光 コウ・ひかる・ひかり 儿部
解字 「火+儿(ひと)」の会意。甲骨文字はひざまずいた人(卩セツ)の上に火がある形で、松明などの火を持ちじっと坐っているさまで光を表した。金文は火の形が変化した。篆文から、ひざまずいた人⇒儿に変化し、現代字は光となった。同じ作り方の字に、目を人の上にのせた見、口をのせた兄などがある。
意味 (1)ひかる(光る)。ひかり(光)。てらす。明かり。「光線コウセン」「月光ゲッコウ」 (2)輝かしい。ほまれ。「栄光エイコウ」 (3)時間。とき。「光陰コウイン」 (4)ありさま。けしき。「光景コウケイ」「風光フウコウ」「風光明媚フウコウメイビ」「観光カンコウ」 (5)つや。いろ。「光沢コウタク」 (6)ひろい。あまねく。「光宅コウタク」(徳が天下に満ちておおう=光被コウヒ)
イメージ
「ひかり・ひかる」(光・洸)
「形声字」(胱・觥)
「その他」(恍)
音の変化 コウ:光・恍・胱・洸・觥
ひかり・ひかる
洸 コウ 氵部
解字 「氵(みず)+光(ひかる)」の会意形声。①水がゆれうごいて光るさま。②水の湧いて光るさま。③勇ましいさま。④地名。の意味がある。[説文解字]は「水涌(わ)き光る也(なり)。水に従い光に従う,光は亦(また)聲(声)」とし、水がゆれうごいたり、湧いて光るさまをいう。転じて水の勢いが盛大で勇ましいさまにもいう。
意味 (1)水がゆれうごいたり湧いて光るさま。水が深いさま。「洸洸コウコウ」(①水が押し寄せ光るさま。②水がゆらめき光るさま。③勇ましいさま)「洸洋コウヨウ」(水が深くて広いさま。また、学説・議論などが深く広いさま)「洸蕩コウトウ」(水が豊かなさま) (2)川の名。「洸水コウスイ」(山東省にある川) (3)人名用漢字。たけし。ひかる。ひろ。ひろし。ふかし。みつる。
形声字
胱 コウ 月部にく
解字 「月(からだ)+光(コウ)」の形声。身体のなかでコウ(光)という発音のところをいう。「膀胱ボウコウ」に用いられる。
意味 「膀胱ボウコウ」とは、尿を一時的にためておく袋状の器官。「膀胱炎ボウコウエン」
觥 コウ・つのさかずき 角部
解字 「角(つの)+光(コウ)」の形声。コウという名の獣の角の形をした酒杯(さかずき)をいう。
意味 (1)つのさかずき(觥)。兕牛ジギュウという牛に似た一角獣の角でつくったさかずき。のち、銅製や玉製。七升あるいは五升はいるとされる大きな酒杯。「觥籌交錯コウチュウコウサク」とは、籌(かずとり)の遊びで負けたものに觥(つのさかずき)で酒を飲ませ、その動きがいりみだれ、宴会の盛んなこと。(2)おおきい。「觥飯コウハン」(大盛の食事)(3)「觥觥コウコウ」とは、強く正しいさま。
その他
恍 コウ・とぼける 忄部
解字 「忄(心)+光(ひろがる)」の会意形声。光が四方に広がるように心がひろがり、ぼんやりする・うっとりすること。
意味 (1)うっとりする。ぼんやりする。「恍惚コウコツ」(①うっとりとするさま。②老人などがぼんやりとしてはっきりしないさま。)「恍然コウゼン」(ぼんやりしてよく見えない) (2)[国]とぼける(恍ける)。
晃 コウ・あきらか
晃 コウ・あきらか 日部
解字 「日(太陽)+光(ひかる)」の会意形声。太陽が光り輝くさま。
意味 (1)ひかる。かがやく。あかるい。「晃晃コウコウ」(あかるくかがやくさま)「晃曜コウヨウ」(光かがやくこと) (2)あきらか(晃か)。あかるい。 (3)人名用漢字。あき。あきら。きら。てる。ひかる。みつ。
イメージ
「ひかる」(晃)
「ひろがる=光」(幌・滉)
ひろがる
幌 コウ・ほろ 巾部
解字 「巾(布)+晃(=光。ひろがる)」の会意形声。布をひろげる意。ひろげて覆うこと。543年の[玉篇]は「帷幔イマン(たれぎぬ・まく)也」とする。
意味 (1)たれぎぬ。たれぎぬの看板。「幌帷コウイ」(とばり)「幌竿コウカン」(たれぎぬの看板を掛ける旗竿) (2)ほろ(幌)。車につける覆い。「幌馬車ほろバシャ」 (3)ほろ(幌)。矢を防ぐため武士が背にかける布袋・母衣(ほろ)。 (4)地名の音訳字。「札幌サッポロ」(北海道の道都。アイヌ語のサッホロの音訳字。発音・サッホロの意味は諸説ある)
滉 コウ・ひろい 氵部
解字 「氵(みず)+晃(=光。ひろがる)」の会意形声。水がひろがり深いさま。
意味 (1)ひろい(滉い)。水がひろがり深いさま。「滉漾コウヨウ」(深くて広い水のさま)「滉瀁コウヨウ」(水が広々とたゆたうさま=滉蕩コウトウ) (2)人名用漢字。あきら。こう。ひろ。ひろし。ふかし。みつ。
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。

