「基キ」と「墓ボ」は、一見似たように見えるが、両字から土を取ると「其キ」と「莫ボ・バク」になる。この二つの音符が発するメッセージを理解すると、両字はすぐ分かるし書ける。ついでに「其キ」と「莫ボ・バク」が音符となる常用漢字も覚えよう。
其 キ <箕のかたち>
其 キ・その・それ ハ部
解字 甲骨文・金文は、収穫した穀物を中にいれ、あおってカラなどを取りのぞく道具である箕(み)を描いた象形。篆文は、箕を台の上にのせた形を描く。しかし、本来の意味でなく仮借カシャ(当て字)されて、やや遠い所の物をさす語や助字となった。
意味 (1)その(其の)。それ(其れ)。人や物をさす語。「其処そこ」 (2)それ。語気を強めたり、語調を整える助字。
イメージ
「その(仮借)」(其・期)
「箕のかたち・四角い」(箕・基・棋・碁・旗・欺)
音の変化 キ:其・期・箕・基・棋・旗 ギ:欺 ゴ:碁
そ の
期 キ・ゴ 月部
解字 「月(月日)+其(その)」の会意形声。ある指定された、その月日。
意味 (1)とき。おり。決められた時。「時期ジキ」「任期ニンキ」「期末キマツ」 (2)ねがう。あてにする。「期待キタイ」「所期ショキ」
箕のかたち・四角い
箕 キ・み 竹部
竹の箕
解字 「竹(たけ)+其(箕のかたち)」の会意形声。其は箕のかたちの象形。そこに竹をつけて竹製の箕を表す。
意味 み(箕)。穀物を中にいれ、あおってカラなどを取りのぞく道具。また、ちりとり。「箕箒キソウ・キシュウ」(ちりとりとほうき。掃除をすること)「唐箕とうみ」(木製の機械式になった箕。中国から伝わったので唐の字がつく)
基 キ・もと・もとい 土部
解字 「土(つち)+其(四角い)」の会意形声。四角い土の壇。この上にお堂などの建物が建つので、転じて物事のもとになるものの意。
意味 もとづく(基づく)。もとい(基)。「基本キホン」「基礎キソ」「基準キジュン」
棋 キ 木部
解字 「木+其(四角い)」の会意形声。囲碁及び将棋で使う四角い木の盤。
意味 囲碁・将棋。また、碁盤・将棋盤や碁石・駒。「棋士キシ」「棋局キキョク」「棋譜キフ」(囲碁・将棋の手順の記録)「棋客キカク」(囲碁・将棋をする人。棋士)
碁 ゴ 石部
解字 「石+其(=棋。四角い木の盤)」の会意形声。四角い木の盤に碁石をおく遊戯。
意味 ご(碁)。「碁盤ゴバン」「囲碁イゴ」「碁石ゴイシ」
旗 キ・はた 方部
解字 「方𠂉(はた)+其(四角い)」の会意形声。旗から其をとった形は、旗のゆらめくさまを描いた象形。そこに其(四角い)をつけた旗は四角いはたの意。
意味 はた(旗)。はたじるし。「旗手キシュ」「校旗コウキ」「旗艦キカン」(司令官が乗っている軍艦)
欺 ギ・あざむく 欠部
解字 「欠ケン(口をあけて立つ人)+其(=倛キ)」の会意形声。其は倛キ(鬼やらいの四角い面)の略体。欺は、面をかぶってしゃべり相手をあざむくこと。
意味 あざむく(欺く)。だます。「欺瞞ギマン」「詐欺サギ」
莫 ボ・バク <太陽が草原にしずむ>
莫 ボ・バク・ない・なかれ 艸部
解字 甲骨文・金文・篆文とも「艸(草)+日(太陽)+艸(草)」で、草のあいだに日のしずむ形の会意。太陽が草原に没するさまから、日暮れの意味を表す。暮ボの原字。また、太陽が見えなくなることから、「ない」の意味に用いる。転じて、はてしない・むなしい意ともなる。現代字は上の艸が艹に、下の艸が大に変化した。
