滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【1010/81:虐待・非行防止】子育て 地域で見守る/人材網県整備へ

2010-10-09 22:45:42 | Weblog
■虐待・非行…親元から離れた子に「家」

 育児に悩む親を支え児童虐待を防ごうと、家庭の事情などで親元から一時的に離れざるをえない子どもたちを地域の人たちが預かり、守る仕組みづくりに県が乗り出した。里親や元保育士ら育児のプロが登録する人材ネットワークを整備し、今年度中の受け入れ開始を目指す。(加藤藍子)

 今年度から県が始めた「子どもと家族を守る家づくり」事業。

 里親や保育士、保健師の資格を持つ人を対象に、虐待防止の研修会を開き、受講修了者の家を「子どもと家族を守る家」に認定し、登録する。名簿は登録者が対応できる範囲の市町が管理。子どもの一時預かりが必要になるケースを受け付けた際、親の居住地への近さや、日程などを考慮して預かってくれる家を探し、依頼する。今年の研修会は11月に開き、まずは40人前後の登録を目指す。

 県によると、県内の相談機関や各市町に寄せられる児童虐待の相談件数は年々増加している。昨年度は2802件。子ども人口(18歳未満)100人あたりに換算すると1.09件で全国最多となっている。「虐待に至らなくても、育児疲れに悩む親は潜在的に増えている」と担当者は指摘する。

 子どもたちを緊急避難的に一時保護する児童相談所は「常に満杯の状態」と、県中央子ども家庭相談センター(草津市)の森本富士男次長は言う。併設の一時保護所の定員は20人。虐待や非行に加え「子育てがしんどい」「入院するが子どもを預かってくれるところがない」など、相談は増える一方だ。2年ほど前に5部屋から8部屋に増築したが、入所者の増加に追いつかない。

 「受け入れる場所が施設しかない状況が続けば、狭い場所に子どもを押し込め、ストレスを増やすことにもなりかねない」と森本次長。県内のもう一つの児童相談所、彦根子ども家庭相談センターも事情は同じだという。

 県は地域で子育てを支えようと、1995年から地域の里親や保育士経験者らが子どもを預かるショートステイ事業を始めた。しかし、担い手となる人材の発掘はなかなか進まず、実際には相談も預かりも施設に集中した。

 行政の後押しで、地域で子育てを見守る仕組みづくりは成功するか。県子ども・青少年局の担当者は「児童相談所が子育ての最後のよりどころになっている現状がある。すぐに改善するのは難しいが、少しずつ成功例を積み重ねたい」と話している。

(10月9日付け朝日新聞・電子版)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001010090003


【1010/80:中学校特別授業】「私は死に損なった」 特攻、千玄室さんが中学生に語る

2010-10-09 22:40:51 | Weblog
【写真:質疑応答で生徒たちに話す裏千家前家元の千玄室さん=草津市下笠町の松原中学校】

 茶道の裏千家前家元で、元特攻隊員の千玄室さん(87)が10月7日、草津市下笠町の市立松原中学校で「平和の祈り」と題した特別授業を行った。死を覚悟した戦争体験に約150人の3年生が聴き入った。市内6中学校にそれぞれ各界のトップを講師に招く市教委の企画「各界トップのスペシャル授業in草津」の第一弾。

 「私は死に損なった」。会場の体育館に着物姿で現れた千さんは語った。大学在学中に学徒出陣で海軍に入隊。1945年、特攻隊員として突っ込む訓練をしながら待機命令を受け、そのまま終戦を迎えた。特攻機の前で携帯用の茶道具で仲間と茶会を開いた思い出も披露。「生きて帰ったら本当の茶室で飲ましてくれ」と戦友が語る様子に身震いし、死を実感したという。

 質疑応答で、井原大文(ひろふみ)君(14)は「戦争中に家族にどんな手紙を書いたのですか」と尋ねた。千さんは「父上、母上。生を受けて22年。ありがとうございました。先に参ります。お許しください」と遺書を書き、「つめと髪の毛を切って、遺書に包んだ」と話した。

 井上暁貴(あつき)君(14)の「今の日本はどうあるべきですか」との問いには、「しっかりとした日本の伝統文化を身につければ、態度に出てくる。そうすれば日本人はもっと信頼感を得られる。それが日本の未来だ」と話した。

(10月9日付け朝日新聞・電子版)

http://mytown.asahi.com/areanews/shiga/OSK201010080136.html

【1010/79:内湖保全】「西の湖」保全、課題討論 近江八幡でシンポ

2010-10-09 22:35:21 | Weblog
【写真:地元の関心の高さが感じられた西の湖の自然環境保全を考えるシンポジウム(近江八幡市土田町・市総合福祉センター)】

 西の湖の自然環境保全を考えるシンポジウムが10月9日、地元・滋賀県近江八幡市の市総合福祉センターで開かれた。湖を「賢く利用し、守る」方法について、研究者らパネリスト8人と市民約90人が意見を出し合った。

