80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

富士急行モハ3100形の製作・その4

2016-10-04 02:30:36 | 私鉄電車
こんばんは。モハ3100形の前面を組み立てました。丸みを帯びた湘南顔という作りにくい題材ですが、なんとか見られるものができたと思います。


まず、ベースとなる窓枠を切り出します。厚みが目立たないよう、車体より薄手の#300スノーマットを使いました。「湘南顔はタレ目ではない」のセオリーどおり窓は角丸長方形で、これを2つ並べて抜き、中央で軽く山折りしただけです。ではなぜこれを傾斜した前面にはめ込むことができるのか?
その答えは、窓は長方形ですが外周がほんのわずかに平行四辺形になっているからです。この写真ではすでに山折りしてあるのでわかりにくいですが、極端に言えば「V」字形になっているのです。




この車のもうひとつ面倒なところは、前面の外板のみならず、凹んだ窓枠自体にも傾斜がついていることです。これを表現するため窓上辺に幅0.75mmの帯紙を貼り、鼻筋と両サイドにはテーパー状にカットした紙片を貼りました。





窓の傾斜角は湘南形やスカ形などと比べると非常に緩くデリケートなので、このような治具を作って角度をきっちり出すようにしました。レッドベアの製作でやったのと同じ方法です。手で持っている天井板のRは窓下の補強板のそれとまったく一緒で、1.25mmだけ後退させることによって窓に傾斜がつくわけです。




天井板を接着した段階で真横からチェックしています。このあと窓を抜いた外板を貼り込むので、天井板と治具の間に紙厚(≒0.5mm)のすき間があればOKです。




先ほど作っておいた窓枠を補強板の上に乗せ、中心がずれないように注意しながら接着します。




外板は、窓をケガいてから軽く曲げぐせをつけておきます。窓の大きさは基本的には設計図どおりですが、すでに接着済みの窓枠とうまくシンクロしないと見栄えが悪いので、現物を測りながら必要に応じて微細な修正を加えています。




念のため前面に被せて“合い”をチェックします。




折り曲げラインが窓の下辺になるので、このように「E」の字形に切り抜いたものを貼り合わせます。




完成!手間かけただけあって思ったよりイイ感じに仕上がりました♪




傾斜のついた窓枠の表現もなんとか雰囲気は出せたようです。外板とのすき間はパテを充てんして整形していきます。




細かい図面を起こしていないので、記憶が薄れないうちにもう片方の前面も作りたいと思います。




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富士急行モハ3100形の製作・その3

2016-10-03 01:57:00 | 私鉄電車
こんばんは。モハ3100形の製作を続けています。


車体の方は2両とも前面を除いて箱になりました。




前面は2枚窓の湘南顔ですが、鼻筋の通った4平面構成ではなく丸みを帯びているので、展開図は描かず、レッドベアでやった時と同じく上下2分割にして現物合わせで面を作っていくことにします。これは前面下部と乗務員ドア周りを一体的に切り出したパーツで、上にある半月状のものは水平方向のRを決める補強板です。




上のパーツを貼り合わせたところです。実車写真では気付かなかったのですが、この車は、側面だけでなく前面下部にもわずかに絞りが施されているので、短冊状の切り込みを4箇所に入れてあります。図面なしで試行錯誤しながら作っているので、パーツだか抜きカスだかわからない紙片がうしろに散らばっています。悩み過ぎて肝心の2枚窓の部分まで根気が続かなくなったので、前面の製作はここでいったん終了中断して台車の加工に移ります。




台車は客車用のTR53をベースに加工します。外観を似せるかどうかは別として、まずはMPギヤを組み込むため、ピボット軸受をプレーン軸受に改造しなくてはなりません。車輪を外し軸受をみると、予想に反して、軸受メタルが軸穴の中に沈み込むような構造になっていました。これではペンチで挟んでぐいっと引き抜くわけにいきません。さてどうしたものか。。。




抜けないものは仕方がない。このままドリルで穴をさらってしまえ~~!
メタルの肉厚がどれくらいあるのかわかりませんが、グリグリやっているうちにメタルが抜けてきたらそれはそれでOK!という気持ちで、φ1.6mmドリルで軸穴を広げました。よい子よい大人は決して真似しないでください。(笑)




幸いメタルが抜け出てくることなく、ほぼすべての軸穴の拡大は成功したのですが、唯一1ヶ所だけ抜けてしまったところがありました。下の写真は、その外れたメタル(袋の上)とカツミのプレーン軸受メタルとを比べたものですが、一目瞭然で大きさが違うことがわかります。日光の方が圧倒的に小さいですね。新たに穴を拡大するのも面倒なので元のメタルを使うことにして、瞬着を流し込んだ穴にメタルを押し込んで固定しました。




MPギヤは手持ちの(というか阪急2000系用にストックしてあった)WB=26mmのものを28.5mmに延長して使用します。シャフトを切ってφ2.4-2.0mm真鍮パイプでつなぎ延長は完了。この作業は何度かやっているので問題なくできるようになりました。




まだ走行試験をしていませんが、ドライブシャフトを指で回してみて引っかかるような感じはしないので、とりあえずプレーン軸受化とMPギヤの組み込みは完了といってもいいでしょう。