意味 (1)日ぐれ。おそい。 (2)ない(莫い)。なし。なかれ(莫れ)。 (3)大きい。はてしない。「莫大バクダイ」 (4)むなしい。さびしい。「寂莫ジャクバク」
イメージ
「かくれる・かくす」(莫・暮・墓・幕・膜・模)
かくれると何も「ない」(漠・募・慕)
音の変化 ボ:莫・暮・墓・募・慕 マク:幕・膜 モ:模 バク:漠
かくれる・かくす
暮 ボ・くれる・くらす 日部
解字 「日(ひ)+莫(かくれる)」の会意形声。莫ボは、もともと日ぐれの意。莫が、ない意で使われるようになったので、日をつけて元の意味を表した。この字には、日が二つあることから、莫が暮の原字であることがわかる。
意味 (1)くれる(暮れる)。日がくれる。「日暮(ひぐ)れ」「薄暮ハクボ」「暮色ボショク」 (2)季節・年・人生などの終わり。「暮秋ボシュウ」(秋の終りのころ)「歳暮サイボ・セイボ」(年のくれ。歳末の贈り物) (3)[国]くらす(暮らす)。くらし。
墓 ボ・はか 土部
解字 「土(つち)+莫(かくれる)」の会意形声。土のなかに亡き人を埋めてかくす墓。
意味 はか(墓)。はかば。「墓穴ボケツ」「墓参ボサン」「墳墓フンボ」
幕 マク・バク 巾部
解字 「巾(ぬの)+莫(かくす)」の会意形声。物をかくして見えなくする布。
意味 (1)おおい布。たれまく。「天幕テンマク」(テント)「暗幕アンマク」(暗くするために張る幕) (2)仕切りに使う劇場などのまく。「幕間まくあい」「第一幕」 (3)将軍が政治を行なう所。「幕府バクフ」「幕臣バクシン」
膜 マク 月部にくづき
解字 「月(からだ)+莫(かくす)」の会意形声。身体の筋肉や器官をおおいかくす薄いまく。
意味 まく(膜)。身体の内部や表面をおおう薄い皮。「粘膜ネンマク」「鼓膜コマク」「網膜モウマク」「皮膜ヒマク」(①皮と膜。②わずかのちがい)
模 モ・ボ 木部
解字 「木(き)+莫(かくれる)」 の会意形声。木で本物そっくりの形をつくること。また、本物の型をとること。莫は、本物はその中にかくれている意。
意味 (1)かた。ひながた。「模型モケイ」「模範モハン」(①模は木製の型、範は竹製の型、器物をつくる型。②見習う手本) (2)まねる。かたどる。「模造モゾウ」「模刻モコク」 (3)かたち。ありさま。「模様モヨウ」(4)手さぐりする(=摸)。「模索モサク」 (4)地名。「相模さがみ」(旧国名。今の神奈川県の大部分)「相模湾さがみわん」「相模川さがみがわ」(神奈川県中央部を流れて相模湾にそそぐ川)
ない
漠 バク 氵部
解字 「氵(水)+莫(ない)」の会意形声。水のない状態をいう。また、転じて、なにもないさまをいう。
意味 (1)すなはら。荒野。「砂漠サバク」(2)はてしないさま。とりとめのないさま。「漠然バクゼン」「空漠クウバク」(なにもなく広い)
募 ボ・つのる 力部
解字 「力(ちから)+莫(ない)」の会意形声。足りていない力仕事をする人を求めるのが原義で、土木などの力役や軍役の人を求めることをいう。転じて、ひろくつのる意となる。
意味 つのる(募る)。広く求める。「募金ボキン」「募集ボシュウ」
慕 ボ・したう 㣺部
解字 「㣺(心)+莫(ないもの)」の会意形声。亡き父母など、現実にない人や身近にないものを心でおもうことが原義。故人に限らず、したう意となる。
意味 したう(慕う)。思いをよせる。「慕情ボジョウ」(恋いしたう心)「敬慕ケイボ」「恋慕レンボ」(恋いしたう)
