「新しい価値」をつくるとは、一番明快なことで言えば「新しいサービス」
を作り出すこととも言えます。
そのために最も必要な能力として、私は『聞く力』があると思っています。
『聞く力』といっても分かりづらいので事例を踏まえて考えてみましょう。
▼事例
~車検をした人が何故そのお店を選んだのか聞いてみよう。~
わが社の女性スタッフが先日車検をしてきました。
車検を受けたお店はその車を購入した中古車販売店(T社)でした。
彼女に『何故そこで車検を受けたのか?』という質問をしました。
返ってきた答えは『自宅の近くで車を買ったところだからです。』でした。
もし、ここで質問が終わってしまえば、
「やっぱり車を販売したところは車検でも強いよね」で終わってしまいます。
しかし本当でしょうか?
続けて質問します。
Q:最初からそこで車検をする予定だった?
A:いえ、A社でやろうかと思っていたのですが・・・
気づいたら時間がなくなっていて・・・
急がなければならないので、そこでやりました。
Q:最初はなんでA社で車検をやろうと思ったの?
A:同僚のSさんが車検が安いし、すぐに車検が出来る!と
言っているのを聞いたものですから。
Q:それじゃなんでA社で車検をやらなかったの?
A:12月の初旬にはそう考えていたのですが、年末に向けて仕事が
忙しくなって。。。
あと1月にSさんがA社で車検をやった後に文句を
言っているのを聞いたんです。
だからやめておこうと。
Q:でも、そこでT社が頭に浮かんだのは何故だろう?
A:結構電話くれるんですよ。
最近お車の調子どうですか?って。
それにDMも時々届くし、車検をやっていることは知って
いたんです。
Q:その他のところは考えなかったの?
A:実は2店舗ほど見積りを出してもらったんですけど、
結局はA社が一番安くって。
だからそこで予約しました。
・・・・実はまだまだ続きます。
よく新しいサービスを考えるときに「顧客を知ろう!」などと言って、
いわゆる“アンケート調査”をする会社がありますが、一般的なアンケートで
さらっと聞いたところで、顧客のことなんて分かるはずがありません。
例えば、上記女性スタッフも自分自身が何故T社で車検をしたのか?と
問われてもよく分からないのです。
そもそも人は自分のニーズなんてものを明確に把握をしていないからです。
『聞く力』とは『質問する力』でもあります。
深く深く掘り下げることで、その人の行動した本音が見えてくることが
あります。
もちろんこれは「ある人」についてのことでしかありません。
しかしながら、新しいサービスを考える上ではこれらをたくさん集めて
くることが第一歩となります。
私が考えるサービス創出力とは・・・
▼サービス創出力=『知る力』×『考える力』×『実行する力』×『検証する力』
と表すことができます。
そして
『知る力』=『見る力』×『聞く力』
に分解できます。
「実行する力」を持った会社や「考える力」を持った会社は世の中に数多あります。
しかし『知る力』を持った会社、特に『聞く力』を持った会社は少数では
ないかと思っています。
私たちインターゾーンはこの『聞く力』を磨いていく企業になりたいと
思っています。