県の下水処理施設「湖南中部浄化センター」(草津市)の周辺自治会に対して県などが環境対策負担金の名目で「めいわく料」を支払っており、そのうち平成11年度以降に支払われた「めいわく料」は違法であるとする判決が昨年7月に大阪高裁で下され判決が確定しました。これを受け、市民団体「市民オンブズ淡海」(田中健雄代表)が、平成11年度以降に県から支払われた「めいわく料」計3500万円の返還を周辺自治会に請求するよう求めて提訴していましたが、大津地裁で11月27日に判決が下され、稲葉重子裁判長は訴えを却下しました(ニュース番号0610/54,10月21日などを参照)
稲葉裁判長は、提訴に必要な住民監査請求期間は今回の場合、「めいわく料」の支払いが行われてから1年以内だが、原告側の請求はこの期間を過ぎた後に行われたものであり、「住民監査請求そのものが不適法であり、訴訟も不適法である」と判断しました。
この判決について、市民オンブズ淡海代表の田中健雄氏は「裁判の結果は、本論に入らず提訴の要件を問題にしたものであり、いわば門前払いである。このため、昨年7月に大阪高裁で明確に違法と認定された公金の支出について、県が返還請求を行おうとしないために訴えたのであるが、この点に関する司法の判断は下されなかった。すなわち、この裁判で、返還請求を行おうとしない県の方針が正しいとされたわけではない。公判中に裁判長から県側に対して和解の提案が行われたが、嘉田知事は和解提案を拒否した。県が裁判長の提案に応じていれば返還請求への道が開けたはずだ。また、嘉田知事は知事選前の集会で、この問題についての私の質問に対して、『知事に当選したら、当然返還請求を行う』と明言していたことから、当然裁判長の提案に応じるべきであった。それにもかかわらず、税金の無駄遣い《もったいない》をスローガンに掲げた知事は、和解を拒否し、その結果公金の違法な支出がこのまま放置されることになる。嘉田知事は現行不一致と言わざるを得ない。また一度和解を提案しながら、結局は門前払いするという裁判のやり方も納得できない」」と話しました。
(11月28日付け京都新聞も報道)