<紫色は常用漢字>
其 キ <箕のかたち>
其 キ・その・それ ハ部

解字 甲骨文・金文は、収穫した穀物を中にいれ、あおってカラなどを取りのぞく道具である箕(み)を描いた象形。篆文は、箕を台の上にのせた形を描く。しかし、本来の意味でなく仮借カシャ(当て字)されて、やや遠い所の物をさす語や助字となった。
意味 (1)その(其の)。それ(其れ)。人や物をさす語。「其処そこ」 (2)それ。語気を強めたり、語調を整える助字。
イメージ
「その(仮借)」(其・期)
「箕のかたち・四角い」(箕・基・棋・碁・旗・欺)
音の変化 キ:其・期・箕・基・棋・旗 ギ:欺 ゴ:碁
そ の
期 キ・ゴ 月部
解字 「月(月日)+其(その)」の会意形声。ある指定された、その月日。
意味 (1)とき。おり。決められた時。「時期ジキ」「任期ニンキ」「期末キマツ」 (2)ねがう。あてにする。「期待キタイ」「所期ショキ」
箕のかたち・四角い
箕 キ・み 竹部

解字 「竹(たけ)+其(箕のかたち)」の会意形声。其は箕のかたちの象形。そこに竹をつけて竹製の箕を表す。
意味 み(箕)。穀物を中にいれ、あおってカラなどを取りのぞく道具。また、ちりとり。「箕箒キソウ・キシュウ」(ちりとりとほうき。掃除をすること)「唐箕とうみ」(木製の機械式になった箕。中国から伝わったので唐の字がつく)
基 キ・もと・もとい 土部
解字 「土(つち)+其(四角い)」の会意形声。四角い土の壇。この上にお堂などの建物が建つので、転じて物事のもとになるものの意。
意味 もとづく(基づく)。もとい(基)。「基本キホン」「基礎キソ」「基準キジュン」
棋 キ 木部
解字 「木+其(四角い)」の会意形声。囲碁及び将棋で使う四角い木の盤。
意味 囲碁・将棋。また、碁盤・将棋盤や碁石・駒。「棋士キシ」「棋局キキョク」「棋譜キフ」(囲碁・将棋の手順の記録)「棋客キカク」(囲碁・将棋をする人。棋士)
碁 ゴ 石部
解字 「石+其(=棋。四角い木の盤)」の会意形声。四角い木の盤に碁石をおく遊戯。
意味 ご(碁)。「碁盤ゴバン」「囲碁イゴ」「碁石ゴイシ」
旗 キ・はた 方部
解字 「方𠂉(はた)+其(四角い)」の会意形声。旗から其をとった形は、旗のゆらめくさまを描いた象形。そこに其(四角い)をつけた旗は四角いはたの意。
意味 はた(旗)。はたじるし。「旗手キシュ」「校旗コウキ」「旗艦キカン」(司令官が乗っている軍艦)
欺 ギ・あざむく 欠部
解字 「欠ケン(口をあけて立つ人)+其(=倛キ)」の会意形声。其は倛キ(鬼やらいの四角い面)の略体。欺は、面をかぶってしゃべり相手をあざむくこと。
意味 あざむく(欺く)。だます。「欺瞞ギマン」「詐欺サギ」
莫 ボ・バク <太陽が草原にしずむ>
莫 ボ・バク・ない・なかれ 艸部

解字 甲骨文・金文・篆文とも「艸(草)+日(太陽)+艸(草)」で、草のあいだに日のしずむ形の会意。太陽が草原に没するさまから、日暮れの意味を表す。暮ボの原字。また、太陽が見えなくなることから、「ない」の意味に用いる。転じて、はてしない・むなしい意ともなる。現代字は上の艸が艹に、下の艸が大に変化した。
意味 (1)日ぐれ。おそい。 (2)ない(莫い)。なし。なかれ(莫れ)。 (3)大きい。はてしない。「莫大バクダイ」 (4)むなしい。さびしい。「寂莫ジャクバク」
イメージ
