滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【1010/215:野洲駅前再開発】アサヒビールがJR野洲駅前の一等地売却方針 市は反発

2010-10-26 23:30:05 | Weblog
【写真:JR野洲駅(中央奥)近くのアサヒビールの土地=野洲市】

 野洲市は10月25日、JR野洲駅前の一等地約9400平方メートルを所有するアサヒビール(本社・東京)から、土地の売却方針が伝えられたことを明らかにした。市に購入意思を打診し、今月末までに意思表明がなければ第三者への売却を進めるという。財政難の市は、駅前開発の方針が定まらないまま売却するのは「承服できない」と反発。「検討期間を1年程度みてほしい」とアサヒビールに申し入れる。

 同日の市議会で山仲善彰市長が明らかにした。

 市の説明によると、旧野洲町は1983年、駅前の土地1.5ヘクタールを所有する日本麦芽工業(現・アサヒビールモルト)から、駅前開発を前提に土地を買い取る合意書を結んだ。しかし、86年に同社を買収したアサヒビールは自社開発の方針を打ち出し、合意書は履行されなかった。後に一部が売却され、市の駅前ロータリーが整備され、民間業者のマンションが建ったが、残る9400平方メートルの開発のめどは立っていない。

 山仲市長によると、今年7月末、アサヒビールの役員が市役所を訪れ、土地の一部を貸しているスーパー銭湯の業者との契約が来年7月に切れるのを機に、土地を売却する意向を伝えてきた。さらに今月8日、「市に購入の意思があれば今月末までに申し出てほしい。要望がなければ第三者への売却活動を進める」「今年11~12月に入札説明会を開き、来年7月以降に物件を譲渡する」などと記した文書が届いた。

 問題の土地は、以前は「近隣商業地域」だったが、いまは容積率の制限がさらに緩和された「商業地域」。「地価は倍にはね上がり、とても買える状況ではない」と市幹部。「とはいえ、市の顔である駅前が切り売りされるのはかなわない」

 市の言い分はこうだ。83年の合意書を履行せず、自社開発を打ち出したアサヒビールに不満があったものの法的手段は取らなかった。逆に同社の駅前開発に市が協力する覚書、確認書を数回にわたり交わしてきた。

 結局、同社は自社開発をあきらめ、売却方針に転じた。市幹部は「過去の努力を水の泡にするのか」「屈辱的だ」と、不信感を隠さない。

 ただ、市側に弱みもある。市は2005年、アサヒビールは土地の売却の際は市の意見を尊重するものの、意見に沿うことができない場合、「市は最終決定に異議申し立てをしない」との確認書を交わしていた。08年に就任した山仲市長は「引き継ぎがなかった」として当時の経緯を調べる方針だが、確認書に従えば売却方針を覆すことはできない。

 一方で、確認書には「相互尊重と協調の精神に基づき、野洲駅前の活性化と発展を共に願い、目指していくことを基本理念とする」ともあり、山仲市長は「この基本理念や過去の経緯も踏まえた対応をしてほしい」と訴えている。

 アサヒビールの広報担当者は「市の立場はまだ直接聞いていないので、コメントできない」としている。(飯竹恒一)

(10月26日付け朝日新聞・電子版)

http://mytown.asahi.com/areanews/shiga/OSK201010250203.html

【1010/214:人里クマ出没】 県内でも、4月以降最多172件/県 「朝夕外出控えて」

2010-10-26 23:20:40 | Weblog
 街中へのクマの出没が全国的に見られる中、県内でも大津市や長浜市の民家や畑など人里近くで目撃が相次いでいる。冬眠前には栗や柿、ドングリなどの餌探しが活発化するが、山中で不作のためとみられ、県自然環境保全課によると、今年4月からの報告件数は、同期比で過去最多の172件(10月25日現在)に上っているという。同課などは「冬眠に入る11月中旬頃までは早朝や夕方の外出を控え、外出時は複数人で行動するか、音の出るものを携帯するように」と呼びかけている。

 大津市南小松の民家庭で25日午前1時15分頃、親子とみられるクマ2頭が食べ物を探すような姿を、住人が屋内から目撃して110番。クマは警察官が到着する前にいなくなった。

 同市北比良の比良川土手周辺でも、親子3頭が目撃されるなど、14~24日に計4件の目撃情報があった。同市内では例年、クマの姿を見るのはまれで、市は「異例の事態」としている。長浜市中心部でも24日夕、神照幼稚園(新庄寺町)近くの田んぼを歩く姿が目撃されるなどしている。

 県自然環境保全課によると、大津市で22件、高島市98件、長浜市39件、米原市13件の目撃があったほか、〈クマ不在〉とされていた彦根市でも今月初旬に、木の実を食べた後に残される「クマ棚」が初めて確認されている。

(10月26日付け読売新聞・電子版)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20101025-OYT8T01154.htm

【1010/213:県立高再編問題】「1年間の説明期間を」 反対派の団体が直訴、知事は立場崩さず

2010-10-26 23:00:48 | Weblog
【写真:嘉田知事(左)に県立高校の再編計画の一時中止を求める計画に反対する団体の関係者=県庁で】

 県教育委員会が本年度中に策定を予定している県立高校の再編計画に反対する「県立高校の統廃合を考える会」「湖北の高校を守る会」「彦根・愛知・犬上の高校を守る会」は10月25日、嘉田由紀子知事に、計画を一時中止、1年間の県民への説明期間をつくるよう要望した。嘉田知事は教育への思いなどを述べるにとどめた。

