問題 □に上の漢字を入れてください。
(1)罪を□す
(2)国境を□す
(3)危険を□す
「オカ-す」の語源は諸説があり定まったものはないようです。意味は「定めらた基準や範囲をこえて踏み込む」です。具体的には、①法律やおきてなどを「おかす」。②人の領土や権限などに入り込む「おかす」、③あたりをはばからず無理やり物事をおこなう「おかす」があります。漢字字典で「おかす」を引くと主なもので6字ありますが、今回は代表的な3つに限定して紹介します。
冒 ボウ・おかす 曰部
解字 金文から旧字まで「目(め)+冃ボウ(ずきん)」の会意形声。冃は頭衣(かぶりもの)で、冒は、かぶりものから目だけ出している形。目だけ出したカブト(甲冑)をかぶって進む意から、周囲がみえず無頓着に行動する意となる[字統]。新字体は旧字の冃 → 日に変化した冒となった。
意味 (1)おかす(冒す)。向う見ずにすすむ。無理にする。「冒険ボウケン」「冒進ボウシン」(向う見ずに進む) (2)神聖なものをけがす。「冒涜ボウトク」(神聖・尊厳をおかしてけがす)「冒名ボウメイ」(他人の姓名を偽ってなのる) (3)おおう。かぶりもの。 (4)(一番上の頭にかぶることから)はじまり。「冒頭ボウトウ」(文章や言葉の初めの部分)
犯 ハン・おかす 犭部
解字 金文は「犭(いぬ)+㔾(ハン)」の形声。ハンは範ハン(きまり・のり)に通じる。ここで犬は、人の悪者を犬に例えた使い方で、犯は法や道徳を破る人、また、その行為をいう。
意味 (1)おかす(犯す)。決められたのり(法・則)をおかす。「犯罪ハンザイ」(罪を犯す)「犯人ハンニン」「共犯キョウハン」 (2)道徳をおかす。「女性を犯す」
侵 シン・おかす イ部
解字 甲骨文は「牛+帚(ほうき)+又(て)」で、帚(ほうき)を手に持ち牛を追い出し他所の土地の家畜を奪うこと。甲骨文字では侵略・略奪の意味だという[甲骨文字辞典を参照した]。金文は牛が人に代わった字。家畜の他、人を奪う意と思われる。篆文は人⇒イになり、隷書レイショ(漢代)から帚(ほうき)の下部の巾を省略して又にした侵が出現して現代に至っている。意味は、[春秋穀梁コクリョウ伝](前漢)に「人民を苞(とりこ)にし、牛馬を殴(か)るを侵と曰う」とあり、この字の古代の意味を伝えている。現在は、他者の権利・権限をそこなう。特に、他国、他人の土地に不法に立ち入る(攻め込む)意で用いられる。
意味 おかす(侵す)。他の者の権利・権限をそこなう。他人の領分に入り込む。「侵害シンガイ」「侵略シンリャク」「侵犯シンパン」
問題と解答
(1)罪を□す
(2)国境を□す
(3)危険を□す
回答
(1)は法律やおきてを「おかす」意ですから「犯」です。
(2)は領土を「おかす」意ですから「侵」です。
(3)は無理やりことを行う「おかす」ですから冒険の「冒」です。
別の問題
(1)学問の自由を□す。
(2)尊厳を□す。
(3)過ちを□す。
回答
(1)学問の自由という権利(自由権)をおかすので「侵」です。
(2)尊厳という神聖なものをけがすので「冒」です。
(3)過ちは法や規則をおかすこと以外に失敗の意味もありますが、いずれにしても良くない行動ですから「犯」を使います。さらに意味を拡大して「ミスを犯す」などにも使います。
(1)罪を□す
(2)国境を□す
(3)危険を□す
「オカ-す」の語源は諸説があり定まったものはないようです。意味は「定めらた基準や範囲をこえて踏み込む」です。具体的には、①法律やおきてなどを「おかす」。②人の領土や権限などに入り込む「おかす」、③あたりをはばからず無理やり物事をおこなう「おかす」があります。漢字字典で「おかす」を引くと主なもので6字ありますが、今回は代表的な3つに限定して紹介します。
冒 ボウ・おかす 曰部
解字 金文から旧字まで「目(め)+冃ボウ(ずきん)」の会意形声。冃は頭衣(かぶりもの)で、冒は、かぶりものから目だけ出している形。目だけ出したカブト(甲冑)をかぶって進む意から、周囲がみえず無頓着に行動する意となる[字統]。新字体は旧字の冃 → 日に変化した冒となった。
意味 (1)おかす(冒す)。向う見ずにすすむ。無理にする。「冒険ボウケン」「冒進ボウシン」(向う見ずに進む) (2)神聖なものをけがす。「冒涜ボウトク」(神聖・尊厳をおかしてけがす)「冒名ボウメイ」(他人の姓名を偽ってなのる) (3)おおう。かぶりもの。 (4)(一番上の頭にかぶることから)はじまり。「冒頭ボウトウ」(文章や言葉の初めの部分)
犯 ハン・おかす 犭部
解字 金文は「犭(いぬ)+㔾(ハン)」の形声。ハンは範ハン(きまり・のり)に通じる。ここで犬は、人の悪者を犬に例えた使い方で、犯は法や道徳を破る人、また、その行為をいう。
意味 (1)おかす(犯す)。決められたのり(法・則)をおかす。「犯罪ハンザイ」(罪を犯す)「犯人ハンニン」「共犯キョウハン」 (2)道徳をおかす。「女性を犯す」
侵 シン・おかす イ部
解字 甲骨文は「牛+帚(ほうき)+又(て)」で、帚(ほうき)を手に持ち牛を追い出し他所の土地の家畜を奪うこと。甲骨文字では侵略・略奪の意味だという[甲骨文字辞典を参照した]。金文は牛が人に代わった字。家畜の他、人を奪う意と思われる。篆文は人⇒イになり、隷書レイショ(漢代)から帚(ほうき)の下部の巾を省略して又にした侵が出現して現代に至っている。意味は、[春秋穀梁コクリョウ伝](前漢)に「人民を苞(とりこ)にし、牛馬を殴(か)るを侵と曰う」とあり、この字の古代の意味を伝えている。現在は、他者の権利・権限をそこなう。特に、他国、他人の土地に不法に立ち入る(攻め込む)意で用いられる。
意味 おかす(侵す)。他の者の権利・権限をそこなう。他人の領分に入り込む。「侵害シンガイ」「侵略シンリャク」「侵犯シンパン」
問題と解答
(1)罪を□す
(2)国境を□す
(3)危険を□す
回答
(1)は法律やおきてを「おかす」意ですから「犯」です。
(2)は領土を「おかす」意ですから「侵」です。
(3)は無理やりことを行う「おかす」ですから冒険の「冒」です。
別の問題
(1)学問の自由を□す。
(2)尊厳を□す。
(3)過ちを□す。
回答
(1)学問の自由という権利(自由権)をおかすので「侵」です。
(2)尊厳という神聖なものをけがすので「冒」です。
(3)過ちは法や規則をおかすこと以外に失敗の意味もありますが、いずれにしても良くない行動ですから「犯」を使います。さらに意味を拡大して「ミスを犯す」などにも使います。