「かくれる・かくす」(莫・暮・墓・幕・膜・模)
かくれると何も「ない」(漠・募・慕)
音の変化 ボ:莫・暮・墓・募・慕 マク:幕・膜 モ:模 バク:漠
かくれる・かくす
暮 ボ・くれる・くらす 日部
解字 「日(ひ)+莫(かくれる)」の会意形声。莫ボは、もともと日ぐれの意。莫が、ない意で使われるようになったので、日をつけて元の意味を表した。この字には、日が二つあることから、莫が暮の原字であることがわかる。
意味 (1)くれる(暮れる)。日がくれる。「日暮(ひぐ)れ」「薄暮ハクボ」「暮色ボショク」 (2)季節・年・人生などの終わり。「暮秋ボシュウ」(秋の終りのころ)「歳暮サイボ・セイボ」(年のくれ。歳末の贈り物) (3)[国]くらす(暮らす)。くらし。
墓 ボ・はか 土部
解字 「土(つち)+莫(かくれる)」の会意形声。土のなかに亡き人を埋めてかくす墓。
意味 はか(墓)。はかば。「墓穴ボケツ」「墓参ボサン」「墳墓フンボ」
幕 マク・バク 巾部
解字 「巾(ぬの)+莫(かくす)」の会意形声。物をかくして見えなくする布。
意味 (1)おおい布。たれまく。「天幕テンマク」(テント)「暗幕アンマク」(暗くするために張る幕) (2)仕切りに使う劇場などのまく。「幕間まくあい」「第一幕」 (3)将軍が政治を行なう所。「幕府バクフ」「幕臣バクシン」
膜 マク 月部にくづき
解字 「月(からだ)+莫(かくす)」の会意形声。身体の筋肉や器官をおおいかくす薄いまく。
意味 まく(膜)。身体の内部や表面をおおう薄い皮。「粘膜ネンマク」「鼓膜コマク」「網膜モウマク」「皮膜ヒマク」(①皮と膜。②わずかのちがい)
模 モ・ボ 木部
解字 「木(き)+莫(かくれる)」 の会意形声。木で本物そっくりの形をつくること。また、本物の型をとること。莫は、本物はその中にかくれている意。
意味 (1)かた。ひながた。「模型モケイ」「模範モハン」(①模は木製の型、範は竹製の型、器物をつくる型。②見習う手本) (2)まねる。かたどる。「模造モゾウ」「模刻モコク」 (3)かたち。ありさま。「模様モヨウ」(4)手さぐりする(=摸)。「模索モサク」 (4)地名。「相模さがみ」(旧国名。今の神奈川県の大部分)「相模湾さがみわん」「相模川さがみがわ」(神奈川県中央部を流れて相模湾にそそぐ川)
ない
漠 バク 氵部
解字 「氵(水)+莫(ない)」の会意形声。水のない状態をいう。また、転じて、なにもないさまをいう。
意味 (1)すなはら。荒野。「砂漠サバク」(2)はてしないさま。とりとめのないさま。「漠然バクゼン」「空漠クウバク」(なにもなく広い)
募 ボ・つのる 力部
解字 「力(ちから)+莫(ない)」の会意形声。足りていない力仕事をする人を求めるのが原義で、土木などの力役や軍役の人を求めることをいう。転じて、ひろくつのる意となる。
意味 つのる(募る)。広く求める。「募金ボキン」「募集ボシュウ」
慕 ボ・したう 㣺部
解字 「㣺(心)+莫(ないもの)」の会意形声。亡き父母など、現実にない人や身近にないものを心でおもうことが原義。故人に限らず、したう意となる。
意味 したう(慕う)。思いをよせる。「慕情ボジョウ」(恋いしたう心)「敬慕ケイボ」「恋慕レンボ」(恋いしたう)
<紫色は常用漢字>
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