 3団体は▽生徒は本当に減少傾向なのか▽高校再編で財政健全化がどこまで実現できるのか▽子どもが切磋琢磨(せっさたくま)できる環境は大規模校だけなのか-などを問いかけた。

 嘉田知事は「学科の細分化が進み、県教委から定員を満たしていない高校があると聞いている」と再編が必要との立場を崩さず、説明期間の必要性には一切触れなかった。

 嘉田知事は3団体の一連の統廃合反対の活動に触れ「いっぺんに何校がなくなると言われると、一番大事な議論がなくなる」「(再編計画の中で)子どもの視点、生徒の視点が大切だと議場で一貫して言っているが、私の意見を聞いてくださらないので悲しい」と述べた。

 県教委が議論を委ねている「県立学校のあり方検討委員会」が示した1学年当たり6~8学級とする適正学級数には、知事は「私は4学級以下が対象になると1度も言っていない」と声を大きくする場面も。出席者が「県教委の説明会ではそう言っていたが」と食い下がると、嘉田知事は「少なくとも私は議会で1度も答えていない」と突っぱねた。

 「湖北の高校を守る会」の事務局長でもある対月慈照さんは小規模校の良さに触れ「今の子どもはさまざまな社会情勢で不安定に生きている。状況をつかんで対応する丁寧さがなければなりたたない。統廃合は許せない」と訴えた。 (木原育子)

【関連ニュース番号:1010/135、10月17日;1010/66、10月8日など】

(10月26日付け中日新聞・電子版:同日付け毎日・朝日の電子版なども報道)

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20101026/CK2010102602000115.html
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20101025-OYT8T01155.htm
http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001010260002


【1010/212:生物多様性会議】知事「魚のゆりかご水田」PR 国際自治体会議、取り組み発表

2010-10-26 22:56:27 | Weblog
【写真:分科会で発言する嘉田知事=名古屋市のホテルで】

 名古屋市で開催中の世界生きもの会議(COP10)の関連会合「生物多様性国際自治体会議」(愛知県など主催)が10月25日、同市のホテルで始まった。自治体による生態系サービスの活用をテーマにした分科会で、嘉田由紀子知事が、魚のゆりかご水田の取り組みを発表した。

 知事は1940年代以降、人間の開発により内湖やヨシ原など琵琶湖に生きる魚の産卵場所が失われている状況を説明。90年代以降、魚道を造り、ニゴロブナなど琵琶湖の固有魚が田んぼに戻ってきていることを紹介し「琵琶湖で生態系が損なわれてきている状況は、地球全体を見通す小さな窓。小さな取り組みだが、生き物と社会、人間の精神のバランスがとれた実践例として未来に提案できるプロジェクトだ」とアピールした。

 ほかに、愛知県豊田市やマルメ(スウェーデン)、ワイタケレ(ニュージーランド)などが事例を発表。生物多様性の意識を市民レベルで高め、先進国の例を途上国に生かす方策などを議論した。

 会議は2日間の日程で、30カ国の約130自治体や学術機関、国際機関など計240団体が参加。8分科会の結果を受け、生物多様性保全について、地方自治体が果たすべき役割の重要性を行動計画にまとめ、COP10閣僚級会合に提出、活動をアピールする。
 (曽布川剛)

(10月26日付け中日新聞・電子版:同日付け朝日・電子版なども報道)

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20101026/CK2010102602000113.html
http://mytown.asahi.com/areanews/shiga/OSK201010250201.html


【1010/211:琵琶湖アユ】産卵数2倍超 天敵カワウ駆除が効果

2010-10-26 22:48:42 | Weblog
 琵琶湖のアユの産卵数が10月中旬までで247億個と、過去10年間の平均の2倍に上ることが10月25日までに、滋賀県水産試験場(彦根市)の調査で分かった。例年より産卵ピークが遅く、11月上旬までにさらに増える見通し。試験場は、アユを食べるカワウが激減したため親魚が多く生き残ったことなどが要因とみている。

 試験場はアユの主要な産卵場となる11河川を、毎年8月末から4回にわたって調べている。今シーズンは産卵ピークとされる9月下旬までは計115億個にとどまっていたが、10月中旬に同時期の平均の7倍となる132億個を記録した。合計247億個となり、2000年から10年間の平均の1シーズンあたり115億個を大きく上回った。「産卵ピークが遅く、現在も多くのアユが川へ遡上(そじょう)している。まだまだ増えそう」(同試験場)という。

 産卵数が好調な要因として、試験場はアユの親魚が多かったことを挙げる。産卵期直前の8月に魚群探知機で調査したところ、過去10年間の平均の4・5倍もの魚群が確認された。アユを食べるカワウの生息数が、例年の4万~3万5000羽から今春は2万2000羽と激減。県が昨年度に再開した銃器駆除で、効果が表れているという。8月下旬から雨が多く、川の水量が豊富なことも要因としている。

 ただ、来年以降も同じ規模の産卵数を維持できるかについて、試験場は「アユの寿命は1年で、その年ごとの条件に影響を受けやすい。今年だけの単発的なものではないか」とみている。

(10月26日付け京都新聞・電子版)

http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20101026000015