滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【0607/25:大津市、監査請求】旧志賀町議らが7月28日、し尿処理施設建設は「談合」と監査請求

2006-07-30 00:51:40 | Weblog
今年3月に編入合併により大津市になった旧志賀町が2004年に行ったし尿処理施設工事の入札で業者間で談合が行われていたとして(落札価格17億1100万円)、旧志賀町議の砂川次郎氏ら市民二人が7月28日、大津市長が落札業者、旧志賀町長、関係した旧志賀町職員に対して損害賠償を求めるよう、住民監査請求を行いました。

監査請求書によれば、この入札に参加した4社(アタカ工業、栗田工業、日立造船、住友重機)はいずれも、全国の汚泥・し尿処理施設建設工事の入札をめぐり談合を繰り返していたとして、大阪地検が2006年6月にこれらの業者を独禁法違反罪で起訴しています。

砂川さんらは、旧志賀町の入札でも談合が行われていたとして、4社以外の業者が同規模の処理施設の工事を落札した際の金額と旧志賀町の施設の落札額の差額、7億円~10億円を、落札したアタカ工業、旧志賀町長、関係した旧志賀町職員に対して大津市長が返還請求を行うことを求めています。

監査請求所の内容は以下の通りです。

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大津市監査委員 様
住民監査請求書
(大津市職員措置請求書)

請 求 の 要 旨
1. 旧志賀町し尿処理施設(衛生センター)の談合について
全国規模で行われていたとされる、し尿処理場の入札談合事件について6月12日の新聞報道( 証拠1として後ろに添付 )により11社11名が起訴されたことにより、単に捜査のみでなく検察が自供など確信を持って起訴したことで、この疑惑が推測の域を出て事実であることが判明した。

新聞報道( 証拠1、2 )によると、 汚泥・し尿処理場の入札において 複数メーカーが30年前より談合組織を作り( 証拠11 )少なくとも2003年より本年摘発までの間、談合の繰り返しが明らかとなり、起訴状には、11社は04年12月~05年7月、静岡、三重、大阪、山口、福岡、長崎、熊本の7府県の8施設工事( 落札総額約230億円 )をめぐり、入札前に落札会社や各社の応札額を決める談合をしたとされる。
( ▽クボタ ▽荏原製作所 ▽栗田工業 ▽アタカ工業 ▽JFEエンジニアリング ▽西原環境テクノロジー ▽日立造船 ▽住友重機械工業 ▽タクマ ▽三井造船 ▽三菱重工業。 結局11社11名が起訴された。 )

談合組織は各会社に報告等の義務を負わせ緻密に全国の入札を支配しており、旧志賀町し尿処理施設= 衛生センターにおいてもまさにこのグループが入札に参加し、談合によって高値落札したことは明らかである。( 証拠5 )

( 公正取引委員会および、大阪地検の捜査等々で全国規模の事件内容が明らかとなっており、2004年に入札が行われた旧志賀町し尿処理施設= 衛生センターも上記談合時期と重なっている。)

2. 損害の算定と請求権の行使
そこで過去の各種談合事件の判例からすると損害額はおよそ5%から15%
と算定されている。しかし本件の談合では別紙証拠から三井造船が入札のために試算した金額が明らかとなっている。三井造船主張の予定していた入札金額は10億円以下( 証拠12 )( 証拠9 )であることから、  落札価格17億1100万円( 証拠10 ) マイナス 10億円 イコール 7億1100万の損害額。
( 証拠13 ) 例 5. の 山梨県南部町 を適応した場合は、3000万円/kl( 旧処理場解体費用、汚泥堆肥化プラントを含む ) × 23kl/日( 旧志賀町衛生センター設計要求処理能力 ) = 6億9000万円、 よって 落札価格17億1100万円( 証拠10 ) マイナス 6億9000万円 イコール 10億2100万円の損害額。
処理方法が標準脱窒素処理方式であるが、旧志賀町指定の方式でも額はそう変わらないと三井造船は主張( 証拠12 )している。 


よって 10億2100万円 または 最低でも7億1100万円 これが談合によって違法、不当につり上げられた算定金額であり、旧志賀町現大津市は莫大な損害を受けていることになる。
 また談合がなかったと仮定しても 「 入札業者から不当に三井造船を排除していなければ当該衛生センターは三井造船( 当時談合組織に加わっていなかった )が落札していた 」 のでありこの点から考察しても損害の事実は明白である。
 ところがこれら事実があるにも関わらず、大津市長は調査もせず、損害金の算定も行わず、これを放置したままにしている。これは明らかに怠る事実に該当する。即ち明白な談合グループが当該衛生センター入札にも参加、支配し、しかも同規模建設費用は不当に排除された三井造船が正確に出していることからその差額分にたいして返還請求権があるにも係わらず請求権を行使していないのである。

