80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

床下機器雑感

2010-07-01 15:21:04 | その他
今回E127系の床下機器を自作して思ったのは、昨今の、特にVVVF以降の電車を作ろうと思うと「似ている」箱でさえ市販パーツから探すのは困難だなぁということでした。
1つ前の投稿に、ととさんが「よく作りましたねー」とコメントをされたのを機に、改めて16番モデラーとして昨今の床下機器事情に思いを馳せてみたいと思います。


現在1/80サイズで市販されているソフト又はホワイトメタル製の床下機器の多くは旧型国電用で、一体成形されたパーツも国鉄型が中心です。新型電車或いは私鉄電車用などは、カツミやエンドウなどが「蔵出品」としてたまに店頭販売することはありますが、どこでも手に入るというものでもなく、価格もそこそこいいお値段します。


(↑手に入れやすいセットパーツはスクラッチモデラーの味方:日光/エコーの旧型国電用)


(↑カツミやエンドウの一体成形品はポピュラーで汎用性があった。)


こういった背景には2つの理由があるように思われます。
1つめは、16番モデラーの年齢層がNゲージャーに比べて高く、いわゆる国鉄型指向が強いため、マーケット的にはどうしてもそちらが中心とならざるを得ないということ。
2つめは、車体の標準化が進んでいる割に床下機器の表情は実に豊かで、とてもバラパーツとして売っても採算には乗らないだろうなぁということです。
VVVFなど日進月歩で技術革新が進む機器ならいざ知らず、断流器箱や接触器箱など(素人考えでは)そう大きな違いはなくてもいいように思われるのですが、取っ手やフタの形ひとつとっても様々なバリエーションが見られます。


(↑作例E127系のハコモノ床下機器の例)


(↑京王9000系のハコモノ床下機器の例)


もちろん、安全性やメンテナンス性などの点でメーカーごとの設計思想は違って当然ですし、安く模型を作りたいから統一しろ(笑)という暴論を唱えるつもりもないのですが、
もう少し「今風」な共用パーツが出てきてもいいような気がします。
例えば、共通性が高いと思われるエアタンクひとつとっても、手に入れやすい普及パーツはいまだに吊りバンドで巻いた旧タイプのものしかありません。

上で「実に表情が豊か」と書きましたが、同じ車両内では実は同じようなデザインの機器箱も多いのです。E127でも同じデザインで幅や取っ手の位置を若干変えただけの機器箱がたくさんあります。かつては特徴的な形をしていたバッテリーやブレーキ作用装置、そしてコンプレッサーでさえ今ではただの「箱」の場合もあるのです。

模型の精密化が進んだ昨今、「それらしい」パーツでは売れないという事情があるかも知れません。ただ、汎用性のある素材をベースに自分なりの加工ができるのが「16番世代」の強みではないか、と(勝手に)思っておりますので、ここはぜひメーカーの英断に期待したいと思います。


(↑小高模型の国鉄101系用一体成形品。東芝のロゴや機器類の文字表示が浮き出た昭和40年代の意欲作。ここまでのフル・ディティールは望みませんので汎用的なバラパーツを是非・・・)


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6 コメント

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いっそのこと (ぐりれ)
2010-07-01 22:21:56
20余年ぶりにNゲージ車両を組んでいますが、Nゲージのパーツ事情も大きく変わってしまったようで面喰っております。
未だに状況が把握できてません。

16番のパーツですが、いっそのこと自前で製造・販売に乗り出してみては(笑)
返信する
造れる人知ってますが・・・ (とと)
2010-07-01 22:59:20
こんばんは。
年齢層が高く国鉄型志向・・・
それはほんとに感じます。
おそらく紛れも無い事実ですね(笑)

機器一つから製造する人を知っていますので本当に拘るのであればご紹介いたします^^;
その方曰くロストパーツっていっても実際の製造コストはイメージするほど高いものではないんですよと・・・

昨今、元になる品さえあればコピーの手段はいろいろとありますしね。
返信する
Re: いっそのこと (isao)
2010-07-02 00:20:22
こんばんは。
Nゲージは車両もパーツもあらゆるものがすごい勢いで商品化されていて、浦島太郎気分ではないでしょうか。
欲しいパーツはきっとある。でも探せない・・・
そんな状況ではないですか?

> いっそのこと自前で製造・販売(以下略)
なんと恐ろしいコトを・・・(笑)
返信する
Re: 造れる人知ってますが・・・ (isao)
2010-07-02 08:33:09
ととさん、おはようございます。
ご助言ありがとうございます。
でも今の自分のレベルと考えるとハイ・ディティールなパーツは使いこなせません・・・(^^;
編成ものなどで大量に必要な場合はレジンコピーなど考えるかも知れませんが、2~3両のうちは今回のような手作りスタイルでもいけそうかなと思っています。
返信する
「それらしい」ということ。 (吉野線のシェルパ)
2010-07-02 22:41:05
こんばんは。このトピック読んでからしばらく考えておりました。
難しい問題を含んでますね。

16番の市場規模はNに奪われて小さくなっているので、今のメーカーさんは精密化・特定化の方向に進まざるを得ない状況なのでしょう。(ユーザーがそれを求めているからなのでしょうか?)
もちろんお値段も素晴らしいものですので、私の手の届くところにはありません。
もっとも、私の作るペーパー車体には似合わないということでもありますが。


昔が良かったと言うつもりはないのですが、今の16番模型の世界って「懐の広さ」がなくなってきてるように思います。

一例ですが、小高模型さんのKD-71台車。
金型1つで作られていたのでしょうか、ダイヤフラムの向きが1方向にしか設定できない「点対称」になってしまいます。
同じKD-71でも日光モデルさんの製品はダイヤフラムは車体側に別付け、右用・左用の2種類が入っています。
コイルバネの段数も違います。

だから小高さんがダメなのか?というと、決してそんなことはないと思うのです。
「決して精密ではないかもしれないが、手の届くところにある商品」
お会いしたことはありませんが、製品を見ていると小高のオヤジさんはそんな信念を持っていたのでは、と思えてなりません。マイテの展望デッキの手すりが組立済で600円程度だったことも驚きでした。

今、近鉄の12200系を作っていますが、床下機器は一体成型のプラ製品が販売されていました。T車が420円、M車は30000系の流用ですが500円程度。
このくらいの価格でVVVFやチョッパの床下機器ユニット出ませんかね。

まとめようと思いつつ、ちっともまとまらないコメントで申し訳ありませんです。
返信する
Re: 「それらしい」ということ。 (isao)
2010-07-03 01:17:09
吉野線のシェルパさん、こんばんは。
ご感想、ご意見ありがとうございます。

精密化は時代の流れで仕方のないことと思います。
小高さんは鉄道模型のすそ野の拡大に尽力され、あのような廉価ながらそこそこ見られるパーツのラインナップを揃えられたのだと思います。
だから入門者の割合が少なくなったこんにち、「そこそこ」パーツの需要も減ったと・・・

でも「そこそこパーツ」=入門者用、とも言い切れないようにも思うのです。
ベテランでも楽したい部分はある(最近視力が追いつかな~い、とか)。そんな人向けに1枚500円の床下機器ユニットは大いに「あり」ですよね。

ただ、チョッパやVVVF車は本当に機器形状が千差万別ですから、足して2で割ったようなものは、やはりユーザーの支持は得られないんでしょうね。
レゴみたいにパチン、パチンと組み合わせるといろんなVVVF機器が作れますよー、みたいなのどうですか?
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