滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【0708/111:新幹線新駅問題】新駅結論期限は残り2ヵ月、9月3日に促進協正副会長会議

2007-08-31 17:57:33 | Weblog

栗東市の新幹線新駅問題を話し合う新駅設置促進協議会の正副会長会議が9月3日に栗東市役所で開かれると、協議会事務局(同市)が8月30日、発表しました。凍結された場合の地域振興策や責任問題などの議論は深まらないまま、建設凍結か推進かの結論を出す10月末の期限が迫っており、残り2カ月となった話し合いの行方が注目されます。

議論が進まない要因は、凍結を訴える県と推進を求める栗東市が主張を譲らないためです。嘉田由紀子知事が周辺市などとの協議で解決を図りたい意向なのに対し、国松正一・栗東市長は新駅同等の経済効果が見込める地域振興策を県に要望しています。話し合いは平行線をたどり、4月23日を最後に正副会長会議は開かれずにいました。協議会に加わる周辺市も「打つ手がない」と冷めた雰囲気も漂っていました。

県は、今回の正副会長会議で具体的な地域振興策を複数提示し、手詰まり状況を打開する道筋をつけたい考えです。一方、29日に開かれた栗東市議会特別委員会では、「市として新駅に代わる地域振興策の具体案を出すべきだ」との意見が出ました。栗東市が地域振興策の検討に入るかどうかが焦点となります。

もう一つの課題とされる新駅周辺の土地区画整理事業については、議題にされない可能性もあります。地権者側は、正副会長会議の場で解決の糸口を探ってもらいたい考えですが、県は「事業主体である栗東市の対策を支援する」との主張を繰り返しています。周辺市からも「栗東市と県で話し合うべき問題」との声が強い。

周辺市には「県の財政が好転すれば、何年か後に凍結が解除される見込みもある」と、新駅実現を望む声も消えていません。しかし、JR東海が求める結論は工事の継続か中止かの二者択一。期限が迫ったなかで、「凍結論議」に時間を割くのは不毛との意見もあります。

(8月31日付け朝日新聞が報道)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000708310002

【0708/110:環境問題】木箱の魚道でアユの遡上が復活、環境団体が段差対策

2007-08-31 17:49:19 | Weblog

琵琶湖に注ぐ川の上流に、長年消えていたアユの魚影が戻った。大津市北部を流れる喜撰川。河口から約400メートルに築かれた段差がアユの遡上(そじょう)を妨げていると、環境団体「びわ湖自然環境ネットワーク」などが3年前から魚道づくりに挑戦し、試行錯誤を繰り返してきた。今夏初めて、段差の上流で約1千匹のアユを確認。関係者らは、川に魚を戻す活動の広がりに期待している。

同ネットワークがプロジェクト「魚ののぼれる川づくり」に着手したのは03年。いくつかの川を調査した結果、川の規模や観察しやすさなどから喜撰川を選んだ。同川の段差は大津市和邇中浜にあり、コンクリート製で高さ約1・36メートル。これが「壁」となり、段差を境に上流では極端に魚の種類が減っていることも調査でわかり、生態系への影響も心配された。

最初の魚道は05年5月、縦約1メートル、横約80センチの木箱7個をクレーン車を使って設置した。材料には、森も元気になるようにとの思いから、ヒノキやスギの間伐材などを使った。

しかし、魚道をつくったのは経験のない素人ばかり。木箱のすきまから水が流れ出したり、木箱の底が抜けたりとアクシデントに見舞われ、1年目の試みは20日間足らずで終わった。

06年3月、再び木箱を設置。補強された魚道は大雨にも耐える強さをみせたが、アユの姿は確認できなかったという。

今年、魚道はさらに改良を加えられた。段差と水流の間にできる空気層をアユが嫌うと聞き、魚道の段差に滑り台状の板を設置。その角度が緩やかすぎるとわかれば、再び付け直した。

そして8月。川近くの住民から吉報が届いた。「アユが上がってる」。体長15~20センチのアユが白い腹を見せて群れをなしていた。茶色い砂で埋まっていた川底は、アユの激しい動きで砂が除かれ、黒光りした石が見えるようになった。

同ネットワークの寺川庄蔵代表は「今回の試みや成果がきっかけになって、市民自らが行動を起こしてくれたらうれしい。NGOの活動に行政も加われば、生態系も大きく改善するのではないか」と話している。

(8月31日付け朝日新聞が報道)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000708310003