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TOMIXクモニ83-0到着

2016-10-02 11:25:13 | 中央東線方面
おはようございます。抜けるような青空・・・というにはまだ程遠いものの久々に朝から太陽が顔を出しました。


先日予約したTOMIXのクモニ83-0番台が入線しました。今回購入したのはトレーラーの1両のみで、スカ色に塗り替えて中央東線仕様に仕立てようとしているのは以前に記したとおりです。塗り替えは115系800番台の塗装と一緒に行う予定なので(年越しか???)、付属品を取り付ける前の状態ですが簡単に入線報告したいと思います。


取説によると鷹取工場改造車をプロトタイプにしているとのことで、隅にRのない四角四面の窓と彫りの深い荷物ドアがシャープに表現されています。窓の数が多いため保護棒がけっこう目立ちます。白塗りの抵抗器もよいアクセントになってますね。




485系に始まるTOMIXの1/80スケールシリーズで意外にも旧型国電は初登場とか。琴電3000形や名鉄モ510形など“旧型電車”はありましたが、国鉄形の旧型電車は確かにありませんでした。車体を載せ換えているので生粋の旧型国電とは言い難いですが、少なくとも足回りはほぼ73形でDT13台車もいい感じで仕上がっています。




パンタはPS13を1基搭載。これは手持ちのPS23に交換予定です。前面は傾斜窓の表現が繊細で“ハメコミ感”がまったく感じられません。アンドン幕は「荷」などと印刷されたクリアパーツを差し込む方式ですが、Hゴムが車体側に表現されているので塗り替えを行うと描き直しになります。




床下はM車と共通でモーターとドライブシャフトのスペースがかなり幅を利かせています。製造コストを考えれば当然でしょう。ブレーキシリンダーまわりのスケスケ感が欲しい・・・など野暮なことは言いますまい。(^^;




湘南色塗装も決まっていて、このまま153系につなげて遊びたいのはヤマヤマなのですが、情が移ると改造の機会を逸してしまいそうなので、115系の塗装準備が整うまで車庫で眠ってもらうことにしましょう。ただし永眠もまた怖いので「改造待ち」のタグをつけておくことにします。



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富士急行モハ3100形の製作・その2

2016-10-02 01:52:53 | 私鉄電車
こんばんは。10月に入りました。今年も残すところ3ヶ月。早いですなぁ。。


さて、工場の方は引き続き浮気物件の製作が続いています。連結面妻板を作りますが、この車両はセミクロスシート車のくせして広幅・両開きドア付きの貫通路をもっています。冬季の冷え込みが厳しい土地柄にしては珍しい構造ですが、団体貸切列車などの利用も想定していたということなので、扉を開け放して2両が一体的な空間になるように配慮されていたのかも知れません。模型の方は少しラクをすることにして、エコーの両開きドアを使うことにしました。




貼り合わせるとこんな感じです。貫通路の幅は1,500mmで、1,600mm用のドアは両側が少し窮屈になりますが、連結面であまり目立つ場所ではないのでこれでよしとしました。




前面がまだ着手できていないので、前部デッキの仕切り壁と連結面妻板を使って車体を箱にしていきます。




無事箱になりました。ちなみに今回は、車体と前面ユニットとの接合部は乗務員ドアの中間部としています。ドアの前後どちらかで接ぐとドア上部のRがきれいに出ないのでこうしてみました。




連結面からみたところです。実車の車体コーナー部はかなり大きなRがついているため、この後の研磨段階で削り込んでいくことにします。この準備として、接合部の裏側にはボンドをたっぷりと盛ってあります。




さて、前回の記事でも取り上げましたが、この電車はNB-1という軸梁式の極めて特殊な台車を履いています。ホイールベースは2,100mm(1/80で26mm)です。かなりこじつけですが、市販台車でイメージが比較的似ているのは下の写真のTS310とTR53ではないかと思います。
TS310は京急旧1000形用でWBはNB-1と同じ。なにより軸箱周辺の造りがNB-1と似ていて、そのまま使ってもよいくらいなのですが、決定的に違うのがブレーキシリンダーです。以前に営団銀座線を作った時は、FS23に似せるためこのブレーキシリンダーを削り取ったのですが大変でした。細かいところでは揺れ枕釣りが台車枠の内側にあるのも相違点です。
TR53はオシ17用のシュリーレン式台車で、細身ながら縦補剛材の入った台車枠のイメージが似ています。何よりブレキーシリンダーがないのがポイントですが、軸箱周辺は少し形を整えてやる必要があります。また、この台車はホイールベースが長く2,300mm(1/80で28.5mm)もあるほか、ピボット軸受しかないので、動力化する場合はプレーン軸のメタルに入れ替える必要があります。




このように一長一短ある台車ですが、やはりブレーキシリンダーを削り取る手間(+台車枠をそれらしく整形する手間)を考えるとTS310はハードルが高いので、長いホイールベースには目をつむり、軸箱まわりはなんとか整形し、軸受メタルをプレーンに打ち替える方を選択しTR53を購入しました。最悪、軸受メタルの打ち替えだけで済ますかも知れませんが・・・。(^^;





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