滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【0810/221:ラムサール条約】西の湖と長命寺川を登録:ラムサール条約湿地、区域拡大

2008-10-31 23:51:24 | Weblog

 近江八幡市と安土町にまたがる「西の湖」と、琵琶湖につながる「長命寺川」が、世界の湿地の保全を目指すラムサール条約湿地として正式に登録された。既に登録済みの琵琶湖の区域を拡大。韓国で開催中の第10回締約国会議で10月30日、登録認定証が授与された。専門家は「人の活動と自然の調和が保たれてきた貴重な場所で、登録の意義は大きい」と評価する。

 西の湖は220ヘクタールあり、琵琶湖につながる29の内湖の総面積の半分を占める。約3キロの長命寺川を通して琵琶湖に注ぐ。琵琶湖は1993年に条約湿地として登録されており、今回、その登録区域6万5602ヘクタールに新たに382ヘクタールが加わった。

 拡大分は0・5%にすぎないが、広大なヨシ群落と多彩な動植物の生息地として価値が高いと研究者は見る。ヨシ群落は109ヘクタールあり、近畿地方で最大級。貴重種とされる植物26種が育ち、約120種の鳥類が生息する。

 県琵琶湖環境科学研究センターの西野麻知子・総合解析部門長は「ヨシ群落の6割が集中する内湖が登録区域に含まれていなかったことが不自然」と、追加登録を評価する。

 西野さんはヨシを生活に利用する人間の活動で、西の湖周辺の生態系が200年以上維持されてきたことを指摘。「土地利用が長い間変わらないことで人為的な自然がつくられ、生き物との調和が保たれてきた」という。

 外来魚の繁殖に脅かされている琵琶湖固有の魚の種類が多いことも西の湖の特徴だ。開発を免れたヨシ群落や小さな水路、複雑な地形が残されているからとみられる。

 西野さんは「近年はヨシの利用が少なくなり、ヨシ産業が衰退している。登録拡大で注目が集まり、持続的な土地の利用につながってほしい」と期待している。
 (林勝)

(10月31日付け中日新聞・電子版:同日付け京都・電子版なども報道)

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20081031/CK2008103102000001.html

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008103000203&genre=H1&area=S00


【0810/220:「大津京」問題】大津京に関心を、壬申の乱題材に壁画 :地元の日本画家作画を展示

2008-10-31 23:25:32 | Weblog

【写真:京の歴史を描いた壁画シリーズ「大津京逍遙」(大津市・市伝統芸能会館)】

 「白村江の戦い」や「壬申の乱」を題材に、大津市在住の日本画家鈴木靖将さん(64)が描いた壁画シリーズ「大津京逍遙(しょうよう)」の完成が近づき、10月31日から、大津市園成寺町の大津市伝統芸能会館で展示する。絵画には、市民ら約500人が描かれており「大津京に親しみを持ってほしい」という。

 鈴木さんが事務局長を務める「大津京への道」実行委員会の活動の助けに、と昨秋から取り組んできた。大津に都があった前後の約30年間の出来事から選んだ「白村江の戦い」「遷都・大津京造営」「蒲生野遊猟」「壬申の乱」「柿本人麻呂挽歌(ばんか)」の5点。

 1枚の大きさは縦2メートル、横1・4メートル。蒲生野の薬草摘みと狩りの様子を描いた絵や、大海人皇子が兄の天智天皇の前で床にやりを突き立てた事件から壬申の乱につながる絵など4枚が完成した。大津の宮をしのんで歌を詠む柿本人麻呂を描いた5枚目は間もなく完成予定という。

 趣旨に賛同した約500人の「大津京サポーター」が、大友皇子や兵士、渡来人として登場している。鈴木さんは「自分のまちの歴史に関心を持って」と呼びかけている。11月2日まで。31日と11月1日にコンサート(有料)もある。

【関連ニュース番号:0806/68、6月12日;0802/149、2月24日など】

(10月31日付け京都新聞・電子版:同日付け朝日・電子版なども報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008103100053&genre=K1&area=S00