解字 「火+儿(ひと)」の会意。甲骨文字はひざまずいた人(卩セツ)の上に火がある形で、松明などの火を持ちじっと坐っているさまで光を表した。金文は火の形が変化した。篆文から、ひざまずいた人⇒儿に変化し、現代字は光となった。同じ作り方の字に、目を人の上にのせた見、口をのせた兄などがある。
意味 (1)ひかる(光る)。ひかり(光)。てらす。明かり。「光線コウセン」「月光ゲッコウ」 (2)輝かしい。ほまれ。「栄光エイコウ」 (3)時間。とき。「光陰コウイン」 (4)ありさま。けしき。「光景コウケイ」「風光フウコウ」「風光明媚フウコウメイビ」「観光カンコウ」 (5)つや。いろ。「光沢コウタク」 (6)ひろい。あまねく。「光宅コウタク」(徳が天下に満ちておおう=光被コウヒ)
イメージ
「ひかり・ひかる」(光・洸)
「形声字」(胱・觥)
「その他」(恍)
音の変化 コウ:光・恍・胱・洸・觥
ひかり・ひかる
洸 コウ 氵部
解字 「氵(みず)+光(ひかる)」の会意形声。①水がゆれうごいて光るさま。②水の湧いて光るさま。③勇ましいさま。④地名。の意味がある。[説文解字]は「水涌(わ)き光る也(なり)。水に従い光に従う,光は亦(また)聲(声)」とし、水がゆれうごいたり、湧いて光るさまをいう。転じて水の勢いが盛大で勇ましいさまにもいう。
意味 (1)水がゆれうごいたり湧いて光るさま。水が深いさま。「洸洸コウコウ」(①水が押し寄せ光るさま。②水がゆらめき光るさま。③勇ましいさま)「洸洋コウヨウ」(水が深くて広いさま。また、学説・議論などが深く広いさま)「洸蕩コウトウ」(水が豊かなさま) (2)川の名。「洸水コウスイ」(山東省にある川) (3)人名用漢字。たけし。ひかる。ひろ。ひろし。ふかし。みつる。
形声字
胱 コウ 月部にく
解字 「月(からだ)+光(コウ)」の形声。身体のなかでコウ(光)という発音のところをいう。「膀胱ボウコウ」に用いられる。
意味 「膀胱ボウコウ」とは、尿を一時的にためておく袋状の器官。「膀胱炎ボウコウエン」
觥 コウ・つのさかずき 角部
解字 「角(つの)+光(コウ)」の形声。コウという名の獣の角の形をした酒杯(さかずき)をいう。
意味 (1)つのさかずき(觥)。兕牛ジギュウという牛に似た一角獣の角でつくったさかずき。のち、銅製や玉製。七升あるいは五升はいるとされる大きな酒杯。「觥籌交錯コウチュウコウサク」とは、籌(かずとり)の遊びで負けたものに觥(つのさかずき)で酒を飲ませ、その動きがいりみだれ、宴会の盛んなこと。(2)おおきい。「觥飯コウハン」(大盛の食事)(3)「觥觥コウコウ」とは、強く正しいさま。
その他
恍 コウ・とぼける 忄部
解字 「忄(心)+光(ひろがる)」の会意形声。光が四方に広がるように心がひろがり、ぼんやりする・うっとりすること。
意味 (1)うっとりする。ぼんやりする。「恍惚コウコツ」(①うっとりとするさま。②老人などがぼんやりとしてはっきりしないさま。)「恍然コウゼン」(ぼんやりしてよく見えない) (2)[国]とぼける(恍ける)。
晃 コウ・あきらか
晃 コウ・あきらか 日部
解字 「日(太陽)+光(ひかる)」の会意形声。太陽が光り輝くさま。
意味 (1)ひかる。かがやく。あかるい。「晃晃コウコウ」(あかるくかがやくさま)「晃曜コウヨウ」(光かがやくこと) (2)あきらか(晃か)。あかるい。 (3)人名用漢字。あき。あきら。きら。てる。ひかる。みつ。
イメージ
「ひかる」(晃)
「ひろがる=光」(幌・滉)
ひろがる
幌 コウ・ほろ 巾部
解字 「巾(布)+晃(=光。ひろがる)」の会意形声。布をひろげる意。ひろげて覆うこと。543年の[玉篇]は「帷幔イマン(たれぎぬ・まく)也」とする。
意味 (1)たれぎぬ。たれぎぬの看板。「幌帷コウイ」(とばり)「幌竿コウカン」(たれぎぬの看板を掛ける旗竿) (2)ほろ(幌)。車につける覆い。「幌馬車ほろバシャ」 (3)ほろ(幌)。矢を防ぐため武士が背にかける布袋・母衣(ほろ)。 (4)地名の音訳字。「札幌サッポロ」(北海道の道都。アイヌ語のサッホロの音訳字。発音・サッホロの意味は諸説ある)
滉 コウ・ひろい 氵部
解字 「氵(みず)+晃(=光。ひろがる)」の会意形声。水がひろがり深いさま。
意味 (1)ひろい(滉い)。水がひろがり深いさま。「滉漾コウヨウ」(深くて広い水のさま)「滉瀁コウヨウ」(水が広々とたゆたうさま=滉蕩コウトウ) (2)人名用漢字。あきら。こう。ひろ。ひろし。ふかし。みつ。
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。