平治の乱へのプロローグとしてドラマはかなり面白くなってきましたが、
どうも清盛と義朝の対立がメインに描かれている気がしてなりません
清盛が主人公なので仕方の無い事なのかも知れませんが…
それにしても宋の使いと中国語で話す信西役の阿部サダヲ、発音が
良いのには驚かされました
中国語が全く話せない僕ですが、発音の良い事だけは分かります
信西が言った『税は広く浅く』、何処かで聞いた事があるような……
まさに今、消費税増税法案が国会で議決されそうな時なのでタイミ
ングが良過ぎますね
ところで
実権を握った信西は露骨に身内を登用します
自分の子供達を官僚や受領として取り立てたのです。
権力の中枢と財力を握ろうとした訳ですね。
後白河の乳母夫でもある信西ですが、後白河の実子でもある二条
天皇の側近にも息子を送り込みます
後白河上皇が中継ぎの天皇だったのは周知の事実、もし二条天皇
が実権を握っても良いように画策していたのでしょうか??
どちらに転んでも一度掴んだ権力は手放さないと言う事でしょうが、
流石にやり過ぎた感じがします
貴族達から反感が起こるのは当然。
対立している筈の後白河院政派からも二条天皇親政派からも疎ま
れる信西、自信過剰な性格が裏目に出ているのでしょうか??
保元の乱で亡くなった頼長と同じなのかも知れませんね
そんな折、急激に力をつけたのが藤原信頼
武蔵守だったのが僅か一年で正三位権中納言まで出世したのです
から驚きです
後白河の男色の相手として出世したと言われていますが、それだけ
で出世したとは僕は思っていません。
平治物語などでは、「文にもあらず、武にもあらず、能もなく、また芸も
なし、ただ朝恩のみにほこりて」と酷評されたり、平治の乱のおり東国
に落ちのびようとした義朝に「日本一の不覚人」とまで言われたとか…
あくまで平治物語での話
摂関家ほどではありませんが、父も公卿で家柄も申し分なく実務に秀
でた人間だった筈です
ようやく権力を手中に収めた信西と急速に台頭してきた信頼、平治の
乱は信西vs信頼の争いで決して清盛vs義朝の争いではありません
ドラマでは父の首まで刎ねたのに恩賞が少な過ぎる事に不満を抱き
信頼と結んだかの様に描かれていましたが、義朝は元々の官職から
すれば破格の恩賞を得たのです
ただ
人間の欲とは限りの無いものの様で、出世を餌に新興勢力・信頼の勢
いに呑み込まれた感じもします
信頼の権力欲、義朝の出世欲、平治の乱は欲と欲が結びついた結果
なのかも知れません。
義朝は武人としては一流かも知れませんが、政治家としては清盛と比
べ数段落ちる感じがしている僕なのです