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000810310003

【0810/219:ヨシ(葦)保全】ヨシ名刺:滋賀銀グループ、4日から順次変更:保全に貢献

2008-10-31 23:15:28 | Weblog

 水質の浄化作用を持つとされるヨシを活用しようと、滋賀銀行(本店・大津市)は11月4日から、グループ企業も含めた全職員約3000人の名刺を、琵琶湖のヨシを配合した紙に順次替える。同行は毎冬、湖岸でヨシ刈りのボランティアをしており、ヨシ紙として購入し、関連会社で名刺にすることで販路を作り、ヨシの保全に貢献する狙い。

 ヨシ群落は水中の窒素やリンなどを吸収するとされ、魚や鳥の生息地だが、過去50年で約3分の2に減少。県が92年にヨシ群落保全条例を制定した。

 同行は、ボランティアで毎年刈り取るヨシを「淡海環境保全財団」(大津市)に引き取ってもらい、同財団が加工したヨシ紙(配合率30%)を購入。関連会社「しがぎんビジネスサービス」で名刺を印刷する。年間約55万枚のヨシ紙名刺をグループに提供し、各役員や職員は手持ちの名刺がなくなれば、順次、ヨシ名刺に更新する。

 同行は「琵琶湖の環境保全に向け、これまでヨシを『守り、育てる』活動を続けてきたが、さらに『使う』という新しい段階に入った」と話している。【鈴木健太郎】

(10月31日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20081031ddlk25020384000c.html

【0810/218:新幹線新駅中止】決定1年、区画整理にめど:後継プラン基本構想

2008-10-31 23:02:09 | Weblog

 新幹線新駅(栗東市)の中止から1年になるのを受け、国松正一市長は10月30日、「(新駅予定地周辺の)区画整理事業(の廃止)についても一定のめどがついた。今後の社会情勢を考えながら、後継プランの基本構想に取り組む」などと話した。

 新駅は昨年10月末、同市などとJR東海との協定が終了し、中止が決定。同市は現在、同事業の廃止手続きを進めると共に、廃止後の後継プランについて県と協議。庁内のプロジェクトチームも設置し、来年度中に基本構想をまとめる。

 基本構想では道路の配置を含めた土地利用の区分けなどを示す。国松市長は「地権者や自治会長らの意見を聞きながら作りたい」と述べた。【南文枝】

【関連ニュース番号:0810/63、10月10日など】

(10月31日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20081031ddlk25010376000c.html


【0810/217:県造林公社問題】特定調停 さらに検討意見:下流5団体、債務処理で

2008-10-31 22:56:37 | Weblog

 1000億円以上の債務がある県造林公社、びわ湖造林公社の再建問題で、下流自治体など債権者との特定調停の第7回会合が10月30日、大阪地裁であった。

 県によると、公社側は債務圧縮を改めて要請したが、下流の5団体は債務処理の内容について、さらに検討が必要との意見を出したという。下流側は滋賀県に対し、さらに債権放棄の努力を求めているとみられる。

 一方、県は体制強化で11月1日付で森林政策課内に造林公社対策室(6人)を新設。室長は同課の中嶋英明・主席参事が兼ねる。

 さらに、県は学識者と市民らでつくる第三者機関「造林公社問題検証委員会」を設け、委員1人を公募する。

 県内に在住か通勤・通学し、11月1日現在で20歳以上が対象。任期は来年9月末まで。1~2カ月に1回ペースで平日に開く予定。

 応募は所定の応募書と、造林公社や森林政策の意見書(1000字程度)を記入。〒520-8577 滋賀県森林政策課(住所不要)に郵送する。11月11日必着。ファクス(077・528・4886)か電子メール(dj00@pref.shiga.lg.jp)でも可。応募書は同課にあり、県ホームページでもダウンロードできる。問い合わせは同課(077・528・3913)。【服部正法】

【関連ニュース番号:0810/215、10月31日など】

(10月31日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20081031ddlk25010364000c.html