【写真:合併協定書に調印する冨士谷市長(左)と津村町長=近江八幡市・ホテルニューオウミ】
滋賀県近江八幡市・安土町合併協議会の会議が5月31日、同市のホテルで開かれ、両市町が合併協定書に調印した。両市町議会の廃置分合議決などを得て、2010年3月21日の新市「近江八幡市」誕生を目指す。合併方式は対等合併で、人口は約8万1000人になる。
協議会は安土町の申し入れで4月に発足。5回の会議で新市名や合併方式などを協議し、31日は市議定数など8項目を承認した。合併後、安土町域は「近江八幡市安土町」となり、14年3月末まで滋賀県内で初めての地域自治区が設置される。
調印後、近江八幡市の冨士谷英正市長は「今日までの誇りうるまちづくりを大切に、新市の一体性を確保したい」と述べ、安土町の津村孝司町長は「将来にわたり住民サービスを維持する体制ができたことをうれしく思う」と話した。
両市町の合併をめぐっては、合併に反対する安土町の住民団体「急ぐな合併・守ろう安土みんなの会」が津村町長のリコール(解職請求)の手続きを進めており、この日は会場のホテル前で会員らが抗議行動をした。両市町は04年と05年にも合併協議をしたが、いずれも安土町が町民の反対を理由に破談を申し入れている。
【関連ニュース番号:0905/266、5月30日;0905/276、5月31日など】
(5月31日付け京都新聞・電子版:6月1日付けその他各紙も報道)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009053100134&genre=A2&area=S00
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20090601/CK2009060102000019.html
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20090601-OYT8T00068.htm
http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000906010002
【市町村合併:近江八幡市と安土町、協定に調印/反対派町民「ゴリ押し」批判】
近江八幡市と安土町の合併を協議していた近江八幡市・安土町合併協議会は31日、すべての協議を終え、同夜、両市町長らが協定書に調印した。それぞれの議会で承認されれば、来年3月21日に新「近江八幡市」が誕生する。同協議会は今年4月1日に発足、法定協議会は5回だけの超スピード協議。安土町では、合併に反対する住民が町長のリコール運動を進めており、成り行きも注目される。
最終の法定協議会は同日午後6時から近江八幡市内のホテルで開かれた。協議会に臨む委員に対し合併反対派の住民約40人がホテル前の路上で「ゴリ押し合併反対」「安土の名を残せ」などと要請活動をしたがトラブルはなかった。
協議会では、前回提案された新市の基本計画案や新議会の議員定数(現在の近江八幡市20、安土町10を計24に)、任期など8件について協議。この日も特に反対意見はなく賛成多数で可決。37項目の協議事項すべてが承認された。
午後8時過ぎから同ホテルで調印式が行なわれた。冨士谷英正・近江八幡市長、津村孝司・安土町長、調印特別立会人の嘉田由紀子知事ら約40人が出席し、両市町長が協定書に調印した後、嘉田知事と23人の立会人が署名した。調印の後、合併協議会の冨士谷市長は「新法期限内の合併を目指してきたのでうれしい。合併は、終着点でなく新しい街づくりのスタート。地域の宝にさらに磨きをかけ、夢のある市にしたい」と述べた。地元で反対の動きが高まっている協議会副会長の津村町長は「これまでの経緯は平坦でなかったが、この日を迎えられて感激。独自の文化と歴史を歩んできた両市町がともに手をとり、全国に誇れる街づくりを進めたい」と語った。
近江八幡市と安土町の合併については、05年にも法定協議会を設け、新市名も「安土八幡市」と決まったが、住民アンケートで反対が多く挫折した経緯がある。今回も、合併を推進する津村町長に住民グループが異を唱え、津村町長のリコールへ署名簿を町選管に提出している。【斎藤和夫】
(6月1日付け毎日新聞・電子版)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20090601ddlk25010248000c.html