「静」、騒に対する「静」。
アカデミー賞の審査委員も動や騒に対して「もうこりごり」感を持っていたのでしょうか?
この映画は、観る人の生と死の価値観を静かに変えそうな映画です。
強くお勧めです。
<お目休めコーナー> 旧安田公園の野鴨たち