■市民、研究者 熱心に

 西の湖の生態系に詳しい調査会社ラーゴ(近江八幡市)の西川博章さんは「同じように見えるヨシ原の中に全国的に貴重で多用な植物群落がある」と報告。外来種や過度のレジャー利用、ヨシ産業の衰退など保全上の課題を挙げた。

 県琵琶湖環境科学研究センター長の内藤正明さんは「『昔の人は湖を賢く利用していた』と言うが、今は利用すらされていない」と指摘。湖と日常生活がかい離してしまった経済のあり方から問い直す必要があるとした。

 聴衆からは、農業用水路のコンクリート張りなど、地域の利害と自然回復の折り合いについて質問が相次いだ。

 シンポジウムは、まちづくりに取り組む財団法人ハートランド推進財団の主催。生物多様性条約締約国会議(COP10)の18日開始を前に、西の湖に残る貴重な生態系と文化の重要性を考えようと開いた。

(10月9日付け京都新聞・電子版:10日付け毎日・電子版、朝日なども報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20101009000125
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20101010ddlk25040322000c.html


【1010/78:県教職員処分】懲戒教職員4人公表せず  官舎で部下セクハラ 生徒の腹にひざ蹴り

2010-10-09 22:25:12 | Weblog
■県、07~09年度 訓告、注意232件も

 県と県教委が2007~09年度に、停職や減給などの懲戒処分にした教職員4人について非公表としていたことが、読売新聞の情報公開請求でわかった。部下へのセクハラ行為や生徒に対する暴行などが理由で、ほかにも校長室のパソコンでアダルトサイトを閲覧していた校長ら、訓告・注意232件も公表していなかった。県や県教委は非公表について、「セクハラや暴行は、被害者らのプライバシーに配慮し、懲戒処分より軽いものは公表基準外だった」などと説明している。(高山千香)

 開示された公文書によると、知事部局では所属長級の男性職員が、部下の女性職員を官舎に呼んでキスをするなどのセクハラ行為により、08年3月28日付で停職6か月の懲戒処分に。部下の女性職員の胸を触ったり女性職員方の近くで待ち伏せしたりするセクハラ行為を働いた男性主幹は、07年10月5日付で停職2か月の懲戒処分とされた。

 一方、県教委は、県立学校の教頭が前任校の女性職員に自分の腹を触らせたり相手の腹を触ったりするセクハラ行為をしたとして、07年11月27日付で停職3か月の懲戒処分にした。

 生徒への暴力で懲戒処分を受けたのは、県立学校の男性職員で、過去にも生徒に暴力を振るったとして数回、文書訓告を受けた経験がありながら、別の生徒の胸ぐらをつかんだり脇腹をひざ蹴(げ)りしたりしたとして、県教委は09年7月17日付で減給10分の1(1か月)とした。

 ほかにも校長室に置かれたパソコンでインターネットに接続、1か月間にアダルトサイトを300回以上閲覧した県立学校の校長が、09年11月12日付で口頭注意を受けている。

(10月9日付け読売新聞・電子版:同日付け京都・電子版なども報道)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20101008-OYT8T01536.htm
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20101009000067

【1010/77:観光資源】長浜市、市街地庭園を観光資源に

2010-10-09 22:19:27 | Weblog
【写真:市街地の庭の樹木や石などを調査する中嶋准教授(左から2人目ら)=長浜市大宮町で】

 長浜市の中心市街地で、京都大人間・環境学研究科が市の協力で、民家の庭園を調査研究している。江戸時代に商人の町として栄えた中心市街地は、豊かな庭園文化が今なお息づいており、市は研究結果を踏まえ、将来の町づくりに生かす考えだ。

 調査は、歴史や自然を生かしたコミュニティー再生を図ろうと、市と京大が2008年度に締結した連携交流協定「風雅のまちづくり事業」の一環。

 市内には、社寺だけでなく民家にも歴史的価値の高い庭が多くあり、昨年11月から今年7月にかけて、同研究科の中嶋節子准教授(41)と永田素彦准教授(40)、学生ら延べ78人が、JR長浜駅から東へ半径1キロ圏内にある約2000軒を訪問。514軒の庭園を調査したほか、1286軒の住民から話を聞いた。

 9月の中間報告会では、明治から大正期に造られた日本庭園が半数以上で、背の高い樹木や大きな自然石が多いことが紹介された。中嶋准教授は「京都と比べ、野趣に富んだ自然主義的な庭が多い」と評し、郷土文化として保存する必要性を指摘した。

 商売人が多い土地柄から、ほこらや茶室を設けた大掛かりな庭もあり、庭を座敷とセットにした接客空間として活用した可能性も示唆した。地元で活躍した庭師の植宇(布施宇吉)が手掛けた庭も6軒確認された。

 永田准教授は、英ロンドンや長野県小布施町の個人宅の庭公開などを参考に、観光資源としての庭めぐりなどを提案した。同研究科は、来年3月に最終報告をまとめる。 (浅井弘美)

(10月9日付け中日新聞・電子版)

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20101009/CK2010100902000114.html