 よって監査委員は大津市長に対し、速やかに当該談合によって生じた10億5100万円または最低でも7億1100万円ならびに法定利息を含めた額を旧志賀町長、当該入札事件に関係した旧志賀町職員、及び不当利得したアタカ工業に連帯して損害を賠償するように、との勧告を求める。

地方自治法第242条第1項により事実証明書を添付します。
2006年7月28日

(7月29日付け毎日新聞も報道)

【0607/24:新知事所信表明演説】7月26日の県議会で嘉田由紀子・新知事が所信表明演説(要旨)

2006-07-28 01:36:13 | Weblog

7月26日の県議会で嘉田由紀子知事は議員らと115の傍聴席を埋めた市民らを前に所信表明演説を行いました。その要旨は以下の通りです(全文は滋賀県のホームページhttp://www.pref.shiga.jp/chijiに掲載されています)。

戦後60年、時代は大きな曲がり角にさしかかっている。今、県政改革が求められている。改革の柱は、1)財政再建を中心とする行財政改革、2)破壊された自然の再生と復元、3)未来を担う人育て、の三つである。

選挙中に「もったいないを生かす滋賀県政を」と訴えた。「もったいない」という言葉は過去に県内をあるいたときに地域の方々から教えられた「暮らし言葉」であり「生活哲学」である。「もったいない」は物事の本質的な価値を指し、それが失われたり損なわれたりすることを「もったいない」と表現する。改革の三つの柱を「もったいない」で説明する。

★税金の無駄づかいはもったいない:県債の残高、すなわち県の借金は2006年度末で1兆円を超え、県民一人あたり約73万円となる。昨今の地方交付税の削減などが大きな原因だが、私は行政運営全体として、同じ便益を得るにもより多くの費用を要する高コスト構造に原因の一つがあると考える。

しかし財政再建には県民の痛みが伴う。子や孫が生きる20年後、30年後を見据えた県政が求められている。県の事業を大幅に見直すために早急に外部メンバーによる「施策・事業見直し会議」をたちあげ、県が行うべき仕事を仕分けしたい。

財政再建のために、財政負担の大きい三つの公共事業を凍結するか見直したい。すなわち新幹線栗東新駅、びわ湖周辺の6つの大型ダム、大津市栗原の廃棄物処理施設である。新駅の県負担は117億円、周辺整備にさらに40億円が要る。選挙で訴えたとおり「限りなく中止にちかい凍結」に賛成という県民の意思が示された選挙結果を厳粛に受け止め、実行に取り組む。凍結にあたっては、県、栗東市、新駅設置促進協議会、JR東海の4者の合意が必要である。凍結に向けて問題が山積しているが、県議会のみなさんの意見を伺ったうえで、私が先頭に県として関係者との対話に尽くし、合意が図られるよう努力する。

★びわ湖や自然本来の力、壊したらもったいない:改善しない水質問題、水草の異常繁茂、湖底で進む低酸素化、固有種生物の減少などが続いている。偉大な宝であるびわ湖を生き返らせるため、住民の知恵、科学者の知識、行政の施策の三つの力を合わせて取り組みたい。

県内には国と県が計画するダムが6つある。私自身の約束である「凍結・見直し」に県民が示した意思を受け止め、それぞれについて、地元住民との対話を通じて、その必要性、財政的措置、環境保全などの点から適切な解決策を見出したい。ダムに求められる治水機能については代替案を含めて検討する。「流域治水」の角度から各地域にどのような方法が有効か、最適な方法を探る。

ごみゼロ社会を実現し、ものを大切にする行動は、「もったいない」を生かす社会に変えることにつながる。大津市栗原に計画されている廃棄物処理施設は、大量廃棄の発想から脱却していない。まず、ごみ減量を徹底し、この計画を凍結する。

★子どもや若者の自ら育つ力、損なったらもったいない:家庭や地域の教育力が低下し、不登校やいじめなど、子どもの心をめぐる問題が課題となっている。学校教育が責任を果たすと同時に、経験豊かな地域の人々に教育活動に参加してもらえるよう工夫したい。森や川、湖など、県ならではの自然の場で、精神をはぐくむ機会を増やせるよう、自然の再生、若者のサポーター育成を図る。女性が社会の活力として能力を発揮できるよう、就労、起業、NPO活動など、さまざまな分野でチャレンジできるよう支援する。

★対話と共感で、参加と提案の県政を:県民の安全・安心と魅力ある滋賀づくりも進める。地域のつながりを大切にして、市町と連携し、犯罪のない地域づくり、減災の視点から災害に強い地域づくりを進める。製造業、流通業が強い利点を生かし、企業誘致を積極的に進めたい。

滋賀には京都にも大阪にもない自然と文化の魅力がある。美しい景観と品格のある県土を大切にする。

政策を実現する基本的方法は「対話」である。県民と対話を重ね、参加と提案の県政を実現したい。地方自治体は首長と議会の「二元代表制」である。意思形成には「対話と共感」が大切であり、議員の方々の理解と了解を得て進めることが重要である。

