滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【1010/89:トチノキ】高島で県内最大トチノキを発見 樹齢400~500年幹、回り7.2メートル

2010-10-11 22:52:06 | Weblog
 樹齢200~400年のトチノキの巨木林が残る高島市朽木地域で10月10日、県内最大とみられる幹回り7・2メートルのトチノキが見つかった。発見した希少野生動植物保存推進員(環境省委嘱)の青木繁さんは「安定した生育環境があることが分かる」と話している。

 青木さんによると、トチノキは東日本を中心に生える落葉樹で、近畿では主に県内や京都府の北部に分布。朽木地域は、巨木とされる地上から高さ1・3メートルの幹回り3メートル以上のトチノキが約150本あると推定され、これまでの県内最大は7メートル。

 今回のトチノキは、青木さんらが安曇川支流の水源域の標高約570メートル地点で発見。高さ22メートル、樹齢400~500年。

 同地域のトチノキが生える場所は大半が私有林で、伐採の規制はない。一昨年から40本以上が切られ、高級マンションの内装材に使われているという。今回のトチノキも切られる可能性がある。

 トチノキは広範囲に根を張るため周りに木が生えず、伐採すると周囲が空き地になる。青木さんは「伐採は合法」と指摘した上で「樹齢数100年のトチノキは再生がほぼ不可能で、生態系への影響が大きい。社会的価値を認め、保護も必要ではないか」と訴えている。 (対比地貴浩)

(10月11日付け中日新聞・電子版:13日付け毎日・電子版なども報道)

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20101011/CK2010101102000126.html

【トチ:高島・朽木の巨木林、県内最大確認 市民「保全を」…伐採寸前に回避】

 日本固有種トチの巨木林で知られる高島市朽木の安曇川源流域で、県内最大のトチの巨木が確認された。幹回り7・2メートル、樹高22メートル。これまでの朽木平良(へら)の樹齢400年と推定される古木(幹回り7メートル)を上回る。

 朽木では昨年来、銘木として業者によるトチ伐採が進み、数十本が失われたとみられている。市民らから森林資源の保全を求める声が上がり、この最大木も伐採準備に入っていたが回避されそうだという。

 環境省の希少野生動植物保存推進員を務める青木繁さんが、9日のトチ巨木観察会で県内最大木と確認した。近くで多賀町に次ぐ県内2番目の巨大カツラ(同11メートル)も確認した。

 青木さんらによると、トチは山野の渓谷林として古くから日本人の生活に結びついていた。寿命は長く300~400年とされる。木材利用のほか、食用となるトチの実採取が広く行われ、さらに県内では救荒植物として意図的に残されて巨大古木林となったという。

 根を深く、広く張るトチは山の土壌を保全するとともに水源の森を形成。こずえは根張りと同じ範囲に及ぶためうっそうとした森に。伐採跡では逆に、消えたこずえの巨大空間が開けている。青木さんは「朽木のトチ巨木林は西日本有数。植生の回復不能を避けるため、県を通して環境省に報告する」と話している。【塚原和俊】

(10月13日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20101013ddlk25040470000c.html




【1010/88:水郷水都会議】市民らで考える流域治水 栗東で水郷水都会議開かれる

2010-10-11 22:38:50 | Weblog
 水環境を考える市民や研究者ら約110人が参加した水郷水都全国会議の滋賀大会が10月10日、栗東市内で開かれた。嘉田由紀子知事が流域治水の取り組みを説明したほか、水と人を近づける遊びの大切さなどを話し合った。

 会議は1984年に県内で開かれた世界湖沼環境会議を機にスタートし、26回目。9日は県立琵琶湖博物館などでの現地説明会があった。

 基調講演した嘉田知事は「水害はゼロにできない」との発想から、「生活者の立場から、自分の家の安全度が大切」と流域治水の考え方を説明。「縦割りの行政を横につないだ治水が必要だ」と述べた。

 徳島・吉野川の可動堰(ぜき)計画をストップした市民団体のリーダー姫野雅義さんの悲報が届いたばかり。彼が進めた「川の学校」に加わった若者らが、川遊びで培った思いを涙ながらに報告し、パネル討論でも川を好きになる仕組みづくりを話し合った。全国会議共同代表の大熊孝・新潟大名誉教授は「遊びは心と体をつくる人間形成の根本。姫野さんの活動はそれを示した」と話した。

(10月11日付け朝日新聞・電子版:同日付け毎日・中日の電子版なども報道)

http://mytown.asahi.com/areanews/shiga/OSK201010100092.html
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20101011ddlk25040246000c.html
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20101011/CK2010101102000125.html

【1010/87:生物多様性会議】生物多様性条約会議の国内開催受け 琵琶湖ホテルで世界湖沼フォーラム 

2010-10-11 22:28:03 | Weblog
 名古屋で開催の「生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)」に合わせたパートナーシップ事業として(財)国際湖沼環境委員会は、10月17日午後1時半から琵琶湖ホテルで「世界湖沼フォーラム」を開催する。参加無料。

 同委員会では、世界の湖沼の持続的な管理を推進するために、世界の各地の湖沼流域において、統合的湖沼流域管理による取り組みを推進しているが、湖沼の生物多様性の観点からも生息環境の保全を図ることは、湖沼の持続的な管理と保全において非常に重要となっていることから、COP10の集まりを好機とらえ同フォーラムを開催する。

 第一部では、ジョン・ギッチュキ氏(ケニア海洋水産研究所キスムリサーチセンター長)、藤岡康弘氏(滋賀県水産試験場長)、ピーター・レンゲル氏(UNESCO Pro Natura研究員・ルーマニア)、呉地正行氏(日本雁を保護する会会長)の四氏が発表し、第二部のパネルディスカッションに移る。

 発表では、まず、アフリカと日本を代表する湖であるビクトリア湖と琵琶湖の淡水魚に焦点をあて、それぞれの湖における魚類や漁業の現状と湖沼環境の抱える課題について国内外の研究者が講演する。

 次に、湿地と人間活動の関係の視点から東ヨーロッパの環境保全活動の発表と、国境を越え飛来する水鳥の種類や飛来時期、飛来場所の変遷から、生息環境や湖沼環境の変化、さらに地球温暖化との関係などについて解説する。

 続いてのパネルディスカッションでは、多様な生命体の生息域である湖沼環境の保全について、地球温暖化の影響のように魚と水鳥など生物に共通する課題や、これから私たちがどのように生物多様性をとらえ、行動すべきかなどについて議論を深める。

(10月11日付け滋賀報知新聞・電子版)

http://www.shigahochi.co.jp/info.php?type=article&id=A0005800