(はかのある かぎりふるさと そばのはな)
この句には、謎が多い。例えば、
故郷である根拠が「墓」というのが異様である。父母や兄弟、実家の建物、幼友達、海や山、田や畑、映画館や喫茶店・・・・故郷の根拠は、他にいくらでもあるではないか。しかし、作者は墓以外を一切否定している(とは限らないが)
ということは、作者が故郷に帰った時、墓以外に昔を思い出させるものがない、ということになる。父母兄弟は死に、実家の建物は取り壊され新しい建物になり、田畑は住宅街に変わり、町を歩いても全て近代的建物になり・・・・・
しかし、故郷の根拠がもう一つあるではないか。蕎麦の花が。いづれにしても、おかしな句ではある。
コマツナギ(駒繋ぎ)