【0708/109:医師不足問題】応募ゼロで締め切り延長へ、県の産科と小児科の医師確保策

2007-08-31 17:40:21 | Weblog

産科などの医師不足解消に向け、滋賀県が500万円の資金提供を打ち出して県外の医師を募っている制度に、応募が1人もない状態が続いています。締め切りは8月31日で、県は募集期間を延長することにしていますが、医師確保の有効な策は見つかっていません。

対象は、県外の病院などに勤務し、医師免許取得後5年以上となる産科医と小児科医で、1人ずつ募っています。勧誘策として「地域医療研究資金」の名目で500万円を用意し、公立病院などで2年間勤務すれば、返済を免除します。ほかにも、県職員として身分を保障するとしています。

県によると、ホームページで告知しているほか、病院関係者が集まる会議で制度の説明をしているとのことです。しかし、29日現在、応募だけでなく、医師からの問い合わせもありません。県医務薬務課は「県外の医師に直接伝えるすべがなく、制度が周知されていないようだ。PR策も検討し、応募があるまで続けたい」としています。

県内では、彦根市立病院や近江八幡市立総合医療センターが分娩(ぶんべん)の取り扱いを中止するなど、県の湖北や湖東、湖西地域で産科医、小児科医の不足が目立っています。

(8月31日付け京都、9月1日付け毎日が報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007083100022&genre=A2&area=S00

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070901ddlk25100419000c.html

【0708/108:交通問題】近江八幡市、新年度から市民バス導入へ、地域や運行方法を調査

2007-08-31 17:29:49 | Weblog

近江八幡市の冨士谷英正市長は8月30日、新年度から高齢者支援策などで市内循環バスの空白路線に市民バスを運行する方針を明らかにしました。12路線に12台の「コミュニティバス」(定員15人)を運行させる計画で、地域や運行方法などを調査するため、5日開会の市議会に市民バス導入業務委託費230万円を提案します。

市民バスは、昨年末に就任した冨士谷市長の公約の一つです。来年3月末で末広会館や桐原会館などが廃止されるのを機に、市役所や病院などへの足を確保するのが狙いです。また、路線バスは運行されているが、時刻表が不便な地域の解消や、島学区と馬淵学区でタクシー通学をする児童の足を確保するなど、多角的なメリットを期待しています。

市都市整備課によると、市内では民間の循環バスが12路線で運行されていますが、一部に空白地帯もあり、市民バスがカバーします。また、観光客の多い八幡堀周辺など駐車場対策にもなると期待しています。

(8月31日付け毎日新聞が報道)

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070831ddlk25010585000c.html

【0708/107:琵琶湖環境問題】暖冬の影響は、「市民大学」が来月、水質や泥を調査

2007-08-31 17:23:28 | Weblog

◇市民サイドでも新たに解明へ 深層部の酸素濃度低下を懸念

記録的な暖冬の影響による湖水の循環不全や湖底付近の低酸素化などが懸念される琵琶湖北湖(琵琶湖大橋以北)で、市民や学生、研究者らのグループ「琵琶湖市民大学」(代表、讃岐田訓・京都学園大教授)が9月、水質や湖底の泥の調査を行うことを決めました。今年3月には、暖冬を心配した県琵琶湖環境科学研究センターや京都大などの研究者有志らが緊急声明を発表し、合同調査に着手しましたが、これとは別に、市民サイドから温暖化の琵琶湖への影響を解明するため、新たに調査に乗り出します。

水道水の危険性などが注目された80年代には、京阪神の若手研究者らが市民とともに調査団を結成し、琵琶湖を調査しました。当時の参加メンバーだった石田紀郎・京都学園大教授や讃岐田さんらが02003年、現在の若手研究者や市民と「20年目の琵琶湖調査団」を“再結成”し、琵琶湖を調査しました。2005年に同調査団は「琵琶湖市民大学」に発展し、琵琶湖調査と合宿形式の連続環境講座を両輪として活動を展開してきました。

「調査団」と「市民大学」はこれまでの琵琶湖調査で、南湖の湖底泥中の窒素濃度が約20年間で約1・5倍となったことや、水上バイクが多く走るエリアで、ベンゼンなどの濃度の上昇を明らかにしています。

北湖では、例年は冬から春にかけて起きる表層と深層の水が混合する現象“琵琶湖の深呼吸”が暖冬の影響で今年は不完全だった可能性が指摘され、深層部の酸素濃度の低下や水質の悪化が懸念されています。

「市民大学」もこの状況に着目し、調査することを決めました。研究者や、これまでの環境講座の受講者ら約30人(予定)が来月8日に湖北町に集合し、学習会を開催。翌9日に北湖の9地点で水質と湖底の泥の調査を行う予定で、成果が注目されます。

(8月31日付け毎日新聞が報道)

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070831ddlk25040507000c.html