大切なのは「できるか、できないか」ではなく「やるか、やらないか」である。「やる、やらない」という主体的な意思と、その意思を実現するための合理的で共感的な戦略が欠かせない。これから4年間、まっすぐにしなやかに、対話と共感が生きる、次世代に喜ばれる、次世代育成型の県政を生み出し、育てる覚悟だ。

(7月27日付け各紙が報道)


【0607/23:旧愛知川町、公園計画】町監査委員が7月24日、「違法性なし」と監査請求を棄却

2006-07-27 01:55:58 | Weblog

旧愛知川町(現、愛荘町)が愛荘町川久保に計画していた東部地域公園建設を中止した後に用地を取得したのは違法であるとして、町内の会社員が村西俊雄町長に対し、取得費4億1850万円を旧町長に返還させるよう求めていた住民監査請求を、愛荘町監査委員は7月24日、「違法な支出ではない」として棄却しました(ニュース番号0605/10を参照)。

請求内容によると、2005年2月の臨時議会で同公園建設計画を白紙に戻したにもかかわらず、元町長は2005年~2006年に、地権者に用地代金と移転補償費4億
1850万円を支払っていたとされており、また根拠がないのに、用地取得のために県に虚偽の起債申請を行い不適切な財源を使ったと指摘されています。このため元町長に対して全額を賠償させるよう、村西愛荘町長に勧告するよう求めていました。

同町監査委員は「都市計画法に基づく事業認可を受けており、違法な支出ではない。県も適正な申請であると認めており、許可している」と判断し、「違法、不法な公金の支出による財産の取得とは認められない」としたうえで、「議会で『公園計画の白紙』を条件に公共用地として先行取得することが承認されており、一日も早く新たな総合計画を策定して、町民が望む活用を」と町に求めています。

監査請求を行った会社員は「取得の経緯など、すべてを明らかにするために、住民訴訟に持ち込むか、弁護士や支援者たちと相談する」としています。

(7月25日付け、毎日、読売などが報道)

【0607/22:県下水処理場めいわく料返還請求訴訟】7月24日の公判で裁判長が県側へ和解を打診

2006-07-26 02:24:21 | Weblog

県の下水処理施設(湖南中部浄化センター:草津市矢橋帰帆島)の周辺自治体の住民組織に対して県と同処理施設の利用自治体が「環境対策負担金」(協力金)という名目でいわゆる「めいわく料」を長期にわたり支払っていた問題で、市民団体「市民オンブズ淡海」(田中健雄代表)のメンバー4人が、すでに平成11年度~15年度に地元の住民組織に支払われためいわく料(約3500万円)の返還を県が求めるべきであるとして4月に提訴していましたが、7月24日に開かれた第3回公判で(大津地裁:稲葉重子裁判長)、被告である県側に対して、裁判長は和解する意向はないかと打診しました(ニュース番号0604/5を参照)。

この訴訟において田中代表らは、地元の住民組織「矢橋帰帆島対策協議会」に支払われた「めいわく料」は不当利得であるため県が当然返還請求すべきであると主張していますが、県側はこの訴訟そのものが違法であるため実質審理に入ることなく却下するよう、いわゆる「門前払い」にするよう終始求めていましたが、稲葉裁判長はこの日の公判で県側代理人の弁護士に対して、和解する意向の有無を問いただしました。県側の弁護士は、これまで却下することを求めてきたため、まだ訴状で挙げられている関係者に訴訟告知を行っていないとして即答を避けました。次回公判は9月25日(午前10時)の予定です。

田中代表は「どのような意図で裁判長が和解を提案したのか明らかでないが、知事が代わり、新知事が税金の無駄遣いをなくすことを主な公約に掲げているため、県側が弁護方針を変更せざるを得ないという事態が生じる可能性を考慮したものではないか。県側が門前払いの方針を捨て和解に方針転換するならば、大きな前進といえる」と話しています。




【0607/21:新幹線新駅問題】住民団体が7月24日、栗東市長に計画見直しの申し入れ書を提出

2006-07-26 01:32:07 | Weblog

栗東市の住民団体「新幹線新駅を考える会」(玉田実代表)は7月24日、国松正一市長と宇野哲市議会議長に対し新幹線新駅(通称:南びわ湖駅)設置の見直しを求める申し入れ書を提出しました。

申し入れ書によると、知事選の投票結果で、新駅計画の凍結を訴えた嘉田新知事と中止を訴えた新人候補の得票の合計が、栗東市内でも国松善次前知事の得票を上回っていたことを指摘した上で、県民と市民の審判を真摯に受け止め、新駅建設の予算を留保することや駅前の区画整理計画の見直し、地元住民や新駅周辺の地権者などと十分な話し合いを行うよう求めています。

栗東市の国松市長はこれを受けて「嘉田氏が知事に当選された結果は重く受け止めている。一方で新駅設置のために20年以上をかけて、その時々の民意を反映して推進してきた。市では関係者と協議しながら対応していく」とコメントしました。

(7月25日付け、各紙が報道)