福井県会は9月28日、厚生、土木警察の両常任委員会を開いた。厚生では定期検査で停止している県内原発の再稼働が不透明な状況にあることについて、「安全性が国任せになっている」(山岸猛夫委員=自民党県政会)、「国が安全と言っても信じられるのか。自分たちで検証していくスタンスが必要」(斉藤新緑委員=同)などと県の姿勢に注文を付ける意見が相次いだ。一方、県が国に求めている暫定的な安全基準が示される見通しがないため、再稼働をめぐる議論が国との間で平行線をたどりかねないとの懸念の声も出た。
【原発の再稼働】山岸委員は「県独自の安全対策は何も持っていないといって過言ではない。国に振り回されている」と指摘。その上で、東京電力福島第1原発の事故後、国や電力事業者に対する国民の信頼は大きく損なわれており、再稼働を認めるのはかなり厳しいとの認識を示した。
国はストレステスト(耐性評価)を再稼働の条件とする一方、県は福島の知見を反映した安全基準を求め、前提が一致していない点について、仲倉典克委員(自民党県政会)は「安全基準を国が作成している形跡が見えない。袋小路の状態がいつまで続くのか心配している」と述べ、議論が深まらないまま問題が先送りされるとの懸念を示した。
【もんじゅ予算】高速増殖炉の実用化に向けた研究費が来年度予算の概算要求で本年度の100億円から7~8割削減する方針となっていることに対し、斉藤委員らが県の認識をただした。理事者は「議論中で確定したものではない」と説明。予算が維持される見通しのもんじゅの今後の方向性は、核燃料サイクルの重要な施設の一つとしてエネルギー政策全体の議論の中で位置づけが決められるとの考えを示した。
【敦賀3、4号機増設計画】仲倉委員が進ちょく状況を質問。理事者は「当初計画した海の埋め立てなどの準備工事は完了。(コンクリート製造所の建設や背後斜面の補強など)追加工事も76%は終わり、全体では86%になる」とし、建設の準備が進んでいる段階と認識しているとした。
【病院の耐震化】佐藤正雄委員(共産党)が、県内病院の耐震化の進ちょく率を質問した。理事者は2012年度内に、災害拠点病院全8施設と2次救急病院35施設のうち27施設が完了すると説明。県全体では「72病院があり、同年度内に51施設の工事が終わり耐震化率は70%になる」と述べた。
【食の安全・安心】細川かをり委員(無所属)が、魚介類の加工品など産地の記載のない食品に不安があると指摘した。理事者側は「不安だと言うことで調査するのは困難だ。情報があって品目が特定されれば対応できる」と答えた。
(9月29日付け福井新聞・電子版)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/30720.html
【原発の再稼働】山岸委員は「県独自の安全対策は何も持っていないといって過言ではない。国に振り回されている」と指摘。その上で、東京電力福島第1原発の事故後、国や電力事業者に対する国民の信頼は大きく損なわれており、再稼働を認めるのはかなり厳しいとの認識を示した。
国はストレステスト(耐性評価)を再稼働の条件とする一方、県は福島の知見を反映した安全基準を求め、前提が一致していない点について、仲倉典克委員(自民党県政会)は「安全基準を国が作成している形跡が見えない。袋小路の状態がいつまで続くのか心配している」と述べ、議論が深まらないまま問題が先送りされるとの懸念を示した。
【もんじゅ予算】高速増殖炉の実用化に向けた研究費が来年度予算の概算要求で本年度の100億円から7~8割削減する方針となっていることに対し、斉藤委員らが県の認識をただした。理事者は「議論中で確定したものではない」と説明。予算が維持される見通しのもんじゅの今後の方向性は、核燃料サイクルの重要な施設の一つとしてエネルギー政策全体の議論の中で位置づけが決められるとの考えを示した。
【敦賀3、4号機増設計画】仲倉委員が進ちょく状況を質問。理事者は「当初計画した海の埋め立てなどの準備工事は完了。(コンクリート製造所の建設や背後斜面の補強など)追加工事も76%は終わり、全体では86%になる」とし、建設の準備が進んでいる段階と認識しているとした。
【病院の耐震化】佐藤正雄委員(共産党)が、県内病院の耐震化の進ちょく率を質問した。理事者は2012年度内に、災害拠点病院全8施設と2次救急病院35施設のうち27施設が完了すると説明。県全体では「72病院があり、同年度内に51施設の工事が終わり耐震化率は70%になる」と述べた。
【食の安全・安心】細川かをり委員(無所属)が、魚介類の加工品など産地の記載のない食品に不安があると指摘した。理事者側は「不安だと言うことで調査するのは困難だ。情報があって品目が特定されれば対応できる」と答えた。
(9月29日付け福井新聞・電子版)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/30720.html