今回E127系の床下機器を自作して思ったのは、昨今の、特にVVVF以降の電車を作ろうと思うと「似ている」箱でさえ市販パーツから探すのは困難だなぁということでした。
1つ前の投稿に、ととさんが「よく作りましたねー」とコメントをされたのを機に、改めて16番モデラーとして昨今の床下機器事情に思いを馳せてみたいと思います。
現在1/80サイズで市販されているソフト又はホワイトメタル製の床下機器の多くは旧型国電用で、一体成形されたパーツも国鉄型が中心です。新型電車或いは私鉄電車用などは、カツミやエンドウなどが「蔵出品」としてたまに店頭販売することはありますが、どこでも手に入るというものでもなく、価格もそこそこいいお値段します。
(↑手に入れやすいセットパーツはスクラッチモデラーの味方:日光/エコーの旧型国電用)
(↑カツミやエンドウの一体成形品はポピュラーで汎用性があった。)
こういった背景には2つの理由があるように思われます。
1つめは、16番モデラーの年齢層がNゲージャーに比べて高く、いわゆる国鉄型指向が強いため、マーケット的にはどうしてもそちらが中心とならざるを得ないということ。
2つめは、車体の標準化が進んでいる割に床下機器の表情は実に豊かで、とてもバラパーツとして売っても採算には乗らないだろうなぁということです。
VVVFなど日進月歩で技術革新が進む機器ならいざ知らず、断流器箱や接触器箱など(素人考えでは)そう大きな違いはなくてもいいように思われるのですが、取っ手やフタの形ひとつとっても様々なバリエーションが見られます。
(↑作例E127系のハコモノ床下機器の例)
(↑京王9000系のハコモノ床下機器の例)
もちろん、安全性やメンテナンス性などの点でメーカーごとの設計思想は違って当然ですし、安く模型を作りたいから統一しろ(笑)という暴論を唱えるつもりもないのですが、
もう少し「今風」な共用パーツが出てきてもいいような気がします。
例えば、共通性が高いと思われるエアタンクひとつとっても、手に入れやすい普及パーツはいまだに吊りバンドで巻いた旧タイプのものしかありません。
上で「実に表情が豊か」と書きましたが、同じ車両内では実は同じようなデザインの機器箱も多いのです。E127でも同じデザインで幅や取っ手の位置を若干変えただけの機器箱がたくさんあります。かつては特徴的な形をしていたバッテリーやブレーキ作用装置、そしてコンプレッサーでさえ今ではただの「箱」の場合もあるのです。
模型の精密化が進んだ昨今、「それらしい」パーツでは売れないという事情があるかも知れません。ただ、汎用性のある素材をベースに自分なりの加工ができるのが「16番世代」の強みではないか、と(勝手に)思っておりますので、ここはぜひメーカーの英断に期待したいと思います。
(↑小高模型の国鉄101系用一体成形品。東芝のロゴや機器類の文字表示が浮き出た昭和40年代の意欲作。ここまでのフル・ディティールは望みませんので汎用的なバラパーツを是非・・・)
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