アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

大通公園メンタルクリニック(札幌市中央区大通西5-8昭和ビル、電話: 011-233-2525)院長の山田秀世先生(精神科医)をお迎えして、この3月に「アドラー心理学をパワーアップする」という講座を開く予定でしたが、昨今の私たちを取り巻く環境の激変により、講師の山田秀世先生とも相談の上、タイトルと内容を変更して開催することにしました。

新講座名:うつ病の実践的認知療法―アドラー心理学に森田療法とブリーフセラピーを加えて

山田先生は、この講座のために次のような案内文を書いてくださいました。
 
未曾有の経済不況に陥るまでもなく、今日のうつ病の激増ぶりは恐るべき状況を呈しています。周知のように、我が国では毎年3万人余もの人々が自殺を遂げる悲しい現実ですが、そのうちのかなりの割合の方々がうつ状態であったと考えられています。

私はこの2年間、うつ病の方々の職場復帰のお手伝いに携わってきましたが、その経験を通して分かったことは、安静休養と薬物療法だけでは、改善や回復が停滞もしくは長期化する場合が少なくないという事実です。

近年のうつ病治療には、上記の治療方針に加えて認知療法の重要性が声高に唱えられているのですが、従来の“出来合い”の認知療法を臨床の現場で杓子定規的に用いてみたところで、復職支援や再発防止には、どうも効果が今一つのようなのです。

その理由としては、現代のうつ病の治療には、アドラーのいうライフ・スタイルにおける適切な微調整(あるいは軌道修正)が行われていないからではないか、というのが私の考えです。彼らのライフ・スタイルが微調整されずに従来のまま元の職場に復帰したところで、具合が悪くなるのは、ある意味当然の結果であるといえるかも知れません。

でも、ライフ・スタイルの微調整といっても、我々は早期回想とか、ライフ・スタイル診断とかはやりません。うつ病の人たちにとっては、即実践可能な、そしてさほど負担なく実施継続できるようなシンプルさとコンパクトな治療ツールが必要なのです。

こうしたことを踏まえてうつ病の改善に最適なアプローチを考えた場合に、それは非指示的なカウンセリングや精神分析療法よりも、必然的にアドラー心理学や森田療法の視点に行き着くのですが、この両者の共通項を巧みに技法化しているのが、ブリーフセラピーであることに気づかされることになります。

うつと闘っている人たちに関与するカウンセラー、家族、職場の上司たちにとって、彼らにどう接すればよいのか、それは実に切実な問題で、しばしば当人よりも悩みや葛藤が深いこともあるほどです。つまり、うつ病の周囲の人たちも勇気づけられる必要があるのです。 

そのための精神科臨床の最前線の経験に基づいた必見の実践ノウハウを、真剣さと何故かユーモアに満ちた楽しい雰囲気の中で学んでいただきます。

昨年「アドラー心理学をパワーアップする」に参加された方も内容が大幅に違いますので、奮ってご参加ください。

日時:3月14日(土)13:30-18:30、15日(日)10:00-17:00

場所:ヒューマン・ギルド 研修室

受講料:会員25,000円、一般30,000円(税込み)

申し込み:ヒューマン・ギルドの申し込みフォームから


◎ 山田秀世先生について

山田先生は、東京の某都立病院にいらっしゃったとき、ヒューマン・ギルドにアドラー心理学を学びにいらっしゃいました。それがご縁です。
札幌に行かれても、私を招いてくれたり、ペルグリーノ博士のワークショップを共催してくれたりしました。

先生は、統合失調症の患者の社会復帰のためにお店を作るほか、うつ病の患者の職場復帰ために会社と同じ環境を作って、ならし出勤できるようなプログラムも展開されています。

先生は、ご自身で公にされませんが、友人の精神科医が病によりクリニックの維持が困難になったとき、わざわざ札幌から東京まで何度も代診に来られました。

私は山田先生から「陰徳を積む」ことを学んでいます。山田先生は、まさに精神科の「赤ひげ先生」です。


<お目休めコーナー> 秋芳洞②―秋芳洞を出たところで見つけた白鳥



コメント ( 6 ) | Trackback ( )